■モニター
先日の撮影はナオにまた変化をもたらしただろうか。いま彼女の欲望の手綱を握っているのは山本さんだ。正直複雑な心境だが、外から彼女の淫らな姿を眺めることに楽しみを覚えているのも事実だ。
そんなことを考えていると、また彼女から相談があった。
「ちょっといいかな」
「お、なんかあった?」
「実は、また声がかかってさ」
「おぉ、撮影会?」
「ううん、今度は違うんだよね。山本さんから普通のバイト的なやつの紹介」
「そうなんだ、いいと思うよ。難しそうなやつ?」
「え、えっと、なんか、コスメのモニターみたいなやつで使ってみて感想言うんだって。ちょっと時間かかるけど、結構もらえるからやってみる?って」
「へぇ、面白そう。やってみたら?」
「うん!」
ナオは上機嫌だった。今回は化粧品のモニターらしいので動画が期待できないのが残念だなと思った。
週末、ナオは昼になると「いってきます!」と元気に出ていった。ノースリーブにカーディガンを羽織り、珍しく短めのスカートを身に付けていた。撮影の影響だろうか。
その夜、ナオは少し遅い時間に帰宅した。
「ただいま、、」
ぐったりと疲れている。
「はぁ、つかれた」
そういったナオは疲れてはいるが、充足感に満ちているようだ。
「ごめん、先寝るね」
そう言って風呂も入らずに寝てしまった。そんなに激務だったのだろうか。
少し声も嗄れているようだったので不思議に思っていると、スマホにメールが着信した。
(お世話になります。本日分です。)
山本さんからだ。
今日は化粧品のモニターと聞いていたが、違ったのだろうか。それとも、ああ言っていたが何か別のバイトだったのだろうか。
動画を見ればわかることだと思い、早速確かめることにした。
―――
そこは、いつもの撮影会の事務室だった。部屋の中央には大き目の革ソファーと収納箱が置かれていた。
まずナオが登場し、その後男が二人入ってきたのだが一人は何も持っておらず、もう一人のカメラマンが持っているのはビデオカメラだった。肩には何かの機材らしきものを提げている。
そこに山本さんが入ってきてナオを紹介した。
「こちらが今日お願いするナオさんです」
「はじめまして」
緊張した様子でナオが頭を下げると、二人もこたえた。
「ビゴプロの遠藤です。お時間ありがとうございます。こちらは本日撮影担当の吉崎です」
挨拶が済むと、吉崎が準備を始めた。ビデオを三脚に固定して音声マイクを設置したり、レフ坂の角度を調整したりしている。
その間、遠藤という挨拶をした男から説明が始まった。
「さっそくですが、今日はこちらに用意したものを順に試していただきます。特に指示は出しませんので、箱の中からご自由に選んでください。撮影中は我々の声は一切入りませんので、ご自身でできるだけ具体的にレポートをお願いします。しゃべるのは結構疲れると思いますので、最初は簡単なモノからが良いと思います」
「はい」
とナオ。
「途中休憩を入れます。もし気分が悪くなったりしたら、遠慮なくおっしゃってください」
「ありがとうございます」
「ひとつに時間をかけず、ある程度のテンポでお願いします。ノルマというわけではありませんが、最低でも3個程度を目指してください」
「段取りはありますか?」
「最初に自己紹介をお願いします。事前に出していただいたものでOKです。あとは基本的に箱から取り出して、まずはカメラに向けてグッズを見せて軽く説明してください。それから使ってみて感想を言う流れでお願いします。まとめて紹介できるものもあると思いますので、そのあたりは臨機応変に」
「わかりました」
「あと山本さんから伝わっていると思いますので念押しになりますが、本日の成果物の用途は商品開発とそれに付随する業務になります。付随業務には、いわゆる単体販売も含まれます。大丈夫ですか?」
「、、、はい。大丈夫です」
神妙にうなずくナオ。
「ありがとうございます。どうしてもということがあれば教えてください。それでは箱に下着がありますので、まずは下着の着替えをお願いします。今お召しの服は下着を変えたらまた着てください」
「はい」
ナオは用意された箱から下着を探し出し、初対面の二人がいるその場で着ている服を脱ぎはじめた。
一度真っ裸になってから、用意された下着を身に着ける。下着は赤い花柄のオープンブラで、肝心の部分に生地がなく乳首が丸見えだ。ブラとお揃いのショーツも大事な部分にスリットが入っているタイプだった。
「、、事前に確認させていただいていますが、あらためて、本当にお美しいですね」
遠藤に褒められてナオは嬉しそうだった。彼女はその上からまたノースリーブとスカートを着た。着替えが終わる頃にはカメラマンの準備も整っていた。そして、様子を確認した山本さんが声をかけた。
「そろそろ私は失礼します」
遠藤が山本さんを見送る。山本さんは部屋を出るときに小声で言った。
「事前にご説明した通りマスクをお願いしますね。あと動画の件も」
「そうですね、わかりました。その辺は流れで。動画は終わり次第送ります」
ありがとうございますと言って、山本さんは部屋を出た。山本さんがいなくなって心細そうにしているナオが遠藤におずおずと言った。
「あのすいません、いつものマスクは、、」
「あぁ、失礼しました。マスクをしていただいて大丈夫ですのでご安心ください」
遠藤はドロンジョ様マスクをナオに渡した。ナオは少しほっとしたような表情を見せた。
「気が変わったら、外していただいても問題ないです」
そういって遠藤はにやりと笑った。
「それでは始めましょうか。ナオさん、ソファにお座りください」
うすうす気づいてはいたが、これはコスメのモニターなんかじゃない。単体販売という単語がでていたが要するにAVだ。ナオはそれがわかっていて受けたのだ。
―――
ナオはソファに腰掛けて膝を閉じ手をおいている。カメラマンがスタンバイし、遠藤がゴーを出した。
「お願いします」
私が見ている映像のアングルが変わった。カメラマンが撮っている映像だ。今日はこのアングルで進行するのだろう。
ナオは緊張しているようで、眉一つ動かさずにカメラを見ている。
「ふぅ、」
すべてを吐き出すように息ついて、ナオはゆっくりと口を開いた。
「ナオです。30台の専業主婦です」
ナオがたどたどしく自己紹介する。この辺は指示の通りだろうか。
「今日は、こちらのグッズを試してレポートします」
そういって、傍らにある箱を開けてごそごそやった。「どれにしようかな」とつぶやきながら物色する。そして、箱から何かを取り出した。
「まずはこちら、エルフです」
ジャジャーン、という音がつきそうな恰好で、座ったまま手に取った箱をカメラに突き出す。
「こちらは電動マッサージですね。パッケージの写真で胸にあててますので、ちょっと同じように試してみます」
箱からとり出して電池を入れ脇に置いた。試しにスイッチを入れると、ブーンと振動した。
「おぉ、すごい。結構、振動ですね」
いったんそれを置き、ノースリーブの裾に手をかけた。一瞬ためらうしぐさを見せてから、首の下あたりまでまくり上げる。オープンブラで無防備になっている乳房と乳首が露わになった。
そして再び電マを手にした。緊張からか、スイッチを入れてないのに少し手が震えている。スイッチを入れるとブーンと振動が始まる。
「強弱があるみたいなので、弱から試してみようと思います」
そう言って、自分の胸を探すようにしてから、振動する電マの先を乳房に押し当てた。
「ん」
小さな声が漏れる。
「あ、これ、わりと、気持ちいいです」
ナオは電マの位置を微調整して乳首に触れるようにした。ピクッと体がわずかに震える。
「乳首、気持ちいいです。弱めでもきますね」
電マのブーンという振動が彼女に刺激を与える。
「ちょっと強めにしてみようかな」
スイッチをいじると、ブブーンと振動が強くなる。
「あっ」
振動とあわせて、刺激も強くなる。
「いいです。気持ちいいです。これ、」
電マを小刻みに動かし、乳首に不規則な刺激を与えるようにする。
「あぁ、気持ちいい」
目を閉じそうになったナオはハッとして電マを止める。それを置き、ノースリーブももとに戻して気を取り直した。
「エルフ、気持ちよかったです。先の部分がやさしい素材で、振動を強めにしても乳首が擦れなくて良いです。見た目ほど重くないので使いやすいくて良いかも」
そういって、カメラから目線をそらした。遠藤に何かを確認しているらしい。
「はい、それでは次にいきます」
電マを脇に置き、また箱をごそごそとやる。段取りが分かったからか、少し落ち着いて見える。「うーん」と少し迷ったしぐさを見せてから視線を投げる。何か指示がでたのだろう、より分けて小さめのパッケージを取り出した。
「次は、こちらです」
こちらに見せたのはローターだった。
「こちらは、ローターのブロッサムです。先っぽにトゲみたいなのがついてます。えっと、説明によると、その、これはクリトリス用ですね。では、試してみたいと思いまーす」
ナオがクリトリスと言っているのを初めて聞いた。本人にもためらいがあったのだろう、ここまでで一番恥ずかしそうにしていた。恥ずかしさを押しやるように、箱から取り出して電池をセットする。丸い球にゴム製のとげがついた振動部と、電池部分がコードでつながっているタイプだ。
ナオはそれを脇に置いてから少し腰を浮かし、スカートの裾を捲り上げてソファに座りなおした。それから、ゆっくりと足をソファーにあげ、M字の態勢を作る。
赤いショーツをはいているがスリットが入っているので、無毛の股間とまだ閉じたままのヒダが見えてしまっていた。
スイッチを入れると、ブーンと振動する。
「うわっ、結構強めの振動ですね。それでは当ててみます」
振動部をゆっくりとヒダに近づける。ブブブとヒダとローターが接触する音がする。
「ん、」
振動が伝わってきたのだろう。ヒダをかき分けると赤ピンクに染まった肉壁が見えた。突起を探しあて、そこにあてがう。
「うっっ、」
声が詰まる。突起への刺激で粘度のある液がもれ出し、肉壁からヒダに染みる。そしてローターとヒダがぶつかりビチビチと音を立てた。
「こ、これ、あっ、き、気持ち、いい、です。ク、クリにあたる、、」
ナオは必至にレポートしようとする。彼女がちらっとカメラから目をそらす。何か指示があったのだろう。
「あ、あぅ、ちょ、ちょっと、振動を、変えてみ、ます」
そう言って、ローターのボタンを押す。今度はブンブンブンという強弱のあるリズムに変わる。
「ああっ!いぃ!強くて、弱くて、しびれるっ、、」
そして、一瞬無口になる。声を出さずに歯を食いしばって、何かが来るのを耐える。
(んんんんん!)
ビクビクっと体を震わせ、手にしていたローターを置いた。はぁはぁと肩で息をしていると、同じリズムでうごめくヒダから透明な液が漏れだし、革張りのソファーに水たまりを作っていた。
呼吸が落ち着いたところで足を下ろし、ローターを手に取った。
「こちら、とっても気持ちいいです。その、クリトリス専用というだけあって、あてると刺激が全身にビリビリってきます。クリ派におすすめです」
そのローターを置いたところで、いったん休憩となった。
「おつかれさまでした。いったん拭ってください」
ナオは手渡されたタオルで自分の股間とソファーを拭いた。身づくろいが終わると、遠藤が彼女にペットボトルを手渡した。
「どうぞ。どうでしたか?大丈夫ですか?」
渡されたお茶を飲みながら、ナオは答える。
「私、いい歳して生意気に恥ずかしがったりして、すみません。なんか、申し訳なくって、、」
「いえいえ、とっても上手にできていましたよ。グッズの良さもリアルに伝わってきましたし、よかったと思います。それにこのペースですので、まだいけそうですね」
「えっと、これってまだやったほうが良いですよね?」
「正直、そうしてもらえると嬉しいです」
「わかりました。がんばります!」
そういうとナオはこぶしを作って笑顔をみせた。
―――
ナオは例によっておとなしくソファに腰掛けて待っている。
「そろそろ再開します」
遠藤の指示で続きが始まった。指示があったのか、ナオはノースリーブを脱いでオープンブラとショーツだけになった。脇にはすでにグッズが用意されている。彼女はそれを手に持ちカメラに見せる。
「次はこちら。男爵MAX君です。これは、えっと、ディルド、ですね」
箱から取り出すと、男性器を模した肌色のディルドが出てきた。
「うわぁ、初めて見ます。とってもおっきいですね」
バナナをひと回り大きくしたサイズで、控えめなナオのサイズに合うか心配だ。
「これはその、、大丈夫かな、、まぁ、せっかくなので、さっそく試してみます」
ナオは腰をあげてそのままスカートを脱いでしまった。そしてまたソファーに座りなおし、足を上げてM字の態勢をつくる。
そして、ディルドを手にとり、口でしゃぶり始めた。ジュボジュボと唾液が絡む音が響く。ディルド全体に唾液をなじませてから、股間のヒダに狙いを合わせる。そして反対の手の人差し指と中指を舐り、指も唾液まみれにしてから肉壁の穴を広げるようにほぐす。まだサイズが合っていないように見えるが、ディルドをゆっくりと押し込んだ。
「あっ、痛っ、、ちょっとおっきぃ、、かたぃ、、んん」
やはり彼女には大きすぎるのだろう。そして固さが彼女を苦しめているようだ。
「ふぐぅぅっ、、ぐぐっ、、」
ナオの穴よりディルドのカリ部分大きく、なかなか中に入っていかない。
「ふぅふぅ、んぅ、あぁ、アレ、アレぇ、、」
そういってナオは傍らに置いたままのクリトリス用のローターを手に取り、スイッチを入れて突起に押し当てた。ビチビチという音をたてて突起を刺激する。
「ああっ!いい!いいよぅ!」
刺激に体をつらぬかれ、体をのけぞらせるように硬直させる。その反動で顔に着けていたマスクが外れてしまったが、ナオは気づいていなかった。乳首がピンと勃起している。
「気持ちいい!いいよぅ!」
目をかたく閉じ、口からは恥じらいが消えたあえぎ声がもれる。肉壁から透明な粘液が染み出すと、押し付けていたディルドがズブっと埋まる。
「あがぐぐぐぅぅ、、くるぅう、はいっちゃぅ、、いだ、ぎもぢいいぃぃ、、」
荒々しいディルドのカリが、ナオの小さな穴をこじ開けてめり込んでいく。だがめり込ませているのはナオの手だ。自分が自分でない感覚にとらわれている。裂けてしまわないかと、見ていてハラハラする。そして、ローターとディルドの刺激で肉壁からも口からもよだれを垂らしながら、刺激を楽しむ。
「いぐ、いぐ、いぐぅぅ、だめぇえぇ、、」
ビグビクビクっと体を痙攣させ、絶叫とともに彼女は達した。肉壁に窮屈そうにめり込んだディルドは彼女の弛緩と同時にズルっと抜け落ちた。いまだ動いたままのローターの振動音とナオの息遣いだけが映し出される。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
しばらくそのまま呼吸を整えてから、気をとりなおしてローターを止めて足を下ろした。それでもまだ刺激が残っているらしく、目を閉じたままだ。
「ふぅぅ、、」
ようやく落ちついたナオは目を開け、ディルドを手に持ってカメラ目線になる。
「、、えっと、こちらの、ディルドですね。これはその、、すごいです。固くて大きくて。見ていただいたので分かると思いますが、ちょっと刺激が強めです。だから、初心者の方は避けたほうが良いかも。一緒にローターを使うのがおススメです」
ここにきてようやくマスクが外れていることに気が付いたらしく、一瞬しまった、という顔になったが、諦めたのか特に何も言わずにそのレポートを終えた。
「、、あともうひとつ、、レポートしてみたいと思います!」
少し飛び気味の意識をたたき起こすようにナオが言葉をひねり出す。もうマスクはしていない。そして画面の手前から、2つのパッケージを取り出した。手渡されたのだろう。
「こちらです」
取り出したのは、医療用の膣鏡と専用のローターだった。
「これはたぶん、お医者さんで使うものですね。アソコを見るためのものと、もう一つはどうすればいいのかな、、」
ナオは箱書きを確かめている。ごくりと生唾を飲み込むのがわかる。恐怖と興味が半々に見える。
「とりあえず、、試してみたいと思います」
そう言うとそれぞれを箱から出し、またM字の態勢をとった。
「えっと、こうで良いのかなぁ、、」
金属製の膣鏡を手に持ち、ヒダの奥に差し込む。
「冷たっ!」
快感とは違う震えでビクっとなったがまだ濡れていたこともあり、すんなりとある程度のところまで押し込んだ。そして固定してからねじを回す。
カメラがナオの膣に寄って行く。見るとねじを回すごとに膣鏡の先が開いていき、膣内が露わになっていく。
「ん、ん」
金属の先っぽが少し当たって痛かったのか、少し顔をゆがませた。
「あっ、これで、いいんでしょうか。不思議な感じです」
画面にナオの膣内が映し出される。ヒクヒクと収縮する奥の子宮口あたりから、白い粘液が染み出している。
ナオはもう一つのローターを手に持った。指揮棒のようで棒の先に丸いローターの振動部がくっついている。握り部分をひねると先っぽが振動を始めた。
「これを、ここに入れてみます」
そういって、棒の先を膣鏡の中に少しずつ差し込む。ローターが膣鏡に当たってガガガという音が出る。
「うっっ」
振動の刺激がナオに伝わる。それでもそのまま挿入を続ける。ガガガという音がビチビチビチという音に変わった。
「ああっ!あがっ!ぐぐっぅ」
ローターがナオの子宮口に触れたのだろう。
「しゅ、しゅごいです、、奥、奥が、気持ちいぃです、、あぁ」
次第にグチュグチュという音に変わり、泡立った白濁液が漏れてくる。
「いぃ、いぃよぅ、、奥いいよぅ、、」
先ほどの刺激がまだ残っているのだろう、今すぐにでも達しそうだ。膣鏡から白濁液がドロッと垂れる。
「もうだめ、、だめです、、いぐ、いぐ、いぐぅ、、」
ビクビクっと痙攣した。はぁはぁと息をつきながら、ローターと膣鏡を抜きだした。
「これは、、ちょっと、はぁはぁ、マニアックなプレイですね、、パートナーと、使うと良いかもです、、自分の中がどうなってるか、はぁはぁ、、ちょっと興味あるかも。奥が、気持ちいいかも、、」
息を切らしながらも、けなげにナオがレポートした。それから、ナオは裸のままここまでレポートしたものを周りにあつめた。そして、またカメラ目線になる。
「えっと、ここまでレポートしてきました。この中で私が一番気に入ったものは」
うーん、と考えるしぐさを見せる。
「こちらです!」
手に取ったのは、男爵MAX君だった。
「これ、私にはちょっと大きかったんですけど、その荒々しさというか、普通じゃない感じがとても良かったです。なんか、まだ中に入ってる感じがして、思い出すとやばいです」
そう言って、ふふっと笑った。
「それではまたー」
ナオが顔の横で手を振って動画がいったん終わり、アングルが切り替わった。
「おつかれさまでした」
遠藤がナオに声をかけた。
「ありがとうございます」
「いやぁ、とっても良かったですよ。わかりやすかったし、エッチだったし。見ていてムラムラしました」
「そんな、恥ずかしいです、私みたいなのに」
いまさら、胸と股間を手で隠してナオが恥ずかしがっている。
「いえいえ、そう謙遜なさらずに。あ、恥ずかしいですよね、まずは服を着ましょうか」
その確認を待っていたのか、許しをもらってさっと着替えた。
「大変だったでしょう。こういうのは、初めてなんですよね?」
「えぇ、もちろん。私はただの主婦ですから、、」
「いやいや、撮影会のことは山本さんからうかがいました。むしろそれを聞いて、今回のオファーを出させていただきましたので」
「そうだったんですか」
「はい、いま人気急上昇のモデルさんがいらっしゃると聞いて、うちのモニターにお願いできないかなぁと」
「なんか、はずかしいです」
ナオはモジモジしている。
「まぁ予想どおり、最高にすばらしかったです。こういうのもなんですが、ぜひまたお願いしたいです」
「えぇ、まぁご要望があれば、、」
「ご要望も何も、ナオさんなら間違いないです。グッズもまだまだありますから」
そういって遠藤は笑う。
「あ、それから、最初にお話しされていたマスクのことなんですが、どうしましょうか。途中から外されてましたよね」
「あっ、、どうしましょう、、」
「あの、こう言っては何なのですが、はじめのほうはマスクをされていましたので、例えば途中からモザイク等で対処となると、ちょっと変な感じになるんですよね」
「そうですよね、、」
「それに、今回のは言ってしまえば、いわゆる企画物で他にもたくさんある動画とまとめて一本のものになります。ジャンルもマニアックなものですし、いろんなご心配はいらないかなぁと」
「そうなんですか」
「はい、正直私からすると、撮影会よりはずっとリスクが低いと思っています」
顎に手をやってナオは考えるしぐさをしていた。
「、、、わかりました。そのままで大丈夫です」
「ありがとうございます!」
そういって遠藤は笑顔を見せた。
「正直、せっかくお美しいお顔が見えないことのほうが重要だったりもするんですよね」
「そんなこと」
ナオも遠藤も、すっかり打ち解けた空気になった。
遠藤と吉崎が片付けをし、お開きとなった。
山本さんが再度登場し、ナオに声をかけた。
「先日につづいて、ありがとうございます。今日は結構お疲れになったでしょう」
「はい、今日はとっても疲れました。普段こんなに話すことがないので、ノドがカラカラです」
それは、叫びすぎなんじゃないかとも思った。
「それでは、今日はおつかれさまでした」
部屋から出ようとした遠藤が、あ、と声をかける。
「ナオさん、単体のほうの完成品をご入用ですか?たとえばご主人と一緒に観るとか」
「い、いえ!大丈夫です!」
顔を真っ赤にして否定した。私に対する羞恥心は残っているらしい。
いままでは、ごく限られた集団にたいして肌を見せているだけだったが、今回は違う。
遠藤はあのように言っていたが、明らかに今回のほうがリスクが高い。
企画物と言っていたので、パッケージを飾るような可能性は低いかもしれない。
だが顔出しで出ている。ナオを知るものが見ればすぐにわかってしまう。
それでもナオは納得している様子だった。
もしかすると、バレても良いと思っているのだろうか。
見られる快感に目覚めてしまったのかもしれない。