若林さんとの野外プレイに興じたあの夜から、一週間経つのはあっという間だった。
プレイに興じた帰りは、鼻に押し付けられた彼女の足臭が顔に残り、ちょっと息をするだけでも、かすかに臭かった。
匂いはすぐに取れたのだが、あの夜の興奮は脳裏に焼き付いて離れなかった。仕事は、とちることなく普通にこなすことが出来ていたが、帰宅後は毎夜のように、若林さんの匂いの記憶を反芻しながら、自室で猿のようにオナニーに耽っていた。
そして、若林さんと再会する翌週の勤務の朝。
レジ準備を終わらせ、広い店舗を清掃しているタイミングで、アルバイトが続々と出勤する。テラス席を掃除していると、遠巻きに若林さんも、バイト用の更衣室に入っていくのが見えた。
あの日から、次は若林さんとどう接しようかと考えていたが、結局何も思い付かず今日を迎えていた。結局、「なるようにしかならん」と割りきって掃除を進めた。
この日の勤務は、なかなか若林さんと話が出来なかった。
この店はレストランのような内装の本店に、フライドポテトなどの軽食をテイクアウトできるコーナーが隣接している。この日、僕は急遽テイクアウトコーナーに回された。若林さんは本店の厨房で盛り付けを任されたため、別々に仕事をすることになり、一向に会話をする機会がやってこない。
そうこうしているうちに、昼の繁忙も落ち着き、遅めの昼休憩が近づいていた。この日の若林さんは、用事でいつもより短めのシフトを組んでいて、そろそろ退勤する。
(結局、何も話ができなかったな…)
そう思いながら、客の列が途絶えた外の景色をぼんやりと眺めていた。
テイクアウトコーナーのドアがノックされる。休憩の交代の人が来たようだ。ドアが開かれると、顔を覗かせたのは…若林さんだった。
「お疲れ様でーす。テイクアウトも暇そうですね」
「あ、うん。ちょうどお客さん途切れたとこ…」
いざ顔を合わせると、思っていた以上にどぎまぎしてしまった。
「○○さん、これ」
若林さんは僕に、一枚の小さな紙切れを渡すと、「では、私はこれで失礼しますね」と言ってテイクアウトコーナーのドアを閉めた。
テイクアウトコーナーは新たに客が来る気配はない。丁寧に畳まれた紙を開くと…若林さんのものであろうケータイのアドレスと番号が書かれていた(前作で書き忘れたが、当時はまだスマホというものがない頃だった)。
「若林さん、字きれいだなぁ」
先にそんな間抜けな感想が浮かんだ。
その夜、早速若林さんとメールでコンタクトを取った。奇跡的に、三日後に僕の休みと、若林さんの講義が午前だけの日が重なり、この日に会う流れになった。
ひとしきり日程がまとまったところで、若林さんから「仕事中、ムラムラしてたんじゃないですか?」なんてメールが来た。
『当たり前だよ。家でもムラムラしてたよ』
『○○さんスケベ~』
『男はみんなスケベです(キリッ』
そんな他愛ないやりとりをしているうちに勃起してしまった。
当日の正午少し前。分かりやすいだろうからと、職場の近くの、野外プレイをした公園で合流した。
この日の若林さんの出で立ちは、マフラー、白のセーターにモスグリーンのジャンパー、黒のスカート。そして、黒タイツに茶色のロングブーツだった。派手さはなく、シンプルにバランスよく着こなしていた。
「お待たせしましたー。お、○○さんの服、若者っぽい!」
「そう?ファッション疎いから全然自信なかった」
「全然いい感じですよ!」
「やったありがとう。若林さんも可愛いよぉ」
「当然!ふふっ」
しばらくは、近辺でデートを楽しむことにした。とはいっても、僕はトーク力に自信がなく、上手くエスコート出来ているか不安で仕方なかった。それでも、若林さんが楽しそうにしているのを見ていると、幾分か救われた気になった。
午後五時前、辺りがかなり暗くなってきたところで、散策を切り上げた。徒歩で少し時間をかけてたどり着いたラブホテル。若林さんとの事前の相談で、安めのこのホテルにしようと決めていた。
チェックインを済ませて部屋へたどり着くと、若林さんはブーツを履いたまま、うつ伏せでベッドへダイブした。
「ふっかふか!たぶんこれめっちゃいいベッド!」
若林さんが子供のようにキャッキャとはしゃぐ。
「○○さんも!早く早く!」
「おっしゃ!」
若林さんを真似て、うつ伏せでベッドへダイブする。家では布団で寝ているので、ベッドはただただ新鮮だった。半日歩き回った体が、ベッドに沈む感触がたまらなかった。
しばらくベッドの感触を楽しんでいると、不意に若林さんが僕の脇を突っついた。
「○○さん…もうしませんか?シャワーなんて、浴びなくていいですから…」
頭を起こし、若林さんの顔を窺う。パッチリとした目はトロンとしている。いつもは白い頬と綺麗な鼻筋は紅潮している。つやつやのピンク色の唇は薄く笑みを浮かべている。
僕はベッドを下りると、無言で若林さんの前にひざまづく。それを合図にプレイが始まった。若林さんが右足をそっと持ち上げ、僕がそれを手に持つ。
「それじゃあ嗅ぐね。臭かったら容赦なく『臭い』って言っちゃうからね」
「はい♡思いっきり『臭い』って“罵って”ください♡」
その言葉に、僕はゾクリと昂った。
脚からそっとブーツを抜き取ると、途端に納豆のような匂いがムワッと漂った。
タイツ爪先の指の付け根あたりに鼻を押し付ける。汗の湿り気を感じつつ、ゆっくりと鼻息を吸い込んだ。あっという間に、淀んだ臭気が鼻腔と肺を満たす。
フーッと息を深く吐き出すと、若林さんの顔を見上げた。
「…臭っさぁ♡これ、女の子がさせちゃいけない匂いだよ♡臭すぎるよ♡」
「ぁぁ…ごめんなさい♡足が臭い女で、ごめんなさい♡」
若林さんはより笑顔になり、顔の紅潮はより鮮明になる。
「若林さんの足、激臭だね。股間にめちゃくちゃ悪い匂いだよ」
そう言うと、若林さんの爪先に鼻を、さっきより強く押し付け、これ見よがしに音を立てて嗅いで見せた。
「あ~臭い♡若林さんの足、めちゃくちゃ臭い♡納豆臭い♡」
「あぁ、これ♡ゾクゾクするぅ♡めっちゃ嗅がれてる♡」
若林さんは喘ぐようにそう言い、体をモジモジさせていた。
「もっと、嗅いでください♡」
若林さんが、もう片方の脚からもブーツ抜き取り、僕の顔に寄せると、両足の裏で僕の顔を撫でた。
「私の匂い、いっぱいつけてあげますね♡」
若林さんの両足に、顔を、鼻を翻弄される。いよいよ我慢できなくなり、ズボンとパンツを脱ぎ去り、パンパンになったイチモツを握る。そして、強烈な足臭に包まれて盛大に果てた。
少し時間を置いてから、今度は若林さんの股間を責めた。
若林さんの脚を開くと、黒タイツに白い下着が浮かび上がっている。
「お、可愛い下着…」
「嬉しい♡下着誉めてくれる男の人、あんまりいないんですよね」
「勝負下着?」
「イエス」
その勝負下着とタイツからは、籠ったおしっこと汗の匂いが押し寄せていた。タイツ越しでも分かるくらいに、濡れているのが目視できた
以前と同様に、タイツとパンティ越しに顔を埋めて、マン臭を堪能する。半日動き回った若林さんの股間は、キツい汗臭とおしっこ臭が染み付いていた。
しばらく嗅いだところで、若林さんの腰に手をかける。若林さんは察しが良く、腰を浮かせてくれた。スカートを脱がせ、タイツとパンティを腰から膝下あたりまで引き下ろす。様々な太さの、透明な愛液の糸が、パンティと彼女の股間を繋ぐ。
前回は真っ暗な屋外でのプレイだったので見られなかった、若林さんの下着のクロッチ。黄色い染みがバッチリ残っていた。愛液で光沢が生まれ、かすかにマンカスの粒も確認できた。あまり顔を近づけずとも、汗とおしっこの匂いが鼻を突いた。
若林さんは、ますます紅潮させた顔を、手で少し覆っていた。
「見られるの嫌だった?」
「めっちゃ恥ずかしいです♡でも、やめたく…ないです♡」
僕のためにこんな羞恥プレイを耐えてくれている若林さんが、愛おしく感じられた。
色んな分泌物にまみれたクロッチをしばらく嗅ぎ倒すと、片足だけを、パンティとタイツから抜き取る。裸になった股間を改めて凝視する。
それほど濃くない陰毛も愛液で光っていた。指で陰部を拡げる。愛液で艶やかに光る花芯は、エロさや臭さよりも、まず美しさが勝った。
顔を近づけ匂いを吸い込むと、やはり汗とおしっこの匂い。さらに、スルメの匂いも濃く感じられた。
「若林さん…ここ、舐めちゃいますね」
「○○さん…舌で、イかせてください♡」
若林さんの股間に無我夢中でむしゃぶりつく。若林さんは、「あぁ~♡あっ、あぁぁ♡」と、何かが乗り移ったように妖艶な声で鳴いた。
淫臭に包まれながら、愛液を飲みながらのクンニを、唇がふやけるまでしていたかった。
やがて、より甲高く喘いだ直後、若林さんは全身をビクリと震わせた。ベッド上に、上半身を小刻みにバウンドさせながら果てた。
「はぁ…イっちゃった♡」
しばらくして痙攣の治まった若林さんは、そう言って微笑んだ。
若林さんは体を起こすと、上半身も服を脱ぎ捨てる。パンティとお揃いのブラジャーを外すと、スレンダーな全身、やや小ぶりの乳房と、ほんのり茶色い乳首が露わになった。そして、片足にまだ履いていたタイツとパンティも脱ぎ、全裸になった。
僕もそれにならって全裸になると、ベッドに横たわった若林さんに覆いかぶさる。
「○○さん。タイツとパンツ、どっちを嗅ぎながらシたいですか?」
「嗅ぎながら?そうだな……タイツにしようかな」
「ふふ。じゃあ…嗅ぐのは片足だけにしてください」
「?」
「すぐに分かりますよ♡」
コンドームは、あえてコンビニで事前に買ったものを使った。ラブホの備え付けの物は管理が甘く、状態がよくない場合があると聞いたことがあったからだ。
ゴムを付けた状態でも、若林さんの膣はすんなりとイチモツを受け入れてくれた。若林さんの膣の圧が心地よかった。
若林さんがタイツを手に取ると、片足部分を僕に渡した。そして。
「すぅ~…はぁ~…」
自分の足臭の染み込んだもう片方の爪先部分を、嗅ぎ始めた。
「ふぁ…くっさ♡」
「すごいね若林さん…自分の匂いでイケちゃうの?」
「イケちゃいます♡ねぇ○○さん、動いて?気持ちよくして♡」
その言葉に昂りがピークに達した僕は、タイツの爪先を嗅ぎながら、ひたすら腰を振った。
股間で繋がった僕と若林さんの体。本番行為をしつつ、お互いがタイツを引っ張り合い、それを嗅いでいる。端から見ればシュール以外の何物でもない光景。だが、それを変だと考えられないくらいに、理性は熱暴走していた。
「若林さん…臭い!タイツの爪先から、臭くてエロい匂いしてるよ」
「あっあっ♡私も…♡臭くて…興奮します♡」
「若林さん…若林さん…!」
「あっ♡ねぇ♡名前で♡あっ♡名前で呼んで♡『さやか』って、呼んで♡」
「さやか!さやか!臭いよ!タイツ臭いよ!エロい匂いだよ!」
「あっ♡あっ♡気持ちいい♡臭っさ♡気持ちいいよぉ♡」
イチモツと鼻腔のダブルの刺激で、お互いに気持ちよく果てることができた。
「元々は、私が匂いフェチだったんです」
ピロートークで、若林さんはそう打ち明けた。
「といっても、性的に興奮するとかではなかったんです。靴下とかタイツを嗅いで、『今日も1日頑張ったなー』って実感するくらいだったんです」
若林さんは唇を舐めて話を続ける。
「元カレがSで、私も匂いを嗅がされながらエッチしてたんですよね。そっからですかね…性的に反応しちゃうようになったのは」
「僕、女の子が足臭いの好きだったんだけど、本人がそれを自分でチェックして臭がってるのも、興奮するんだ。だから、若林さんがタイツ嗅いでるの、めちゃ興奮した」
「正直引かれるかと思いましたけど、類は友を呼ぶんですね~」
「ねー」
ホテルを出たあとは、もう解散することにした。
当初のプランでは、どこかで夕飯をと思っていたが、特殊なプレイのせいで胃がムカムカしていた。それは若林さんも同じらしく、デートは打ち切りとなった。
駅まで若林さんを送る。
「今夜は楽しかったです。よければまたデートしましょう!」
「ぜひ。じゃあ、気をつけて帰ってね」
「はい!」
不意に、若林さんに、頬にキスをされた。
「…おやすみなさい。○○さん」
手を振りながら、若林さんは駅構内に消えていった。
僕は振り返していた手を止める。なんだか、キスされた頬が熱い気がする。
「おやすみ、さやか…」
頬に手をやりながら、そう呟いた。