「ふぁ・・・」
眠い目を擦りながら青信号になった事を確認し、クラッチペダルを踏んで手元のギアを上げる。荷台が空の10トントラックは夕暮れの空の下を唸り声を上げながら徐々に加速する。
これから積み荷をして京都から福岡まで荷物を運搬する。そして福岡から広島まで別の案件でもうひとっ走りしなければならない。一見地獄のようなスケジュールではあるが、運送業15年目の俺にとっては慣れたものである。
勤め先が小さい会社だから生き残る為には社長も受注する仕事を選んでられない。そうなると俺達社員は必然的に毎回違う案件をこなさなければならなくなるし時間もバラバラだ。それでもうちの会社はまだ給料も良いし、何より一人で仕事できるのが自分に合っていた。
何度か訪れた事のある積込先へ到着し、荷台のウイングを開けると積込先のリフトマンが淡々と商品を乗せたパレットを積み込んでいく。俺は荷台に乗ってパレットとの間に緩衝材を挟んで積込が終わるのを待った。
積込が終わると事務所に顔を出して出発の旨を伝えて積込先を後にした。車体が重くなりさっきよりもふた回りほど大きなエンジン音を発しながら福岡に向かって出発した。
納品先は全国でも、あくまで拠点は京都であるから高速に乗るまでは見慣れた道のりだ。俺はいつも通り料金所の手前にあるコンビニに寄ろうとトラックを走らせた。
コンビニが姿を表し、ウインカーを出して入口に差し掛かると眼前に(博多!!)と折り畳んだ白段ボールに書いて掲げる一人のヒッチハイク女子がいた。
ここはインター前のコンビニだからヒッチハイカーをよく見かける。だけど女の子一人って珍しいな、と思った。
買い物を済ませ、店の外を見ると女の子はまだ段ボールを掲げていた。俺は隅に追いやられた喫煙所に移動して煙草を吹かしながら何となく彼女を観察した。
近くで見るとそのヒッチハイク女子は意外と可愛いかった。茶色に染め巻いた髪を前髪だけちょんまげにしている。
自分が美人なのが分かってるからあえて顔面を出してるのか?とも思った。
それに足元にはキャリーケースが置いてあるから恐らくヒッチハイクで旅行をしているのだろう。
それにしても彼女の前を何十と車が通過しているが誰も止まらない。コンビニに入って来て乗せてくれるのか?と思っても誰も彼女に近寄らない。その度彼女は悲しそうな顔をして再び段ボールを掲げる。その光景をこの短い時間で何度も見る事になった。
案の定俺は可哀想に思えてきて煙草を消すと彼女に歩み寄った。
「ねぇねぇ」
「はい…?」
「それ」彼女が持つ段ボールを指差す。
「え、あっ…はい、あの…博多まで」
「良ければ乗っていく?俺も福岡行くから」
「えっ!?いいんですか!?」
彼女の表情はパッと明るくなる。
「うん、別にいいよ。ただし……」
彼女の方をチラリと見ると少し不安げな表情に戻った。分かりやすい子だな、と思った。
「急ぎじゃなくてもいいなら。ほら、途中でサービスエリア寄って飯食ったりシャワー入ったりするからさ。仮眠も取りたいし。それでも良いなら乗って」
「そんなの全然かまいませんっ!」彼女はにっこりと笑顔で答えた。
「そっ。じゃあ車こっちだから…あ、飲み物とか買って行かなくて大丈夫?」
「まだ残ってるから大丈夫です!」
「ん、じゃあおいで」
彼女を連れてトラックを停めた所まで戻る。
―――――――――――――――――――――――――
「うわー…おっきぃですねぇ」
「10トン車だからね。初めて乗る?」
「はい、トラック自体初めてです」
「そっか。つーかそれ捨てたら?邪魔でしょ?」俺は彼女が手に持つ段ボールを指差した。
「えっ、ああ。はい…だけどっ」
「一枚ぐらい大丈夫だろ!そこに捨てちゃえ」そう言ってコンビニの裏手にある段ボール捨て場を指差した。戸惑いながらも俺の顔色を伺って段ボールを捨てる彼女の姿を見て真面目で良い子そうな印象を受けた。
「うわっ!意外と広い!」
彼女を乗せたトラックは九州方面に向かい走り出す。
「歳はいくつなの?親とか心配してない?」
「21です。大学生だからそこまで心配してないと思います、連絡も取ってますし」
「ふーん。名前は?」
「美咲です」
「美咲ちゃんね。俺は純。友達からはジェジュンって呼ばれてる」
「ジェジュン……何でですか?」
「さぁ?ジュンって入ってるしじゃね?」
「そうなんですか」
それから数分はぎこちなく互いに会話が無かったが、「何でヒッチハイクしてんの?」と切り込んだ事で徐々に会話が繋がり始める。
どうやら彼女は尊敬する有名実業家が学生の頃、ヒッチハイクで旅をしたというエピソードを知って真似をしてみたとの事だった。その実業家の名は俺も知っていたが、どうも胡散臭い野郎だとあまり好感は持っていない。
「私、将来起業したくって!だから彼の真似できる事は真似して少しでも近づきたいんですっ!やっぱ行動する事って大事だと思いませんか!?」
「ま、まぁそうだな。しないよりはした方が良いと思うよ。美咲ちゃんは若いからなおさら」
「いやいや、純さんもまだ若いじゃないですかっ。夢とか目標無いんですか?」
「うーん……特にないなぁ。人並みの生活を送れればそれでいいよ」
「えー!一度の人生そんなんじゃもったいないですよぉ」
(うーん、この子ちょっと苦手だなぁ……)
俺の感覚的にヒッチハイクをしてる時点で少し変わってると思う。福岡なんて長旅だし乗せなけりゃ良かったなぁ、と少しだけ後悔した。
「今日はどの辺りまで進むんですか?」
「んー、広島か山口辺りまでを目標にしてる。疲れた?」
「ちょっとだけ」
「なら今夜は広島で停めようか」
広島に入り小谷サービスエリアに着く頃には彼女はぐっすりと眠っていた。
「11時前か…まぁまぁだな」
隣に座る彼女を見ると、シートベルトに顔を埋めてスヤスヤと眠っている。着用しているシートベルトが胸の間を締め付けて2つのお椀型の胸を強調する。それほど巨乳ではないけど綺麗な形をしていた。
(ちょっとだけ……)
俺はもう一度彼女が寝ているのを確認して運転席からゆっくり手を伸ばし彼女の胸を優しく包み込むように触った。
(やわらけぇ……)
「ん……暑っ……」
彼女はもぞもぞと体を反転させた。
(危なっ…!)
俺はとっさにシートの後ろから洗面具を取り出して、彼女の肩を揺すった。
「着いたよ、俺シャワー入ってくるけど。どうする?」
「へっ!?…あ、すいませんっ!すごい寝てた…」
「そんなの別にいいよ。で?どうすんの?」
「じゃあ私もシャワー行きます」
「そんじゃちゃっちゃと行こう。今なら空いてる」
俺が先に降りると、彼女も着替えを入れたブランドのロゴが入った紙袋を持って俺に続いた。
「上がったらそこ集合な」
俺は喫煙所を指差して言った。もし万が一彼女とはぐれたらそれはそれでいいと思っていた。
シャワーを浴び終わって喫煙所で煙草を吸っていると、しばらくしてTシャツに短パン姿のいかにも風呂上がりといった格好の美咲が現れた。一度メイクを落として直したのか、さっきよりも薄くなっている。
「すいませぇーん、待たせちゃって」
「大丈夫。つかさ、腹減らね?」
「減りました!」
「お、おお。じゃあ中で何か買っていこう」
化粧を落として薄いメイクに変えた美咲はギャルっぽさが抜けて、少し大人の女性に見える。絶対こっちの方が可愛いよな、と何度も隣をチラ見した。
「ん?何ですか?」
「いや、何も。ほら、好きなもの買いな。奢ってやるから。酒も飲むなら買っていいよ」
「えぇー!いいんですか!やったあ」
彼女が苦手なタイプには変わりなかったが、年下で顔も可愛いし何だかんだつい甘やかしてしまう。それにこの場面で会計を別々に済ませれる性分でもなかった。
夜食とついでにちゃっかりデザートとねだられ俺達はトラックへと戻った。エンジンを掛けてアイドリングしながら、いつも通り窓のカーテンを全部閉めて遅い夕食にありついた。
「こうするとほんとに部屋みたい。中も広いしこれなら車内泊も苦じゃないですね」
「まぁな。けどやっぱいくら慣れててもベッドで眠りたくなるよ」
「そっか。大変な仕事ですね」
「そうだな。美咲ちゃんはもっと楽で給料の良い仕事に就けるよう頑張りなよ」
「頑張りますっ」
それからも俺達は互いの生い立ちや趣味の話、それに恋愛の話をして盛り上がった。
「えー!ジュンジュン彼女いないのぉ?」
俺は控えたが、彼女はそこそこ缶チューハイを空けていて俺への呼び方が純さんからジュンジュンになっていた。
「こんな仕事だからな。出会いなんてねぇーしそもそもモテねぇ」
「そんな事ないと思うけどぉ」
「仕事柄あんまり家に帰れねぇし。彼女を連れ回す訳にもいかないし」
「あ、そっか。デートできないかぁ」
「そういう事。かといって簡単に転職って訳にもいかんし」
「んー。ジュンジュン優しいのに可哀想…」
空気が少し湿っぽくなった。時計を見ると夜中の1時を回っている。
「まぁ、何とかなるって。さ、そろそろ寝るぞ!別に起きててもいーけど静かにな。便所行く時は勝手に出て行けよ」
「えぇーもう寝るのぉ」
「寝る…!じゃあお休み」
室内灯を消して俺はシート後ろに設置した仮眠スペースに横になった。彼女は助手席でイヤホンを着けてスマホを触っている。スマホでアラームをセットして目を閉じた。
目を閉じて10分ぐらいだろうか?あと少しで眠りに落ちる心地良さを感じた時にアルコール臭が鼻先をかすめた。
(ん……?)
薄目を開けると同時に全身に負荷が掛かり、動けなくなった。
「え…」
顔に髪が掛かる。シャンプーの良い香りがする。
「ちょ、な、何だぁ!?」
「彼女居ないんだったら溜まってんじゃないのぉ?」
「はぁ!?…おまっ、酔いすぎ…うっ!?」
美咲は俺の腹の上に股がって、手を後ろに回して股間をぎゅうっと握る。硬くなっているのが自分でもすぐに分かった。
「ちょっと触っただけでこんなに…?そんなに溜まってたんだ」
「そっ、そんなもん誰でもこうなるわ!」
「ふふっ、可愛い」
美咲は仮眠スペースに膝をついて、寝巻きのジャージをズルッと下げた。
「ビンビンじゃん」
「やめろって…!」
「そう言うけど抵抗してないじゃん」
言い終わるとパンツを下げられた。俺の股間は暗い車内で露になった。まだ目が慣れず戸惑っていると、美咲は俺の勃起した性器を掴んだ。そしてゆっくりと上下にしごき始める。
「おい、まじでやめろって…!」
「何で?それって私じゃ駄目って事?」
「そういう意味じゃない」
「お酒飲んだらそういう気分になっちゃった。それにジュンジュンに胸も触られたし…」
「いやっ、それは…そのぉ」
「別にいーのっ。あんな格好で寝てたらそりゃ触りたくもなるよ。それにこれは乗せてくれたお礼でもあるから」
美咲は言い終わると、俺の性器に顔を近付けて亀頭を喉奥まで一気に咥えた。
「んんっ…ん…はぁ…」
彼女は自らの唾液を上手く利用してリズミカルに顔を上下に振るう。
「んっ…ん…!…ん…きもちぃ?」
「はぁ、はぁ…うん」
「よかったぁ…ん…じゅぽ…ん」
ようやく目が慣れてきて、上体を起こす。美咲は俺が動いたのも気にせず一生懸命フェラし続ける。
興奮が高まり、手を美咲の胸元に伸ばす。そしてすくい上げるように揉んだ。Tシャツの上からでもすぐに彼女の乳首の突起を感じた。
「…ブラは?」
「んー?さっき外したよぉ」
「はやつ」
俺は両手を伸ばして左右の乳首をつまむ。指先でクリクリ弄ると美咲はとても気持ち良さそうに喘いだ。
「乳首弱いんだ?」
「あんっ…はぁ、うんっ♡ジュンジュン手つきがやばぁい…絶対触り慣れてるでしょ…?」
「そんな事ないって。優しく触ってるだけ。もう少し強めがいい?」そう言って少しだけ強めに乳首をつまむ。
「あぁっ…♡!あんっ…もう…っ…!」
「可愛い反応」
「からかわないで。ジュンジュンもすっごく硬くなってるじゃん」
「あぁ、もう我慢出来ないよ」
「うふふ、じゃあ挿れちゃお」
彼女は俺の腰の上に股がり直すと、性器を掴んで腰を浮かして亀頭を陰部に当てた。
「ちょ…!ゴムとか持ってねぇの?」
「心配しなくても一回ぐらいで妊娠しないから大丈夫よ」
言い終わると、美咲は腰を下ろして亀頭をミチミチと自分の中に挿れる。
「……っ…ああ!…はぁ♡…やば」
「中すっげー温かい」
美咲はゆっくりと顔を近付けてキスしてきた。舌を絡め、唾液が顎まで垂れるほどねっとりとしたキスだ。美咲が腰を振りながらキスをしてくるから吐息と唾液で浴びて頭がおかしくなりそうだった。
「あぁん!あっ!んっ…!やっ…ばぁ!んーっ♡」
美咲は騎乗位が好きなのか、とても気持ち良さそうに腰を振り続けた。俺の股間も美咲の締まりの良い膣に吸い付かれてやばかった。
このままでも十分良かったが、絶頂を近く感じた辺りで俺は再び上体を起こして美咲を倒した。
「んんっ♡…はぁ…ん?」
美咲は少し驚いた表情を浮かべたが、俺がにぃっと笑ったのが見えたのか、これから自分が激しいピストンを受けるの覚悟したようだった。
「はぁ…はぁ…じゃあ今度は俺の番ね。このまま一気に出しちゃうよ?」
「んん、痛くしないでっ……ねっ!!?」
俺は全身の筋肉を使って腰を前後に振るう。痛かろうがそんなもの関係ない。溜まりに溜まった性欲を満たす為無我夢中で腰を振った。
「あぁっ!あんっ♡あぁっ!んっ、ん!や…ばい!って…イキそっ♡……!!」
数秒後、美咲は先に絶頂を迎えた。
「ああぁん!!イッく……!あああっ♡!!」
脱力した美咲を見てさらに興奮した。
「んー……俺もそろそろ出すよっ……!!」
「はぁ……っはぁ、も、もう無理っ…!あんっ…!」
最後、渾身のひと突きで膣奥に精液をぶち込んだ。
射精はなかなか止まらず、みるみるうちに膣から精液が溢れ出た。美咲は痙攣しながらぐったりしている。俺も余韻に浸ったまま性器の痙攣が収まるのを待った。
射精を終え、ひと息ついたところで精液と愛液でぐちょぐちょになった性器を抜く。
「んんっ…!ちょ、まだ動かさないで…」
「えっ?」
ズボッと性器を抜くと美咲は「んああっ!」と小さく痙攣した。
「ちょっとぉ……!」
「ごめんごめん」
カーテンを引き、窓を開けて煙草に火を点ける。煙を吐きながら美咲の方を見るとTシャツにパンティ姿でこちらを見ていた。
「いつの間に着たんだよ」
ウエットティッシュで性器を拭いながら訊く。
「窓開けたら外から見えるじゃん」
「あ、そうか。…それにしてもすげー気持ち良かった」
「ふふっ、いつぶり?」
「えー…2年とか?」
「じゃあその頃は彼女居たんだ」
「いや、違う。そん時は風俗だよ。大阪の有名なとこ」
「サイテー。それって飛田新地?」
「うるせー。そう、飛田新地。よく知ってるな」
「大学の友達が大阪に旅行行った時に寄ったって言ってたから」
「ふーん。まぁ男なら憧れるはな。高けぇけど」
「そうなんだー。よく分かんないけど」
「ん。てか今度こそ寝るぞ。8時起きだかんな」
「はぁーい」
俺が横になると美咲も並ぶように寝転ぶ。
「ジュンジュンとのエッチもなかなか良かったよ」彼女は吐息を耳に当てながら言った。
「そう?なら明日…今日もしようか」
「そだね。できるといいね」
(???)
「おやすみなさい」
「んー、おやすみ」
俺の瞼は限界を迎え、すぐ眠りに落ちた。
―――――――――――――――――――――――――
「~♪~♪~♪~」
聴き慣れた洋楽が車内に響き渡る。手だけを毛布から抜き出してスマホをタップして音楽を止めた。
上体を起こして煙草を咥える。
「おーい起きろよー」
後方の仮眠スペースから彼女の返事はない。
「まだ寝てんのかー?」
俺は振り返った。しかし、まだ寝ているとばかり思っていた彼女の姿はそこにはなかった。
「えぇ、まじか!……どこへ!?」
寝床をガサガサとかき回していると枕元に一枚のメモ用紙を見つけた。メモ用紙を掴んで目を通すと美咲からお礼が書いてあった。
「―京都から乗せてくれてありがとう!それと突然居なくなっちゃってごめん。ジュンジュンが素敵な彼女と巡り会えますように。あ、後一言アドバイス!あんな乱暴なエッチだと女の子に嫌われるぞ♡じゃあね!―」
俺は彼女からのメッセージを二度読み返し溜め息をついた。寂しいとかそういう訳じゃなかったけど、悶々とした気分になった。
考えてもしかない、忘れよう!と自分に言い聞かして目覚めのコーヒーを買いに自動販売機に向かう。小銭を取り出そうと財布を開くと手が止まった。
昨晩あったはずの二万と少しの現金が見事に消えていたのだ。
「クソガキが…!」そう吐き捨てるとそのままATMへ向かった。