オトナのオンナにして・・・と小学生にお願いされています。さて、どこまで教えれば・・・悩みます。

Hatch コメントはまだありません

私が受けていた高校の教育実習では、実習生がそれぞれ何らかの部活を担当するのが決まりとなっていました。

その実習生の一人である私自身、高校時代は盗難被害に遭いあちこち部品が欠品するCBX400というバイクを復元することに相当な時間専念していました。それで私にとってその部活というのは全く縁のない世界・・・。

第34話となる今回のストーリーは、そんな私が自分には全く縁のない吹奏楽部という部活を担当し、どう言うわけか総勢80名の部員を前にして指揮棒を持って立ちすくむところから始まります。

もちろん指揮棒を持つなんて全く初めて・・・。

時代は平成2年の夏前。未だバブルに浮かれる日本という国の北東北にある小さな臨港都市が舞台となります。そして、この時大学4年生だった私が大学の附属高校で教育実習を受けていた時のストーリーです。

その2週間に渡る実習期間を折り返したところで、工業化学科1年の空き教室を借りて私の彼女の早坂家と私の風谷(かざがい)家の間で結納が執り行われていました。

私の母親が私の地元の東北南部から、また真琴の母親が北海道からやって来て行われたソレは、真琴の姉である晶の入院が事の発端・・・。

そして両家が顔を合わせる機会は滅多にないということで、先程結納を済ませたばかりです。

その瞬間、カレシ・カノジョだったバスガイトの真琴と私の関係は婚約者同士ということになり、いずれ結婚するという関係に・・・

それで先ほど学校から吹奏楽部の外部講師としての辞令を受けた真琴から、私が教育実習初日に吹奏楽部の顧問である小林先生から課されていた課題を改めて告げられ指揮台に登壇した次第です。

それは「暴れん坊将軍一曲の演奏を実習生の風谷先生(私のこと)の指揮で行う」というもの・・・。

その時指揮台の上で固まる私のそばで舞衣さんこと小林先生が部員一堂に告げました。

「これは風谷先生の課題であるけど、指揮者の表現をそのまま汲み取って演奏しなければならないというあなた達の課題でもある」と・・・

ということは私の指揮次第で暴れん坊にでも落ちぶれ将軍様にもなってしまうということです。

教育実習初日に「伝えたいことは言葉にしないと分からない。」と、一緒に教育実習を受けている下宿の娘で元カノのふたばと議論していましたが・・・

ここではその言葉というものを「指揮」というもので表現しなければなならないようでした。

譜面の読み方については真琴から、また指揮そのものについては以前部長の遠藤さんからレクチャーを受けていて、4拍子の曲であればさほど難しい印象ではありませんでしたが・・・

でも前に渡されていた譜面を見ると、曲の間奏部分にTP1と記された部分以外何も記されていない部分がありました。これってトランペット1・・・つまりトランペットのパートリーダーである部長のソロ演奏という部分になります。しかも、音符が5線符の上を飛び越しているようなかなりのハイトーンも含まれていました。

そんな私の想像できない暴れん坊でしたが・・・私の指揮でどこまでそれを表現できるのか凄く不安です。

そんな私が目の前に座っている80名の部員を見回すとその160もの瞳に加えて、その左右で三脚の上にセットされた大きなカメラ2台も私にレンズを向け、その始まりをじっと待っているようでした。

今この吹奏楽部は、その活動内容の長期取材を受け始めたばかりです。それは今年だけに留まらず、来年まで続くと聞かされていました。そしてそのエンディングは全国大会での演奏を撮影し、それをドキュメントとして放映するという筋書きです。

そんな中私がサッと腕を上げた瞬間、後方の左側のトランペット8名とその右側のトロンボーンを持った5名の生徒が楽器を構えました。そしてそれに釣られるように右側のカメラの向きがクルッと変わります。でも、もう一台のカメラが私を捉えたまま微動だりしません。

今、私はなんか場違いな事をしてるような・・・そんな気分になっています。

私の目の前に広げられているスコアという全パートの譜面を凝縮したそれは学校独自のアレンジが加えられ、トランペットとトロンボーンによるファンファーレから始まりその後クラリネットとサックスに引き継がれるというものでした。

私はまず最初に生徒の後方で楽器を構える二つのパートに合図を送るようにして指揮棒を振り下した瞬間始まった私の暴れん坊・・・。

でも、テンポを維持しながら・・・スコアを目で追いながらページをめくって・・・旋律担当のパートに合図を送りながらのその指揮は思った以上に重労働でした。

しかも右手に持つ数十グラムしか無い指揮棒が次第に重く、しかも何も持っていない左腕も重くなってきて腕の感覚なくなりそうです。そしてそのページをめくる度に指揮のテンポも変わってしまっているのも感じています。

その時必死に腕が下がらないように頑張りながら、いつもこんな思いをして指導している舞衣さんと先程まで指導していた真琴をリスペクトしていました。

やはり私の指揮が分かりにくいのか、演奏中あちこちの生徒が首を傾げながら演奏しています。しかも、パート全員で入るはずの小節の頭も揃っていません。

「これでは演奏する方もたまったもんじゃないな・・・」

なんて自覚しながらきちんと腕を振ろうとするんですが、ソレも次第に・・・腕の感覚が無くなっていきました。

そんな中曲の中間部にある間奏部分に差し掛かると、私が見下ろす部員たちの左後ろに座っていた部長がスッと立ち上がります。

私が目で合図しながら指揮を始めるとそのソロパートが始まりました。

「あっ・・・・カッコイイ・・・」

それが私の印象でした。

いつもの部長からは想像できないその精悍さ・・・。

それにどことなく漂うその清楚な雰囲気・・・。

私の方に真っ直ぐに向けられたベル(ラッパの先端部)から直接聞こえるその音は何の混じりっけのない、まるで欲望や汚れなんて関係のない音として私の耳につき刺さります。もう・・・全身鳥肌です。

吹奏楽経験者なら誰しもその澄んだハイトーンの音色に聴き入ってしまう・・・そんな音色が、決して音響環境が整っているとはいえないこの多目的ホールに響き渡っています。

この時私は、私の指揮でこれほど凄い演奏をするこの部長が真琴の指揮ではどんな演奏になるのかを想像していました。

そしてそんな思いに鳥肌を感じながら、先ほどコレと比べられない難しいコンクール課題曲を指揮しながらその音色を聴いてパートや個人の課題を見つけ、それを忘れず最後まで指揮をしていた真琴が同じ人間と思えない感覚に・・・

そしてそんな中、やっとのことで私の人生初暴れん坊将軍が終わりました。恐らく明日の授業では筋肉痛の中、黒板に向かう私の腕が上がらなくなることはその時容易に想像できます。

その時、私の脇でそんな私を一瞬見た舞衣さんが楽器を持った生徒達に目をやりました。

「では、部長。今の暴れん坊・・・どうですか?」

舞衣さんが先程トランペットソロを披露してくれた遠藤部長にそう尋ねました。

「はい。なんか・・・落ちぶれ将軍様が農耕馬に乗って畦道を迷いながら必死に走っている印象です。」

この部長は遠藤美月さんと言う普通科3年の生徒で、ど素人の私に指揮というものを教えてくれたその人です。そんな彼女からはチャキチャキっとした中からどことなく色っぽい何かを感じる場面もあった事を思い出しました。

そんな私のどうでもいいことなんて関係ない舞衣さんは生徒に質問を続けています。

「では、クラ(クラリネット)の天間林さん・・・」

「暴れん坊将軍って白馬に跨って富士山をバックに白浜を走るイメージですが・・・なんか・・・黒馬に跨って雑草の生えた荒地を目標もなく走ったり歩いたりしている感じでした。」

「では、風谷先生・・・・。風谷先生はどんなイメージで指揮をしましたか?」

その時、舞衣さんが生徒に質問をしていたそんなやりとりを聞きながら・・・

「指揮ってモノは、曲の中のストーリーを演奏者に伝える・・・それが指揮ってモノなのか?」

なんて当たり前のことを考えていたときに急に質問されてしまった私は、ドギマギしてしまって答えになるようなことが言えませんでした。そんな時舞衣さんはまるで私が答えられなかったことをまるで代弁するかのように話し始めます。

「うん・・・そうね。わたし的にはやっと走り切った・・・って感じね。でも・・・本当に走るのが精一杯って感じ。暴れん坊と言うよりは戦に敗れて項垂れながら、まるで迷い犬のように帰り道も分からず言うことを聞かない農耕馬をやっとのことで走らせている感じだったわ・・・」

すると今ほど質問を返したクラリネットの生徒が舞衣さんに質問をしました。

「この曲ってどうしてもテレビのオープニングのイメージがあるんですが・・・白馬に跨った将軍様・・・」

「うん・・・そうだよね。そもそもこの曲ってそのオープニング曲だもんね。でも、暴れん坊将軍のオープニングって白馬と白浜のイメージっがあるんだけど、初期の暴れん坊って黒馬に乗っていたの。しかも川の中を走って・・・」

「えっ?そうなんですか?」

「そうなの。でも、浅瀬の川の中を下流から上流に向かって・・・まさに時代に立ち向かうって感じでその馬を走らせていたんだけど・・・。今の風谷先生の暴れん坊からは少なくても弱きを救い悪事を退治するっていう将軍様は感じられなかった。」

「すいません・・・。スコア追いながら指揮するだけで精一杯になっちゃって・・・」

「うん・・・仕方ないよね。何せ初体験なんだから・・・うまく行かなくて当たり前・・・。」

「すいません・・・精進します。」

「じゃっ・・・トランペットの吉川さん。この春に初めてトランペットを吹いた全くの初心者から見て、今の部長のソロはどうでした?」

するとトランペット8名の一番右に座っていたちょっと浅黒く体育会系っぽい女の子が立ち上がりました。

「はい・・・。今の指揮に合わせると、こうなっちゃうんだ・・・って思いました。普通どおり吹けばもっとかっこいいのに・・・。」

「はい。これが風谷先生の指揮って事です。吉川さんありがとう・・・わたしの言いたいこと言ってくれて・・・」

「そうですよね・・・曲をイメージすらしないで指揮するとこうなっちゃうって事ですよね・・・」

舞衣さんはそんな私の言い訳が言い終わる前に息を吸って大きな声で次のように生徒達に伝えました。

「それじゃ今度は早坂先生の指揮にあわせもう一度・・・。今の3年生は早坂先生の本気の指揮を知ってるけど、今の1年2年はマコトマジックの本気の指揮は初めてだと思うからびっくりしないで合わせてみて。それじゃ、早坂先生・・・本気の暴れん坊をお願いします。」

そしてその舞衣さんに応えるように今度は指揮する真琴に合わせて同じ曲が始まりました。

それは私の暴れん坊とは全く違ったストーリー性のある暴れん坊です。茶髪の癖っ毛を振り乱すようにその小さな身体の全身を使って、まるでプロの指揮者がオーケストラを指揮するかのような躍動感のある動きをしています。

その・・・たかが暴れん坊将軍にコレほど真剣に向き合うなんて・・・。

そしてそんな曲のメリハリを演奏者に伝えながら指揮して奏でられたソレは、オーブニングで白馬に跨った将軍様がその馬を走らせる道中、悪事をやらかした悪人を切っては捨て切っては捨て・・・という活躍の後、世直しをしたと言う清々しいエンディングで閉じるというまさに理想の将軍様でした。

しかもさっきのトランペットのソロとは一味違う力強くそして艶のあるその音色を聞いた私はもう逝っちゃいそうです。吹奏楽なんて全く縁のなかった私が聴いてもそんな感じでした。

その後、壇上の真琴が私にとっては完璧に思えたそんな演奏に対して各パート毎にいろんなアドバイスをして意見のやりとりをしていました。

この曲というのも春の新入生歓迎会から定期演奏会に至るこの附属高校吹奏楽部の名物的な曲・・・。

そんなこともあり真琴は改善点をブラッシュアップすためにいろんな意見を引き出しているように見えます。それはいつしかどうやればもっと躍動感を出すことが出来るかというディスカッションに・・・。

そんな最中、私の傍に来た舞衣さんが私の肩を叩いて呟きました。

「これこそがマコトマジックの真骨頂・・・。決してこちらの意見を押し付けない。答えは演奏する側にある・・・って思ってるのね。そしてこんなやりとりの中でみんな成長していく・・・」

「そうですよね・・・。マコちゃんって自分の意見を押し付けるなんてことはありませんからね・・・・。」

「ねえ・・・知ってる?高校の部活の中で、大会に一緒に部活の顧問も出場するが吹奏楽なの。指揮ひとつでこうも音楽が違ってくる・・・。これって凄いことだと思わない?私が高校生の時途中で辞めちゃった吹奏楽に、今指揮者としてこうやって携われるんだよ。」

「それって大会の成績にも影響があるからプレッシャーですよね?」

「うん・・・。でも、この歳になっても高校生と一緒に大会に出れるなんていいと思わない?しかも、高校生ってどう頑張っても3回しか出られない大会に顧問やってる限り何度でも出られるんだから・・・。」

「そうですよね。舞衣さんがそうやって伝統を引き継いで行くんですね・・・」

「伝統?そうね・・・上手いこと言うわね。でも、マコトマジックの頃からは事情が違ったの。」

この「マコトマジック」というのは、真琴が吹奏楽部に在籍した2年間で吹奏楽部のレベルを一気に引き上げ、ソレによりいつの間にか県内有数の吹奏楽強豪校にしてしまったという伝説的なことをひっくるめて、いつしかソレのことをそいう呼んでいました。

この時、そのマコトマジックの頃から事情が違った・・・と、肩を落としながら話すそんな舞衣さんに当然聞いてみました。

「どう違ったんですか?」

「それまではどちらかと言うと、指揮はオマケみたいなもの・・・わたしはそれまでソレでいいと思っていたの。」

「オマケ・・・って・・・?」

「わたしがこの学校で先生になって、昔挫折しちゃった吹奏楽ってものに携われるようになってすごく嬉しかったの。でも、わたしは顧問だから演奏することはできない・・・だからその指揮ってモノで一緒に演奏したかったんだけど、所詮指揮ってオマケなんだな・・・・って思っていたの。」

「でも、舞衣さんも吹奏楽の経験が・・・」

「うん。わたしの高校でも顧問が指揮してたんだけど・・・今考えると意志の疎通が全く出来ていなかったの。演奏する情報は譜面に全て書いてあるし・・・作曲家がそう記したんだからソレでいいって思ってたのね。」

「それじゃ、指揮者の意思は・・・?」

「うん。全く考えてなかった・・・。だからオマケ。」

「でも、舞衣さんは今・・・今までオマケにしか思わなかったその指揮ってモノで自分のイメージを伝えようとしている・・・。」

「うん。それがマコトマジック・・・。早坂さんが部員の意識改革をしちゃったのね。個人の演奏レベルを上げるだけでなく、それによって譜面の情報以外にも情報をくれ・・・ってことになっちゃって。」

「そこまで変えちゃったんですか?」

「うん・・・。これって凄腕の先生が何年かけても出来ないこと。だからそれがマコトマジック。」

「でも、そこまで部活を変えちゃうと上級生なんかから色々あったんじゃないんですか?」

「うん・・・。そうみたいなの。早坂さん自体学費免除の、しかも吹奏楽部初の特待生として入学してるから彼女なりの責任を感じていたみたいなのよね。」

「やっぱりそうですよね。何せ部活で初めての特待生ってことでいろんな期待も背負ってるし、その分反発も大きいだろうし・・」

「でも、早坂さんのいいところっていつも前向きなところなの。上級生や楽器経験者の1年生までソッポを向いちゃった時、まず最初に早坂さんがやった事って初心者の指導だったの。」

「それって、外堀を埋める・・・ことですよね。」

「それが違うの。早坂さんが今の自分にできることを考えた末のことらしいの。」

「その時って、吹奏楽部の特待生はマコちゃんだけで経験者はあまりいなかったんじゃ?」

「うん・・・。そうなの。今じゃ半分以上が経験者なんだけど、その時ってそのほとんどが全くの初心者で・・・」

「それじゃ、譜面の読み方も知らない?」

「うん。そこから・・・なの。あと、一部経験者として入部した1年生もキチンと譜面を読める子がなかなかいなくって・・・」

「各パート内で教えるとかできないんですか?」

「それが、春に初心者に手取り足取り教えている間にあっという間に野球応援が入って来て、次に吹奏楽コンクールの支部大会があって・・・上級生は自分たちのことだけで手一杯なのね。」

「それで・・・初心者を指導する人がいれば負担が減る・・・と。」

「うん・・そうなの。その初心者を指導することだけは自由にやらせてもらえたみたいでなんだけど・・・」

「なんか引っかかる言い方しますね。それでなんかあったんですか?」

「それが・・・野球応援の時、その試合が長引いちゃってトランペットが口が痛くてもう吹けませんって・・・ってなって。」

「それでどうしたんですか?代役なんてその初心者しかいないんじゃ・・・」

「それで音程なんてどうでもいいから吹けるなら吹いてみろ・・ってことになって。しかも全く練習もしてないその初心者に・・・」

「それでどうなったんですか?」

「そしたら譜面も見ないでキチンと吹いちゃって・・・」

「どうして吹けたんですか?」

「それまで基礎練習をみっちりやってきた成果だって。その間、上級生たちが応援マーチの練習してたのを耳で聞いていたのね・・・それで。」

「すごいじゃないですか・・・それじゃ上級生たちは驚いたでしょう」

「そしたら始まっちゃったの。」

「何がですか?」

「下剋上・・・」

「えっ?何が・・・どう下剋上なんですか?」

「上級生より上手な初心者が現れ始めたってこと。」

「そうしたら部活内・・・大騒ぎじゃないですか。」

「もちろん。ちょっとの差だったら分かんないけど、上級生より初心者の方が音も綺麗だし安定してるし、何より譜面の読み方ができるから初見である程度吹けるというか・・・」

「そうしたらマコちゃんの立場がますます・・・」

「それが違ったの。上級生や経験が長かった子ほどそのプライドが許さなかったのね。その野球が準決勝で敗れてからの練習の入れ込み方が違うというか・・・目に色が本気になったというか・・・」

「みんなを焚き付けちゃったんですね。」

「うん。そうしたらあれよあれよという間にコンクールの支部大会を突破して県大会で金賞取ることになっちゃって・・・。その時他校の先生からどんな指導してるのか?・・って聞かれて困っちゃって・・・」

「それって、他校の先生にも認められたって事ですよね。」

「うん。すごく音が澄んでいたんだって。私自身もそうとは思っていたんだけど、毎日その音を聞いてるとその変化自体はあまり分からなくって・・・。」

「前の演奏しか聞いてない他校の先生とか審査員はさぞ驚いたでしょうね。」

「そうね。そのコンクールの審査員からはすぐにでも東北大会に推薦できるレベルにはなっていたけど、東北大会常連高との差がハッキリしてから文句なしの状態で送り出したい・・・ってコメントもらったの。」

「県大会で金賞なのに東北大会には行けない・・・?それって、俗に言うダメ金ってやつですか?」

「うん。そのとおり・・・」

「でも、その時県内の強豪校に肩を並べたって事ですよね。」

「うん・・・そうね。でもその頃から感じていたの・・・私の指揮力の無さを。このままじゃいつか頭打ちになるんじゃないかって・・・」

「そこまで来ちゃっていたんですね。

それで次の年も下克上があって・・・」

「次の年は何があったんですか?」

「さっきのトランペットソロ聴いてどうだった?」

「はい・・・全身鳥肌でした。」

「今、あなたを全身鳥肌にしたその部長もはじめは全くの初心者だったの。」

「えっ?・・・そんな感じには見えませんが・・・」

「まっ・・・素質があったのね。早坂さんの教え方も良かったんだけど・・・彼女、トランペットを吹くために生まれて来たと言っても過言じゃない変態的素質の持ち主なの・・・・・。」

「そんな・・・変態だなんて・・・」

「トランペットって吹く人によって音色が違うのって知ってた?」

「あっ・・・そういえば・・・」

「そうなの。あの部長の唇って・・・まさにトランペットのマウスピースにジャストフィットなの。しかも、男子顔負けの肺活量に唇の柔らかさも丁度良くって・・・あの澄んだ音色って訳。」

「そうなんですね・・・。そういえばマコちゃんも・・・。」

「そうなんだよね・・・実は早坂さんって、金管楽器ならなんでも出来るの。でも・・・トロンボーンとユーフォ(ユーフォニアムのこと)のマウスピースが唇にあってて・・・それであの音色って訳・・・」

「部長って凄い人材じゃないですか・・・探してもなかなかいない・・・」

「そうなの。早坂さんが開花させたようなもんなの・・・。わたしも高校の時トランペット吹いていたから分かるけど、アレは努力とかそういうものでは補えない・・・生まれもってのもの。」

そこまで話した舞衣さんが、丁度真琴の話が終わったのを見計らってその部長に声をかけました。

「部長・・・チョットお願いがあるの・・・。」

「なんでしょうか?」

「風谷先生がさっきのソロ聴いて逝っちゃいそうだったんだって・・・。オトコの人を寸止めにするのは気の毒だから・・・アレで逝かせてあげて・・・」

「あっ、アレ・・・ですね。」

そう言うと部長はトランペットに息を吹き込み唾抜きからフッと唾を抜くと立ち上がって再びそのシルバーに輝くトランペットのベルを私に向けました。

そしてそこから吐き出された曲は・・・・必殺仕事人・・・

それを聴いた私は逝ってしまいました・・・・というか仕事人に殺されてしまった感覚です。

まさに悩殺・・・。こんなに澄んだ真っ直ぐなそんな音色・・・こんなの聴かせられたら・・・・。

「あの子のカレシになるオトコって幸せモンだと思うよ・・・何せあの唇・・・そしてあのキレのある舌・・・」

この時舞衣さんが何を言わんとしているのかなんとなく分かりました。そしてその言葉に私自身背筋がゾクッとしています。

そんなことは置いといて舞衣さんの話は続きます。

「トランペットって、聴いた人の脳裏に焼き付くみたいなの。その演奏自体を印象付ける重要な役割を担ってる・・・。」

「そうですよね。仮にそのトランペットがグダグダだったりしたら、他がどんなに良くっても・・・やっぱりグダグダ・・・。」

「そうよね。そのトランペットで勝たせてもらってるようなものだから・・・」

「そんな部長を発掘した本人があのマコちゃんですよね・・・」

「発掘というよりは育てた・・・ってところだよね。」

「そうですよね・・・」

「その部長がトランペット吹くようになってから2年連続で東北大会推薦してもらったんだけど・・・今度はそこでダメ金取ってるの。だから今はその上を目指してる。」

「ちょっと待ってください!。2年連続ってことは去年も東北大会に行ってるってことですよね?去年ってマコちゃんがいなかった年ですよね?」

「うん・・・。」

「それじゃ去年は舞衣さんの指導だけで東北大会に行ってる。それって舞衣さんの指導マコちゃんに負けてないってことじゃないですか?。」

「でも、それがわたしの限界。いくら早坂さんのやって来たことを引き継いでもそれ以上の結果は出せない・・・。しかも、その頼みの綱のトランペット奏者も今年限りで卒業しちゃう・・・」

「それが高校部活の宿命・・・」

「それからわたし自身が焦り始めちゃって・・・。そんな時あなたが早坂さんを連れて来てくれたの。本当に有り難かった・・・ありがとう・・・まーくん。」

「ちょっと・・・やめてください。」

「香織おばさん(私の母さんのこと)から聞いてるよ・・・親類はみんなそう呼んでるって。」

「じゃ、僕も呼んじゃいますよ・・・舞衣姉さんって。」

「うん・・・それもいいかも・・・」

私と舞衣さんは、私の姉さんと舞衣さんの弟さんとの結婚で義理の兄妹になることが決まっていました。ものすごい偶然です。

「でも・・・僕がマコちゃんを連れて来たって言うのは全くの偶然なんです。僕って本当は地元の母校で実習受ける予定だったんですが・・・・」

「うん。それ・・・知ってる。受け入れ拒否にあったんでしょ?」

「はい・・・そのとおりです。」

「偶然でもなんでもいい・・・わたしはこの部活の子たちをもっと高みに連れて行きたいと思ってる。」

「全国・・・ですね。」

「うん・・・。」

「それにはマコちゃんだけじゃなくって舞衣さんの指導も不可欠ってことですよね。」

「そうじゃないの。それって部員たち自身の意識も大切ってこと。」

「意識・・・ですか?」

「当時早坂さんが初心者の指導に取り組んだ結果初めて県大会で金賞取ることができた訳なんだけど、それからはみんな練習すればうまくなって結果が付いてくるって肌で感じ取ったのね。それからはやらされてる感が全くなくなって・・・」

「意識改革ってところでしょうか?」

「そうだと思う・・・。もうそれから早坂さんはコンダクターとしての地位を確立して・・・」

「それがマコトマジック・・・」

「うん。その翌年なんて初心者指導に上級生も加わるようになって・・・」

「上級生も一緒なって下級生に教えたんですね。」

「それが違うの。上級生も教わる立場。」

「えっ?なんで今更・・・」

「でもね。上級生と言っても譜面読めなかったり、いろんな悩み抱えてる子って多くってね。この際だから教えてもらおうって。そうしないと下克上で自分がコンクールメンバーから外れることがあるかもしれないって危機感があったのね。」

「そうしたら部活内の雰囲気悪く何ないですか?」

「そりゃピリピリしてたわよ・・・いい意味で。」

「そしてレベルがドンドンと上がって行ったわけですね。でも・・・そうするとマコちゃん自身の練習は?」

「それが・・・みんなが帰ったあと音楽室に篭って・・・」

「あの・・・防音室?」

「うん・・・。校長に遅くまで残っていい許可もらって自分が納得するまで・・・」

「マコちゃんって・・・ああ見えても結構頑固者で、自分の信念貫きますからね・・・。」

「でも・・・そうやってみんなの演奏レベルが上がってくると、今度は私のヘマにみんなを巻き込むようになっちゃって・・・」

「それはすごい事じゃないんですか?」

「うん・・・その指揮者の表現力がそのまま演奏に現れることになって・・・。ソレこそすごいプレッシャー・・・」

「そうですよね。僕は将軍様の馬をうまく走らせられなかったけど、マコちゃんだと一瞬にして白馬が砂浜を走る感じに・・・」

「それで・・・これって後で伝えようかと思ったんだけど・・・」

そんな会話の最後に舞衣さんがそう言ったきり話が途絶えてしまいました。

「舞衣さん・・・。それって何か吹奏楽部に関することなんですよね。」

「うん。わたし・・・その・・・指揮ってものを勉強させてもらうのに少しの間音大に行かせてもらえることになったの。」

「指揮ですか?それに音大?」

「うん・・・。そもそもわたしって指揮なんて教えてもらったことなんてなくって・・・。今のわたしは、高校の部活で顧問がしてた指揮の受け売りなの。つまりはモノマネ。」

「でも・・・音大まで行かなくっても・・・」

「校長が気にかけていてくれて・・・提携関係にある音大に丁度空きがあって・・・」

「でも・・・ソレってその間舞衣さんがいなくなっちゃうってことですか?」

「うん・・。当面、早坂さんみたいな外部講師っていう立ち位置なんだけど・・・でも、その時期を決めかねていたんだ・・・」

「ソレじゃ・・・今、マコちゃんが講師として来てくれてくれているうちに・・・ってことですか?」

「うん・・・。そう考えてる。でも、これって今のところ校長と教務主任とわたしだけの秘密・・・。」

この時聞いたのは、舞衣さんが前々から自分の指導力不足を校長に相談していたところに、以前吹奏楽部の部員だった真琴が最近になって部活の指導をしていることを小耳に挟んだ校長から打診を受けたというものでした。

「マコトマジックを講師に向かい入れるからその間に修行して来い・・・クラスと英語の授業は教務主任に任せるから・・・って。」

「じゃ・・・部活は?」

「ん?・・・・校長が見てくれるって・・・」

「えっ?校長直々・・・」

そもそもその校長自身、若い頃吹奏楽部の講師をしていてその悩みは理解していたとのことでした。そして、亡き舞衣さんのご両親の元同僚であったこともあり、舞衣さんのことを実の娘のように思っていたようです。

それを知ったのはずっと後になってからなのですが、実習中酒を飲んで実習生に絡むそんな校長を「酒さえ飲まなければいい人なんだけど・・・」と表現した舞衣さんの胸中がよく分かりました。

そんな部活が終了を告げ撮影隊がいろんな部員にカメラを向ける中、傍で椅子の撤収作業が始まった多目的ホールにふたばがズカズカ入って来るのか見えました。このふたばが現れるということは、いつものことながら厄介ごとが始まるということです。

ちなみにこのふたばという女性は私の下宿の娘で一緒に実習を受けている元カノで、そのふたばは自分のところの大学の授業で使っているジャージ姿です。恐らく実習中担当していたソフトボール部の部活を指導した帰りかと思いましたが、そんなふたばは身長186センチを誇りどこに行ってもその存在感が圧倒的でした。

その時私は真琴からこの後の予定を聞いている最中でしたが・・・この後会社に戻って幼稚園の送り(この会社は幼稚園の送迎も請け負っていて小さめのバスで送迎をしていました。しかもバスガイド付きで・・)があるようで・・・

しかも夜は夜で、晶(真琴のお姉さん)が入院している病院で先生から話を聞き、明日は早朝から別な添乗業務を控えているという超過密スケジュールで次に逢えるのが数日後ということになっていました。

そんなところにズカズカ現れたふたばが私に向かって告げました。

「アンタにお客さん・・・」

私は帰り支度を始めたそんな真琴に別れを告げ、ふたばに腕を引っ張られるようにして多目的ホールを出るとその腕を引っ張っていた手が昇降口を横切ろうとした時力なく外れその歩みを止め振り返りました。

そして大きなため息とともに私に告げます。

「アンタってとことんオンナに縁のあるオトコだね・・・。今、職員室で待ってるそのお客もまたオンナだよ・・・」

「ん・・・?誰だろう?」

その時私には全く心当たりはありません。母さんや姉さんであればふたばと面識がありますが・・・しかも、今日この時間に私がこの学校にいることなんて知っているのは大学の友人でも数人程度でした。

その後職員室で私を待っていたその意外な人物を見て驚きです。

「えっ?・・あっ?・・・チエ・・・ちゃん?」

なぜか佐藤先生の脇で丸椅子に座っているそのは小さな小学生。

まっ、ふたばが言うオンナには違いはありませんが・・・

「久しぶり・・・。今日はまどかを連れてくるように頼まれて・・・じゃっ・・・佐藤のおじいさん・・・また・・・」

その小学生は大人びた口調で私にそう伝えると私の右腕の裾を引っ張りました。そしてその小さな身体の胸には「6年3組遠藤知恵」と書いた名札がぶら下がっています。

その時でした。なぜか今までその小さな女の娘と話していた佐藤先生が動揺がおさまらない私に向かって言いました。

「今日はこれでいいから、一緒に行くといい・・・。」

「で・・でも・・・」

「ん?・・主任(教務主任)には私から言っておくから・・・。あっ、小林先生には豊浜先生(ふたばのこと)から風谷くんが遠藤事務所に行ってると伝えてくれ。最後に下宿に届けるから心配しないでくれって。」

この時佐藤先生は私を連れて来たふたばにそう伝言を頼みました。

「えっ?・・・遠藤・・事務所?ですか?」

「うん・・。言ってもらえると分かると思う。」

そんなやり取りの中、私は小学生に左手を引っ張られ職員用の昇降口から外に出てそのまま駐車場に向かいました。そして昇降口を出た瞬間からその小学生が先程とは一線を画すように私の腕に絡みつくように・・・まるで甘えるかのようにして私を引っ張ります。

その時私がその腕を引っ張られる方向に見えたのは、撮影クルーのクルマの奥に見える小学校の駐車場に似つかない白いクルマでした。

「さあ・・乗って・・」

その小学生にそう言われて見たそのクルマはどこかで見たことのある白いベンツです。しかも大型のヤツ・・・

「さあ・・こちらへ・・・」

そう言ってガラスが真っ黒のスモークになっている左の後部ドアを開けて私にクルマに乗るよう促すそのオトコは身長が高く、全身黒スーツのうえ白手袋をしているということでこのクルマの運転手でしょうか?

でも・・・その角刈りにサングラスという出立ちはどう見てもゴルゴ・・・つまりはスナイパー。

そこで思い出しました。この人は恐らく後藤田という人で、先日私が入院した病院で担当してくれた看護婦さんのお父さんです。しかも、入院中の就寝中に見た、白衣の後藤田さんの匂いや身体の重さ、またゾクゾクする快感を感じるような看護婦プレイの超リアルなエッチな夢の最後にその後藤田さんが言い残した言葉・・・

「お父さんに知られたら殺されちゃうぞ・・・」

と・・いうことは、私はこのまま山に連れて行かれて埋められるか、簀巻きにされて海に沈められるかのどっちかでしょうか?

「ねえ〜まどか〜。なに固まってんの?またお風呂一緒に入ろうよ・・・」

でも、そんなことを思いながら市内に向け国道を走るベンツの広い後部座席の隅っこに座って固まっている私にもたれかかるようにこんなことを言うその少女と私は面識がありました。

そして私がコレまで経験したこともないほど静かで快適なクルマのレザーシートに座っている私の右膝を跨ぐように座ってその少女は私を見つめています。

それは以前、ふたばにせがまれて連れて行った公衆浴場でのことです。上半身が遠山桜のお年寄りと男湯に来ていたその少女と浴槽で世間話をしたのが始まりでした。

その時、私が使っていたジャグジー風呂のお湯の吹き出し口にその小学生がアソコを当てて気持ちいい顔をしていた時に「そんなことは一人でするもんだ。こんなところでしちゃいけない。」と注意したのが始まりです。

そしてせがまれるまま女性器の構造なんかレクチャーしてしまったような気がします。

その時この娘は自分は小学4年生と名乗っていて、その時はそのペッタンコの胸を見てそう信じてしまったのですが・・・・。加えて「その一人でやるやり方を教えて・・・」と聞かれ困ってしまった記憶があります。

確か自分でする時、指は入れちゃイケナイと伝えたような・・・その後小学6年生だったと聞かされて驚いたような・・・。

ここで一つ確実に言えることは、私と私にもたれかかっているこの小学生が既にハダカの付き合いをしているということでした。

「後藤田・・・。わたし、このまどかと一緒にお風呂入りたいからあのモーテルに行ってちょうだい。」

この時その小学生が私に抱きつきながらベンツを運転しているゴルゴにそう命令しました。

「ちょっと・・・。チエちゃん・・・それは・・・。」

「お母さんに黙ってればいいだけでしょ?」

「でも・・・それはできません。会長に言われた通りこのまま事務所にお連れします。」

この時私の頭の中は混乱していました。なんでこんな少女が大のオトナに命令口調で話ができるのか?どうしてその会長という人が私を事務所に召喚したのか・・・?。でも、ここで一つだけ私にとっての安心材料がありました。

このまま事務所に連れて行かれると言うことは、すぐには埋められたり沈められたりしないというただその一点のみ・・・。

私がそれについてちょっとだけ胸を撫で下ろした時、その少女が私の前で運転しているその角刈り頭に問いかけます。

「後藤田!そんなの冗談に決まってるでしょ?そんなこと間に受けちゃって全く・・・。だからお母さんのことモノにできないんだよ・・・。いつになったら千鶴姉さんが本当のお姉さんになるの?ねえ・・・聞かせてよ・・・後藤田〜。」

この小学生は大の大人に向かってそんなことを言っています。「お母さんをモノに・・・」なんて言ってることは母子家庭なんでしょうか?その千鶴姉さんと呼ばれている彼女の同僚から以前聞いていたのは、その後藤田さんのお母さんは既に亡くなっているということでした。

・・・ということはお互いに一緒になれる条件は揃っていることにななります・・・。でも、私なんかが首を突っ込む話ではありませんが・・・・ますます私の頭の中が混乱を極めています。

そして頭が混乱するままの私を乗せたそのベンツが市街地に入り、そこに建っている高層マンションのエントランスに停まりました。

「じゃ・・こっち・・」

私のすぐ前で運転していたオトコがそのドアを開けるより先にその小学生がドアを開け私を外に押し出しました。

そして腕を引っ張られながらオートロック式の入り口に入ろうとした時、遅れて開く自動ドアの前で急に止まったその少女が急に振り返った瞬間私の腕がその少女の胸に強くあたってしまいました。

「いててて・・・・」

その少女は一瞬胸を抑えたかと思うと、「ん?なんでもない。」と言いながら再び私の腕に絡まるようにして私とエレベーターに乗りました。

「ねえ・・・わたしって不治の病なの。前からちょっと痛いな・・・って思っていたんだけど、最近胸にシコリみたいなのが出来て・・・触ると痛いの。それ・・・後で診て欲しいんだけど・・・。」

それって恐らく第二次性徴期特有の・・・アレです。

「それって多分病気じゃないと思うよ・・・」

「なんで分かるのよ・・・」

「君ぐらいの年頃の女の子がそうなるって聞いたことがあるけど・・・。友達からそんな話聞いてない?」

「わたし・・・友達いないから・・・」

そうです。この子の取り巻きがあんなゴルゴだったり、眉のないスキンヘッドだったりしています。誰も恐ろしがって近付こうとしないのも頷けます。そんなこともあり、銭湯で私がこの子に対して子供扱いしないできちんと対応したことでその会長と呼ばれる東山桜の方から感謝されていました。

さらにエレベータに乗ることしばらくして目的としているその入り口まで来ました。そのドアの表札には「遠藤幸子司法書士事務所」となっていて、それを佐藤先生は短くして遠藤事務所と表していたのでしょうか。

ただ、気になることにその隣に「後藤田興信所」の表札も・・・。

興信所という名前については、以前母さんから義父さんと結婚を考えた時に素行調査を依頼したのがその興信所だと聞いていました。私はそんな興信所なんてモノは縁がないものと思っていましたが・・・。

そしてそのドアが開かれ、背中を押された瞬間思いもしない人と再会を果たすこととなります。

「あ・・いらっしゃい。久しぶり・・・というか、数日ぶりかな?」

そう挨拶しながら私を出迎えたのは、先週末真琴の姉の晶(あきら)を見舞いに行った際に私が倒れてしまって、その時入院する羽目になった時の担当看護婦の後藤田千鶴さんでした。

その姿は小柄ながら父親似の鋭い眼光の物凄く綺麗な女性です。しかも、その雰囲気からどこかオトコを近づけないような雰囲気が漂っていました。

そのドアの中は見かけより広いフロアとなっていて、手前にある来客用のソファーの奥のパーテーションを挟んだその奥の右手が遠藤事務所、左手がその興信所の事務スペースになっていると言った雰囲気でした。

さらにその奥では事務員と思われる若い女性が二つの電話を使い分け、右の電話には「遠藤事務所・・・」また、左の電話には「後藤田興信所・・・」と電話に出て受け答えしています。

私はそんな事務スペースに並んでいる事務机の角に座らせられて後藤田さんが出してくれたコーヒーを飲んでいました。

その時です。私の後ろの扉から例の遠山桜が現れ、椅子に座ったままの私に謝罪を始めます。

「すまないね・・・。きちんとした事務員に向かわせればよかったのだが・・・。今忙しくって事務所内がこんな感じ(つまり、みんなで払っていてガラガラ・・)だから、気を利かせたこの娘がどうしても迎えに行きたいと言い出して・・・」

その人はそう話しながら私の前の事務椅子に座りました。

その姿は例の如くなんて言って良いのか分からない和服姿です。ただ言えることはその姿を見た瞬間「この人はカタギじゃない・・・」と思えることのみ。

「あっ・・・この前は高価なサンダルをいただきましてありがとうございました。彼女、すごく喜んでいました。」

私はその時真っ先にそうお礼を伝えていました。もしこの人に会ったのならそのお礼を真っ先に伝えようと思ったところでした。

それは、銭湯で履き物を紛失したふたばを背負ってクルマまで戻ったところで、そこで出会したこの遠山桜から頂いた水色のエル○スのサンダル。それは、私なんかが買えるような代物ではありません。

「うん・・・。喜んでもらえれば・・・。まず最初に謝らなければならないことがあって・・・。」

「なんでしょうか?」

「悪いが君のことは調べさせてもらったよ。下宿や大学・・・そして教育実習してる高校・・・あと、交友関係も。」

「えっ?交友関係・・・・も、ですか?」

「うん・・・。短期間だったが、あの後藤田の部下たちがきっちりと。」

「え・・・え・・・?」

この時私は言葉を失いました。何をどこまで調べられたのか?前に母さんから義父さんのことを興信所に頼んで調べてもらった話を聞いたときに「そこまで分かるのか?」と思うぐらい詳細に調べあげていたような気がします。

先日、下宿でふたばが不審者を見つけたと言っていましたが・・・まさかソレがコレだったとは・・・。

でも、普段後ろめたいことをした覚えはありませんのでいくら調べられても痛くも痒くもありませんが・・・その・・・女性関係だけは知られたくないというのが本当のところです。

その時、そんなことを考えていたことを察したのかその遠山桜が言葉を付け加えました。

「まっ・・・心配はしなくていい。人には知られたくないとことの一つや二つはあるもんだ。今回君を調べるように依頼したのはワシだからそんな情報は漏れる心配は無用だ・・・。」

この時この会長は「人には知られたくないもの・・・」と言っています。それはそのことは全部知られている事を指します。

ふたばとのことも、舞衣さんとのことも・・・。もう、この人に逆らうことはできません。

「どうして僕なんかを調べたんですか?」

「それでなんだが、今日来てもらったのには理由があって・・・」

その時です。先程ベンツを運転していた黒スーツ姿のゴルゴが現れ、私を見下ろすようにして私の前に立っていました。

「詳しくはこのオトコから・・・」ということで、私がここに召喚された理由が説明されました。

それは、言ってみれば「浮気調査」・・・。でも、そんな素行調査なんてプロであるこの事務所のメンバーで事足りると思うのですが・・・。

しかも、誰がどのような理由で依頼したのかも誰の浮気かも明かされす、ただ一点私が頼まれたのは今教育実習を受けていた高校の・・・ある女子生徒の素行に関するモノでした。

「えっ・・・それって・・・エンコウ・・・?」

それに対しては依頼者の守秘義務ということで明かされませんでしたが・・・・私には心当たりがありました。

それは舞衣さんが担任をしている1年6組の委員長である由香ちゃん・・・。私は2度に渡りその由香ちゃんが父親以外のおっさんと行動を共にしているのを目撃していました。

1度目はふたばと行ったモーテルで・・・2度目はそのおっさんのクラウンがタイヤがパンクしたということで、舞衣さんの教え子である「兵藤タイヤ」の息子に頼まれて舞衣さんと一緒に行ったショッピングモール屋上での出張修理・・・。

そのうえ、ひょんなことからそのおっさんが真琴の姉の晶が務める自動車ディーラーの専務であることも知っています。

「あの・・・もしかして・・・その調べている調査対象者って・・・・自動車ディーラーの専務の・・・。」

「ん?どういうことだい?詳しく教えてくれないか?」

その時私はそのラブホのこと・・・パンクのことを簡潔に伝えたところ、後藤田という人が鍵の掛かった金庫から何やらファイルを出してきてページをめくっています。そのファイルの背表紙には「依頼番号3ー1002号」とだけ書かれていました。

「はい・・・。モーテルの件は遠藤事務所の管理物件のビデオで確認していますが・・・商業施設で一緒だったということは記録がありません。」

と、いうことは私がいつも出入りしているモーテルの出入り口のあるカメラで録画されていたものは確認済みということになります。興信所というところはそこまで調べるんでしょうか?でも、そのモーテルを管理していると言う遠藤事務所が同じ事務所内にあります。当然と言えば当然ですが・・・。

その時私は、その調査対象とされた由香ちゃんにエンコウをやめて貰いたい旨を伝えました。それは担任である舞衣さんも同じ思いであるとも・・・。

「それじゃ・・・その担任の先生にも協力してもらいなさい。守秘義務さえ守ってもらえれば問題ない。頭のいい君ならイヤとは言えないはずだし、その担任の先生も君の言うことなら断らないと思うし・・・」

その会長はやはり全部知っているようでした。この時改めてこの興信所というか・・・この会長と呼ばれるこの人自体が凄く恐ろしい存在に・・・。

何せ誰にも知られていないようなことまで調べあげているんですから・・・。

すると今度は今まで事務机の隅っこで宿題をしていた小学生の知恵ちゃんが何かの問題集をバタっと置いて叫びました。

「う〜ん・・・分かんな〜い!」

前にこの子と話をした時、育っている環境が特殊な環境だから将来どんなところに出ても生きて行けるように勉強だけはしっかりとするように教育されているということを聞いていました。それで誰に言われることもなく自主的に宿題をしていたようです。

そしてその分かんないと言ったボヤきと被るように今まで話していた電話を置いた事務員が「これから桜沢さんが緊急で相談に来られたいとのことですが・・・相手方と進展があったようです。」と、そこにいた会長という人に尋ねました。

「千鶴さん・・・今、幸子さんは?」

「えっと・・・。市内に交通事故の示談交渉に行っていて・・・・間も無く戻る頃です。」

「その時会長に尋ねられた後藤田さんが、遠藤事務所側の机に座ってワープロで何か文章作成しながらそう答えました。

「それじゃ桜沢さんお呼びして・・。」

「はい・・分かりました」

そんなやり取りのあと私を見た会長が口を開きました。

「風谷君。ちょっとこの子の宿題見てくれないか?」

「それは構いませんが・・・。」

「少し時間が掛かるかもしれないが、君のことは後で下宿まで送って行くから・・・ちょっとこの子と一緒に外してくれないか?」

そう言われた私はその知恵ちゃんに腕を引っ張られ、その建物の上層階にあるという自宅に行くために先ほど乗ってきたエレベーターで更に上に向かっていました。

ちなみに先ほど会長が言っていた時間の掛かる相談事というのは離婚に関するもので、後藤田興信所で相手方の素行を調査したうえで、遠藤事務所がそれを引き継いで調停に持ち込むという流れになっていたようです。

こう考えると、興信所と司法書士事務所のタッグって最強な感じがしてきましたが・・・先ほど私が話していた会長という人はそんな世界には関係なさそうな建設会社の会長です。う〜ん・・・・訳がわかりません。

そんなこんなで私はその知恵ちゃんの自宅に来て、さらに知恵ちゃんの部屋で出されたコーラを飲んでいました。

「ね〜・・・ここなんだけど・・・」

自分の学習机に勉強道具を広げ、回転椅子をクルッと反転させながら今まで取り組んでいた問題集を見せる知恵ちゃんの手にあったのは算数のモノでした。私はそんな小学生の問題なんて・・・と考えてそれを見せてもらった瞬間、自分の学力の低さに愕然とします。

いつもだったら関数電卓を弾いてサッとやってしまうそんな問題が電卓無しじゃ全く解けません。

「ん?・・・今時の小学生ってこんな難しい問題やるのか?」

それはどう考えても小学生が解くレベルの問題ではありません。

私がそんなことを思いながら首を傾げてそれを見ていた時私の顔を見上げた知恵ちゃんが言いました。

「ね〜・・・まどかって、今高校で先生やってんでしょ?こんな問題・・・なんてことないでしょ?」

「う〜ん・・・」

この時私は自分が小学生の時、分からない問題をどうやって解いたのかを思い浮かべていました。そして今と同じように自分の姉さんに聞いたときに返された答えを思い出しました。

「答えは教科書にある。必ずどこかで勉強しているはず・・・」ということを。

そこで解き方を思い出せず動揺している私は、そんな動揺を隠しながら知恵ちゃんに提案しました。

「じゃ、教科書をもう一回おさらいしてみようか?」

コレって凄くズルイやり方です。

そして教科書とその時知恵ちゃんが授業中黒板を写しとったノートを突き合わせし、それを説明しながら私自身も一緒になって解き方を思い出していきましたが・・・その教科書とノートは学校のものではなく学習塾のものでした。

それを知ることになったのはずっと後のことになります。

「うん・・・出来た!やっぱりまどかって先生なんだね。教え方も上手・・・」

その時問題を解き終えた知恵ちゃんが私の目を見て目をウルウルさせています。

う〜ん・・・そんなに褒められても・・・

その後、国語や社会の宿題なんかも同じようなやり方で問題をその知恵ちゃんがドンドン解いていきます。

この時思いました。この子は頭が良い・・・と。ちょっとヒントを出すときちんと分かってくれる・・・と。

「ピンポ〜ン」

その時です。不意に玄関のチャイムが鳴り、知恵ちゃんがリビングにあるインターホーンでその相手と話をしているのが壁を隔てた子供部屋まで聞こえてきます。そして間も無くその訪れた人が私のいる子供部屋まで入ってきました。

「チッ・・・つまんな〜い。知恵ちゃんも風谷さんも着衣の乱れがないし・・・。」

そう言いながら部屋の入り口に立つ千鶴さんが膨れっ面をしています。

「後藤田さん・・・何か期待してます?」

「まっ、流石に小学生には・・・手を出さないようね。」

「ちょっと・・・それって人聞きが悪い・・・」

「ん?・・・何か言った・・ん?」

「いえ・・・何も・・・」

そんな会話の後ろからコーラを注いだコップを持った知恵ちゃんが現れました。

この子はお客さんをこうやってもてなすと言うことも教育されているようです。

「ん?なんか・・・千鶴姉ちゃんとまどかってなんか親しいって言うか・・・」

「うん・・・。前に僕が入院した時に担当してもらってて・・・」

「あっ・・・だからさっき、久しぶり・・・だったんだ!」

「うん。隠しててごめん。」

「それじゃ話は早い!」

「何が?」

「ねえ〜。まどかから千鶴姉ちゃんに言ってやってよ・・・。早く本当のお姉ちゃんになって・・・って。」

「ん?後藤田さん・・・こう言ってますけど?」

「知恵ちゃんゴメンね・・・父さんがヘタレで。でもちょっとは許してあげて・・・。父さんが死んだ母さんのこと未だに忘れられないみたいなの・・・」

「うん、分かった。でも・・・忘れなくてもいいから・・・後藤田のこと説得してよ。」

「でも・・・知恵ちゃん。なんか忘れてない?」

「ん?なに?」

「知恵ちゃんのお母さんとわたしの父さんが結婚したら、名字が後藤田になっちゃうし・・・あの後藤田がお父さんになっちゃうんだよ。」

「えっ?」

「知恵ちゃん。その後藤田と一緒にお風呂入れる?」

「えっ?」

「ほら・・・。いろいろあるの!。だから少し見守ろうね・・・」

「うん・・・でも・・・まどかとなら一緒にお風呂入れるんだけどな・・・」

「えっ?・・・風谷さん?どう言うこと?すでに手を出しちゃってるってこと?」

「いやいやいやいや・・・・いくらなんでもそんなことは・・・・」

「いくらなんでもね〜。」

私はこの時後めたさを感じながらソレについて否定し、また後藤田さんのソレを当たり前の冗談として受け流していました。

しかし・・・私が高校3年生だった時の彼女であった亡きあおいは、その時私の目の前にいる知恵ちゃんと同じ小学6年生・・・。生きていたとすれば現在高校1年生と言うところですが・・・何とも複雑なものを感じます。

そして少しの雑談の後、深夜勤に向けてこれから寝るため同じ建物にある自宅へ帰るという後藤田さんを玄関まで送って行った時、その後藤田さんにある相談を持ちかけました。

それは例の知恵ちゃんが言うところの「不治の病」についてにでしたが、それを聞いた後藤田さんが明るく答えます。

「うん。それって知恵ちゃんから聞いてるよ。」

「それなら話は早い・・・。」

「でも、それって不治の病・・・と言うよりは恋の病・・・ってとこかな?」

「こっ・・・恋?」

「だって・・・知恵ちゃんが風谷さんのこと考えると胸が苦しい・・・って言うんだもん。それに、おっぱいが大きくなるとき痛いのが重なって・・・。コレって多分初恋だよね。」

「はっ・・・初恋?」

「うん。コレって風谷さんがなんとかしてあげて。まっ、どうしようもない時は大人への階段昇っちゃってもいいんじゃないの?」

「大人の階段って・・・」

「うん。そう言うこと!あと、風谷さんのことは知恵ちゃんに譲るから・・・知恵ちゃんに淡い恋の体験させてあげてね・・・」

そう言いながらスニーカーを履こうと前屈みになった後藤田さんのポケットから何かが足元に落ちました。

それはクルマの鍵・・・。しかもその鍵には『GTーR』の文字が・・・。

「アレ?その鍵・・・」

「うん・・・わたしのクルマの鍵。マフラーとインタークーラー交換して今日戻って来たんだよね・・・嬉しくてあちこち走っちゃった。」

「もしかしてブーストアップも?」

「うん・・・もちろん。今、400馬力仕様になってる。」

「よっ・・400馬力・・・って・・・」

「この前クラッチやっちゃって・・・だから今は馬力落としてるんだよね。」

「クラッチ・・・って?もしかして・・・それって、フェリー埠頭のゼロヨン・・・?」

「ん?・・・まっ・・・時々ね。今のところ負けなし・・・かな?でも・・・何度も勝負挑まれるとクラッチももたないよね。」

「ただでさえ速いGTRが400馬力・・・しかも4躯だからホイールスピンのしない・・・それで何度もゼロヨンやればクラッチも悲鳴を上げるって・・・」

「今度運転させてあげるね。オシッコちびっちゃうかも・・・それじゃバイバ〜イ。」

そう言いながら後藤田さんが鉄のドアを締めて自宅へ帰ってしまいました。

「GTR?ゼロヨン?・・・あの白衣の天使が?」

その時私はその白衣の天使たる後藤田さんがGTRのハンドルを握る姿を全く想像できませんでした。でも・・・そんなGTRの話題の前に何か言っていたような・・・

初恋・・・?恋の体験・・・?オトナの階段って、まさか・・・。ん?風谷さんに譲る?・・・ん?

この時も私の頭は混乱していました。今日はこんな混乱ばかりです。

「ねえ〜。まどか〜。千鶴姉さんとなんか楽しそうだったんだけど・・・なに話してたの?」

「ん?知恵ちゃんをよろしく・・・って。」

その時玄関を前に立ちすくんでいた私の背後から知恵ちゃんの声が聞こえてきて、その知恵ちゃんがドアの鍵を「ガチャッ」と掛けさらにチェーンを掛けました。

「今日、お母さん・・・遅くなると思う・・・から。」

そう言いながら私の手を引く知恵ちゃんのテンションが先ほどと違ったように思えます。なんかしおらしいと言うか・・・。

この時部屋の時計は夕方の5時を少し回っていました。するとそこへ電話がかかってきてそれに知恵ちゃんが出ると、それは知恵ちゃんのお母さんからのもののようです。

「うん・・うん・・今、千鶴さん帰ったところ。うん・・・まどかに宿題見てもらってて・・・うん・・じゃ、このまままどかに泊まってもらって・・・うん・・・そうだよね分かった。そう言っとく・・」

そこまで話したところで持っていた受話器を電話本体に戻した知恵ちゃんがこっちを向いて言いました。

「やっぱり・・・今日お母さん帰ってくるの遅くなるって。でも7時くらいには一旦手が空くからまどかを送っていくことができるから、それまでご飯食べて待ってて・・・って言ってた。」

「それじゃ・・・とりあえず夕ご飯の準備しようか?知恵ちゃんっていつもこんな時どんなもの食べてるの?」

私がリビングからキッチンに向けて知恵ちゃんの肩を押しながらそう尋ねましたが知恵ちゃんからの答えはありません。

するとその知恵ちゃんが急に立ち止まり、振り返りながら私を見上げるその顔が泣きそうになっていました。

「・・・・まどかに泊まっていってほしかったのに・・・。お母さんって今までこんな風になってその日のうちに帰ってきたことなんて一度もなかったのに・・・。いつも寂しい思いをして待ってたのに・・・。」

今度はそう言いながら私に抱きついてきました。その小さなカラダは小刻みに震えていて、いつも気丈に振る舞っていてもやはりコドモなんだな・・・と思う瞬間でした。

「それじゃ・・・・知恵ちゃん。いつも一人でお留守番・・・?」

「うん・・・。」

「だから・・・ドアにチェーン・・・・」

「うん。・・・物騒だからって・・・口酸っぱくしていつも言われてる。インターフォンで確かめて、オトコだったら絶対ドア開けるな。オンナだったらチェーン掛けたままきちんと誰なのか確認しろって・・・」

そこまで話したところで知恵ちゃんが私の顔をじっと見つめながら意外なことを言い始めました。

「ねえ・・・まどか。」

「ん?なに?」

「わたしってコドモだからこんなに寂しいの?」

そう聞かれる私も幼少の頃から仕事帰りの遅い母さんを待っていた経験があることからそんな気持ちは分かるつもりです。でも、私の場合は姉さんがいたのでそこまでではありませんでしたが・・・。

「うん。僕にもその寂しいのは分かるよ・・・。でも、寂しさにコドモもオトナも関係ないと思う。オトナでも寂しい時は寂しいし・・・。でも・・・今の知恵ちゃんにはお母さんしかいないから、子供としては寂しいって思うのは仕方ないと思う。」

「うん・・・。でも、そんなのは分かってるの・・・。こんなこといつもだから・・・。」

私はこの時、この時この知恵ちゃんの父親はどうしているのか・・・と思っていましたが、先日銭湯での知恵ちゃんとの会話を思い出していました。それは・・・

「わたしって妾(めかけ)の子なの・・・」

それは知恵ちゃんと初めて会話した銭湯の中で出てきた言葉です。それは文字通り不倫の上の愛人の子として生まれたことを指します。と言うことは、状況的にあの会長がこの知恵ちゃんの父親という流れ・・・。

でも・・・コレもまた私が首を突っ込めるといった類の話ではありません。その時でした・・・

「ねえ・・・まどか・・・。わたしをオンナにして・・・」

「えっ?」

「だ・か・ら・・・わたしをオトナのオンナにして・・・って言ってるの!」

「ち・・知恵ちゃん・・その意味分かってる?」

「うん・・・こう見えても6年生だよ。いくら友達がいなくたって、そんなこと知ってるし・・・」

「ちょっ・・ちょっと落ち着こうか・・・」

私はそう言い出した知恵ちゃんを宥めるために知恵ちゃんの部屋まで戻り、ピンクのベッドカバーが綺麗に掛けてあるベッドの端に知恵ちゃんと並んで座りました。

高層階のその子供部屋の大きな窓からモヤのかかった景色の中に海が見えました。そんな中で私はその小さな知恵ちゃんに諭すように語りかけます。

「知恵ちゃん・・・そんなに急いでオトナになろうとしなくたって大丈夫。それってその時が来ればいずれ・・・しかもその大人ってってものは1段ずつ階段を登るようにしてしてなるようなものだから・・・」

この時、私はとにかくこの場を治めることしか考えていませんでした。でも、女の子が大人になるってことは誰が考えてもそんな綺麗事じゃ説明が付かないことも知っていました。

当然私の目の前にいるその泣きそうな表情をしているこの少女も、そんな説明のつかない領域に片足を突っ込んでしまっているようです。

するとその知恵ちゃんがベッドの前に立ち上がると服を脱ぎ始めました。

「知恵ちゃん・・・ちょっと待った!」

「わたし・・・知ってるよ!。その・・・どうすればオトナになれるかって・・・。」

「だから・・・それはまだ早い・・・って!」

「早くない!そんなのに歳は関係ないってみづきお姉ちゃんが・・・」

そう言いながらもどんどん服を脱いで行き、最後に残ったパンツを脱ぎながら知恵ちゃんが言いました。

「セックス・・・しよ。ねえ・・・まどか。責任とって!こんなわたしにしちゃった責任をとって!あの時銭湯でまどかに出逢ってから・・・ますますカラダが変になっちゃったの・・・。」

そう言いながら私の目の前で仁王立ちする知恵ちゃんの体つきはまだまだ子供でした。それは女性らしいふっくらとしたものがほとんどない・・・というのが正直なところです。

でも唯一、腰周りというか太ももというか、骨盤が張り出しているその辺だけが若干女性らしい雰囲気がありました。あと、この時気づきましたがその小さな身体の胸にある乳首が虫にでも刺されたような腫れ方をしていて、乳首の先端がチョンッとだけ盛り上がっていることに。

ただ・・・もちろん首から下は毛の一本もありませんが・・・。

しかし、こんな状況を何とかしなければなりません。その時私は知恵ちゃんの気が収まる方法を探していました。

とりあえず話題を変えなくては・・・。

「チョット待った!まず一つ教えてくれないか?そのみづきお姉ちゃんて誰・・・?。」

「従姉妹のみづきお姉ちゃん。附属高校の3年生でラッパ吹いてる・・・」

「ん?ラッパ?もしかして・・・・それって吹奏楽部?」

「うん。今日学校に行った時に会えるかなって思ったけど、佐藤のおじいちゃんに聞いたら合奏やってるっていうから・・・」

「もしかして・・・それって部長の・・・遠藤さん?それに佐藤先生のことおじいちゃん・・・って?」

「うん・・・みづきお姉ちゃんが前に部活で部長してるって言ったような気もするし・・・。あと佐藤のおじいさんって、おじいさんだからそう言ってるだけ。なんかおかしい?」

「おじいさんはさておき・・・それじゃその従姉妹のみづきちゃんに知恵ちゃんの・・・その悩み相談してみた・・・?」

「でも・・・わたし・・・頭がおかしいの。銭湯でも言ったとおりアレのこと考えると、もうどうしようもなくなっちゃって・・・。」

「アレ・・・って、もしかしてアレ・・・?」

「うん。だから・・・そのみづきお姉ちゃんに相談してみたよ。わたしがちょっと変だって事。だって小さい頃から友達のいなかったわたしのただ一人のお姉ちゃんなんだもん。」

「お姉ちゃんだったらなおさらキチンと聞いて貰わなきゃ・・・」

「でも、今年の春にそのみづきお姉ちゃんにカレシが出来たっていうの。その人ってまどかと同じ大学の大学生で、赤いプレリュードっていうクルマ乗ってて・・・」

「えっ・・・あの部長・・・カレシ・・・いたんだ・・・。」

私はその部長の奏でる澄み切ったトランペットの音色にどこか処女性を重ねていたのかもしれません。

それでどう言う訳かその時私はものすごいショックを受けていました。そしてその傷口に塩を塗るかのように知恵ちゃんが話を続けます。

「そしてね・・・・そのみづきお姉ちゃんがそのカレシと初めてセックスした時のことを教えてくてたの。初めてのセックスだったんだって・・・」

「チョット待った。そんな・・・生々しいこと・・・」

「えっ・・・興味ないんだったらやめるけど・・・」

「いや・・・興味はあるんだけど・・・」

この時ショックを隠せない私はそうとしか言いようがありませんでした。

「なんか・・・2回目のデートの時、埠頭の夜景の綺麗なところに連れて行かれて・・・」

「うん・・分かる。あの埠頭から見える製鉄所の灯りがすごく綺麗な・・・でも、そこってそんなクルマばかり・・・」

「なんかその夜景見てたら急に迫られちゃってそのまましちゃったんだって。」

「えっ?そのまま・・・しちゃった?」

「うん・・・そうなんだって。その初めての時血が出ちゃって・・・クルマのシート汚しちゃって悪いことしちゃった・・・って。」

「えっ・・・初体験がカーセックス?」

「それって・・・カーセックスっていうの?」

「うん・・・クルマの中でしちゃうヤツ・・・。結構そう言うのを覗きにくる輩もいて・・・。」

「それでね。初めての時ってヤッパリ痛くって・・・その時は歯を食いしばって早く終わって・・・って思ったんだけど、誰かに見られないかって気になっちゃってそれどころじゃなかった・・って。」

「そりゃそうだろ・・・。でも、そのカレシってどんなヤツなんだ?女の子の一生で一度きりの処女喪失の場所をそんなところで・・・。せめて自分のアパートとか・・・」

「そのカレシって下宿なんだって。」

「そりゃ・・・連れ込めないね・・・」

「それで最近はラブホテルに行くことも多くなってきた・・・って。」

多くなってきたって言うことは未だにカーセックスは継続中のようです。それで良いのでしょうか?この時、どうしようもできないのを知っていながら他人のカップルを心配している自分がいました。

「それでみづきお姉ちゃんが言ってた・・・初めての時だけは相手が経験豊富なオトコが良いって。痛くしないから・・・って。」

「そんな経験豊富なオトコって・・・おじさんじゃあるまいし・・・」

「そういえば・・・先週、久しぶりにカレシとラブホテルに行ったら同じ高校の1年生がおじさんと一緒にソコから出てきたのを見たって・・・」

「えっ?・・・その話・・・いつした?」

「うん・・・一昨日・・・」

この時私は先週ふたばとモーテルに行った時のことを思い出していました。

私の運転するアルトを煽るシルビアから逃れるようにして入ったモーテルで、1年6組の由香ちゃんを助手席に乗せたおっさんの運転するクラウンとすれ違う時、早く進めと言わんばかりに後ろでクラクションを鳴らした赤いプレリュード・・・

そのクルマの助手席にあの部長が乗っていたとは・・・

そんなことを思い出した私はものすごく落胆していました。そこに拍車をかけるように知恵ちゃんの話が続きます。

「でもね。何回もしちゃうとクルマの中ってことも忘れて出来るようになるし。そうなって来るとだんだんエッチなことがしたくなっちゃうことあるから・・・って。」

「でも・・・そのクルマの中ってやつは・・・」

「それに・・・銭湯で知恵ちゃんに触るなんて最低なヤツだけど・・・きっかけなんてどうでも良いから、そんなことに興味が出てきた知恵ちゃんも少しも変じゃないよって言ってくれて・・・。」

「初めてのエッチって・・・そんな風って・・・小学生にとっては刺激が強いんじゃ・・・」

「まどか・・・みづきお姉ちゃんに最低なヤツって言われてるよ・・・」

「うん・・・それって恐らく犯罪・・・」

「でも・・・それはわたしが頼んでしてもらったやつでまどかは悪くない・・・」

「だからって・・・小学生に・・・」

「ううん・・・そんなことない。クラスの中でもセックスしちゃってる子はしちゃてるし・・・」

「しちゃってる・・・ってそんなもんなの?まだ小学生だよ?」

「あっ・・・その子もカレシが大学生って言ってたような・・・。」

「ここでも大学生・・・。もしかして大学生ってロクな事してないヤツばっかり?」

「まどか・・・そんな自分も大学生じゃ?」

「うん・・・ごめん。そんなバカな大学生を代表して謝罪する。」

「誰に謝罪してるのよ・・・。でも、みづきお姉ちゃんが言ってたよ。みづきお姉ちゃんってそれまで部活ばっかりでオトコってものに興味がなかったんだって。それでカレシが出来てから違う世界も見えてきたからチョット楽しい・・・って。」

「そりゃ・・・ね。若い男女がそんなことすれば・・・」

「でも・・・みづきお姉ちゃんが言ってた。今までカレシってもんがいなかったから急にそんな事になっちゃったからそうなっちゃってるって・・・」

「急にそうなっちゃってるって・・・。急にカレシが出来て急にエッチなことしちゃったって事?」

「うん。知恵ちゃんの場合はオトコってものがどう言うものか知らないからエッチな想像だけが膨らんでる・・・って」

「だから・・・エッチなことしてソレがどう言うものかも知りたい・・・と?。でも、いくら何でも早すぎないか?」

「みづきお姉ちゃんが言ってたの。初めてオトコってものを知るのは今の時代17でも遅い方だって。それに高校入ったばかりでおじさんをカレシにしちゃってる1年生もいるし・・・」

「17歳でも遅い・・・って?でも・・・そのおじさんの方はどう考えても・・・カレシっていうかどうか・・・」

「だ・か・ら・・・そんなエッチな事を考える時期になったら、それが適齢期になったって言うことだって。」

「ソレって・・・カレシを作る適齢期ってこと・・・だよね?」

「うん。だってそうでしょ?オトコに興味がなければカレシなんていらない。逆に興味があれば小学生だってカレシってモノを作ってセックスだってする。」

「でも・・・心はともあれ、身体の準備がまだできていないと思う・・・。」

「それはそうだけど・・・私なんて6年生になってもこんな感じだし、そのみづきお姉ちゃんもわたしくらいの時はそんな感じだったと思う。でもその時久しぶりに会ったみづきお姉ちゃんが急にオトナっぽくなってたからてびっくりしたの。カレシってものが出来るとこうも変わるんだ・・・って。」

「え?あの部長が・・・?そういう・・・?」

その部長はトランペットのパートリーダーを兼務しながら顧問との調整や部活のまとめ役をしていてとても頼りになる存在というふうな感じです。

そんな彼女からは部活一辺倒という感じが漂っていましたが、そんな彼女がそんなことをしていたなんてとても意外です。というか凄もの凄くショックです。

その時私は何というか、彼女に浮気でもされたかのようなどうでもいい喪失感に駆られていました。しかし、そんなことは言ってはいられません。今はこの目の前で全裸になっている知恵ちゃんを何とかしなければ・・・。

「でも・・・それって知恵ちゃんのソレとは関係ないというか・・・」

「そう言うと思ってた。でも、それ聞いたらどう言うわけかますますそのエッチなことがしたくなっちゃうかもって・・・。」

「でも・・・そのエッチなことがしたいってことも相談したんだよね?」

「したよ。でも、みづきお姉ちゃんがしてる、その・・・セックスっていうものがあまり良くないっていうの。痛いだけで何も良くないって・・・。」

「痛いだけ・・・って、そのカレシって本当にみづきちゃんのこと大事に思ってるのかちょっと疑問・・・」

「でも、そのカレシが言うんだって。痛いのは初めのうちだけだって・・・。だから会う度何回もするんだって。でも、みづきお姉ちゃんはそんなに嫌がってる様子じゃなかった・・・」

「何回も・・・って、そのカレシ・・・ただヤリタイだけなんじゃないのか?」

「でもそのカレシ・・・きちんと避妊してくれるから優しいって言ってたよ。それってコンドームってヤツを使わないやり方で、妊娠する一回めの精子をきちんと外に出してくれるっていうの。」

「ちょっと待った!それって避妊のうちに入らない。しかもさっき会う度何度もするって・・・」

「うん・・・言ったよ。だってみづきお姉ちゃんが・・・」

「全く・・・高校生相手に避妊しないなんて・・・どんなカレシなんだよ?」

それはみなさんご存知の通り・・・避妊というモノではありません。恐らく一回めは口に出して・・・というのが容易に想像できます。

まっ・・・確かに一回目を外に出せば2回目以降は精液が薄くなって妊娠の確率は低くはなるとは思いますが・・・この時私は自分が過去にしでかしたことを棚に上げていました。

それは私と真琴が初めてそう言う事になった時・・・それは真琴が高校2年生の時です。

そして未だに思い出すのが、真琴と初めてした時に真琴のアソコから逆流して出て来たピンク色と化した私の液体・・・。そんな事もありあまり立派な事は言えない立場ですが・・・。

でも、そんな後めたい事をやらかした私に対して、何も知らない知恵ちゃんが全く汚れのない瞳で私を見つめています。

「ねえ・・・まどか。その前に教えて・・・そもそもコンドームってって何?。外に出すって・・・何を?ひにん・・・って何?」

この時私はこの知恵ちゃんが小学校で受けたであろう性教育の復習から始めようと考えました。

「知恵ちゃん。セックスをすると赤ちゃんが出来るっていうの学校で習ったよね?」

「うん。去年、女子だけ集められてそんな授業があって・・・。でも、そのセックスっていうモノは先生がなんか早口になっちゃって聞き取れなくって・・・。あとは生理とか・・・ナプキンの使い方だったり・・・。」

「まっ・・・ソレを面と向かって小学生に説明する先生の気持ちも分からない訳でもないけど・・・そこが肝心なところなのに・・・」

「結局先生が説明したのが、オトコの人の精子がオンナの人のお腹に入ると卵子と出逢って受精して・・・その赤ちゃんが出来るって・・・それだけ。」

「うん。そのとおりだね・・・。間違いじゃない。」

「あっ・・・そういえば、その精子と卵子が出会わないようにするのが・・・ひにん?だって言ってたような?それで何でひにんっていうの?」

この時私は思い出していました。それは私の姉さんが同じように学校で性教育に関する授業を受けた日の夕飯の時、滅多に早く帰ってこない母さんとそんなやりとりをしていたことを・・・

その時母さんが言っていました。

「学校じゃ肝心なことは教えてくれない・・・具体的なことをキチンと教えないと間違った覚え方をしちゃうのに・・・」

その日はいつも家族全員で入る風呂から私が排除され、その風呂の中で親子の性教育があったと思います。

まっ・・・小学校で教える性教育なんてそんなもんです。

あとは自分で何とかしろとでもいうんでしょうか?

それともカレシにでも教えてもらえとか・・・?

実際問題この日本という国はその辺をタブー視して口に出さないという風潮の国です。

だからその問題に直面して初めて悩んでしまうという悲しい国かと思います。

しかも、親や家族にも打ち明けられないような風潮です。

だから・・・何も知らない女の子を彼女にしたカレシが都合の良い情報だけを教えて、結果的に不幸な女の子が生まれることも少なくありません。

この時の私はそんなことは一つも考えてはいませんでしたが、自分の知っている限りの正しい情報を伝えようと努力しました。

「うん。妊娠・・・つまり赤ちゃんが出来る妊娠って言うのを避けるということを避妊・・・っていうんだ。普通みんながしてる避妊方法が、さっき知恵ちゃんの言ったコンドームってヤツを使うやり方なんだけど・・・」

「あっ・・・それって、バカな男子がムードンコ・・・なんて言ってるヤツ?」

「うん・・・多分そうだね。その男子頭悪くない?女子の前でそんなこと言うなんて・・・。そのコンドームを着けないでセックスすることを生でするって言うんだ。」

「じゃ・・・何でソレを付けると赤ちゃんが出来ないの?」

「オトコが出す精子が女の子の身体に入らないから・・・」

「どこから出て・・・どこに入るの?」

「ん?・・・ソコ・・・から・・・」

「うん。そこから・・・」

「知恵ちゃん・・・。」

「なに?」

「もしかして・・・知ってて聞いてる?」

「わたし・・・知らないから聞いてるの。教えてくれる人がいないし・・・」

「ほんとうに・・・?僕を試そうとしてない?」

「本当だよ・・・まどかを試そうなんてしてない・・・。」

私はここで言葉を失いました。勉強であればここで参考書でも買いに連れ出すところですが・・・コレについての参考書ってあるんでしょうか?恐らくあったとしても医学書みたいな・・・?。

そこで私は1年6組の優子ちゃんがレイプされてしまった後、その優子ちゃんから投げかけられた言葉を思い出していました。

「普通のセックスってなんなの?ソレって手順書みたいなものがあるの?」

それは2度にわたってレイプされてしまった優子ちゃんがそのオトコにいろんな事を教え込まれてしまい、半ばその異常なセックスが普通なものと思い込んでしまっている優子ちゃんに対して私が言った「普通のセックス・・・」と言うワードに噛みついたモノです。

でも、その普通・・・と言うものは、最終的にセックスパートナー同士がそれが普通と思えばそれが普通であると結論づけてもいました。言わばその答えはそのパートナー同士の数だけあるという事になります。

例えそれが世間一般的に見て異常であったり変態的な行為であっても・・・。例えば高校生がカレシとカーセックスをするということもこれに含まれます。

あともう一つ・・・

初めてのオトコがその女の子にとって、その行為そのものが基準になる・・・と。

だから初めてのオトコがダメ男だったりするとそんなオトコに引っかかり続ける・・・とも。

「ほんとうに・・・男子なんてバカばっかり。」

私が普通のセックスについて思いを寄せていた時、知恵ちゃんがそんなことを言い出していました。

「何かあったの?男子に恨みとか・・・?」

その時私は、やっとソノ話題から外れてくれるのもと期待してそう尋ねていました。

「クラスの男子って、オンナって穴がひとつ多い生き物だって言うの。」

「うん・・・。言われてみれば間違いじゃない・・・。それは赤ちゃんが生まれてくる・・・」

「なんか・・・そのこと学校で教えられたあとからそんなバカなこと男子が言い始まって・・・」

「そんな男子なんて構うことはない・・・」

「でも・・・その陰でわたしのことマナイタって呼ぶんだよ。前なのか背中なのか分かんないって・・・。そう言われるのも嫌なの。」

「小学生ってそんなにおっぱい大きいってもんじゃないよね。何かのグラビアなんかの見過ぎじゃ・・・」

「違うの。クラスの女子ってブラジャーしてる子も多くって・・・。この前なんか女子だけに配られた保護者向けのプリントに・・・サイズのあった下着を着けましょう・・・なんて書いてあって。」

「それって、親に対して遠回しにブラジャー着けさせろって言ってるもんだよね。」

「たぶん・・・。それでブラジャー着けてない女子はマナイタってことにされて・・・」

「そんな・・・それって必要になってから初めて付けるもんで・・・乳首が擦れて痛いとか・・・」

ん?これってバカなその男子を肯定してるんじゃ?・・・この時私は今言った自分の言葉を訂正しようとした時それを遮るようにして知恵ちゃんが話を続けました。

「そうだよね・・・わたしなんて・・・ブラジャーなんて・・・・こんなだもん。乳首が擦れて痛いどころか痒いくらいだもん・・・」

そう言いながら知恵ちゃんは自らの胸を持ち上げる仕草をして、終いにはその先端の乳首を摘んでいます。

「でも・・・もうすぐだと思うよ。」

「なにが?」

「胸・・・膨らんでくるのが・・・」

「ウソ・・・そんなの絶対ウソ。クラスの男子が言うんだもん。アイツって一生あのままだって。それでそんなだから一生カレシも出来ないで終わるって言われるの。面と向かって言われているわけじゃないけど・・・陰でヒソヒソ言われるのも嫌なの。だから直ぐにでも大人のオンナになって見返してやりたい・・・。」

「そんな・・・直ぐにって言われても・・・。」

「でも・・・みづきお姉ちゃんって、カレシが出来たら途端にたらすごく大人っぽくなったよ。それってセックスっていうものをすれば・・・・そうなるって証拠でしょ?」

それは全くの嘘ではないと思いながらも、この時私はそんな話題に戻りかけている事に対してから抜け出せずちょっと焦っていました。

そして私の前に全裸で立っている知恵ちゃんのパイパンのワレメが気になって仕方がなくなって来ています。

しかもそれがどう言う訳か、今は亡きあおいとの初めての時にそのあおいが全裸で「お兄ちゃんにイタズラされちゃってるわたしって汚れている・・・」と言って私の目の前に仁王立ちになったことと被って来ています。

コレって自分自身も冷静さをなくしているという事でしょうか?

その時私は裸のまま私と相対して立っていた知恵ちゃんを落ち着かせるためにタオルケットでその小さな身体を包んで私の膝に抱えるように座らせ、自分も落ち着かせていました。

その座った知恵ちゃんのうなじからは亡きあおいと同じような女の子の匂いが漂います。

「知恵ちゃん・・・。知恵ちゃんって、見た目がオトナになりたいの?気持ちがオトナになりたいの?それともクラスの男子を見返したいだけ?」

「それは決まっているでしょ?それはまずカラダのほう・・・。だって、カラダが大人になれば見た目だって気持ちだって・・・。そうなればクラスの男子だって・・・」

「知恵ちゃんって十分オトナだと思うよ。そうやって自分のことを冷静になって考えられるんだから。」

「ねえ・・・まどか。」

「今度クラスの男子がなんかバカな事を言ったら僕が・・・」

「あおいさん・・・って知ってるよね。」

「えっ?」

「あおい・・・さん。まどかのカノジョだった・・・。」

「なっ・・・何でその名前・・・?」

その時この知恵ちゃんの口からその名前が出てくるのは意外でした。

「わたし見ちゃったの。後藤田事務所の調査ファイル・・・ナンバー9ー0002のファイル・・・。」

「それって・・・後藤田興信所の・・・・あのファイル?でも・・・さっき後藤田さんのお父さんが見ていたのは確か・・・ナンバーが3から始まるファイル・・・。」

「まどか・・・ファイルの番号から?何であおいさんのこと知ってるのかを聞くのが先じゃない?ちなみに3から始まるファイルは離婚絡みで・・・」

「でも・・・。」

「うん。9から始まる調査番号は会長が依頼した特命なんだって。あの後藤田が佐藤のおじいさんと話てたのこっそり聞いちゃったの。」

「そういえば・・・あの会長が僕の都を調べたって言ってたような・・・・それでも2件目ってことか・・・」

「ねえ・・・ハナシそらさないで!それでそのあおいさんってまどかの彼女だったんでしょ?」

「うん・・・。高校生の時壊れたバイクを永遠と直し続けていて・・・・そのガレージでそれでずっとそれを見守ってくれていたのがそのおいちゃん(あおいのこと)・・・」

「そのあおいさんって、私と同じ小学6年生だったんでしょ?」

「う・・・ん。」

「まどかってそのあおいさんをオトナのオンナにしたって事でしょ?」

「いや・・・オトナというか・・・偶然というか・・・」

「ほら・・・。でも、それは偶然じゃなくって・・・必然。だって・・・好き同士だったんでしょ?」

この時、この子ってなんでこんな難しい単語を知ってるのかが不思議でした。でも・・・学習机の上の辞典が傷んでいたのを思い出しました。

・・・・この子って見かけによらず結構な勉強家なのか?それじゃ・・・やっぱり自分は全てにおいて試されてる?

私は疑心暗鬼に陥っていました。

そんな動揺を隠しつつ、この子にはきちんと伝える必要があると思い自分の気持ちを正直に伝えることにしました。

「でも聞いて欲しいんだ。僕はそれによって結果的においちゃんを不幸にしちゃってるんだ。だから・・・もうそんな過ちは犯したくない・・・。」

「それって、地元にそのあおいさんを置いたままコッチの大学に来ちゃったってこと?」

「うん・・・」

「それでまどかのことを待ち続けていたあおいさんが事故に巻き込まれて亡くなっちゃってこと?」

「うん・・・」

「それで・・・そもそも自分が彼女にさえしなければな事故に巻き込まれることもなかった・・・と?」

「そうなんだけど・・・。そのおいちゃんが僕を待ってる4年間の間に、僕がビックリするような女の子になろうとしていろんな習いごとしてたみたいなんだ。それって、僕の存在自体がおいちゃんの人生を変えちゃったっていうか・・・」

「人生を変えたって・・・それ、考えすぎじゃない?」

「僕と出逢いさえしなければ・・・彼女にさえしなければ・・・」

「でも・・・それって今だからそう思えるんでしょ?その時はそんな未来予知なんて出来ないから仕方がない・・・」

「もし僕がその地元の大学に入ったとすれば、大学から帰って来てからいつも家のガレージでバイクをいじってたと思う・・・それでおいちゃんはいつも通ってたスイミングの帰りには必ずそのガレージに寄っていたはずなんだ。でもその事故は新たに通いはじめた習いごとの帰りで、そのガレージに向かう道じゃないところで起きてる・・・。」

そんな私は、高校3年生の夏休みの終わりにはその地元の大学の推薦が内定していました。

でも・・・それも姉さんに纏わるあの忌々しい事件によって警察のお世話になったということでそれが取り消しに・・・。

本当にその事件がその周りの人の人生が変わってしまっていました。その中にはそのあおいも含まれます。

だからこそ・・・この小さな知恵ちゃんの人生を変えてしまうようなキッカケも作りたくないというのが本心でした。

でも・・・そんな知恵ちゃんは自分が変わりたいと願っています。今すぐにでもオトナのオンナになりたいと・・・。

「まどか・・・人生ってさ・・・どうしようもない起きちゃったことに対して・・・たら、とか、れば・・・にばっかりこだわってたら苦しくない?もっと肩の力抜いてもいいんじゃない・・・?」

「知恵ちゃん・・・これじゃどっちがオトナか分かんないよ・・・・」

「じゃ、さ・・・まどか。わたしの人生・・・変えてみない?その・・・オトナとして。」

「それはダメだ。おいちゃんみたいなことは二度と起こしちゃダメなんだ・・・」

「じゃさ・・・人生じゃなくってわたし自身を変えるくらいなら・・・チョットくらいいいでしょ?」

「いや・・・ダメだ。それはオトナとして・・・」

「でもさ、そんなオトナだったら・・・こんなイタイげな少女のお願い聞いてくれるもんでしょ?」

「う・・・ん。そこまで言うんだったら・・・・チョットだけだったら・・・。」

その時私は自分が折れたことを感じていました。

この女の子、たかが小学生・・・されど小学生です。

「それじゃ・・・何から始めればいい?」

「・・・それじゃハダカで知恵のことギュッ・・・っとして。」

「分かった。ハダカでギュッとすれば気が済むんだね?」

「うん。」

こんなことでここで今まで平行線だった二人の意見が、やっとのことでその妥協点に達しました。

すると今までハキハキと喋っていた知恵ちゃんが急にモジモジし始めます。

「・・・ハダカで抱き合って・・・・その・・・」

「その?」

「キス・・・して欲しいの・・・」

「うん・・・」

そう言いながら私は後ろ向きになって服を脱ぎ始めました。その時の知恵ちゃんの視線が痛いほど感じています。そんな私のハダカなんて銭湯で見ているはずなんですが・・・

そして私自身がタオルケットを羽織るようにしてベッドの淵に腰掛けそのまま後ろ向きにその小さなハダカを抱き抱えるように膝に乗せてそのタオルケットで二人一緒に包まれています。

その小さなお尻が私の太ももに乗っていて、最初冷たかったその肌に体温が戻って来たのを感じていました。

それで私のモノがそのお尻の割れ目に収まる格好になっています、。

「これで満足?」

「まだ・・・キス・・してない・・・」

「それは急ぐものじゃない・・楽しみは最後まで取っておくもんでしょ?」

私はそう言いながらその背中を私の胸に抱き寄せ、小さな身体をタオルケットごとギュッと抱き寄せました。その小さな身体は汗ばんでいて心臓の鼓動がその背中越しに私の胸に伝わります。

「最後って・・・最後にしかしないの?・・・キス・・・」

「知恵ちゃん・・・。ちょっと落ち着こうか・・・。深呼吸して・・・」

私は知恵ちゃんにそう言いながらその背中をさらに引き寄せ、自分の頬をその小さな頬にそっとくっつけました。するとそこには少し汗ばんだうなじから幼いながらも女の子の香りを感じています。

あっ・・・・まずい!

この時私は知恵ちゃんの小さなお尻の下にある自分の息子に血液が送り込まれるのを感じていました。こんなところで固くなってしまっては、今まで知恵ちゃんの気を治めようとしてきたものが崩れ去ってしまいます。

と言うか・・・今の今まで自分の中で引いてきたその一線を越えてしまうような・・・・そんな予感が漂って来ています。

その時です。知恵ちゃんがそんな私の動揺を別な意味で捉えていました。

「まどか・・・。こんなわたしにドキドキしちゃってる。なんか、背中にまどかの心臓のドキドキが伝わってる。それでわたしも・・・」

知恵ちゃんはそう言いながら私の手を取り自分の胸に持っていきました。

「ねえ・・・ここ触ってみて・・・」

そして、そう言いながら知恵ちゃん胸にその手を押し当てます。

「わたしもこんなにドキドキしてる。でも今は胸が苦しくない・・・・。前はは死んじゃうんじゃないかってくらい胸が苦しかったのに・・・。」

そう言いながら知恵ちゃんがさらに強く私の手を自らの胸に手を押し付けます。

「ココ・・・コリコリして硬いでしょ?そこがすごく痛いの。そしてここの中が苦しくなるんだよね・・・。コレって腫瘍・・・っていうんでしょ?心配かけちゃいけないから看護婦の千鶴姉さんにだけ相談したんだけど・・・」

そうして押し当てられた知恵ちゃんの胸の奥には言う通りシコリのような硬いものがありました。それは丸いものではなく、どこか形が不整形なゴツゴツしたもの、しかも両胸のソレはその乳首とは少し違ったところにあります。

「それで後藤田さん・・・なんて答えたの?」

「ソレは病気じゃないって言うんだよ。時間が経てば自然に治るって・・・」

「後藤田さんがそう言うんならそうなんじゃ・・・」

「違うの!多分わたしが不治の病で・・・治る見込みがないからそんなこと言ってるだけなの!だから・・・だから・・・死んじゃう前にせめてオトナになっておきたいの。お母さんと離れても寂しくないように・・・」

そういう知恵ちゃんは少し取り乱した様子でした。

「うん・・・それはちょっと困った・・・。」

「ねえ・・・わたしってなんの病気だと思う?千鶴姉さんもはぐらかすような厄介な病気なの?やっぱり治らないの?」

「違うんだ・・・。それって全く知恵ちゃんの思い過ごしなんだ・・・」

「なんで!なんでまどかはそんな冷静でいられるの?わたしがどうなっちゃっても構わないの?わたしのことなんとも思ってないんでしょ?どうせコドモだからって・・・興味もないってこと?」

この時知恵ちゃんは更に取り乱した様子です。そこまで知恵ちゃんを追い込んでしまったそんな胸の痛み・・・。

コレは教育の一環で本当のことをはっきり言わないと分からないと思いソレを告げることにしました。

「知恵ちゃん・・・。コレは病気じゃ無いんだ。胸が大きくなるってう前触れっていうか・・みんなこんな思いをして胸が大きくなるもんなんだ・・・。」

女系の家系で育った私は、姉さんを始め従姉妹たちがそんな年頃にそんな会話をしていたのを覚えていました。

当時小学生だった頃・・・従姉妹の年上三姉妹たちは私のことをオトコと思っていなかったらしく、その・・・胸が痛いとか・・・初潮が来たとか・・・下りモノがとか・・・私が小学生だからって分からないとでも思っていたんでしょうか?

ひどい時はカレシとの初体験の時カレシのモノがフニャチンになったとか、中出しされちゃった後生理が遅れてる・・・なんて私の前で堂々と会話をしていたりしていました。

そんな私は幼少期の頃からその従姉妹達におもちゃにされていたうえ、小学生の頃からは腋毛や今で言うVゾーンの処理などをさせられていました。それで女性に対しての憧れとか魅力とかその裸にドキドキすることなど皆無に近い状態でそんな会話を冷静に聞き流していた経緯を持ち合わせていました。

そんな私に対して知恵ちゃんは真剣な眼差して私に尋ねます。

「じゃ・・・コレまでこの胸が苦しかったのはどうして?」

それは後藤田さんの想像が正しいとすればその原因はこの私自身・・・。

とすれば、抱き締めてあげて安心させてあげれば・・・。そう思い私はチョットキツめにその小さな身体を後ろから抱きしめました。

「知恵ちゃん・・・深呼吸してごらん。今も胸が苦しいかい?」

「えっ・・・?どうしてだろう・・・今は苦しくない。」

「胸も痛い?」

そう言いながら私はそのペッタンコの胸をさするように揉んでみました。その中にあるシコリの周りを撫でるように・・・。

「えっ?ちょっとだけ痛いけど・・・あの痛さってなんだったんだろう・・・ってくらい痛くない。」

「コレって知恵ちゃんがちょっとだけオトナの階段を昇ってる証拠なんだ。だから焦る必要はない・・・」

「それって・・・タッチ・・・だね。」

「ん・・・?」

オトナの階段昇る・・・それは少し前にアニメで放映していた青春漫画のエンディングテーマの一節でした。

「前にテレビで・・・」

「そうだ・・・タッチだね・・・青春だね・・・。知恵ちゃんってコレからそのアニメみたいな青春に突入していくんだよ。」

「わたし・・・そんな青春・・・経験できると思う?」

「それは分からない・・・。僕は未来が見える訳じゃないし、神様でもない。でも・・・・」

「でも?」

「知恵ちゃんに、そんなふうな青春が訪れるって信じてる。」

「うん・・・。努力する・・・。」

そう言いながら知恵ちゃんが改めて私の手を取って自らのその小さな胸に私の手を当てます。

そして、このまま落ち着いてくれたら・・・と思った時でした。

窓から吹き込んだ潮の香りを含んだ生暖かい風がレースのカーテンを揺らし、二人が包まっているタオルケットの足元から吹き込みました。

「ちょっとこんな格好じゃまだ寒いよね。服・・・着ようか・・」

「うん・・・風邪ひいちゃうね・・・」

そう言いながら知恵ちゃんがその全裸のまま窓を閉めようとして窓のそばまで行ったその時です。

先ほどまで曇っていた空から太陽が顔を覗かせ、それが西陽となって部屋の中を照らしました。

さらには再び風が吹き込んで来て、そのレースのカーテンが知恵ちゃんのハダカにまとわりついて、まるでドレスの裾がひらひらしているような感じに・・・・

それはまるで天使。本当に何の汚れもない・・・。

でもその時私はデジャビュを感じていました。それは真琴の先輩バスガイドである夏帆と一晩過ごしたリゾートホテルでの朝、その夏帆がベランダから外を見下ろしていたときに着ていた白いワンピースが風に靡いて今のようになっていたことを・・・

その時不覚にも私のアレに血液が充填されカチカチ状態に・・・

「ヤバっ・・・」

知恵ちゃんが窓を閉めて戻って来たらその股間の硬くなったものを見られてしまいます。

私はそう思って知恵ちゃんから隠れるようにして今まで座っていたベッドに潜り込みました。その時は決してやましい事を思っていなのではなく、そのカチカチを見られてはいけない一心で・・・。

「あっ、ズルーイ。布団に入ってる・・・」

振り返り側にそう言った知恵ちゃんはすぐさまベッドまで戻ってきて私の傍に潜り込んでハダカの私に抱きついて来ました。そしてその時知恵ちゃんの身体のどこかがそのカチカチが触れて・・・

「ん?コレって・・・?」

そう言いながら知恵ちゃんが布団をめくって中を覗こうとしています。」

「ち・・・知恵ちゃん見ちゃダメ・・・」

そこまで言った私は知恵ちゃんのその小さな身体を抱き寄せてキスをしていました。それはほんの唇に触れる程度の軽いキス・・・

「あっ・・・オトナの階段昇っちゃった・・・」

「うん。知恵ちゃんはもうオトナだ・・・」

そう言いながら今度はその小さな唇の中に舌をちょっとだけ入れてみました。

「・・・・?」

流石にそれは早かったようです。

「えっ?今の・・・・」

「うん。オトナのキス・・・」

「なんか・・・カラダ中がゾクゾクした!」

「そうだよね。だってそれがオトナのキスってものだから・・・知恵ちゃんのファーストキスは僕がもらったよ。」

「うん。わたしの初めて・・・まどかにあげちゃった・・・。でも・・・・」

「ん・・・?どうした?」

「みづきお姉ちゃんが・・・初めてもキスはタバコの味だったって言ったの。わたし・・・その話聞いて凄いショックだった・・・」

「まっ、そのオトコ・・・格好つけてタバコふかした直後にキスしたんだろ。全くデリカシーの無いヤツ・・・」

「わたしさ・・・初めてのキスってレモンの味がすると思ってたの・・・だからショックで・・・。」

「じゃ・・・僕とのキスはどんな味だった?」

「ん?・・・少なくともタバコとかレモンの味じゃなかった・・・ちょっと分かんないからもう一回・・・」

そう言いながら知恵ちゃんは仰向けになった私のカラダに馬乗りになって、今度は自ら積極的にそのオトナのキスをしてきました。それは時折私を跨いでいる股間を私の下腹部に擦り付けるようにして・・・。

もちろん知恵ちゃんのするソレはオトナの真似事に過ぎません。でも、これで満足してもらえれば・・・。これ以上は本当のカレシが出来てからでも遅くないと思い、そのままされるがままになっていました。

しかし・・・私もオトコです。その短い舌を私の口に差し込んでお互いの舌と絡めるその慣れない動き・・・・・そんな一生懸命な知恵ちゃんに私の身体の方が正直に・・・というか、健康的に反応してしまっています。

そしてそのカチカチが時折知恵ちゃんのお尻の割れ目あたりに触れているのが分かります。このままでは知恵ちゃんの好奇心に火をつけてしまうのも時間の問題かと思われた時、今の今まで私の口を貪っていたその小さな口が離れました。

「ねえ・・・まどか。一つだけお願いがあるの。」

「ん?・・・なに?」

「えっと・・・あの・・・わたしの・・・その・・・触って欲しいの。」

そう言いながら腰をモジモジ始めました。

「それじゃ・・・仕方ないな・・・。もうチョットだけ階段昇ってみようか?」

「うん。」

そして私は私を跨いでいるそのその小さな身体のアソコに指を割り込ませて少しだけ触ってみました。するとそこはものすごくヌルヌルになっていて、あおいとシた時もこんな感じっだったことを思い出していました。

「ねえ・・・まどか。あの日銭湯でソコ触ってもらった時すごく気持ちが良かったの。でも・・・チョットしか触らなくって、最後に自分でスル時は指を入れちゃいけないって言ったでしょ?だから指は入れなかった・・・。でも・・・」

「でも?」

「でも、自分でいくら触ってもまどかに触られたように気持ち良くならなかった・・・」

「じゃ・・・これは?」

「あっ・・・・・コレ・・・・そう・・・これ・・・うん。すごくいい感じ・・・」

「じゃ・・・これは?」

「ひっ!・・・・えっ?今の何?」

「ここって女の子が身体中で一番敏感なところ・・・。」

「うん・・・知ってる。触ると身体がビクってするところ・・・。それって自分で触ってもそうでもないのに・・・」

「ん・・・?そうでもないのに・・・?それって、どんな?」

「あの・・・触ってもらうと・・・電気が走ったみたいに・・・・」

「走ったみたいに?・・・・それで?」

この時私は、先程までいろんな意味で責め立てられていた・・・そんな思いからか少し意地悪に言葉を返していました。

「それで・・・・それでね・・・・・。すごくいい感じなの。」

「いい感じ・・・って、どんな?」

「う・・・ん・・・。その・・・ふわ・・・ってする感じ。」

「じゃ・・・これは?」

そう言いながら私はその知恵ちゃんの中から分泌されているヌルヌルを人差し指で拭うようにして指に絡め、改めてその新芽を撫でるようにそのヌルヌルで撫でてみました。

すると・・・その腰がビクッとなって、今度は左足が痙攣を起こしたようにビクビク始めています。そして何より呼吸が荒くなって来ました。

「うん・・・もっとして欲しい・・・んっ・・・・んっ・・・・」

すると次第に知恵ちゃんは顔が真っ赤になっって来て・・・そして凄く苦しそうな表情をし始めました。

「大丈夫?もうお終いにしようか?」

「ダメ・・・・・やめちゃ・・・・・やめないで・・・もっと・・・」

そう言いながらも知恵ちゃんの息が荒くなっていて私の腕に抱きつくようにしているその胸から早い鼓動も伝わって来ていました。

「ねえ・・・まどか。セックスってもっと気持ちいいんでしょ?」

「それはそのカップル同士によって違うと思う。」

「どう違うの?」

「好き同士のカップルだったら良いけど・・・ヤリタイだけのカレシに一方的されちゃってる女の子とか・・・無理矢理されちゃってる場合もあると思うし・・・」

「セックスって・・・やれば気持ちいいんじゃないの?」

「でも・・・みづきお姉ちゃんが痛いだけって言ってたんじゃ・・・」

「アレはそのカレシが初心者だからだってみづきお姉ちゃんが言ってた。そのカレシって自分じゃさぞ経験豊富なこと言ってるけど、いくらこっちも初めてだって言ってもそんなのバレバレたって。」

「みづきお姉ちゃんって初めてだって言ってたでしょ?そんなことまで分かっちゃうの?」

「そんなのお見通しだって。友達からいろんな話し聞いてたみたいで・・・クラスメイトでもおじさんと付き合ってる友達もいるって。」

「おじさん・・・って・・・・」

その友達もエンコウなのでしょうか?カップル同士でそれぞれいろんな普通のセックスがあるとは思いますが・・・どう考えてもそのエンコウだけは受け入れられない自分がいました。

「でも・・・みづきお姉ちゃんが言ってた・・・」

「なんて言ってたの?」

「何せ初体験なんだから・・・そんなのうまくいかなくて当たり前だって・・・」

ん?・・・これってどこかで聞いたことのあるフレーズです。これは吹奏楽部顧問の舞衣さんの口癖・・・

そんな部長も舞衣さんの影響を受けているのでしょうか?。

私がそんな関心をしている中、知恵ちゃんの話が続きます。

「それに・・・カレシも初心者なら自分も初心者だって。二人で一緒に上手になって行くのがカップルだって・・・。だから今は下手でもいい・・・って。」

知恵ちゃんがそう話す吹奏楽部の部長はオトナでした。カレシの下手なセックスで痛い思いをしていると言うのに・・・それを前向きに捉えています。そんなふうに物事を捉えられる彼女だからこそ総勢80名の大所帯を支えられるのでしょう。

でも・・・どう考えてもその彼女のことなんて考えていないそのカレシって・・・・本当のガキです。

こんな私も社会的みればガキですが・・・そんな私からみても本当にガキでした。

「でも、高校生から大学4年生が下手って言われたら立ち直れなくなりそうだって・・・。それに我慢できなくなったら言ってやればいい・・・セックスの下手なオトコは嫌いだって。修行し直してからもう一度来い・・って。」

「でも・・・それってそのみづきお姉ちゃんがそのカレシのことがそれだけ好きだってことだと思う。だってキズつけたくないってことでしょ?」

「なんか・・・そのカレシを一発殴りたくなって来た・・・。」

「でもね・・・なんでオトコってそのセックスの最中、そんな必死な顔するのか・・・って不思議だっても言ってた。そんな必死な思いしてるのに下手だなんて言えないって。」

「みづきお姉ちゃんって優しいんだね。オトコって言う生き物は、女の子からセックスが下手だって言われるのが一番こたえる生き物なんだよ。」

「じゃ・・・まどかはどうなの?」

「何が?」

「まどかもその・・・セックスで必死な顔しちゃうの?」

「いや・・・僕はそれなりに経験もあるし・・・。でも、知恵ちゃんも・・・さっき必死な顔してたよ・・・」

この時私の頭の中にふたばと舞衣さんの顔が浮かびました。その・・・苦しそうで必死な表情。

でも・・・・次に浮かんだのは左手薬指の婚約指輪を見せる真琴の笑顔でした。その彼女たちは私の必死な顔をそんなふうに冷静に見ていたんでしょうか?

でも・・・その中で肝心な真琴と最後にしたのは1年半近くも前のことになります。そんときはどんな状況だったのか想い出せなくなっている自分がいました。

「それじゃ大丈夫そう・・・」

「ん?・・・何が?・・・・えっ?もしかして・・・」

「うん・・。指・・・入れてほしいの。」

「えっ?」

この時私は少しホッとしました。指・・・であれば・・・指だけだったら・・・。

そんな私を前に知恵ちゃんが話を続けます。

「まどかって経験いっぱいあるんでしょ?経験豊富ってことでしょ?女の子に痛い思いさせないんでしょ?」

「ちょっと待った。僕・・・いつ自分が経験豊富って話しした?」

「いいの・・・みづきお姉ちゃんのこと真剣に考えてくれた。それって経験豊富じゃないとできないことでしょ?」

「それは人として・・・・」

「ねえ・・・まどか。あの時銭湯でまどかが言ったでしょ?・・・・自分じゃ指入れちゃダメだって。」

「うん。言ったよ。それは知恵ちゃんのカラダからしてそれはまだ早いって思ったから・・・。」

「わたし・・・約束守ったよ。自分で指は入れなかった・・・。だから・・・・」

「分かった・・・。じゃ、もう少しだけオトナの階段昇ってみようか。」

「うん。オトナの階段・・・」

「痛かったら言うんだよ・・・」

「でも・・・どうせ痛くてもやめないんでしょ?」

「そんなことはない。ちゃんと言ってもらえれば・・・」

「歯医者さんはやめてくれないよ。」

「大丈夫・・・僕は歯医者さんじゃないし・・・今、知恵ちゃんの先生だから・・・」

「うん。まどか先生・・・。本当に先生だね・・・わたしにこんなことをちゃんと教えてくれてる。」

そう言うと知恵ちゃんは私のお腹の両脇に膝をついて四つん這いになって私の首に抱きついた状態になっています。そして浮いたその股間に下から指を這わせると・・・・そこは先ほどに増して大洪水となっていました。

それはお漏らしでもしまったかのように・・・

そしてそのヌルヌルを右手人差し指に絡め取ってその秘部に指の先端をゆっくり差し込みました。

「いっ・・・・」

でも・・・その瞬間その小さな身体にチカラが入ったのがわかりました。やはり初めての事に驚いているようです。

「痛くない?」

「大丈夫。ちょっとびっくりしただけ・・・。だから続けて・・・」

そう言われた私はその指を進めます。すると間も無くして何かに硬く閉じられた扉が現れました。そしてそれを少しこじ開けた時です。

「ひっ・・・」

再び身体にチカラが入って私の指をまるで拒絶するかのように押し戻して来ました。

「知恵ちゃん・・・やっぱり早かったみたいだ。僕みたいな太い指はまだ・・・」

「いいの。まどかの指で諦めたら・・・まどかとひとつになれない。わたしはまどかに満足してもらいたいの・・・」

この時私は大きな誤解をしていました。それは私の指が入れば私と知恵ちゃんがひとつになって私自身が満足すると思っているのだろう・・・と。

私は更に指を進めました。でも、その小さな身体にチカラが入っていて指がそこから進みません。そこで私の首に絡みついているその腕を私の空いている左手で解いて、その顔を私の前に持って来てキスをしました。

眉間にシワの寄ったその顔は、何かを我慢するかのように目が閉じられています。

するとそれに応えるようにした瞬間その身体からチカラが抜けて私の指がメリメリ・・・という感覚のもと、その一番奥まで到達しました。

でも・・・指がちぎれるくらいの物凄い締め付けになっています。しかも、そこがあまり濡れていないせいかちょっとギシギシしたような感じ・・・

「あっ・・・まどかがわたしに入ってるのが分かる・・・ちょっと苦しいけど・・・」

「うん・・・そうだね。それが知恵ちゃんの子宮の入り口・・・」

そう言いながら私はその一番奥底の少し硬いソレを指先で押してみました。その時私の人差し指は物凄いヌルヌルで包まれています。その物凄い締め付けの中でもその指を動かせるくらい・・・

しかも動かす度締め付けられたり緩くなったり・・・かと思えば奥が広くなって指が吸い寄せられたり・・・すごく不思議な動きをしています。でも・・・やはり幼い身体です。その全てが硬いと言うか・・・。

すると細かく抜き差ししているその指が滑らかに動くようになって来ました。やっとのことでこの中も濡れて来たと言うことでしょうか?

「まどか・・・。みづきお姉ちゃんが言ってた・・・。キスしながらするのって気持ちがいいって。それだけは気持ちがいいって・・・」

そう言いながら知恵ちゃんが再びキスを強請って来ました。それは強く激しく・・・もうその時、ソコにいたのは小学生ではありませんでした。それはオンナ・・・・になりかけの少女・・・。

「うん・・・何か押されてる感じがする。やっぱりそこって・・・私の子宮なんだね。」

そんな少女がそんなことを言っています。それは私の指先が女の子の秘部の奥底に触れているという証拠です。

「そうだよ・・・知恵ちゃんが女の子だって証拠がここにある。」

「ソコに精子が入ると妊娠するんでしょ?」

「えっ・・・?さっき精子がどこから出てどこに入ると赤ちゃんができちゃうの?・・・って聞いてなかった?」

そう聞かれた少女が深いため息を吐きました。

「まどか・・・。今時そんなこと知らない女の子って居ないよ。本当に男子ってバカなんだから・・・」

「さっき・・・真面目に性教育の参考書ってどこで売ってるのか考えちゃったよ。」

「まどかってほんとうにバカ・・・。たかが小学生のいうこと間に受けちゃって・・・」

「一体・・・どの知恵ちゃんが本当の知恵ちゃんなの?」

「うん・・・こんな知恵ちゃんが本当の知恵ちゃん・・・」

そう言いながら知恵ちゃんは自分のお尻を後ろにズラして私の指から離れると、今度は私の敏感なその先端部をその小さななお尻のどこかで撫で回しました。

それがだんだんヌルヌルした場所へ・・・そして素股みたいな動きの後、身体を起こして振り返りぎわに私のカチカチを握ったかと思うと狙いを定めて腰を落としました。

「イッ・・・・・」

その時私の先端部が暖かいヌメヌメに突き刺さり一瞬メリメリ・・と言う感覚がしてその先端部が刺さってしまいました。

「あっ・・・ちょっと知恵ちゃん・・・もうこれ以上は・・・」

「まどか・・・まどかの・・・・入った?」

「うん・・・入った・・・入っちゃったよ・・・知恵ちゃんの中に・・・」

「それじゃ・・・わたし・・・もうオトナになれた?」

「うん・・・オトナの階段昇ったよ・・・」

この時私は知恵ちゃんにあえてオトナになったとは言いませんでした。

オトナの階段を昇ったのには違いませんが・・・。

でも実際問題、私にソレは知恵ちゃんの幼いソノ部分に先っちょがめり込んだだけでした。同じ小学生同士だったらともかくそのサイズが違いすぎます。

私のソレは人に自慢できるほど大きくはありませんでしたが・・・その先っぽ・・・つまりカリの部分だけは大きいと言われていました。だから・・・これ以上進めば痛い思いをさせてしまうのは間違いありません。

「知恵ちゃん・・・そのまま動かないで・・・」

そう言いながら私はその小さな身体を持ち上げようとしました。

「ダメ・・・さっきみたいに奥まで届いてない!まだ全然入ってない!」

そう言いながら私の手を払って自分のアソコを手で確かめています。

「ふん・・・!」

知恵ちゃんはそう言って今度は歯を食いしばって腰を落としに掛かっています。

「メリ・・メリメリ・・・」

私のソレがそんな感覚で突き刺さっていきます。しかも身体を上下に揺すって無理にでも入れようとしていました。

その真っ赤な表情はもう・・・痛いのを我慢しているようにしか見えません。

しかも・・・私の先端部に伝わるそのメリメリ・・という感覚と同時にその先端部から物凄い快感が伝わって来ていますが、その私に伝わる快感と比例するかのようにその表情が苦しそうに変わります。

でも・・・その本人の努力も虚しく、その入れようとしている本人の全身にチカラが入っていてソレがなかなか入っていきません。しかも今度は私の方がそれに負けて先走り汁が出そうな感覚になっていました。

ヤバい・・・

それはもう・・・・昭和から平成に年号が変わったその日、中学生の時の元カノである理央が膣痙攣を起こしたときのようなヤバイ感覚に近くなっています。

「知恵ちゃん・・・。今はそれ以上やめておこう・・・間違いなく今、僕と知恵ちゃんと僕は繋がってる。」

「ひとつになれてる・・・ってこと?」

そう言いながら知恵ちゃんが自らの手でソレを確かめています。

「やっぱり・・・全然入ってない。先っちょだけ・・・」

「これ以上進んでも知恵ちゃんが痛い思いするだけだと思う・・・これ以上は知恵ちゃんがもう少し大きくなってから・・・」

「じゃ・・・おっぱいが大きくなったら?」

「うん・・。そうだね・・・少なくともブラジャーを着けるくらいになってから・・・」

そう言いながら私は、隙をついて知恵ちゃんの手を引っ張ろうとした瞬間、知恵ちゃんが尻餅をついたような格好になって一瞬深く入ってしまいましたが、すんでのところで上半身を手繰り寄せてキスをして事なきを得ました。

その知恵ちゃんから私のモノが抜けるというか外れる感覚といったら・・・今まで経験したことにないような刺激で一瞬腰が引けそうに・・・

でも・・・これって、本当に事なき・・・だったんでしょうか?

全部ではないものの間違いなく私のモノがこの幼い身体に一瞬深く突き刺さりました。

これって・・・・単に処女喪失を拗らせただけじゃ無いんじゃないんでしょうか?

亡きあおいが実の兄からそうされたように・・・・また、ふたばが小学生だった時下宿生からそうされたように・・・

「知恵ちゃん・・・ごめん・・・僕は度胸無しだ。オトコとしてきちんと知恵ちゃんの初めてをもらう事はできない。」

そういながらその小さな身体を抱きしめて泣いていました。大の大人が小学生相手に情けない・・・。

「まどか・・・さっき嘘・・・ついた。全部入ったって・・・・嘘ついた・・・。」

今度は私が抱きしめるその小さな知恵ちゃんがそう言い始めました。

「うん・・・ごめん。あれで満足してもらえれば・・・って思って・・・」

「責任取って!わたし・・・まどかとセックスってものをして・・・まどかと一緒に気持ちよくなりたかったの・・・・だから・・・」

「うん・・・」

私はそう返事だけすると知恵ちゃんを仰向けにして、膝を立てて脚を開いて・・・私の全身全霊を捧げて全くオトナの女性にするソレと同じように感じてもらうことに・・・

それは全身を舌で愛撫することから始まって、指で・・・舌で・・・気持ち良くなってもらって最後にキスしながら指で・・・生まれて初めて逝ってもらうことにしました。

でも・・・この子が決めた本当のカレシにその大役を譲りたいと思い、あえてアソコだけには舌をそわせることはしません

女の子は初めてのオトコがそれ以降のオトコの基準になる・・・と私の中でそう整理していました。私自身そんな基準になれるような男でもありませんし・・・。

そんな中、先程までただの虫刺されのように腫れていただけの乳首が自己主張を始め、この小さな身体がオンナへの階段を昇り始めたのを感じていました。

そんなことを思いながら指を入れてるソコからはとりどめもなく液体が分泌され、その指をきつく締めたり緩めたりを繰り返していました。そして最後にその割れ目の先端にある硬い新芽をそっと撫でた時・・・

「ん・・・・っ・・・・あっ・・・・・あああああ・・・・うっ・・・」

そう・・・声にならない声を出しピンと伸ばされた脚の指先が震える中、私の脇の下をギュッと掴んだ指先にチカラが入った瞬間・・・私とキスを続けるその小さな身体が2度ほどビクッとしてその最後その両脚から力が抜けぐったりしました。

すると息を切らしたまま、その小さな胸が大きく上下させながら泣き出してしまいました。

「まどか・・・これがイク・・・って事なの?」

「うん・・・多分。」

「まどかも分かんないの・・・?今、私の身体どうかしちゃったってくらい変になっちゃって・・・」

「多分それが女の子がイク・・・ってことだと思うんだ。でも、オトコは精子を出して終わりだけど・・・正直女の子はどの段階で終わるのかが分からない。」

「それって・・・カレシと一緒に見つけるモノなんでしょ?一緒に気持ち良くなる事ができれば離れられなくなるって・・・。」

「知恵ちゃん・・・オトナになったね。」

その時私は知恵ちゃんが大洪水を起こしたソノ部分をティッシュで拭きながらそう答えました。

「セックスって・・・もっと気持ちがいいんでしょ?」

そして知恵ちゃんがからそう問いかけられた時、私は知恵ちゃんの足を開いてその大洪水をティッシュで拭きあげていましたが・・・・そのティッシュの縁についた赤いものを見つけてしまいました。

「知恵ちゃん・・・痛くなかった?僕の指で知恵ちゃんを傷つけちゃった?」

私はそう聞きながら咄嗟に自分の指先を確認しましたが、どこにも赤いものは確認できません。

「ううん・・・・。わたしが無理にまどかのモノを入れようとした時はちょっと痛かったけど・・・あとはすごくいい感じだった・・・。」

その赤いモノって・・・私の指でキズつけてしまったもの?それとも・・・

私がそんな疑問に頭を傾げていると知恵ちゃんが話を続けます。

「わたし・・・死んじゃうかも・・・。そのセックスってものをしたら・・・」

「ん?どうして?」

「だって・・・今のよりいいんでしょ?」

「知恵ちゃん・・・今のはちょっとだけセックスっていうモノを紹介したものに過ぎないんだよ。それにセックスって経験を積むほど良くなるモノって知ってる?あと・・・これが重要なんだけど入れるだけがセックスじゃないと思うんだ。」

「じゃ・・・今・・・みたいなのも・・・セックスなの?」

「うん。・・・最初にオトナのキスしたでしょ?」

「うん。」

「その時どうだった?」

「なんか・・・カラダがゾクゾクした・・・」

「ソレって、知恵ちゃんにセックスのスイッチが入ったってことだと思うんだ。」

「ソレ・・・って?」

「セックスのスタート。」

「そうだね・・・僕と知恵ちゃんはセックスというものをしたってことになる。」

「わたしってオトナのオンナになれたってこと?」

「うん・・・」

「それに・・・こういうこといっぱいすればもっと気持ち良くなれるってこと?」

「そうだね・・・。そのためにはさっき言ったスイッチを入れてから徐々に気持ちを高めて・・・」

「そうすればさっきみたいな・・・?」

「うん。知恵ちゃんはもう・・・オトナ・・・だ。」

今回のストーリーはここまでとなります。

今回、本作品は4万8千字を超える作品となっております。そんな長編を最後までお読みいただきありがとうございました。

なお、この時期の私は人生の中で最も濃い時間を過ごしておりましたので一話あたりが長くなってしまい申し訳ありません。

ストーリーはまだまだ続きます。今後ともよろしくお願いいたします。

まことまどか

Categories
未分類
Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です