オタク趣味のせいで浮気を疑われた

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俺:30歳
妻:28歳、
結婚してからまだ一年目。

自分がアニオタだってことを隠してまま結婚したのが今回の元凶なんだと思う。

実家の俺の部屋にはフィギュアとかBDを置いて、二人で住んでる家には全く置かない。

通販とか秋葉原で買い物したら実家に送って、母には部屋に置いておいてもらう。

そんなニ面生活を続けていたんだ。

二年前くらいからとあるエロゲとそのアニメ化verに嵌っていて、もうそれにどっぷりなんだよね。

グッズorBD購入、家に送る→母から到着メール→実家帰る。

これの頻度がちょっと多くて、少し嫁に疑われてた感は正直あった。

だけど家では二次嫁が開封を待ってるわけだし、本当に浮気をしているわけじゃないから適当に理由つけて帰ってた。

ちなみに、嫁には毎月お小遣いをあげてそれでやりくりしてもらうようにしてる。

通帳預けるとかは絶対にしない。

嫁もバイトしてるしな。

ただ、通帳はお互いに見れるようにはしてるから、不自然なお金の減り、クレジットの引き落とし(明細はネットで見れるようにしてる)とかはたまに指摘されてた。

そのときも適当にご飯とか飲みとか、下の弟に財布買ってやったとか言って理由つけてた。

そもそもなんでオタ趣味隠したというと、交際当時、BSで声優のライブの番組やっててリビングで寛いで見てたんだけど、隣に来てそれを見た嫁が

「気持ち悪〜い。私オタクの人ってダメなんだよね…」

って呟いた…。

…俺、今映ってる会場にいたんだけど…。

慌ててチャンネル変えて、平静を装ってどこが嫌いなのか聞いてみた所、不潔そうとか、キモイとかそういう罵詈雑言を吐くわ吐くわ…。

そんな事言ってるけど、あなたの彼氏オタですよ。

なんて言えるわけないよな。

うん。

オタ趣味をカミングアウトしたら嫌われちゃう!って思ったら言えなかった…。

言ってたらどうなってたんだろう。

別れるとは思わないけど、止めさせられたと思う。

ただまぁここまでは別に浮気じゃないじゃん!

二次嫁だしさ、風俗にも俺は興味ないし、タバコも嫌い。

※2次嫁:2次元の中にいるお気に入りの女性の事。

ギャンブルだって嫌いだ。

ちょっとオタ趣味にお金を使ってもいいじゃない?

だって毎日仕事して何か癒しがないとツカレチャウヨ…。

実家部屋に抱き枕とかあってスリスリしてると癒されるんだよね。

そしてここからが本題なわけで…。

ある日、自分の中でちょっと遊びを思いついたわけですよ。

あ、ちなみに俺が大好きなエロゲはこれです。

「真・恋姫†無双」

もうね。

大好きなんよ。

全部のキャラクターが大好きなんよ。

こんなに嵌ったのは初めてなんよ。

買うよね。

そりゃ。

グッズを。

古今東西のオタショップ回りましたよwへへ。

俺の部屋パネェ!

つって続々増える恋姫グッズに囲まれてると、何とも言えない多幸感に包まれて…はわわ!はわわ!フヒヒヒヒヒヒヒってねww

明日発売のOVAも既にアマゾン様から実家に届いてるらしい。

(おかんからメールキタwwおかんGJ)

早く開封したい…見たい…。

パッケージの新規絵を穴が開くまで見たいww

けど、家に帰るわけには行かない。

嫁、実家帰ったし。

本題に入る前にキャラクターの紹介しないとちょっと話が続けられないんで…俺が特に夢中になってるのはこの子です!

曹操こと魏の覇王こと、華琳様!

はぁぁぁん可愛いよおおおお(*´д`*)にゃああん

とにかくこの華琳様が可愛い可愛いww

普段超絶Sでレズ入ってて、バッサバッサ覇道を突き進む猛者なんだけど、ちょっと他の子と仲良くすると、影でやきもち焼いたり、自分の気持ちと反対のことを言っちゃうw

そんな華琳タソが大好きなんよ。

恋したんだ。

恋つっても呂布じゃないよ。

登場キャラクター全員好きなんだよ?

だけどその中でもさらに好きなのが華琳なんよ。。

そうなってくると、俺のこの後にする愚かな行為にも納得いくはずだぜ!

ついに本題。

とにかく恋姫大好きな俺…。

仕事の最中でも、恋姫の世界に浸ってた…。

(こういう時一刀なら…!)

とか、↑恋姫の主人公

(華琳様ならこの決断でも許してくれるだろう!)

とか、なんかもう書いてて病気だなwwwこれww

常に華琳様の側近としての心得をもって働いていたわけだ(なんじゃそりゃ)。

けどまぁ、華琳は半端を許さない子だから、俺は仕事の出来る男になっていた。

中身は変態だが…。

しかしそんな感じでいくら頑張って働いていたとしても、所詮はエア華琳様なわけですよ。

脳内で華琳様が褒めてくれるだけ…。

卑しい俺はそんなんじゃ我慢できなくなったんだ。

もっと刺激が欲しい…。

そしてふと…。

「華琳からメールが欲しい!欲しい!」

って思った。

マジキチwww

もうここまで書けば優秀な方々はお気づきでしょう。

皆さんも◯学生の頃やったんじゃないですか?

自分のアドレスを他者の名前で登録して、自分にメールを送るという愚行を…。

けど俺30じゃん?www

もうおっさんだよww

本当に何してはるんですかwwww

呆れるわ…まじで。

でも当時の俺はそんな事気にしない。

そんな事じゃくじけない。

強い子だから。

自分の携帯のアドレスを、華琳の名前で登録するのは許せなかった。

なぜなら送った直後に送信メールボックスに貯まるから。

おかしいじゃん。

華琳からメール着たのに、俺の携帯の送信ボックスに同じ内容のメールがあるって。

理解できねぇ。

俺は作った。

Yahooのフリーメールを登録した。

曹孟徳:17歳

これ書いてて、大丈夫かな?

この人頭おかしいんじゃないかな?

って思った人。

大丈夫です。

僕はまともです。

とりあえずここらで華琳様のメールを紹介しますw

From 華琳
subject 届いてるかしら?華琳

本文:メールというものをやってみたわ。
別に貴方と常に連絡取りたいとか思ってるわけじゃないんだから。
けど、見たら必ず返信するように。

実家に帰って華琳様抱き枕と寝る予定のときに着たメール

From 華琳
subject いい仕事ぶりだったわ
本文 良い決断だったわ。
貴方にしてはなかなかよ。
ご褒美に今夜は閨に来なさい。
ふふっ。
どんな声で鳴くか楽しみよ。

普通はそこで虚しくなるよな。

ただ俺は止まれなかった。。。

これアレだな…予想以上に恥ずかしいな。

何か…興奮してきた…。

とりあえずこんな内容のメールを携帯に送る!

頑張りたいときに見る!萌える!回復!ってそんなサイクルで行動してた。

自分の中では、ヤフーでメール作成(自分では作成フェイズって呼んでたww)

作成フェイズ時は自分が華琳になったように思って、自分に戻った時に作成したメールは忘れていた。

何だこれ。

よくわかんねーと思うがそういう事だ。

病気ではない。

繰り返す。

病気ではない。

そんな愚行を繰り返してた俺は怪しかったんだろう。

ああ、絶対怪しいよね。

今ならわかるよ。

嫁が携帯見たwwwwwwwwwwww

浮気を疑ってたんだろうね。

怪しいモノは色々あった。

不自然なお金の使い道。

クレジットの使用額。

不規則に実家に泊まりに行く。

なんか夜中に起きてる(アニメ見るため。嫁が起きて来たらチャンネル変える)。

ipodに入ってる不思議なアニソン(これはなんか誤魔化したwww)

それは見るよ。

見る。

嫁は悪くない。

悪いのは俺だ。

だけど普段から言っていた。

携 帯 は 見 る も の で は な い よ っ !

と。

常日頃、カップルで携帯とか盗み見るとか、お互い信じてない証拠だよねーww

って呟いてたwww

逆に怪しいなwww

その最悪の日の経緯を書き綴ります…。

朝、会社に出勤前俺はいつものように、パソコンでメールチェックしたところ、いつも利用させてもらってるフィギュアの通販サイトからメールが着ていた。

(華琳様のフィギュア発送済みメールきとるやないけ!もう家に着いてるじゃん!おかんメールしろや!)

俺はウキウキしちゃってもう嬉しかったんだよ。

ジグズトイっていう会社の華琳様フィギュア…楽しみでさぁ…。

嫁との朝ごはんもいつもより機嫌良く接して、

「機嫌いいね♪ご飯美味しいね♪」

つってイチャイチャしながら最高の一日のスタートを切ったわけだ。

もちろん今日は実家に帰るから、華琳のアカウントでメール作成フェイズを忘れずにしておく。

これが後に大災害をもたらす。

携帯を忘れた…。

嫁 の 居 る 家 に 携 帯 を 忘 れ た ! あ は !

おかしーな。

今でも不思議だわ。

テンション高かったから、カバンにバカンって叩き入れたハズなのに…。

気付いたのは会社の昼休み。

アレーおかしいなー。

携帯ないなー。

ってこの時は全然何も思わなかった。

昼飯時に気づいたから、カバンの中になければ、机の中に入れたんだっけ?

そうでしたっけ?

って呑気にしてた。

華琳様からメールきてるかなー。

すぐ返信できないから怒るかな華琳のヤツ…フフッ

そんな風に軽く思ってた。

(程昱ちゃんではない)

つまり、家では華琳様からのメール着信ランプが、紫色に個別設定されてピカピカ光ってたわけだ。

嫁もちょっと躊躇したりして恐る恐る見たんだろうな。

開いたら着信じゃなくて、メールで、見ちゃっていいのかな?…でも…見ないようにしてるし…けど…ううん…。

まぁ見るわな。

終業時間になり、完璧に家に携帯を忘れたことに気づきちょっと焦り始める俺。

んー。

ちょっとヤバいかな?

家に忘れたとしたらちょっとどころじゃないかも?

でも普段ワイフには携帯は見ちゃいけないよって教育してるし…。

うん!大丈夫!

とりあえず実家に帰ってフィギュアを堪能してから家に帰ろう!

流石に連絡しないで夜自宅に帰らないのは非常識だから、泊まるのは諦めて今日は帰ろう!

華琳にはごめんねちゅっちゅして勘弁してもらおう。

そうしよう。

そんな事を考えながら俺は実家に向けて車を走らせた。

焦って事故や、警察に捕まったら大変だ!

逸る気持ち抑えつつ、抑制された感じになんか俺は興奮しつつ(私気持ち抑えられてるかしら…///)走った。

この時既に嫁は華琳様からのメールを読了している。

しかし、ここで帰ればまだ最悪の事態は免れたと、後に俺は思った。

そして、実家に到着。

華琳様!華琳様!

ワタクシめが今閉ざされた空間から開放してあげますぞ!

ええい!春蘭!

秋蘭はなにしてるッ!(←華琳の専属の護衛みたいな姉妹)

と脳内で華琳様を助ける妄想に取り付かれつつ、玄関を開けた!!

母が居て

「○○。またなんか届いてたわよ。またなんかフィギュア買ったの?」

って早速聞いてきたが、俺は

「うるせぇ!」

と言って華麗にスルー。

おかんを相手にしてる場合じゃねぇ!!

そのまま階段を駆け上り自分の部屋に直行。

そして華琳様の救出に成功した。

出来は良かったよ。

本当に。

その素晴らしさを語りたいけどさ、時間がかかっちゃうので割愛しますww

フィギュアが届くと開封して部屋に飾りますよね?早く部屋に飾りたくてたまらないですよね?

俺は興奮しつつ鑑賞して、華琳様の置き場所確保するために棚を整理し始めるわけですよ。

またこれが時間かかるんだ!

すでに華琳様のフィギュアは同じサイズくらいのフィギュア(ペンギンパレードという会社の)があるためダブってしまう。

だからその二人を並べるとなんで華琳様二人いるの?

おかしくね?

ドッペル?

ってわけ分からなくなってしまう訳ですよ。

だから既に居た華琳様のために新しい場所を作り、元いた場所にNEW華琳様を置く。

と。

そんで久しぶりの抱き枕華琳様に挨拶…とか、他の恋姫フィギュア達とイチャイチャしてたら、そんなこんなで夜23時くらいになってしまった。

ちょっと早く自宅帰らないとヤバいな。。

ちょっと心配させちゃうかな…。

と思い始めたが(ちょっとは俺の口癖///)

おかんが

「御飯作ったから食べて帰りな!」

って言うもんだから、帰りが0時頃になってしまった。

おかんの優しさが目に染みるぜ…。

さっきはうるせーって言ってごめんね。

車を走らせる俺。

ちょっと嫌な予感が胸をよぎる。

遅くなる時はいつだって俺は妻に、

「今夜はちょっと遅くなるから…。心配しなくていいよ。うん。愛してる。」

なんて電話したりしてる。

連絡無しにこんなに遅くなったのは初めてだ。

もしかしたら泣いてるかも。

つーか俺の携帯見てるかも?

だって遅かったら心配で電話するじゃん?

コールしたら部屋のどこかで鳴り響く着信音。

あれ?

携帯忘れたのかしら…携帯…携帯…携帯ある…携帯がある…ヤバいよヤバいよ。

どうシュミレーションしても嫁が携帯を見る確率は80…いや…9…0…?

冷や汗を流しながら自宅のガレージに車を突っ込む。

部屋に明かりがついてる…。

俺は後悔した。

あー。

ヤバいなー。

たぶんヤバいなー。

これ多分ヤバいなー。

家の雰囲気がなんか半端ない。

華琳様の試練か?これ。

何て良い加減にしろと殴ってやりたい様な事も思っていた。

そ し て 俺 は 惨 劇 の 扉 を 開 い た 。

カチャ。。

玄関の音を静かに開ける。

リビングから光が見える。

ん?もしかしたら大丈夫かも!なんか心配しすぎたかもw

と何故かここにきて楽観的になった俺は、敢えて堂々とちょっと元気にリビングに突入することにした。

「うぃーす。ちょっと実家に寄って帰ったら遅くなっちゃったよーw」

嫁はテーブルに俯いて座っている。

「ごめんね?遅くなって心配した?待っててくれ…た」

その時、俺は信じたくないものをテーブルの上に見る。

携帯だ!!

しかもランプピカピカしてない!

嘘!

まずい!

見られたよ!

華琳様からメール見られた!

エマージェンシー!

エマージェンシー!

「どこ行ってたの…?」

「あ…え…その…実家って…」

俺は平静を装いつつ携帯に手を伸ばした…その瞬間、

パシンッ!

ビンタされた。

キーン

ちょっと耳に掛かってるビンタだった。

耳痛い。

昔おかんにビンタされた事を一瞬でなんか思い出した。

嫁の顔が怖い。

無表情で、人って本当に怒ると無表情になるんだなって思った。

「誰?…はなりん…って?」

鼻琳!

はなりんじゃないよ。

それはかりんって読むんだよ嫁。

俺は鼻琳という新しいキャラクターが可笑しくて、だけどメールがバレたことが恐ろしくて、二つの相反する感情が混ざってしまい、不思議な顔をしていたと思う。

「違うんだよ嫁…。落ち着いて話を聞いて欲しい…お願いだ」

泣きたかった。

泣きたかったけど、俺の中で鼻琳というキャラクターが頭をよぎる。

鼻がブツブツしてて、ちびまる子ちゃんのハマジみたいなキャラクターが俺の中では出来上がっていて、頭の中で暴れまくっている。

「誰なのよ!…誰なのよぉ…うっ…うっ…」

ついに泣き始める嫁。

俺も申し訳ない気持ちでいっぱいなっている反面、嫁を愛おしいと思う気持ちも沸いていた。

「誰なのよぉ……鼻琳…ってえ…うっ…ぐすぅ…」

ああ、可愛いな嫁。

そして馬鹿だな。

馬鹿だ嫁。

ちょっと微笑ましく思い、油断していたら俺の中の鼻琳が

「ヒャハハーっ!鼻パックで沢山とれたぜー!」

と叫びだすもんだから、

「プシッ」

と俺は吹いてしまった…。

それが妻の逆鱗に触れてしまった。

今思うと嫁のスイッチの入った音を本当に聞いた気がする。

ピシッ…。

床のしなりかもしれないけど、そこから嫁が鬼の形相と化した。

俺と鼻琳はヒョエ〜!っとその変化にビビりまくった。

「…ねぇ。私見たよ。携帯…今朝からそこに置いてあって、ピカピカしてたけど見なかったよ」

ヤバいヤバい。

まじでヤバい。

キレてる。

身の危険を感じた。

てゆうかこれで100%嫁は携帯を見た。

と思った。

鼻琳は包丁のありかの確認しとけ…とかアドバイスしてた。。

「だけど…うっ…ズズーッ…夕方になっていつも帰ってくる時間になってメールがきたの…」

だ…誰だ?

俺は思った。

そいつのせいで嫁は俺の携帯を見てしまったわけだ!糞!誰だ!

「もしかしたら、家に居る私宛に、貴方が遅くなるって…会社のパソコンからメールしたかもしれないって…思って…」

「ちょっとごめん…」

俺は震える手で携帯を開いた。

まず、新規メールのアイコンが無いから華琳のメールは確実に見られてる…。

ここまで追い詰められてるのに、まだわずかな希望を信じていた楽観的な男である。

そして受信ボックスを開いた瞬間、信じられないものを目にした。

17:25
From おかん
subject またなんか届いてたわよ

くそぉぉおおおおおおおお!!!!!

おかんかよぉおおおおお!!!!!

氏ねぇええええええ!!!

「…お義母さんからのメールでね。なんか届いたよって…」

「けどね…」

ああぁ…来る…爆発の波が来る…。

鼻琳が工事の現場で被るような黄色のヘルメットを被って俺に警告してくる。

…あと5秒…いやもうすぐに…爆発する…ぞ

全身で感情の爆発の波を感じる。

ビリビリする…。

「そのッメールの下のっ!!新しいメールも見ちゃったのよおおおっっ!!!!!!!」

カシッ!!!!!!

携帯を取り上げられて、床に叩きつけられた。

「なに!ねぇ!!なに!!!!何してるか分かってるの!?ねっ!全部嘘だったの!この人のっ今までのメールは何っ!なんなのぉお!?今まで何してたの!!!!!ねぇ!ねぇええええええええええええっ!!!!」

絶叫だった。

胸を掴んでくる嫁は聞きたい事が色々ありすぎて、混乱しているようだった。

怖かった。

恐ろしかった。

だけど、やっぱし愛しさも感じていた。

こんなに怒るのは自分のことをそれだけ愛しているからだと。

ここで嫁が最初に見た、俺が今朝に華琳アカウントで携帯に送ったメールを記載する。

From 華琳
subject 今夜はうちに来なさい。
絶対よ。
本文:待ってるから…。
沢山虐めてあげるんだから。

「今までっ…何…してたのよぉ…グズッ…う”ぅ”ぅ”う”ぅ”ううううう」

嫁は錯乱していた。

俺は急いで解決策を鼻琳と相談した。

(どうしよう!?どうしよう!?)←俺

とりあえず抱きしめるか?

…いや待て!

まだ誤解を解いてないのに抱きしめたらまたビンタされるぞ!←鼻琳

(なら全部話せばいいのか!?)

今までの華琳のメールも全部見られてるんだぞ!?

全部話すの恥ずかしいぞwwwクヒヒ

(しょうがないじゃないか!?だってそれが真実だろ!)

じゃあオタク趣味も全部!! バラして!!

(ウッ!)

華琳というキャラクター!!

恋姫というゲーム!!

全て説明するのか?

wwwwまじウケるwwww

鼻琳との自問自答が続く。

いつしか鼻琳は俺の姿になっていく。。

鼻琳は俺だったんだ。

華琳なんていない…。

俺は…馬鹿だ…。

「今日遅かったのも…今まで居たんでしょ!鼻りんさんと!…ねぇええ!!」

胸をグイグイ掴んでくる。

本気の力だ。

以前、嫁とプロレスごっこ(比喩じゃなく本当のプロレス)とかした時、全然力が無くて、

「お前力ねーなぁーw」

なんて笑ってたけど、こんなに力強かったんだな。

もう俺は決心した…。

全てを嫁に打ち明けよう。

秘密にしていた事を謝ろう。

嘘をつき続けて居た事を謝ろう。

土下座でもなんでもする。

自分には心の弱い部分があった。

それが鼻琳だ。

恋姫無双の世界の住民になった気になり、現実から目を背けて作り出したもう一人の自分。

もう終わりにしよう。

大人になろう。

そして嫁を愛そう。

こんなに必死になって泣いてくれて、愛してくれているじゃないか。

「嫁…その…」

俺は土下座スタイルに入ろうとし、全てを説明しようとした。

その時嫁が呟いた…。

「そもそ…も…」

ん?なんだ?全てを打ち明けようとしてるのに…。

「そもそも……鼻りんって何人なのよぉぉぉッッッ!!!!!!!!!!」

そこかーッ!!

違うんだ嫁。

鼻琳は中国人だけど、偉人で本当はこの世には居ない存在なんだ。

なんて言えるはずもなく、むしろそんな事言ったら頭がおかしいと思われる。

そんなの嫌だ。

俺は土下座スタイル入ろうとした中途半端な形で固まった。

そんな何か考えてる俺のふざけた体勢?を見て嫁がついに激昂した…。

嫁は本気で怒ると近くにある物を手当たりしだい投げる癖がある。

まだ交際時代に、くだらない原因で喧嘩した時、嫁はでかい皿を俺に投げつけてその割れた破片で足を切ったというマヌケだ。

テーブルの上のマグカップや可愛い動物の小物が俺に向かって容赦なく飛んでくる。

痛い。

スピード感が半端ない。

「あぁああああああああああああああ!!!!!!!!」

駄目だ。

このままだと部屋の全てが壊される!

バーサーカーだ!

怖い怖い怖い怖い殺されるぅうううううううううううううう!!!

「…っ嫁ぇ!聞いてくれ!」

なぜ嫁が華琳の事を日本人ではなく、外国人だと思ったのか…。

それは華琳とメールをし始めた時の昔のメールを見たのだろう。。

そのメールの内容というのは、

日本に来てまだ慣れないわ。。

文化が違くて…。

とか

凄いわね。コレが話してくれた携帯なのね…。

とか

日本は便利ね。ここが貴方が生まれ育った国…

とかだ。。

語るも赤面な内容…。

多分それも見たからだろうなー。

とぼんやりと俺は思った。

みんなごめんね。

もうちょっと続くんだ…。

自分の事をこうやって文字に起こすの初めてなんだ。

ちょっと面白くしようとして、そこかーッ!とかって書いたけど、つまんないね。

けどそう思ったんだよ。

そういえばそうだよなーってさ。

中国人って設定で、しかも三国志の昔の偉人だもんなーって。

現代だったら中国人でも携帯知ってるし、嫁は本当に混乱したんだろうなーって。

嫁は実家へ帰りました。

嫁母父と共に…。

「これはドッキリなんだぁあああああああああ!!!」

言った瞬間、マズイと思った。

俺はついさっき真実を話すと決意したにも関わらず嘘をついた…。

なんて情けないんだ…。

だけど怖かったんだ…。

とりあえず嫁を落ち着けないといけないと思って咄嗟についた嘘だった。

「……え…」

嫁は何を言われているか把握してないようだった。

よし!

このまま畳み掛けるぞ!

俺は狂った鳩時計のように喋りだした!

「そうなんだよ!ドッキリなんだよ!もし嫁がさ携帯をこっそり見た場合に発動する悪戯ドッキリ!結構苦労したんだぜ!そんな怒るとは思わなくて…はは」

嫁の顔が良く見えない。

多分凄い顔してたと思う。

「どうだ?手が込んでるだろ?あはは…」

嫁はプルプル震えている。

それを見た俺は女優霊という映画を思い出した。

「うわぁあああああああああ!!!!!!もう嫌ぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!」

ヒィィ!

駄目だ!

美味い言い訳を思いついたと思ったら駄目だった!

ここまで追い詰められてまだ自分の保身のために嘘をつくからこうなるんだ!天罰だ!

その時だった。

玄関の開いた音がした。

「○○(オレ)君!!」

俺がうずくまっている位置は、玄関からまっすぐのリビングだ。

つまり誰が来たのか見えたのですぐ分かった。

それは、嫁の父。

つまり俺の義理の父、お義父さんだった。

助かった!しかし、心のどこかでもう逃げられない!とも思った。

俺は

「その…これは…」

とかゴニャゴニャ言っていた…。

思考が纏まらなかった。

色んな疑問が沸いてくる。

なんで御父さんがこんな夜に?

車はどこに停めたんだ?

飯は食べたのか?

とか全然重要じゃないことを考えていた。

御父さんがリビングに入ってくる。

「どうしたんだね…外に。…外に二人の喧嘩の声がまる聞こえだよ…」

嫁は御父さんを見て少し冷静になったのか、床に膝をついてて泣いている。

「お父さん…うっ…グスっ…お父さぁん”ん”ん”ん…」

「嫁子…。」

御父さんは嫁の肩を抱いて、落ち着くように促した。

ちなみに御父さんは凄く良い人だ。

田舎の優しい牧歌的なおじさんのイメージそのまんまだ。

俺も大好きで…本当に大好きだから誤解されているのが辛くて、ここでちょっと泣きそうになった。

そして、嫁を落ちつけた後、ここに来た理由を御父さんは話した。

「夫君。私はさっき嫁子から電話を貰ってね。ああ、その時の電話はお母さんが出て、話をしていたのだが…」

どうやら御父さんは、俺が自宅に帰る前に嫁から電話を受けていて相談をされていたそうだ。

そして今夜は家に居られそうに無い。

迎えに来て欲しいと言われ、先ほど迎えにきたらこの有様…。

通りで普段見ないちょっと大きいスポーツバックがあるわけだ…。

「夫君…事情は聞いているよ」

御父さんは優しく俺に話しかけた。

「ええ、けど違うんです。……誤解なんです」

俺は半泣きで言った。

だけど大丈夫、もう安心だ。

この人が居れば後は誤解を解くだけなんだ…。

「ああ。分かるよ。男だもんな。…うん。分かるよ」

御父さんは少し気まずそうな笑顔で言った。

違うんですよ御父さん分かってないですよ…。

しかもそんな所で懐深いアピール今されても…。

ああ、来てたんですねお義母さん…。

俺はそう思い、精一杯の笑顔を繕って玄関の方を向いた。

すると、御母さんは蔑むような目で俺を見ていた。

これは完全に汚い生ごみを見るような目だ。

完全に俺を誤解している。

ああああ違うんだ。

浮気なんかしてないんだ…。

御母さんは怖い。

細木和子に似ている。

けど顔が似てるだけで良い人なんだ。

優しいんだ。。

俺は勇気を出して言った。

「御父さん。全て誤解なんです…。全部話すから聞いてください…」

しかし御父さんは嫁の手を握り、座っている嫁を起こした。

「夫君。キミの言い分をまだ聞いていない。…しかし今は二人とも冷静じゃない。そうだろ?また明日キミの話を聞こう。今日は…嫁子を実家に泊まらせるよ…」

御父さんはそう言って、泣いている嫁と一緒に家を出て行った。

最後まで御母さんは生ごみを見る目で俺を見ていた…。

そして、一人俺は家に残された。

さっきまで騒がしかったのが嘘みたいだった。

最初にビンタされた耳がまだ痛く、静かな空間に耳鳴りだけが響いた。

どうしてこうなったんだろう。

どこから間違ったんだろう…。

自問自答の中、俺は割れたコップの破片、原型を留めていない小物などの破片を部屋用の小さな箒で掃除した。

ふと、壁にぶら下がっている写真立てが目に入った。

何でもないただの一日に撮った写真だ。

遊園地に行ったわけでもなく、なにかの記念日に撮ったわけでもない、普通の日に撮った二人の写真だ。

写真立てを飾っている嫁に対して俺は

「もっと特別なの飾りなよ」

なんて言ったけど、嫁は

「これがいいの。これでいいの」

って少し笑って言った。

その時の嫁の気持ちが分かった気がした。

俺はそこで自分のした愚かさに初めて気が付いて、号泣した。

つまらない嘘をついて、嫁を無駄に苦しませて…。

明日にはしっかり全てを打ち明けよう!

そして誓った。

謝って嫁をまた家に連れて帰って、幸せな普通の大切な日々を過ごすんだ、と。

翌朝、俺は起きて会社に向かった。

車で会社に向かう途中で、今回起きた事件の全てが鼻琳の所為だという妄想を懲りずにしていた。

(俺の心の中に巣食う悪魔鼻りんめ。お前なんか華琳じゃない。お前は悪魔だ!お前が俺を甘い誘惑の罠に嵌めて、全てを壊したんだ…!許さないぞ…!)

社内のトイレで顔に引っかき傷が見つかった。

ちょっと瘡蓋になっている。

みっともない。

同僚達に気付かれ、

「どうしたの?その傷?」

と言われたが、夫婦喧嘩ともいえずちょっと爪で引っかいちゃって…と言い訳した。

皆さん。

僕は鼻琳にそそのかされ、嘘を重ね、嫁に愛想をつかされたお馬鹿さんですよ。

あは…あはは…なんて永沢君と藤木君みたいな感じになってた。

そして、お昼に御父さんからメールが来た。

内容は、

「仕事が終わったらうちに来て話し合いをしよう」

というものだった。

業務をこなし退社し、俺は嫁の実家に到着した。

向かう途中の車内で、どうにか上手い言い訳が作れないか、最後まで俺は性懲りもなく真実に抗っていた。

しかし駄目だった。

やはり真実を話して、ありのままの自分を受け入れてもらうしかないと悲しいけど結論をだした。

初めから嫁にカミングアウトしてれば、義父と義母の前で恥をかかなくてすんだのに…。

でもしょうがない。

これは全て鼻琳の策略、智謀、戦略に嵌ってしまった自分の責任なのだから。。

クソっ。

鼻琳め。

全てが無事に終わったら、お前の存在の証明…つまりアカウントを消してやる。

ざまぁみろ。

深呼吸して覚悟を決めた俺は嫁家のインターホンを押した…。

御父さんが出てきてくれて、リビングに通された。

向かい合ったソファの片方に嫁が座っていた。

何だか生気がない…。

(これがレイプ目か…ゴクリ)

俺は嫁に近付き、優しい声で話しかけた。

「嫁…ごめん…。けどちゃんと今日全部話すから。。全ての誤解が解けたらまた…」

「………」

よく見ると目が真っ赤だった。

多分寝てないんだろう。

そりゃあ信じてた夫に裏切られて、その上あんなメールを見た日にはこうなる。

胸が締め付けられる様に痛かった。

これが小説とかでよく見る、締め付けられるような痛みかぁ…なんて呑気な事も考えてた。

とにかく早く!一刻も早く誤解を解き、嫁を抱きしめたい。。

今さらながら嫁の愛おしさ、愛らしさを再確認できた俺に対して、頭の中の鼻琳は

(よかったじゃんw再確認できてwwキヒヒヒ(`∀´))

なんてフザけた事を抜かしている。

引っ込んでいろ鼻琳よ。

これからお前に引導を渡すんだ。

フン。

せいぜい怯えていろ。

嫁のソファの後ろのテーブルには御母さんが座っていた。

相変わらず俺を見る目つきは生ごみを見る目だった…。

しかし、ちょっとだけその鋭い目つきに興奮しそうになったのは秘密だ。

御父さんが嫁の隣に座り、俺が反対側のソファに座った。

そして少しの沈黙の後、御父さんが口を開いた。

「さて○○君…。私はね。嫁から聞いた話がとても信じられない…。キミがまさか浮気をするような人だとは思えないから…」

やっぱり御父さんは俺を信じてくれていた!素直に嬉しかった。

嫁はただ虚空を見上げていた。

「まず私が嫁子から聞いた話を夫君に話す。そして間違っている事実を私に話してくれ」

「分かりました。その、…本当にくだらない行為が上手く重なってしまったんです…本当です。本当なんです」

「ああ。分かってる。分かってるぞ。ひとつずつ解消していこうな。な、嫁子も」

御父さんが仏に見えてきた。

優しい。

優しいな。

きっと大丈夫だ。

このまま落ち着いて話をすれば絶対解ける。

御父さんに、父の日にはきっとネクタイをプレゼントしよう。

「キミが、は な り んという女性とメール交換をしていると聞いたのだが」

あぁ…。

そこから話さなければいけないのですね…。

しかしどうしよう…。

鼻琳は本当は「華琳」という名前なんです!

なんて言えねぇえええ!

名前を改めたらなんか存在を認めているようではないか!!

そもそも考えてみれば、名前なんてどうだっていい事で、もうはなりんって事でいいや!

うん!

と思い名前の訂正をあえて申告しなかった。

「あまつさえ、昨日の夜は…その女性の家に招かれて、遅くに帰ってきたそうじゃないか…」

俺は覚悟を決めた。

言うぞ。

全てを。

まず最初の一歩を踏み出す!

「…御父さん。まずそこが違うんです。…鼻琳からのメールは全て…俺の… 自 演 自 作 な ん で す !」

言った…。

言ったよ!

俺は自分を褒めてあげたい。

しかしこれではまだ全ての誤解は解けてない。

ここからが問題なのだ。

すると、それを聞いた御父さんが厳しい顔つきになった。

「…なんだって?ピキピキ」

俺は怒りの仏に少しビビったが、話を続けようとした。

しかし、遮るようにそれまで黙っていた嫁が口を開いた。

「それ”…ゲホッゲホッ!」

嫁は久しぶりに言葉を発したせいか、声が上手く出ないようだった。

それが今でも印象に残っている。

「…それって昨日私に言った、驚かせようとしたドッキリって話…?また…そんな嘘…つくの…?」

「違うんだ…嫁。いや違くないごめん。それは実は嘘なんだ…。あの時は慌てて咄嗟に嘘をついちゃったんだ…。ごめん」

「また…嘘じゃん……ふぇ…うっ…う”う”う”う”ぅぅぅぅ……ばかぁぁぁっ!……」

嫁が泣いてしまった…。

あんなつまらない言い訳使わなければ良かった…。

畜生…。

嘘カウント1増えた…。

「…怪しいと思ってた…通帳もぉ…うっ…グス…クレジットカードも…夜に帰ってこないのも…ふぅう”ぅ”ぅ”ぅ”ぅぅうぅ…」

御母さんの俺を見る目が、生ごみよりさらに汚いう○こを見る目にレベルアップした!

やっぱり怪しまれてたのか…。

だけど全ては誤解なんだ。

これからその誤解が一つずつ解けていくはずなんだ!

俺 の カ ミ ン グ ア ウ ト が つ い に 始 ま る …。

「嫁…俺は…世間で言われている…ア ニ メ オ タ ク な ん だ」

ついに言った…。

後悔はしてない。

少し清清しさを感じるまでだった。

罪を白状したような気分…。

清涼な風が俺の心を吹き抜ける…。

俺の脳内の鼻琳が存在を否定され、ダメージを受け叫んでいる気がした。

部屋がシーンと静まり返る。

しかし、場違いの発言がこれほどまでに時を止めるとは…。

嫁は何を言っているのかよく分からないという顔をしていた。

もちろん目は真っ赤。

「御父さん…。この鼻琳というメールの女性は、僕の好きなアニメに出てくるキャラクターなんです」

御父さんも訳が分からないというしかめっ面をしている。

しかし俺はさらに畳みかける!攻撃…いや口撃を止めない!

「つ ま り !俺は自分の持っているフリーのメールアドレスを、自分の携帯に”鼻琳”と登録して、そして自分の携帯に鼻琳からとしてのメールを受け取っていたわけですよっ!!(ドヤ顔っ)」

俺は何故か自信満々に言い放った。

どうだ!?

どうにでもなれ!

これで分かっただろう?

事件の内容、そして俺の気持ち悪さが つД`)・゜・。・゜゜・*:.。

俺は御父さんを見た。

御父さんはちょっとキョドった様子でこう言った…。

「つ ま り … ど う い う 事 な ん だ ?」

御父さんは理解していなかった。

つーかナルトかよチクショー・゜・(つД`)・゜・

そして、御母さんの俺を見る目が、う○こを見る目から可哀想な子を見る目に変わった!

やめて御母さん!

それが一番傷つくの!

…確かにちょっと上記の説明じゃ分かりにくかった。

俺も正直ちょっと分かりづらいなと言ってて思ってた。

俺は赤面しながら、フリーのメールアドレス、自分の携帯への登録…。

今回のメール偽装事件の内容を細かく三人に説明した。

正直死にたかった。

御父さんに

「あーそういう事ね」

と頷かれる度になんか死にたかった。

「…それで鼻琳からメールが来ているように自分を思い込ませて楽しんでいたんです…」

事件解決…。

全てを説明し終わった瞬間、俺の脳内鼻琳は断末魔の声をあげて消滅した。

シュワ〜。

勝った。

俺は鼻琳に勝った。

もう惑わされない…。

そうだこれからは心を入れ替えて…一日三膳恋陽陽…。

「○○君」

「ひゃい。御父さん」

完全に油断していた。

何か御父さんと嫁が話しをしていた。

そしてこっちを向いた。

「夫君が好きな…そのアニメ…。な ん て 名 前 だ い ? 」

えっ…名前?

俺は予想外の質問に焦った。

「名前ですか!?は な り んですけど…(連呼させるなwww恥ずかしいwww)」

「えーっと…違う違う。題 名 だ」

えええええええええ題名言うのぉぉおおお?

どんな羞恥プレイですか!?

知ってどうするの!?

えええええまじで言うのねぇまじで?

俺は平静を装ったが、明らかに動揺していたと思う。

そんな俺の様子を見た嫁が

「やっぱり嘘じゃん…夫がオタクなわけないよ…。今まで一緒に居た私が言うんだもん…。どうせ鼻琳と…昨日の夜に電話で打ち合わせでもしたんでしょ…?こうやって言えば大丈夫だとか…」

と憎らしげに言った。

嘘じゃねーよチキショー!!

脳内鼻琳が高笑いし息を吹き返すのを感じた…。

ハナリン

完璧な嘘はリアルを侵食する…そんな映画のキャッチフレーズが頭に浮かんだ。

悔しかった…。

俺の脳内の鼻琳を殺すだけじゃもう鼻琳の存在は消えない。

こいつら三人に住む鼻琳全員を消さないと、完全には消滅しないのだ。

なんなんだ!?鼻琳…。

最初はただの空想の人物だったのに、今では俺以外の三人にまで存在を認められる人物にまでなった…。

怖い。

鼻琳超怖い。

俺は鼻琳に初めて恐怖を感じた。

「私もね。信じられないんだ。キミがそういう趣味をもっているとは…。いや、その趣味を悪いというわけではないが…」

糞。

負けるか。

題名を言えばいいんだろ…。

恥ずかしいけど、嫁の受けた苦しみに比べたら!!!

「恋姫†無双…です///」

「…来い?ひめむ僧?」

「こ・い・ひ・め! む・そ・う!」

なんだ?

…御父さん俺をからかってるのか?

くそう恥ずかしいぜ。

初めて嫁にチンぐり返しされた時より恥ずかしい///

しかしこれで、もう…。

すると御父さんが立ち上がり、隣の部屋に行ったかと思ったらすぐに戻ってきた。

ノートパソコンを持って。

御父さんはさっき居た同じ場所に座り、慣れた感じでノートパソコンを広げた。

パソコンの起動音が鳴る。

そして何か打っている。

これは…まさか…。

…検索?

やめてくださいね。

御父さんやめてください。

俺は神に祈った。

無線LANが切れますように。

契約プロバイダが爆発しますように。

しかし神などいない。

この世に居るのは悪魔のみ。

その名は鼻琳。

御父さんは、うん…うん…となにか呟きながらマウスを操作していた。

嫁と御母さんもパソコンを覗き込んでいた。

俺だけディスプレイが見えない…。

みんな何を見てるの?

何をしてるの?

バクバクの心臓が痛い…。

そして沈黙を打ち消したのは、パソコンからスピーカーから流れる大好きなあの曲だった…。

『誰かにささぐ〜命〜なら〜♪自分の境界を越えて〜♪今ならば〜ここでなら〜♪強さに変わりぃ明日へ続ーくよー♪』

おいいいいいいいい!!!!

OP鑑賞かよぉおおおおお!!!!

俺の大好きな曲ですw

「えっちょっ…ちょっ…見るんですか!?今!?」

俺はあわてて立ちあがってディスプレイを上から覗き込んだ…。

Youtubeだ。

「ああ。夫君がそれ程まで好きな作品なんだろう?」

「ええ?…ああ、はい…そうです…けど、その」

「ならいいじゃないか。私達も見てみたいよ。なぁ」

御父さんは何か勘違いしている。

ドラえもんやしんちゃんとは違うんだぞ!

エロゲ原作のアニメなんだ!Hなシーンもあるんだぞ!

俺はソファに座って縮こまった…。

嫌な予感がする。

これはマズイ…。

子供の頃、悪さをした時にその悪事が親にバレているのか、バレていないのかどっちか分かりかねる時のあのモヤモヤした感情。

『忘れたい景色があり〜♪忘れたい記憶もあるぅ〜♪』

おいいいいシンクロしてるよ。

今の俺の気持ちと歌詞シンクロしてるよ。

flower of braveryはもうノリノリでは歌えない…。

くそ。

三人がディスプレイをじっーっと見ている。

表情から感情が読めない…呆れているのか、怒っているのか…それとも案外この曲良いかも!

とか思っているのかもしれない。

むかつくのがたまに御母さんが俺の方をチラッ…チラッ…と見てくることだ…。

『真実だけを〜追い求め〜♪』

よしサビに入った。

俺は安堵した。

もう曲は終わりに近づいている。

この俺だけディスプレイが見えないこの状態はもう終わりにしたい。

心臓にわるい。

『明日へ続〜くよ〜♪』

よし…サビ終わり…終わった…。

『傷を負った夢の為〜♪』

まさかのフルかよおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!

ニコニコ動画じゃねえええんだからよおおおお!!!!

もう俺の精神はボロボロだった。

多分、曲の一番はOPのムービーが流れていた。

覗いた時に動いてたから。

だが二番は分からない。

その動画の作者のお好みで作られてるからだ。

いやらしいエロゲ原作のアニメだってばれちゃうかも…はわわ…。

しかしその心配は杞憂に終わった。

二番のBメロで御父さんは曲を止めたからだ。

終わり?終わったの?

俺は地獄が終わった…と安堵した。

しかし次の瞬間、御父さんから出てきた言葉は信じられないものだった。

「鼻琳とはどのキャラクターだい?」

まさかの興味津々ルートぉおおお!?

俺は御父さんが分からなくなってきた。

この人は仏の仮面を被った悪魔なのかもしれない…。

さっきから俺に対して何かを仕掛けてきている。

「あ…あの…金髪の…ツインテールで…くるくる巻いてる…」

「ちょっと分からないからやってくれない?」

パソコンをズイ!とこちらに向けてきた。

畜生。

この時はなんで御父さんが、恋姫のOPを探し当てたのか疑問だったが、youtubeの検索欄は平仮名でこいひめって打っても、ポップアップで恋姫 op とか色々出るじゃねぇか…。

俺は「こいひめ」と打って適当にポップアップから「恋姫 3」というのを選んだ。

もうしょうがない。

鼻琳を見たいと言ってるのだからここまで来たら見せるしかない…。

カミングアウトしてしまったのだから、もう堂々とするしかない。

検索結果の中で一番上にサムネイルが華琳様が映っている動画がある。

それをクリックして俺も横から見えるようにテーブルの隅に置いた。

三人が何を見ているのか分からなくて不安になるより、一緒に見たほうが何倍もいい…。

その時はそう思ったんだ…。

再生が始まる。

もう嫁や御母さんそして御父さんの顔なんて見ていられない。

普通に華琳がでてきて、すぐにストップして、この子ですよ!で終わりだ。

三人が集中してディスプレイを見る。

よし!スタートだ!

『お帰りなさいませ♪ご主人様〜♪』

!!

気まずいってレベルじゃねーぞ!!

普段こんなアニメじゃねーじゃん!!!

なんでこの動画選んじまったんだあああ!!!!

俺は耳まで赤面した。

恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだった。

全身が痒くなるほど恥ずかしい思いをしたのは初めてでした。

少し面白かったのは御父さんも顔を真っ赤にしていた事wwwざまぁwww

ちなみに嫁と御母さんの顔は怖くてみれませんでした。

無理です。

俺は顔の赤みが取れるのを待たず、タスクバーを横に動かして華琳こと鼻りんを見つける。

「この子ですよ」

俺は画面を指差した。

「ふむ。この子が夫君が夢中になった鼻琳か……」

画面には華琳と愛紗というヒロインがピリピリムードを出して話し合っている。

そうだよ。

こういうシリアスな展開もある良いアニメなんだよ。

動画の最初こそアレだったが、これを選んでまだ良かったのかもしれないと思った。

そしてこの後の華琳と愛紗の絡みのシーンももちろん知っている。

その前に画面を消してしまえばいいだけだ。

「そうか…ありがとう。これはもう消そう…」

御父さんはパソコンを自分に引き寄せた。

良かった。

余計な心配だったなw

俺はもうアニメ鑑賞会は終わったんだと思い、心の中で喜んだ。

「むっ…」

しかし、何かに御父さんは気づいたようだ。

「どうしました?もう終わりに…」

俺はもう早くパソコンを閉じて貰いたかった。

それこそ恋姫の画像検索なんてされたらもっとやばかったのかもしれない…。

「この右の……恋姫†無双 問題のシーン とは…?」

身体に電撃が走った!ヤバいぃい!これはS級のヤツだ!

これを見られたらいい訳できない!(なんの?)

こんな見られたら一発で変態の烙印を押されてしまう。

何しろ俺の精神が持たない!!

俺は挙動不審になりながらも

「これは…その全然関係ないヤツで…見ないほうがいいですよ。全然違うヤツですし」

御父さんはすでにマウスを動かしてクリックしていた…。

『恋姫 問題のシーン』

動画の再生が始まり、全員硬直する。

「夫君は…こういうアニメが…好きなのか?」

もう駄目だ…腋舐めとる…。

『…ンッ…アッ…ハァハァ……アンッ…そう…イイわぁ……』

「違うんです…うっ…恋姫はこんなアニメじゃ…冒険活劇…ウッ…」

俺はもう弁解すらできなかった。

三人に顔を見せられず、背中を向けた。

『…アハ…ン…そうよう…また…上手くッ…アンッ』

完全に三人に変態の烙印を押されたと思った。

なんだよ地雷ばっかじゃねーか恋姫!

カミングアウトなんかしなきゃよかったんだ!そしたらこんな辱めを受ける必要なんて…。

もっと他に良い言い訳を頑張って思いつけばよかったんだ!

そうだよ!友達に鼻琳を名乗って貰ってたとか!クソぉ…。

しかし、喘ぎ声のする動画に変化が起こる。

春蘭『華琳様っ!』

この声に御父さんは反応を示した。

「かりん様?」

華琳『…けいふぁ……続けて…』

桂花『ンッ…チュパッ…チュパッ…』

「夫君…この金髪の子は はなりん じゃなかったのかね?」

ああーーーッ!!!

糞オオオオォ!

最初に訂正すれば良かったぁぁああ!!!

鼻琳めぇえええ!陰謀かあぁぁぁ!?ややこしいぃぃぃぃいいいい!!!!!

俺は初めてリアルで漫画の主人公の様に頭を両手で掻き毟りたくなった。

ここにきて鼻琳の智謀策略…重ねた嘘が剥がされる!

「あ…はひ…間違えました…この子は…鼻琳じゃなくて…華琳ですよね…ハハ…」

…ガタンッッ!!!

「キミはっ!!それ程大好きなアニメのキャラクターの名前を間違えたりするのかねっ!!」

御父さんが始めて声を荒げた!!

違う!!

俺じゃない!!

貴方の娘が最初に間違ったんだぁぁぁ!!

俺は

「はわわ…はわわ…」

と朱里(恋姫のキャラクター)のように慌てるしかなかった…。

普段温厚な御父さんが怒ったのが珍しいのか、嫁と御母さんは目を丸くしていた。

部屋がシーンとなる…。

『ドクン…ドクン…』

恋姫の動画では華琳と愛紗での、二回戦が始まっていた…。

作者ぁぁぁぁ!!繋げんなァァァ!!!

アニメでの心臓のドキドキ音はまたしても俺とシンクロしていた。

沈黙の続く部屋の中、俺は御父さんのほうを気にすればいいのか、天幕から影越しに現れた覇王を気にすればいいのか…。

「嫁は俺の嫁です!お願いします…」

嫁は頷いた…。

よし。これで嫁と話ができる!

「じゃあ私達は…隣の部屋に居るから…話が終わったら呼んでくれ…」

御父さんは立ち上がり俺の横の通り過ぎ、部屋から出て行った。

御母さんも渋々といった感じで、部屋から出て行ったが、俺の目すら見てくれなくなっていた…。

「嫁…」

俺は急いで立ち上がって嫁の横に移動した。

「……なによ…」

嫁は俺と目を合わせようとしない。

そうだよ。

いっつも喧嘩した時はこうだったよな。

たまらなく抱きしめたい衝動に駆られた。

「抱きしめてもいい?」

俺は聞いてしまっていた。

「…駄目」

ま、そうだよね。

前日浮気した事に嫁の中ではなってるもんな。

ただ、いつも喧嘩した後はこの言葉の後に、

「……うん」

と可愛らしく嫁が言っていつも終わりになっていた。

それを思ったのか嫁もちょっと涙目になっていた。

俺は嫁に聞きたい事、確認したい事があった。

それを知りたいがために二人っきりになったのだ。

俺は言った。

「もし、俺が本当にオタクで、実家の部屋がアニメグッズだらけのキモオタ野郎でも、嫁は俺の事を嫌いにならない…?」

嫁はすぐに答えた。

「私は貴方の優しさに惹かれて好きになったのよ?そんな事で……嫌いになるわけ…ない!」

俺はその言葉を聞いて涙が出そうになった。

「もしそれが本当なら…なんで言ってくれなかったのか、私は怒る…と思う」

嫁は強い眼差しで言い切った。

俺はオタ趣味を隠していた事を後悔した。

そうだよな。

俺も例え嫁にスカトロとかそういう趣味があっても嫌いにならないもん。

むしろそういう趣味を打ち明けてくれた嫁を愛おしく思うだろう。

好きになった理由は別。

本当にその通りだな、と思った。

「嫁…ありがとう…」

俺は嫁を抱きしめた…。

嫁は抵抗しなかった…。

肩細いなこいつ…ちゃんと昨日の夜から御飯食べたのか?

だからこんなにチビなんだぞ…。

俺は抱きしめながら泣いた。

俺の涙につられて嫁も泣き出した。

ごめんな…嫁。

全部俺が悪かったんだ。

自分の嫁を信じ切れなかった自分が。

なんで俺は信じられなかったんだ…。

仲間を信じて相談することが大事って俺はひぐらしから何を学んだんだ…。

俺は決意した。

最後の手段を遂行することに…。

自決覚悟の…特攻。

その決意に脳内鼻琳は怯えた。

(いいのか夫!そんな事したらお前もヤバいぞ!やめろ!やめるんだ!)

いいんだ。

お前という爆弾を抱えて共に身を沈めてやる!!

あれ…アトムも確かこんな感じだったな…確か太陽に突っ込もうとして宇宙人に拾われて

過去に戻って新品のアトムを直して…えーっと。。

俺はそんな関係ない事もぼんやり思った。

「…よし」

俺はスッと嫁から離れた。

「嫁…。俺はこれから身の潔白を証明する。だけど、その証明を見たらびっくりすると思う」

「………」

「俺は嫁を信じる。図々しいと思うが…その…だから…嫁もその俺を受け入れて欲しい…」

「……意味が…分からないよ…」

嫁は不思議な顔をしている。

そうだよな。

最後の手段の説明してないもんな。

「御父さんと…御母さん……呼んでくるよ…」

俺は立ち上がり二人を呼びに行こうと部屋を出ようとした。

その時、

「夫ぉ…」

嫁が呼び止めた。

俺は振り返る。

「信じて…いいの…?」

「ああ。最初から浮気なんてしてないって言ってるだろ」

その言葉に嫁は久しぶりに…本当に久しぶりに少しだが笑顔を見せた。

俺は決意を新たに二人を呼びに行った…。

「御父さん、御母さんありがとうござました」

俺はまず二人に席を外してくれたお礼を言った。

隣の部屋で二人は何を話していたのだろう…。

凄い気になるがあえて考えないでおく。

「俺は嫁を愛しています」

御母さんが、どの口が…と言いたそうに顔を歪めた。

「浮気するなんてありえません。だからその証明をするために…俺の…… 実 家 の 部 屋 に き て く だ さ い !!」

苦渋の決断だった。

脳内鼻琳が会心の一撃をくらい暴れ苦しんでいる。

「俺の実家にくれば全ての潔白を証明できます。実家の俺の部屋は…その…ゴニョゴニョだから…それと、母にも度々俺が実家に帰っている事を証明してもらましょう」

そうだ。

この際おかんにも協力して貰おう。

俺が嫁に今夜は帰れないメールを送った日付と、俺が実家に帰った日を照合すれば明らかじゃないか!

「ふむ…そうだな。夫君のお母さんに聞けば…確かに」

「ですよね!ではまた明日にでも…」

「今日だ。これから伺おう」

えええええええ!!!

これからぁあああ!?

ちょっ…せめて華琳様の抱き枕…とかベッドシーツとか剥がさせてぇええええ!!!

「ア タ シ も 行 く わ よ」

御母さんが喋ったぁあああ!!!

お前も来んのかよおおおお!!

掛け布団でまだ見えていないから、俺は華琳様ごと(華琳様ごめん!と思いつつ)S字にふとんを畳んだ。

「はぁ…はぁ…ど…どうぞ…ソファにお座りください…」

三人はキョロキョロしながら三人掛けソファに座った。

弟は…多分ベッドシーツの件が分かっているので、笑いを堪え、空気を含んだ顔でソファの横に立っていた。

弟のその顔が凄いムカついたが我慢…我慢。

「こ…ここが夫君の部屋…」

「ええ…そうです。驚いたでしょう」

糞ぉぉぉ…恥ずかしい…恥ずかしいよぉ…。

失神してもおかしくない。

俺は涙目になった。

「すごいな…これは…キョロキョロ」

「あら…まぁ…お人形さんがいっぱい…」

御父さんと御母さんは関心していた…。

嫁は”よくもこんなに隠していたわね”という顔で俺を睨んでいた。

すると御母さんが指を指して言った。

「これも、その恋姫っていうアニメのお人形なの…?」

御母さんが興味を示したのは、楽器を持っている女の子のフィギュアだった。

お人形って言われると恥ずかしいな。

なんか子供みたいだ…。

「そっ…それは、違い…」

俺が説明しようとしたら、

「け・い・お・ん!! だよねw兄貴っ」

弟ぉおお!!

しゃしゃりでてくんなぁああ!!!!

つか出てけぇええ!!

「あっそうなのwいや、私も昔、楽器演ってたからww」

「まじすかwwちなみになんの楽器ですか?」

「少しだけしか出来なかったけどねwベースよ」

「うはwwキタコレwwwwみおみおww」

盛り上がるなぁあああ!!

つかお前らコンビ組んでんじゃねえええええ!!!!

俺だって知らなかった。

御母さんがベースやってたなんて…。

糞、弟めええええ…。

「私達が若い頃はバンドブームっていうのがあってね。お父さん」

「う…うむ」

「セッションしましょうwww俺ギターでwwww」

ふざけんな弟ぉおおおお!!御母さんとセッションすんのは俺だあああああ!!!

けど、少し弟に感謝した。

こんな風に空気を丸くしてくれるのも、弟の好意なんだろう。

俺だけだったら恥ずかしくて、何も話ができなかっただろう…。

居てくれてよかった…。

そして嬉しそうに弟が俺に話しかけてきた。

「けど、恋姫もバンドやるよねぇ?兄貴ぃ」

えっ…なんだ?演らないぞ…恋姫はバンドなんか…まさか…。

「この間秋葉原一緒にいった時買ったじゃんw恋 姫 無 双 ラ イ ブ レ ヴ ォ リ ュ ー シ ョ ン wwww」

前言撤回。

ふざけんな弟おおお!!!

アレは特別版だぁあああ!!!

つか彼女の両親と一緒にレヴォリューションできるかああああああ!!!!!

すると御父さんが呟いた。

「ほう…ライブ……レヴォリューション…」

御父さんお願いします……興味を…沸かせないでください…。

つーか御父さんのバイタリティすげぇ!

「見ます?御父さんも見ます?見るなら僕の部屋のPS3もって来ますけどww」

殴る。

絶対に殴る。

俺はご両親が帰って全てが終わったら弟を殴る決心をした。

「いやいやいや…それはね?ね、ちょっとそんなに時間ないから…弟、時間ないから」

俺は語気を強めて弟を威圧した。

弟はチェーとでも言いそうな顔をした。

嫁はずっと顔を俯けて顔を真っ赤にしている…。

嫁も恥ずかしいのかな…そりゃ俺の妻だもんなぁ…。

「そこにあるのは…何だい?」

御父さんが部屋の隅にあるフィギュアの箱を指差した。

「こっ…これは…そっ…その、前に買っておいた…フィギュアです……」

「見てみます?ww」

くそう。

弟まじで調子に乗ってんなチキショー。

弟が嬉しそうにカサカサと移動し、その箱を拾い、御父さんに渡した。

ゴキブリかテメーと彼にツッコたかったが、ご両親の前で乱暴な言葉は使えなかった…。

「ほほぅ…これは…たい なかつ?」

「御父さんwwそれは田井中 律ちゃんですよw」

あぁー…うん。

そう読めるよね。

珍しいよね。

その苗字。

「それは兄貴がもったいぶって中々開けないフィギュアなんだよねーww」

うるせーよ。

余計な説明いらないんだよ。

御父さんが繁々と箱を見ている。

「この作品も好きなのかね…○○くんは…」

「ええ…はい…すいません…」

俺は何故か謝った…。

弟と御母さんは盛り上がってる。

「御母さんwwwこの子wwドラムww」

「あっそうなの(苦笑)」

おいいいい!!

ちょっと御母さん引きつり笑いしてるじゃねーかよ!!

御父さんはフィギュアを関心しているようだ。

そうそう。

そうでしょう。

そのフィギュアはちょっと出来がいいんですよ。

出来が。

すると御父さんは信じられない言葉を言った。

「開 け て も い い か ね」

んんんn!?

御父さんいいけど、どうしてそんなにぐいぐい来るの?

もしかして…俺の趣味を理解しようと頑張ってくれているのか?

だとしたら俺はその好意を受け止めないといけない。

「たーだーしっ」m9っ(。・∀・)ビシッ

「んっ?」

「わたしにもやらせなさいよね!!」

「えっ?なっなにを」

「こ・い・ひ・め ♪」

やるんかよいいいいいいいいい!!!!!

エロゲだぞおおおおおお!!!!!

またピンチかああああああああ!!!!!

終わりですww

皆さんありがとうございましたww

正確にはまだ後日談をこの後書くつもりなのですが、その後日談がまた長くなりそうなので、一番終わりが似合うスッキリしたところで終わらせました。

こんな遅筆の駄文をここまで読んでくれた方に感謝します!!

【後日談】

悪夢のあの日から数日後…。

「嫁ぇー…」

「ん?なぁーにぃー?」

嫁は寝っ転がってパソコンに向かっている…。

「もうそろそろ…俺の相手して欲しいんだけど…」

「いいじゃん別にぃ…あ…倒した」

「あのー…寂しいんですけど…嫁ちゃん…」

「散々わたしに寂しい思いさせた罰じゃない〜?フーンだ」

「あの…その…」

嫁は…あの日に俺から借りた

「真・恋姫†無双」

にどっぷりハマっている…。

嫌味のように俺の前でプレイするのだ。

お風呂の後に、

「さーって、恋姫やろうかな〜♪鼻琳様ぁ〜」

と言ってみたり、

「鼻琳はいつ一刀とくっつくの?wwwねぇ?」

と茶化しを入れてくる…。

鼻琳はまた別の形で蘇り、俺達と上手く共存している。

もちろん、嫁は魏軍から始めている。

三国志が元々好きだった彼女は、本当に楽しそうにプレイし、面白いよ!と理解を示ている。

「私のメールアドレスを華琳って登録すればいいんじゃない?」

まったく。

こいつめ。

ちなみに御父さん御母さん。

この二人も以前と変わらずに接してくれている。

御母さんは相変わらずお調子者。

一緒にテレビを見ていてオタク特集が始まると、

「夫君知ってる?これ?www」

なんてからかってくる。

御父さんなんて、

「会社の若い部下とけいおん!!のフィギュアの事を話しあって盛り上がったよww人気あるんだなアレww」

なんて言ってくれた。

嫁との約束事もでき、グッズを買いたい時は、私に相談し買う事!と嫁にキッパリ言われた。。。

「嫁…もう二時間くらいやってるぞ…。そろそろ…」

寝っ転がってる嫁がこちらを向いた。。

「こんなの隠してw本当に馬鹿だねぇwアハっ」

嫁にはもう隠し事はしない。

多分、この人ならもう全て受け入れてくれる。

そう思った。

鼻琳「キヒ。」

終わり。

後日談も書き込み終わり、本当の意味で終了しました。

対した内容の後日談ではないですが、本文で可愛い嫁の出番が少なく、嫁の可愛さをアピールしたいがために書きました。

この話は事実です。

こんな変なカップルと変な話があったという事。

楽しんでもらえたなら、凄い嬉しいです。

ありがとうございました。

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