僕には中学時代、女の子の親友がいた。
転校生だったんだけど、転校してきた途端クラス中が一目惚れするような可愛い子。
それだけに周りから勘違いされて、時には嫉妬から陰湿な事もされたけど、不思議と恋愛感情までは発展せず、お互い恋愛の事や将来の事の不安を事ある毎に相談に乗り合う仲だった。
高校は近いけれど別々の高校へ。
当然、会う機会は激減した。
でも、たまに電話で2-3時間話すのが何よりの楽しみだった。
高校1年生のクリスマス、お互い恋人がいなかった僕達は映画を見たりして1日を一緒に過ごした。
その時、何かのキッカケで
「2人だけのタイムカプセル作らない?」
って話になった。
既に辺りは真っ暗で門限は過ぎていたんだけど、寒い中誰もいない中学校の校庭の隅っこに埋めた。
入れたものは、25歳になった時の自分達に宛てた手紙。
「○○ちゃんは、僕にとって親友以上の親友だよ。25歳になっても、変わらない2人でいられたら良いね。もし25歳になっても良い人がいない時は、僕が貰ってあげるよ(笑)」
その子の25歳の誕生日に学校に集まり、開ける約束をして僕らは別れた。
そしてつい先日、”その日”が来た。
大学受験シーズンに突入して以降、パッタリと連絡を取らなくなってしまったけど、その約束の事は憶えていた。
しかし休日にも関わらず、生憎大事な仕事が入ってしまい、家に帰った時には時計は23時を回っていた。
「来てくれてたとしても、もう帰っちゃったよな…」
その子は忘れん坊だったし、多分憶えていないだろうなと思っていたけど、それでもやっぱり気になって、ダメ元で僕は学校に急いだ。
あの日と同じように周りは真っ暗。
友達との待ち合わせによく使った、門の前に誰かが立ってるのが見えた。
「まさか…」
こんなドラマみたいな事、有り得ないと思った。
でも近付くと、紛れもなくその子だった。
「久しぶり♪」
「いつから待ってたの…?」
「お昼頃から。遅いよ、もうっ!(笑)」
良い歳した大人が、真夜中に中学校の校庭を掘り返してる…よくやるな、なんて思いつつあの頃に戻れたみたいで僕は堪らなく嬉しかった。
そして見つけた、2人だけのタイムカプセル。
警報器がない武道場に移動して、電気を点けて僕達はその手紙を交換し合った。
驚いた。
信じられないけど、僕とあの子はほとんど同じ事を書いていた。
「○○君は、『親友』なんて言葉じゃ表せないぐらい大切な大切な存在だよ。10年後も変わらず仲良く出来てると良いな。もしまだ私に良い人がいなかったら、もらってあげてください」
読み終わった後、確かめるようにもう1度手紙を交換して自分が書いた内容を確認。
そして2人で笑い転げた。
「あー、もう0時過ぎちゃったね。1日遅れちゃったけど、誕生日おめでとう!」
その後思い出話に花を咲かせて、ケータイのアドレスを交換して、彼女を家まで送って僕らは別れた。
今年のクリスマス、一緒に映画見に行きます。