ドラマのような、恋をした 1 【35歳も離れた女性との、物語の始まり】

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あらかじめお話しておきますが、エッチなどの描写はありません。

それを踏まえて、読んでくださいね。

今から、2年前の4月のこと。

私は、市内で催されたある話し合いの場にいました。

手術の経験者がここに集い、おのおのの経験を話したりする場所です。

私は幼い頃、大腸疾患での手術を受けました。

物心が付いた頃には、お腹に傷跡がありました。

私には、二つ下の弟がいました。

一緒に風呂に入ることもありましたが、なぜか、弟のお腹には、傷跡はありませんでした。

すごく、引け目を感じていました。

その話し合いが終わり、私はすぐに帰ろうとしていました。

「ごめんなさい。少しだけいいですか?」

突然、後ろから声をかけられて、振り返りました。

「あっ、はい、いいですよ」

彼女と会場の庭にあるベンチに、並んで座りました。

その女性は、まだ20代くらいに感じました。

私とは、年齢もだいぶ違います。

当時、私は59歳。

定年を、翌年に控えていました。

実は、私は50歳で初めての結婚をするも、2年で離婚しました。

もう、年齢のことを考え、結婚はあきらめていました。

そんな私に、まさかの事態が起きるなんて、当時の私には、知る由もなかったんですね。

私に話しかけてきた女性は、まだ24歳。

過去に心臓疾患で手術の経験があったそうです。

まだ、彼女が10歳のこと。

突然、心臓の鼓動が不規則になったそうです。

彼女の病名は、心臓弁膜症。

テレビのコマーシャルでも、最近耳にする病名です。

心臓の弁が、突然機能を失う。

当然、緊急手術。

なんとか、命だけは取り留めました。

麻酔から覚めた彼女は、自分の体を見て、愕然としたそうです。

体に、傷跡がある。

男性なら、仕方ないと割り切れることも、女性からすれば、大ショックですよね。

あれから、毎日、学校の教室の片隅に、ポツンと一人ぼっち。

当然、体育の授業なんて、できません。

それをやっかむ、クラスメートもいたそうです。

彼女は心を閉ざし、制服のスカートさえ、履くことはなかったそうです。

「治療に、どれだけかかったの?」

など、心ない言葉を浴びたそうです。

彼女は、話し合いの場にいましたが、結局、発言することはありませんでした。

そんな彼女が、なぜか、私に話しかけてきたのです。

「もし、良かったら、だけど、、、アドレスを教えてくれませんか?」

突然のことで、悩みましたが、受け入れ、アドレス交換をしました。

その日の夜、彼女がメールをくれました。

「今日は、本当に、ありがとうございました。私の話を聞いてくれて、ホッとしました。また、お話しさせてくださいね」

「こんな私でも、いいんですか?別に私は、構わないですよ」

次の日、私は心臓弁膜症について、詳しく調べました。

機能しない弁を、手術により、人工弁と交換する手術であること。

それも、二種類あること。

ひとつは、半永久に使える弁であること。

ただし、これを選択した場合、血液をサラサラにする薬を、毎日飲むこと。

ということは、いざという時に、血が止まらないというリスクがあります。

もうひとつは、定期的に交換する必要がある弁であること。

おおむね、その周期が、15年であること。

ということは、傷跡がまた増えるというリスクがあります。

彼女の両親は、定期的に交換する必要のある弁を選択したんですね。

その後、彼女が高校生の時の話をしてくれました。

初めての友達ができた時のこと。

だけど、なかなか受け入れることができず、何度も激しい言い合いになったとか。

だけど、クラスメートたちも、あきらめませんでした。

彼女は根負けし、手術後、初めての友達ができました。

やがて、仲良しのクラスメートの何人かに、彼氏ができました。

お付き合いが始まり、仲良く並んで帰る姿を見て、心が揺れたそうです。

だけど、

【この体では、恋愛なんてできない】

そう思ったそうです。

高校を卒業して、まもなく9年。

彼女の友達には、結婚してママになり、一部は引っ越しして、近畿や九州に移り住んだ人もいるそうです。

もちろん、今も、交流は続いていますよ。

あの頃、それぞれの理由があり、お互いに

【結婚はしない】

というスタンスでした。

ところが、あれから数ヶ月が過ぎ、話は思わぬ方向へと動き始めることになります。

次回では、物語のシナリオを、

【想定外なレベル】

に変えた、その日について。

そして、それ以降の話もしていこうと思います。

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