■1日目
主婦になってからそれなりにしてたけど、すこしだけ日常が物足りないのも事実でした。
そう感じていた私に転機が。きっかけは、撮影会のモデルです。
身長が高く胸もない私はいつも女扱いされず、以前の職場でも男子枠の扱いをうけていました。だから人前で肌をさらすなんて、嫌で嫌でしかたがありませんでした。
そんな私がモデルをお願いされたのです。とある撮影会で、アクシデントでの代役でした。
その時は、モデルなんてとんでもないと思いました。でも心のどこかに、自分を変えたい、見返したいという気持ちがあったのだと思います。
それで、思い切って受けてみたんです。
撮影会はポーズをとって写真をとられるだけでした。それでも、ものすごい高揚感がありました。
若くもなくスタイルが良いわけでもない自分を、撮影してくれる人たちがいるんです。いままで感じたことのない感覚でした。
それから、下着を見せてほしいとか、胸を見せてほしいとか、リクエストがくるようになりました。
そんな度を越えた要望でも、いやな気はしませんでした。そういう姿を見たいと言ってくれるんだと思うと、気持ちが良いのです。
これまでとは違う自分を出せることが、楽しかったのかもしれません。
そして、撮影会はこれだけでは終わりませんでした。知り合いの方から、企画もののAVへの出演を打診されたんです。
当然お断りすることはできました。さすがにまずい、と自分でもわかっていました。
それでも、もう自分の何かが変わってしまっていたのでしょう。私は受けた後のことばかり考えていました。
どう撮られるんだろう、どんな姿を見られるんだろう。誰かに気づかれないかな。
結局、オファーを受けることにしました。
私がモデルをしていることを夫は知っていますが、それ以上の内容までは伝えられていません。
こんな淫らなことをしていると言えば、反対されるでしょう。でも本当は正直に伝えたい。
だから、日記をつけることにしました。いつか、伝えることができれば、と思っています。
もしかすると、夫が見つけることを期待しているのかもしれません。
—
なぜこんなことに思いふけっているかというと、実は今日は私が出演したもののリリース日なのです。
何人か女性が出演しているので、私は小さな扱いだとは思います。
でも、知りたいんです。私のことがどんな風に映ってるのか。撮影会でも自分の写っているものを見たことありません。
だから見に行くことにしました。ネットで探し、歩いて行ける場所にあるアダルトDVD販売店です。
私は普段かけないブ厚い眼鏡をかけ、地味なグレーのルームワンピースを身に着けて小さなバッグを手に出かけました。
スマホの地図を頼りにしばらく歩き、目当ての店を見つけました。大きな駐車場のある路面店です。すりガラスで店内が見えないようになっていて、18歳未満入店禁止と書かれています。
店内入ってすぐのところがDVDとブルーレイのエリアになっていました。商品棚の合間にディスプレイが置かれていて、サンプル?の映像が流れています。
「うわ、すごい」
思わず声が出てしまいました。女優はみんな綺麗でグラマラスです。そんな彼女らが、動画の中で激しいセックスをしていました。
(私もあんな風に見えるのかな)
少し体が火照ってきた気がしたので、手でパタパタと顔をあおぎました。
「えっと、ジャンルは何かな」
出演したのはアダルトグッズのモニターをする作品です。表紙がこちらを向いているパッケージから作品を探していると、
「何かお探しですか?」
と急に声をかけられびっくりしました。エプロン姿でタグをつけた青年です。店員でしょうか。
「ちょっと探し物で」
「作品名わかりますか?」
「えっと、わからないのですが、きょう発売のもので」
「ああ、何本か入ってますね。新作は向こうにまとめてあるので案内しますよ」
店員が誘導してくれるらしいので、ついていくことにします。
「めずらしいですね。女の人がお店にくること無いので」
「そう、ですよね」
そういわれると、急に恥ずかしくなってきた。
「ここにあるのが今日発売のです」
そう言って青年はレジ奥に帰っていきました。さっそく私は、平置きされたDVDのパッケージを順に見ていきます。一度にたくさんの作品が発売されているんだなぁ。
そうしてみていくうちに、とうとう見つけてしまいました。
「モニターレディ素人女性が自撮りでアダルトグッズをレポートしながらイキまくり」
と書かれたパッケージです。それを見て驚いてしまいました。
(表紙!)
なんてことだ。小さく欄外にでも載っているのだろうと思っていたのが、ど真ん中でいやらしい格好をした私がこちらに目線を送っています。
震える手で、パッケージを手に取り再確認しました。見ただけで私とわかってしまいます。
(やばい、これ、やばい)
表現できない感情が体をめぐります。
(私が表紙になってる。誰かにみられたら。知り合いに見られたら。夫に見られたら。ヤバいヤバいヤバい)
でも、なぜか気持ちが高まる。見たい。私がどうなってるのか、見たい。
DVDを買うことにしました。恐る恐るレジに持っていくと、先ほどの青年が受けてくれました。
気づかれないだろうけど、自分が出演しているものを買うのは、ものすごく恥ずかしい。
「3300円です」
私の財布には少し厳しい値段でした。彼は袋詰めしながら、表紙をみてから私を見て、また表紙を見て首をかしげている。
(まさか、気づかれた?)
青年はそのまま袋の持ち手をこちらに向けた。
「お買い上げありがとうございます」
袋を受け取るとき、青年が言いました。
「これ今日買って帰ります」
自分の顔が紅潮するのがわかる。逃げるようにお店を離れました。
—
少し離れたところで呼吸を整えます。彼はDVDの表紙が私だと分かったのでしょうか。
深呼吸してもなかなか呼吸が整わない。それどころか体が熱くなってきて、
(もしかして気づかれたかな)
余計に動悸が激しくなって、頭がぼうっとする。
(見ず知らずの男性が、私だと分かって私の淫らな姿を見るんだ)
気が付くと私は目の前の寂れた雑居ビルに入り、トイレを探して誰もいないのを確認してから個室に入りました。
便座に座り、もう何をするのももどかしくなり、ワンピースの裾を乱暴にたくしあげてショーツを下ろしていました。
そして、バッグから取り出したDVDの表紙を見ながら、指でクリトリスを擦ります。
歯を食いしばって、声にならない声を上げて、ダメだとわかっていても、指が止まりません。
きっと、外からは私から漏れる声が聞こえているでしょう。でもそんなことでさえも、私を高ぶらせる理由になります。
DVDを落とし、その手を股間に這わせ、指を膣の中に入れました。ぐちゃぐちゃと中から掻き出すようにすると、爪が膣の壁に食い込み気持ちいいんです。
そして、もう片方の手の指でクリトリスつまみ上げると、しびれるような快感が体を貫きました。
(だめだ、いっちゃう)
頭の中で何かがはじけて、私は達していました。指も股間も便座も、私から流れ出たもので汚れてしまいました。
便座に座ったまま、ぼーっとして呼吸を整えてました。頭の中がごちゃごちゃになりました。
(わたし何やってるんだろう)
自己嫌悪。でも、これが私なんです。隠しちゃいけないんだ。
私はワンピースの背中に手を入れてブラをとりました。そしてショーツと一緒にトイレのごみ箱に入れます。DVDをバッグに戻して、個室を出ました。
洗面所の鏡に自分の姿を写す。火照った表情で、ワンピースの上からでもノーブラなのが分かります。
恥ずかしい。でも、ものすごく気持ちいい。下着を着けていないだけで、解放されたような気持ちになります。
「よし!」
気合を入れて、ビルからでました。
そんなに人通りが多い場所ではないのですが、日中に家の近くをノーブラノーパンで歩く背徳感。
股間から漏れだした私の液が、太ももからふくらはぎまで伝っているのがわかります。
あえてわかりやすいように、背筋を伸ばして小さな胸を突き出します。
(誰か知り合いに見られたらバレちゃう)
また粘着質な快感がじわじわと私を攻めてきます。でも、ものすごく爽快です。
不思議と、足取りが軽くなります。刺激をゆっくりと味わうように、家路につきました。
そして、家について、ベッドルームの姿見の前でワンピースを脱ぎました。
全身がピンクに火照っていて、乳房が張っていて乳首が立っています。
太ももから足まで、私から漏れ出た液で濡れています。
これが、私なんだ。