ハル先生は、翌日職場で会ってもいつもと変わらなかった。
2人きりになっても体を触るのはもちろん、何も言ってこない。
ハル先生の言いなりになってどんなことをさせられるんだろうと期待していた私は、ちょっとがっかりした。
AVのように診察室でセックスは無理でも、キスくらいできるかな、とか、ハル先生の車でフェラくらいなら、と妄想が膨らむ。
でも、ハル先生は2週間過ぎても何も言ってこない。
何もなかったようにこれまで通り、医者と看護師としての会話しかない。
ハル先生とセックスしたのは2回。
動画で見た酔っぱらったときと、朝、我に返ってから。
どちらもハル先生は受け身で、私が上に乗って先生の精子を搾り取った。
ハル先生は性欲があまりないのか、アラフォーには興味がないのか…。
私、肌はキレイだと思う。
乳首は授乳して形が変わってしまったけれど、胸もそんなに垂れていない。
体型も二十代の頃と変わっていない…でも、目尻に皺はある。
「先生と酔っ払ってしちゃったんだけど、その後何も言ってこないんだよね」
親友に報告すると、小学生と中学生の子持ちのマキは笑った。
「その方がいいじゃん。職場では面倒よ」
「そうなんだけどね」
「どうしたの?好きになった?」
「真面目でかわいいな、と思うけど…久しぶりだからかな、すごくよかったの」
「あー、そっち(笑)」
「もう一回したい…できればセフレにしてほしい」
「セフレって(笑)相手年下だけど医者なんでしょ。愛人にして貰えば?」
「愛人。いいね。でも、こんなおばさん愛人にするメリットないでしょ」
「かおりんは可愛いし、見た目はアラサーでいける。結婚は厳しいかもしれないけど、愛人ならいけるって」
無責任に焚き付けてくる親友の言葉に乗せられて、私はハル先生にLINEを送った。
「色々とご迷惑をおかけしたお詫びに、ご馳走したいのですが…」
マキとスマホを見つめていると、すぐに返事が返ってきた。
「飲まないでくださいね」
既読にする前に、2人で考える。
これは、セックスなしで、という意味だろうか。
「家に誘ってみたら?手料理ご馳走しますって」
「手料理ってハードル高くない?親しくない人の手料理苦手って人もいるし」
「一線超えてるし、それはいけるんじゃない?」
うちに誘ってみることにする。
週末、ハル先生がうちに来ることになった。
大学から一人暮らしだというハル先生のリクエストは普通の家庭料理。
何が好きか分からないので、定番の肉じゃがにきんぴら、ひじきを炊いて、唐揚げを揚げるという全体的に茶色い食卓。
おしゃれより、ホッとするご飯がいいだろうとマキと決めた。
「おいしかったです。ご馳走様でした」
ハル先生は箸の持ち方がキレイだった。
私立の医学部卒だし、いい家庭で育ったんだと思う。
迷惑をかけたことを謝った後、職場の話題や地元の話などで盛り上がり、色っぽいことは無縁に食事が終わってしまった。
まさか、愛人にして欲しいと切り出すわけにはいかない。
こういう時、若い頃なら相手から誘ってきたのだけれど、ハル先生はその気がないのか、私から誘うのを待っているのか読めない。
コーヒーを淹れて、リビングのソファに誘って、隣に座る。
「ハル先生、先生の言うことを聞くようにって言ったでしよ。何すればいいですか?」
「今まで通り、病院では親しい素振りをしないでください」
「病院じゃなかったらいいんですか?」
「人がいなかったらいいですよ…何で膝に座るんですか」
「先生、いつもと変わらないから、嫌われたのかな、と思ってて…」
そのまま抱きついてキスをした。
舌を絡めながら、先生の乳首を触る。
「かおりさん、酔ってなくてもこういう感じなんですね」
「先生にだけです」
「え…」
私はハル先生の耳元で囁く。
「他の人にはしません。ハル先生だけですよ」
ハル先生が真っ赤になった。
もう一度キスをして、ハル先生のシャツを脱がす。
意外と筋肉質で、キレイな腹筋をしている。
「バレてると思いますけど、ボク、女の人とほとんど付き合ったことないんです」
「遊んでる医学生かと思ってた(笑)」
見た目は一見遊んでそうな顔立ちですが、真面目に勉強したタイプなのは間違いないと思う。
いい先生なので。
「そんな余裕ないです」
「うん。すごく勉強してて、詳しいものね」
ズボンの上からおちんちんを触ると、ハル先生は自分からズボンとパンツを脱いだ。
「かおりさん、舐めて…」
私は汗臭い先生のおちんちんを口に含んだ。
少し、しょっぱくて苦い。
「あ…ああっ」
ハル先生が私の頭を掴む。
「かおりさん…」
切なそうに見つめるので、私は服を着たまま、下着を脱いで、ハル先生をソファに押し倒し、ゴムをつけて、跨った。