小学五年の夏。
その頃、仲良くしていた友人の一人に、性的なことに興味を持ち出した子がいた。
その子を仮にエミリとする。
今から考えると嘘も多かったみたいだが、エミリは誰にも言わないようにと物陰に私を誘い、小声で色々と知識を授けてくる。私は表面上、嫌がって見せてはいたものの、内心では興味アリアリだった。
そんな中、初めて知ったことにオナニーがある。
乳首と股間を触っていると、すごく気持ちいい。恥ずかしくても、悪いことをしている気分になっても、とにかくエロイ気持ちのまま触りつづける。
気持ちよさが限界に達すると、ありえないほどの快感に襲われる。
聞けば、エミリももう何度かしていて、ビックリするくらい気持ちよかったと。
私は興味なさげに聞いていたが、その日の晩、さっそく試してみた。
股間に触れるのは怖かったので、乳首を触ってみた。
だが、当時はまだようやく膨らみかけ、乳首も未発達だ。モヤモヤするような心地よさはあるが、それほどではない。執拗に触っているうち、いつのまにか寝てしまっていた。
翌日、布団に入る前によく手を洗ってから準備をした。今度は股間を触ってみようとしたからだ。
パンツの中に手を入れ、指先で触る。特に気持ちよさはないが、しだいにボーッとしてくる。
「イケメンにエロイことされてるのを想像するといいよ」
エミリからそう聞いたが、私はいつのまにか昨年、パーキングエリアで出会った女を思い浮かべていた。
いいにおいを振りまき、私の股間を舌先でねぶる。そういう想像をしながら、指を動かす。
こういう風に舌を動かしていたはず、と指先でその真似をする。
しだいに、おまんこが湿ってきた。気持ちよくなっている証拠だと聞いたから、これは怖くなかった。
今、エロイことをしている……そう思うと、急に感度が高まったようだった。
そのまま触り続けていると、何かが下半身に溜まってきているのを感じ始め
る。
何これ……?そのとき、エミリが言っていたのを思い出した。
「上の方にコリコリしたのがあって、それ触ったら超気持ちいい」
上の方?……コリコリしたものを、私は指先で探した。
これかな……触った瞬間、ビリビリした。
ここだ……ここヤバイなあ……。
中指の先で軽く触れるように、軽く叩くようにすると、本当に気持ちいい。
「あっ……くっ……あっ……あっ……」
声が出てしまうので、布団に顔を押しつける。呼吸も荒くなっていた。
ちょっと動きを速めようかと、指を動かした瞬間だった。
内部で一気に何かが爆発して、体全体が二、三度跳ねた。
気づくと、掛け布団にしがみついていた。自分の意志の働かないところで、こんなことが起きてしまい、私にはそれがとても怖かった。
それでもとにかく、こうして私はイクことを覚えたのだった。
何度もオーガズムを迎えられると知ったのはもっと先、オナニー自体この頃はあまりしていない。
嫌なこと、ムシャクシャした気分のときなど、まれにオナニーすることでストレスを解消するくらいのものだった。
エミリには、私もしてみたとは伝えていない。
自分の性的なことなんて絶対、他人に知られたくはなかった。秘密にしたって守られる保証はなく、噂にでもなったときのリスクを考えると話す気になれなかった。
シャワーをかける、ペンを入れる、指を入れる……それからも様々なことを吹き込まれたが、その時点では試してみる気になれなかった。
体も未発達だし、性感も同様。このときのオーガズムも、今から考えると軽く、たいしたことのないものだったかもしれない。