■外出
3度目の撮影会の翌日は、ナオの様子が少しおかしかった。おはようと声をかけると、
「おはよ」
と小さな声で返す。
「どしたん?調子悪い?」
そう聞くと、少し言いづらそうに
「なんか若干ね、おなかが痛いというか」
「あれま」
そう言いながら、下腹部をさすった。昨日異物を出し入れした挿入感や跡が残っているのかもしれない。いままでしたことがないような激しい行為だったのだろう。加減を知らない、真面目な彼女らしい失敗だ。
「大丈夫かい?」
「え、う、うん、全然、大丈夫。ほんと」
だが下腹をさすりながら、ふとした瞬間に目を伏せて頬を赤らめているのを見ると、昨日の痴態を思い出して興奮しているのかもしれない。
ナオの日常生活に、秘めた本能が侵食してきている。
しばらく何もなかったが、とある平日の夜、夕食を終えてゆっくりしていると山本さんからメールがきた。
(おせわになります。本日分です。)
本日分ということは、今日撮影会があったのだろうか。とりあえずダウンロードをしてから、ナオの様子をみた。
「なにか顔についてる?」
見たところ、何も変わりはないし、ナオからも聞いていない。とりあえずナオが眠りにつくのを待ってから、動画を見ることにした。
ーーー
そこは雑居ビルの屋上で、階段の降り口と、掃除用具などの雑品が置かれているだけのスペースだった。おそらく、いつもの会議室があるビルだろう。周囲のより高いビルに囲まれてはいるが、不思議と静かな空間だ。
そしてカメラマンがやってきたが、今日は二人だけだった。その後、ナオも登場した。今日はこの衆目の中で撮影すると言うのか。普段ロングスカートですら嫌がるナオからは考えられない事態だ。
ナオは麦わら帽子に水色のワンピース姿で、お出かけトートを提げてサンダルを履いていた。今日はドロンジョ様マスクは着けずに、色が濃く縁の厚いメガネをかけていた。それでもうっすらと瞳が見える。
ナオがカメラマンに一礼すると撮影が始まった。振り向いたり帽子に手をあてたりと、ポーズをつけて無難な撮影が続く。しばらくそんな撮影を続けて一息ついたところで、カメラマンから指示が出た。
ナオは麦わら帽子をとり、恐る恐るワンピースの背に手をかけた。そして、一瞬ためらい
「大丈夫、、」
自分に言い聞かせるように呟いてから、意を決してファスナーを下ろした。ワンピースがするりと落ち、白いレースのブラとショーツにだけをまとった姿になった。
そしてカメラマンの指示で、またポーズをつけていく。きっと、周りのビルからは見えてしまっているだろう。その場にいれば当たり前に意識させられるその事実は、彼女を上気させるのに十分だった。ポーズをとる彼女の露出した肌に、次第に赤みがさしていく。これがあの堅物のナオだというのか。いま目の前で下着姿で嬉々としている彼女は、いつもよりも輝いて見えた。
そして、また指示が出た。小さくうなずいたナオは、ブラに手をかけると、ためらいなく脱ぎ捨てた。そして、ショーツにも手をかけて脱ぎ落とした。
昼間の雑居ビルの屋上で、ナオがすべてをさらけ出した。やせ形だが年相応に肉付いて上気した肌は扇情的で、無毛の股間に少しだけはみ出た小陰唇が見えた。小ぶりだが張りのある胸で勃起した乳首が彼女の興奮度合いを物語っている。サンダルだけ身に付けている違和感が、非日常的な行為だと意識させた。
すべてをさらした彼女に、フラッシュが炊かれる。一線を越えた彼女は、生き生きとして見えた。時おり、自分が白昼で肌をさらしている事実をたしかめるように周囲に目を向けるが、ためらう様子は無かった。
そうしてしばらく撮影が進み、またひと息ついたところでカメラマンがナオに掃除用のモップを手渡した。それを受け取った彼女は、立ったままプラスティック製の柄に跨がるようにしてから、柄に舌を這わせてねぶりまわした。そうして柄を自分の唾液でどろどろにしてから、ゆっくりと股間のヒダに擦りつけはじめた。
「あ、だめ、、」
粗雑なプラスティックが、彼女のヒダにある突起を荒く刺激する。次第に擦り付ける強さが増していき、柄がしなっていく。
「ん、ん、んっ」
周囲の目を気にするのも忘れて、漏れ出してしまう声で自分の興奮を加速させていく。
我慢できなくなったナオは、柄の先を股間のヒダにあてがってヒダをかきわけ、中の肉壁の奥へ押し込んでいく。
「ん、んぐぅ」
声を出さないように必死に我慢しながら、腰をうごかす。顔をうつむけて刺激に耐える彼女にフラッシュが炊かれる。またその光にあわせて、彼女の動きが激しくなる。
「う、ぐ、ぐっ」
ナオのヒダから滴った粘液が足下に広がっていく。そして、激しい腰つきが急に途切れる。
「ふぐっ、ん、、」
ビクビクっと体を震わせながら、必死に堪えて立っている。おそらく達したのだろう、堪えながら快感の波が引くのを待つ。そして、モップの柄をゆっくりと引き抜く。
「うっ」
抜ける瞬間、また刺激がかけぬけた。ナオはモップの柄を落とし、膝に手をついて肩で息をついた。彼女の呼吸のまま、肩が上下する。
しばらくそうした後、ナオが落ち着くと片付けが始まった。彼女は裸のまま、脱いだ下着を拾い上げて丁寧に畳んでバッグにしまっている。
はて、なぜ片付けを写しているのだろうと思っていると、山本さんが現れた。
「おつかれさまです」
と山本さんから声がかかると、ナオは片付けをしながら恥ずかしそうに「はい」とこたえた。ただ、自分の胸や股間を隠す素振りはみせなかった。
「それでは、移動のほうをやりましょうか」
移動?どこかにいくのだろうか。そう不思議に思っていると、ナオがまた「はい」と頷いてから、ワンピースを着はじめる。下着は仕舞ってしまったので、裸体にそのままワンピースを纏った格好だ。薄手の生地だからか、体のシルエットが丸分かりで、よく見ると胸は乳首から乳房まで透けて見えている。
そして、ナオは自分の鞄から何かを取り出した。それは、革製で細めの貞操帯とローターだった。先日買ったものだろう。
彼女はワンピースの裾をまくり、ローターを手に取って股間のヒダを探るようにして中に埋める。その上から革製の貞操帯を履いて、ローターから伸びたコードとバッテリーを留め具にはさみ、ウェストをぐっと締めた。
「んっ」
一瞬感じた様子だが、そのまま状態を確かめるように少し歩いたりしていた。
「だ、大丈夫そうで、すぅ」
すでに気持ちが高まっているのか、少し声が上ずっている。ローターは動作していないようだが、自分のいまの状態に思いを巡らせて興奮しているようだ。
ワンピースから透ける貞操帯は下着に見えなくもないが、そこに異質なものがあることが明らかに分かってしまう状態だった。彼女はカメラマンに白いリモコンのようなものを手渡し
「準備できました」
と言った。
「それでは、始めましょうか」
山本さんの一声で”移動”が始まった。
ナオが鞄を提げ、階段の降り口に向かう。すると、この動画の画面もガタッと揺れ、ナオを追いかけるようなアングルになった。山本さんが持ち出して追跡するのだろう。カメラマン達も小さな鞄を提げ、ナオの前を進む男とナオの後ろにつく男に別れている。どうにかして、撮影できるようになっているのだろう。山本さんもナオの前に回り込んで、正面のアングルからナオをとらえる。
「はぁ、はぁ、」
と息を荒らげながらナオは階段を降り、とうとうビルから出た。
そこは都心から少し離れたオフィス街で、ある程度の人通りがある場所だった。ナオは辺りを見回した。誰か、知人がいないか確かめているのかもしれない。
だが、薄手のワンピースから貞操帯をつけた裸身を透けさせている状況は変わらない。せめてもの抵抗か、肩に提げた鞄を手で抑える格好で少し俯きがちで、前の男についていく。
前の男はこの近くにある公園に向かうらしい。ビルから出て少ししたところで、ナオがビクッと体を震わせて肩をすくめて立ち止まった。
後ろの男が、リモコンのスイッチを入れたのだ。ナオはしばらく動けなかったが、歯を食いしばって拳を握りしめ、ゆっくりと歩みを進める。辺りからちらっと目を向けてくる者もいたが、もはや彼女の視界には入っていなかった。
ナオは少しずつ歩みを進め、なんとか刺激に慣れようとする。だが、ふと気がゆるみ、近くの壁に手をついた。
恥ずかしさと快感がない交ぜになり、目に涙をため、ふぅふぅと息をあげる。そのまま呼吸整え、また歩みを進める。ナオの足首の辺りを見ると、股間から垂れてきた粘液で光っているのがわかった。
そのまま、少し歩いては止まるのを繰り返し、近くの公園にたどり着いた。都心の公園だからか、利用者は見当たらない。
ナオは木陰のベンチに倒れ込むように腰を下ろしたが、
「うっ」
と声をあげた。ベンチの座板にローターが押し込まれるようになってしまい刺激されたのだ。
「も、もう、そろそろ、、」
涙目でナオが懇願する。限界なのだ。
「そうですね、そろそろ終わりにしましょうか」
カメラマンがそういうと、ナオは辺りを見回してからベンチに足を上げてM字の態勢になった。カメラマン達はカメラを取り出し、撮影をはじめる。
股間では、粘液にまみれた貞操帯がブーンという音を放っている。彼女は腰の留め具に手をかけて貞操帯を外し、振動を続けるローターのコードを引っ張って引き抜いた。
「うっ、」
抜く瞬間、いままで我慢していた色々なものが崩壊した。
「だ、ダメぇ、、、」
ナオのヒダの肉壁にある小さな穴から、透明な液体がジョボジョボと流れ出した。全身が弛緩したまま、彼女の目尻からも涙が流れ出る。ナオから流れ出るあらゆる液体が、彼女の股間と公園のベンチを濡らした。
その姿にフラッシュを浴びせらると、彼女は、ビクッビクッと痙攣した。だが表情は恍惚としていた。
すべてを出しつくすと、彼女はそのまま意識を失った。
そして、ここで動画が終わった。
私は唖然としていた。
彼女は極端に身持ちが固いと思っていたが、それは間違いだったのだろうか。
ひとの目があるような場所で自分の大事な部分をさらけ出せる彼女が別人に見える。
だが、淫らに悶える彼女は紛れもなくナオだ。
彼女は秘めていただけだ。