※身バレ防止の為に分かりやすい仮名です。
プロローグ〜はにわと呼ばれたオレ〜
「おう!はにわ!!」
小学3年時代、学校の帰り道、またいつもの展開が始まる。
振り返った先にはジャイアンみたいなガキ大将と、取り巻き4人程度が偉そうに立っていた。
「あぁ!?誰がはにわやねん!!」
「キサマや、キサマ。他に誰がおるとや」
「オレぁ、はにわちゃうわ!何べんも言わせんなや!!」
「ここは福岡やけんね。”ちゃうわ”とか言うのはキサンくらいったい」
ジャイアンが言う。
「そーだ、そーだ!」という取り巻きの合唱。
「キサンら、ええ加減しつこいわ。もう相手すんのも面倒やけん、イキんのもたいがいにせえや」
そのまま放っといて帰ろうとするオレ。
少し経ったら、後ろからランドセルを思いっきり蹴られたようで……前にコケてしまった。
「ギャハハハハ!!つやつけとうも無駄ったい!」
「おいおい、はにわなら片手上げて、片手は下げて倒れないかんぜー(笑)」
ジャイアンがオレのランドセルを踏みつけ、重い体重をかけてくる。
「おい、そーいえば大阪ん人間は”バーン!”っち言えば倒れるんやったちゃな。みんなで撃つばい!」
ジャイアンと取り巻きが、バンバン騒ぎ出した。
「やっぱり福岡ん人間やなかけん、起き上がれんっちゃろ!」
「バーン!バーン!バーン!一生起き上がれんば〜い!(笑)」
起き上がれないのは撃たれてるからではなく、ジャイアンが重いからだ。
「バンバンバンバンとしゃーしいのぉ!!ええ加減下りろや!!こんのドグサレデブが!」
何とか足を動かしてジャイアンを蹴り、油断した所を脱出。
倒れた時に口の中に入った砂をペッと吐き出し、立ち上がってから向かい合う。
「なんね?やるんかぁ?おぉ!?」
ジャイアンが拳をポキポキ鳴らしてアピールすると、取り巻きも戦闘態勢に入る。
「地面の砂食ってボジけたんかぁ?(笑)はにわがオレらに勝てるわけなかろうもん!」
「まーたボロボロにしちゃるけんね!」
頭の中で、何かが弾け飛んだ。
「キサンら!○ぬ覚悟できちゃろうなぁ!!ぼてくりこかしちゃらぁぁぁぁ!!」
ランドセルを投げ捨てたオレは、まっすぐジャイアンに向かって走り……そのまま鼻めがけてワンパン入れる。
いきなり顔面の真ん中を殴るのは、喧嘩としてはルール違反かもしれない。
だが、「これ位しなければ、いつまでも痛く、苦しい毎日を過ごす事になる」と思えば、ルール違反上等だ。
鈍い音がしてジャイアンは倒れ、鼻血をダラダラ垂らす。
「あぁぁ………あぁぁ……」
自分の手に鼻血を取り、足がガクガク震え出す。
「先にやったんはキサンやけん。正当防衛っちゅーこっちゃ」
大体の喧嘩はリーダー格をやったらもういいはずだが、いい加減コイツらの毎日のカラミにはうんざりしていた。
取り巻きはジャイアンが倒れた事にビビって動けず、オレは1人の胸ぐらを掴んだ。
「おぉ!キサン、オレん名前言うてみーや!?」
「い……いや…………」
涙目で震える取り巻きA。
「いや?…………失格やけんね」
取り巻きAの顔面に1発入れると、倒れて泣き喚いた。
「いやって何やねん。苗字が”い”で名前が”や”か?そんなヤツおるわけないやろ、ボジけとんのか」
次から次へと捕まえて、同じ質問をするが……誰も答えない。
ブルッてるからなのか、本気で知らないのかは不明だが、オレにはどっちでも良かった。
残りの取り巻きも全員もれなく殴った。
自分が血を流すのは初めてなのか、ダラダラ止まらない鼻血を見ながら、まさかの失禁をするジャイアン。
それを見ながら、自分も殴られた痛みもあって泣き喚く取り巻き達。
「ばりしけと……こげん事なら……ハナッからくらしときゃあ良かったわ」
オレは夏凪由宇(なつなぎゆう)、あだ名は”はにわ”
コテコテの大阪人の父ちゃんと、生粋の福岡県民の母ちゃんの間に生まれた。
父ちゃんが単身赴任で福岡に来て、社内で出会った母ちゃんに一目惚れ。
強面の父ちゃんが、社内でも美人で有名だったらしい母ちゃんに猛アタック。
父ちゃんが言うには、最初は怖がられてたらしいが、大阪で培った笑いと男気を武器に?して段々といい感じになって交際に発展。
父ちゃんはそのまま福岡へ転勤して、やがて結婚。
数年経って生まれた1人息子がオレ。
父ちゃんは大阪文化は控えめにしたが言葉は直さないし、母ちゃんも”博多弁と関西弁はニュアンス似てる”と特に気にしなかったよう。
そんな2人の間に育ったから……どっちつかずの混ざった口調になった。
人間とは”異物を排除したい”本能がある。
だからオレは周りから見たら異物扱いだ。
はにわというのは、見た目の話ではない。
「はかた+なにわ、だから”はにわ”」と噂されて広まった。
どっちつかずっていう意味のディスりだ。
見た目だけは、母ちゃんの遺伝子がかなり強く出たようで……志尊淳や道枝駿佑のような系統の顔立ち。
例えに関しては、後々に言われるようになった。
“エセ博多弁とエセ関西弁”とレッテルを貼られ、やっかみの対象になる。
父ちゃん譲りの喧嘩っ早さから、煽り耐性が低すぎたオレは毎日のように喧嘩三昧。
最初は負け続けていたが、この日は初めての完勝。
これ以来いじめはなくなり、平和に過ごしていたのだが……中学に上がる前に、父ちゃんが病気で亡くなった。
亡くなる前に父ちゃんは「母ちゃんを守れ」とオレに言った。
オレはこのまま福岡の中学に通うつもりだったが、母ちゃんは今の現状が心配だったようで……密かに考えていた事があったらしい。
年が明けて少しした頃に、母ちゃんが言い出した。
「由宇、お母さんとあんたは……○○県に引っ越しする事になったけん」
「はぁ!?○○県?そりゃどこね?」
地図帳を引っ張り出して調べたら、東北地方だという事が判明した。
「何でや?何で急に引っ越さなあかんねん」
「○○県にはお母さんの会社の支社あるし、向こうに嫁いだ友達もおるたい。だから移動するばい」
「オレは知らんけんね。何で急にそんな」
母ちゃん曰く、このまま福岡に居たらオレはダメになるらしい。
福岡という土地が悪いのではなく、今の周りの環境では……オレは不良になるか、もっと酷いやられ方をするかの2択だそう。
「福岡とも大阪とも違う場所に行けば……あんたはいじめられんし、逆に悪か道に進む事もなかばい。あんたん為でもあるったい」
もういじめはないのだが、中学に進めば話は変わる恐れは否めなかった。
「やからって……母ちゃんはどげんするとね?爺ちゃん婆ちゃんとも離れるけん。寂しくならんか?」
「お爺ちゃん達も賛成しとるけん。かわいい孫の為やけんね(笑)会う時は間取って、東京辺りで会えばよか」
その後も色々と説得したが、子供の言い分なんて簡単に論破されてしまった。
最終的には「お父さんも言うてたやろ?”母ちゃんを守れ”って。あんたが平和に過ごすとが、お母さんば守る事に繋がると」と言われてしまった。
別に母ちゃんが酷い目に遭ってるわけではないが、いざとなったら誰かと刺し違えてでも、母ちゃんを守る覚悟はあった。
だが”女を守るのは、拳や力だけではない”と、諭された気分になった。
そのメッセージを伝えたのが、喧嘩っ早い父ちゃんだったのが皮肉な話だ。
結局、小学校を卒業したと同時に転校。
母ちゃんはいつの間にか諸々の手続きをしていて、母子2人で見知らぬ土地で暮らす事になった。
新幹線を使って来た為、車窓からまだ雪が溶けきってない景色に驚いたりした。
「ここで、平和に過ごせるやろか……父ちゃん……オレは……やれんのか……教えてくれや……」
こんな事態にならなければ、決して来る事も知る事もなかった土地。
2LDKという、母子で暮らすには十分なアパートで新しい生活が始まる。
「由宇。友達えらいいっぱい作れるっちよかね」
「そないなれたらええけどな」
この時はまだ、人生を変える出会いがあるとは……知る由もなかった。
一章〜未知の言葉〜
今日から中学生活がスタートする。
オレが通う中学は、近くの小学校からの持ち上がりだそうで……いきなり入学式に出ると混乱を招くとかで、式には出なかった。
クラスは決まってるから、教室に生徒が戻ったら”転校生を紹介する”という流れになった。
「入学式に転校生とかあり得んちゃろ。どないなっとんねん……」
ぶつくさ文句を言いながら、教室の外で待つ。
中では担任が挨拶をしたり、何かしらを喋っていた。
しばらくしたら教室のドアが開き、女の担任に手招きされた。
「夏凪君、入りなさい」
オレが教室に入ると、転校生が来た時特有のザワザワした空気が流れる。
「紹介します。この春に福岡県から転校してきた”夏凪由宇”君です。色々知らない事も多いだろうから、ちゃんとコミュニケーション取って仲良くして下さいね。じゃあ、夏凪君、自己紹介を」
「はじめましてやね。夏凪由宇たい。よろしゅうお願いするけんね」
「大阪の父ちゃんと、福岡の母ちゃんから生まれたさかい、関西弁と博多弁がごちゃまぜになって、標準語はよう喋れんけん」
「どっちつかずん半端者やけど、いじめんでくれんね(笑)頼んだで」
当たり前だが、教室中は呆気に取られている。
今時は「博多弁の女子がかわいい」とかで博多弁がメジャーになっているが当時は違う。
秘密のケンミンショーもまだ始まってないから、博多弁なんて聞く機会は無かったと思う。
関西弁はテレビでもよく流れてるから、何となく理解は出来るんだろうが……今のは博多弁の割合が多すぎた。
彼らにとっては未知の言葉だろう。
「あ〜、父ちゃん死んでから関西弁聞かへんから博多弁が強すぎたんやな(笑)みんな”何言うてんねん”って顔してるわ〜。ホンマすまんわ、かんにんしてや」
イメージしやすいコテコテの、分かりやすい大阪弁をぶっ込んでみた。
父ちゃんの使ってた言葉が、古くて濃すぎるのかもしれない。
これが功を奏したのか、教室中は笑いに包まれた。
『父ちゃん、ネタにしてすまん。許してくれや』
「はい、とりあえず何とかなりそうですね(笑)夏凪君の席は……窓際の後ろの、来栖(くるす)さんの隣に座って下さい」
担任が締めたら、オレは言われた席を見る。
確かに窓際の1番後ろが空いていた。
向かう途中、1人の女子に声をかけられた。
「夏凪君、覚悟した方がいいよ(笑)あの子は君以上に特殊だから」
確かにイントネーションは若干違うが、まぁ普通の標準語に近いような話し方だ。
その女子の言葉に、周りが小さく笑いを堪える。
「ん?どけん事ね?」
「まぁまぁ、行けば分がるから(笑)」
いじめられっ子だったから、目を見れば何となく人間性は分かる。
彼女らの言い方と目は「いじってる」方面だった。
「ちょっと!変な言いがだしねえでけろ!(笑)」
オレの隣の席の女子が立ち上がり、声高に叫んだ。
「ほらね(笑)こういう事だよ(笑)」
「いーーや!変なまなぐで見られんでねーが!なしてくれんの!(笑)」
『あぁ……なるほど……ん?まなぐ?………もしかして、まなこか?目ん玉の』
オレもまた、未知の言葉に出会ってしまった。
訛りが強い女子の隣に座ると、彼女も恥ずかしそうに座った。
「ごめんなぁ、あだし訛りがつえーがら……まさが隣の席さ転校生が来るなんて思わねがったし」
「かまへんよ。オレも言葉がおかしいけん(笑)色々あるかもしらんばってん、よろしゅうね」
「あだし、来栖七海(くるすななみ)よろしぐ」
「夏凪由宇や、よろしく頼んまっさ」
これが、オレと彼女の出会いだった。
二章〜なまり女子〜
転校して席に座ってからしばらくして、休み時間になったら席の周りが埋め尽くされた。
転校生特有の質問タイムだ。
オレが聞かれたのは、大阪の文化が殆どだったが……別に大阪に住んでいたわけではないし、父ちゃん個人から聞いた話でしか答えられなかった。
「赤信号無視するってマジ?」
「父ちゃん大阪ではあんまり守らんかったらしいけど、福岡来たら守るようになったらしいわ。当たり前やけど(笑)」
「誰でも喧嘩売るって本当?」
「父ちゃんの話やけど、何や電話で”しばくぞ、アホ!”とか”どついたろか!”って何べんも言うとったから……”誰と喧嘩してん?”って聞いたんや。したら”あんなんは挨拶みたいなもんや(笑)本気やったら笑うてへんやろ”って言うとった」
「オレはイヤやけど(笑)すーぐ、”しばく”だの”どつく”だの言うとったから、口癖というか文化なんやろーな」
その内、「福岡は何がある?」という話題になった。
辛子明太子、豚骨ラーメン、もつ鍋、水炊きが美味い。
タモリ、陣内孝則、藤井フミヤの出身地。
ゴジラVSスペースゴジラの最終戦の地が福岡だと説明した。
「福岡の女子ってどんな感じ!?」
やたら鼻息荒い、思春期丸出しの質問が来た。
「博多は美人が多いけん。街歩けば右も左も美人しかおらんし、父ちゃんが母ちゃんに惚れたんもそのせいよ(笑)」
「母ちゃんが言うとった話やけど、”博多の女子は気の強か〜のも多いけんね。捕まえたかったら覚悟いるったい”らしいわ(笑)」
「マジかぁ〜!でも、美人多いなら行ぎてーなぁ」
「男子って本当バカばっかり」
「わざわざ博多まで行かんでも、目の前にばりかわいか〜女子がいっぱいおるやん」
「え〜?そうがなぁ〜♪」
「照れてんじゃねーよ(笑)」
「まぁ、素直になれんだけやもしれんけん。男っちゃそんなもんよ。みんな小学校から一緒やろ?オレだって転校してなかったら、周りの女子に言えんたい」
「夏凪君みだいなイケメンに言われるのが嬉しいなぁ♪」
「オレら別に思っでねーし(笑)」
「まぁまぁ、いつか分かるけん。ちゃーんと目配っとき(笑)」
とりあえず、男女共に空気が和んだから良かった。
どちらかの味方をすると面倒になるのは、転校前で学んできた。
その後は学校案内やら連絡やらで終わり、外に出たら母ちゃんがカメラを持って立っていた。
「母ちゃん、なんしようと?」
「”なんしようと?”やなかよ(笑)入学式出られんかったけん。このパネル前で写真撮るばい」
「あぁ、せやったね」
とりあえずオレの1ショットを撮影し、「由宇と2ショット撮りたいけん。誰かにお願いしぇないかんね」と言い出した。
「恥ずかしいけん、やめてくれんね」
「親子ん思い出ば作りたいんだから、そげな事言わんの」
そのやり取りの横を通りかかった人が、ピタッと歩みを止めた。
「由宇、何してらの?写真撮りでーの?」
オレに声をかけてきたのは、隣の席の七海だった。
「あ、来栖ちゃん」
「来栖ちゃんとかやめでけれ(笑)あだしは七海。名前で呼んでけろ」
満面の笑みで再度自己紹介してくる。
「由宇、この子は?」
「あぁ、隣ん席ん来栖七海ちゃんばい」
「はずめまして、来栖七海です。お母さんですか?すんげえ美人でたまげだわぁ」
「はじめまして。由宇と仲良うしちゃってくれんね」
紹介が遅れたが、来栖七海はどこか小動物っぽい顔立ちがかわいい女子。
芸能人で例えるなら、藤田ニコルが近いと思う。
肩口位までの髪の長さに、制服でも分かる程の肉付きの良さ。
身長は多分5センチ違い位。
細かい数字は覚えてないが、目線がちょい下位だからそう思った。
「お母さんど写真撮んなら、あだしが撮っでけっから。そごさ並んだらいいべ」
「ほんなこつ?じゃあお願いしちゃろう」
母ちゃんが七海にカメラを渡す。
「由宇、恥ずがすがっでねえでちゃんど並べ(笑)」
「由宇、七海ちゃんが言うてくれとうっちゃけん、ちゃんと並んで撮らなつまらんばい」
母ちゃんと七海の圧に押され、仕方なく並んで写真を撮った。
「はい、撮れだよー」
「ありがとねぇ」
そのタイミングで校門に軽トラが1台停まった。
「七海ー、むがえさ来たじゃあ」
「あっ、ばっちゃん!ちょうど良がったぁ。待だねえですんだじゃ(笑)」
開いた窓から七海を呼んだのは、”いかにも農家の人”といった素朴な雰囲気のお婆ちゃんだった。
「じゃあ、由宇。あだし、さぎにけえっがら。まだ明日話すっべし」
七海はバタバタと軽トラに駆け寄り、助手席に乗って去って行った。
「何かおもろい子やねぇ、お母さんち友達ん旦那さんみたいな喋り方しとう。若いのに珍しかねぇ」
「何や事情ありそやな。でも、オレと違って友達ば多そうやけん」
「あんたん友達んなればよかったい。下ん名前で呼ばれとうやったら、おおかたなるうばい」
「かもしれんね」
母ちゃんが訛りに耐性があるのは驚いたが、確かにニュアンスで何を言ってるのかは理解出来た。
質問タイムの時は居なかったから、今度はオレが七海に色々聞いてみようと思った。
三章〜七海の事情〜
次の日、やたらと早起きしてしまった。
母ちゃんは既に起きていて、準備をしていた。
「おはよう、朝ごはん食べんしゃい」
「あぁ、おはよ………」
食べている間に目を覚まし、何となくだけど早く学校に行く準備を済ませた。
「ほな、行ってくるわ」
お年寄りが散歩する中をチャリで駆け抜けて、学校に着いた。
教室に行ってみると、オレの席辺りに誰かが居る。
ガラッとドアを開けると、その誰かが振り返った。
「ん?由宇。おはよう、ずいぶん早えっちゃ。なしたん?」
「七海やん、おはよーさん。めっちゃ早う起きたけんね。しゃあないから早う来たんや」
「あだしと一緒だ(笑)あだしん所は、じっちゃんとばっちゃんが早起きで、起ごされんのよ」
七海はかわいい顔してるのに、喋ればとんでもなく訛ってるからギャップが激しい。
「大変やねぇ。それでこない早う来たん?」
「小学校ん時がら、あだしが毎回1番乗りだ(笑)風邪ひいで休んだ時ぐらいしか、来ながっだ日はねぇべ」
「ちょうどええわ。七海と色々話したかったけんね」
「あだしと?そっがそっが。何となく聞きてぇ事分がってしまうっちゃ」
「そうなん?じゃあ先言うてみいよ(笑)」
「あだしが、なしてこんな訛りつえーがって事だべ?」
「正解や(笑)母ちゃんも言うとったけん。”若いのに珍しかねぇ”って」
「やっば言われでらかぁ(笑)」
七海は恥ずかしそうに笑うが、”もう慣れている”といった感じが出ている。
「あだしねぇ、2歳ぐれぇん時に両親が事故に遭って居なくなっで……そっからはじっちゃんとばっちゃんに育でられでっから、こったな喋り方しかでぎねんよ(笑)」
「そうね……悪かったね。辛い事言わせてしもたね」
「あ〜、構わねっちゃ。だっで覚えでねえもんよ(笑)物心ついた時にゃあ、両親は写真でしか見だ事ねぇし。じっちゃん達はあだしよりもっと訛っでっから、会っだら腰抜がすべ」
もっと凄い訛りに、何だか興味が湧いた。
「由宇も、お父さんなぐしてんべ?あだしら似だもん同士だな(笑)」
「まぁ、去年に病気でなぁ。でも、オレには母ちゃんがおるけん。七海に比べりゃ恵まれとうよ」
「何が朝っぱらから暗ぐなっぢまったなぁ(笑)他に聞ぎてぇ事ない?」
「七海ってさ、友達多そうやね。昨日見たら分かってん」
「んだな〜、みんな仲良くしでくれるよ。男も女も関係ねぇ。あだしの事情はみんな知ってらがら、訛ってでも誰も笑わねし。ありがでえよね」
「オレさ、福岡居る頃はいじめられっ子やったんよ。関西弁と博多弁、どっちも使うし混ざったりするけん。ぱちもん扱いよ」
「それっておがすぐねえ?同じ日本語喋ってらなら、なーんも関係ねえべ。ふざげでらよね!」
ムッとした顔をする七海。
「ありがとねぇ。そんなん初めて言われたけん……」
「それで、由宇はそいづら殴っだりした?」
「小3ん時にね。ブチギレて派手にくらしてやったばい。あ、”くらす”ってのは博多弁で”殴る”って意味やけん。そこからは何ものうなったばってん、母ちゃんが”こんままじゃあかん”言うて、福岡でも大阪でもあらへん土地に引っ越す事が決まったっちゃん」
「そりゃあ、良がっだっちゃ」
「話聞いてくれておおきにな。感謝するばい」
「由宇と話してんの楽しいがらねぇ。知らねえ言葉聞げんのもおもしぇーし、何よりイイ男だもんよ(笑)そりゃあ楽しいに決まってらね♪」
「ホンマに?(笑)オレかて、七海みたいなばりかわいか〜女子と喋れて幸せやけんねぇ」
「まだまだぁ〜、そっだな事言われだら照れちまうべ(笑)」
分かりやすく顔を赤くする七海。
「オレ、女子とまともに口聞いた事ないけんね。これからも色々喋りたかっちゃけどよか?」
「いいよ、あだしで良げれば何だって聞いてけれ(笑)由宇の話もいっぺ聞かしてけろなぁ」
「おおきにぁ」
お互いの事情を分かち合い、その後も談笑していたら数人が教室に入って来た。
七海の周りにはあっという間に人が集まり、和気藹々とした雰囲気が漂う。
「夏凪君、七海の言葉聞き取れてる?」
「転校早々、七海の訛りはきちーべ(笑)」
「んな事なかよ。ニュアンスで大体分かるけんね。それは七海が気遣ってくれてんやろうけど」
「それはあるがもねぇ。ただ、これから歳取ったらどうなるが怖いけどね(笑)」
「そん時はあんだらも訛っで喋っでらよ(笑)」
七海が居ると、周りの空気が平和になる。
オレはもっと彼女と話したくなり、もっと彼女を知りたくなった。
こんな気持ちは初めてだったから、まだ名前を付ける事は出来なかった。
四章〜意識〜
中学校での生活が始まったて、1週間程経った。
厳しい応援歌練習とか、様々な初体験が降ってきて戸惑いはしたが、何とかやれていたと思う。
友達も七海を中心に数人出来たし、”はにわ”と言われていた時代とは打って変わった生活になりつつあった。
そんな中、部活を決めなければならなくなり……オレはバスケ部に決めた。
別にバスケが好きなわけではなかったが、野球部の坊主はイヤだったし、サッカーも陸上も外だからインドアなバスケにしただけの事。
ちなみに七海はバレー部にしたらしい。
「あだし、ばっちゃんの畑仕事手伝っだりして足腰は鍛えられでっから(笑)身体中に肉も付いでらしなぁ」と笑っていた。
バスケとバレーは体育館で隣り合うから、何となく嬉しかった。
バッシュだのスポーツバッグだの、急に金がかかり出したから母ちゃんには悪かったけど「部活は青春やけん。気にせんとやりんしゃい」と言ってくれた。
バスケ部ではもちろん球拾いがメインだが、終わった後の部室での先輩達との会話で、また知らない世界を知る。
「なぁ、お前らはバレー部の女子どう思うよ?2・3年の話な(笑)」
オレは意味が分からなかったが、友達含む1年は察したように笑いながら答える。
「やっぱスゲーっすよねぇ。胸はブルンブルンしてるし、ケツもたまんねーっす」
「だべ?(笑)やっぱランドセル卒業すっと、身体も成長すっからなぁ。いい目の保養になんべーが」
「先輩達、付き合ったりしてんすか?」
「いんや、バレー部にゃ居ねぇよ(笑)居たらこんな話でぎねぇべ。”浮気だ!”ってくられちまうわ(笑)」
「あ〜、なるほど」
「陸上にはスレンダーが多いけどよ、バレー部はちょいぽちゃが多いがらなぁ。”付き合いたい”よりは”抱きたい”がもしんねーよ」
「かもしれねーっすね」
オレは話の内容が理解出来なかった。
友達居なかったし、女子とまともに会話もした事なかったから……そういう世界とは無縁だった。
「夏凪、オメーはどう思う?さっきから黙っでっけど」
「オレっすか?申し訳あらへんけど、そげな事よう分かっとらんですけん。」
「もってーねーなぁ(笑)2・3年の女は話題にしてらぞ?”博多弁と関西弁のかわいい男子が居る”っで。オメーならすぐいげるべーが」
「そういう世界に触れてこんかったけん。いつか分かるようなりますかねぇ?」
「なるに決まっでらよ」
「転校早々”このクラスはかわいか〜女子が多いけんね”とか口説いてたべが(笑)」
「そんなつもりはあらへんよ(笑)ホンマの事言うただけばい。お前らが分っとらんけん、もったいなかよ」
「転校生の夏凪には分からねーかもな。オレらん学校は小学校からの付き合いだから……簡単に同級生を女としては見れんのよ。まぁ、1年2年経てば……お互い成長すっから色々変わるもんさ」
「オレらも来年再来年になれば、同級生を意識するがもしんねーって事っすか?」
「んだよ(笑)成長すりゃあそんなもんだ」
「何かヤダな〜(笑)」
男女とか、恋愛とか……そんなものは大人の話だと思っていた。
先月までランドセルを背負っていたオレの前に、急に大人の世界が出てきた感覚にただ驚いた。
その話を聞いた時、真っ先に七海の顔が浮かんだ。
だが、途端に罪悪感に苛まれる。
「何を考えてんねやオレは……七海は……そんなんじゃなか……」
七海はオレに良くしてくれてる大事な友達だから、胸が大きいだの何だのと……そんな目を向けてはいけないという感情だろう。
今なら分かるが、その時はただモヤモヤしただけだった。
そんな時、掃除の担当でオレと七海がベランダの窓掃除に当てられた。
「由宇、脚立支えでけろ。あだしが上拭くがら」
教室の窓は高いから、掃除用に脚立がロッカーに入っていた。
「七海は登らんでええよ。オレがやるけん」
「何言っでらっての(笑)男の力で支えだ方がいいべ。それとも……あだしがデブだからか?(笑)」
「んなわけあるかい(笑)七海はデブやなかよ。女子が乗るよりはいいっちゃん」
「気持ちはありがだく受け取るべ。支える方が大変だがら、由宇に頼みでーのだ」
頑として譲らない雰囲気だったから、仕方なくOKした。
「じゃあ、しっかり持っとくけん。気ィつけて拭きや」
「よいしょっど」
目の前を七海の太ももが通過して、3・4段位の低めな脚立の上に立った。
当たり前だが、掃除時間だから制服ではなくジャージだ。
「七海、大丈夫か?」
ふと上を見上げると、一生懸命掃除する七海のどっしりした下半身があった。
ほんの少し腰を落として左足は足場に、右足を1段下に置く。
階段を登ってる途中みたいな体勢で踏ん張るから、自然とお尻をグイッと突き出す。
低めの脚立だから、支えはいらないのかもしれない位に、オレの視界に七海のお尻が迫る。
青いジャージにクッキリ浮かぶパンティラインと、雪見だいふくみたいなお尻に……目を奪われてしまった。
初めて女子の身体にエロスを感じてしまい……見入ってしまった。
『何なんコレ………目ェ離せんけん……どないしたんやオレは………』
バスケ部の連中との話がフラッシュバックするが、七海は無言で窓をキュッキュッと拭いている。
室内の窓の下は横長のストーブがあるから、オレの位置は丁度壁に隠れて外からは見えない。
だからというわけではないが、狙ったかのような状況に気をよくして見続けてしまった。
一生懸命作業しているから、必死で踏ん張る度にお尻がプルッと揺れたり、ジャージが更にパツッと張り付く。
畑仕事で鍛えられたらしい太ももの肉付きも、たまらなく気になってしまう。
「ヨシッと、こんぐれーで良がべ(笑)」
七海は作業を終えたらしくて、下りる為に足を下げて来た時に……お尻に軽く顔が当たった。
オレは見入ってしまって避けずにいたから、当たった時にお互いが気付いた。
「んっ?由宇、ごめんなぁ。当だっちまっだぁ(笑)」
申し訳なさそうに笑う七海。
「あっ、いやぁ……すまんなぁ……オレが避けへんかったけんね」
七海は決して悪くない。
悪いのは100%オレだ。
「すぐ気付いで良がっだなぁ。下手すりゃ踏み潰してまっでだわぁ(笑)」
オレは避けたから、七海はトントンと脚立から下りて来た。
「そりゃないやろ(笑)」
「んだがぁ?あだしのお尻デケェから、由宇じゃ受けきれねーべ(笑)」
「余裕に決まっとるばいね。どんと来んしゃい(笑)」
「アッハハハッ!なら今度試してみっべ(笑)」
必死に誤魔化そうとするオレに対して、七海はただただ笑っていた。
七海は純真無垢なんだろうか……普通の女子なら「お尻見てたでしょ!変態!!」と騒ぐはずなのに。
股間が初めて熱くなる感じを覚えたが、特に勃起したりはしなかった。
それはきっと、七海が純真無垢だからかもしれない。
「んだば、隣の窓拭くべ。由宇、まだ頼んだっちゃ」
「ええんか?またオレが支える側で」
「まるっきり気にしねえよ。由宇こそ、あだしのお尻に潰される覚悟あるんだべな?(笑)あんなら支えでけろ」
「あるに決まってるばい。七海のお尻は雪見だいふくみたいやし、柔らかそうやけんね。なんぼでも来たらええで(笑)」
「由宇はおもしぇーなぁ(笑)そったな事初めで言われだわ。いつ落ちでもいいように、ちゃんと見どけよ〜♪」
下心なんて無かった。
ただ単に七海に対してそう思ったから、正直に向き合っただけだった。
オレの世間知らずというか、人付き合いをしてこなかった故の無知な物言いを七海はどう受け止めたのか……いつか聞きたいと思った。
「由宇、ちゃ〜んと見でらがぁ?(笑)」
「おうよ、雪見だいふくバッチリ目に焼き付けとうよ。いつ落っこちて来てもいいっちゃん(笑)」
掃除の合間に、一応小声で話しながらの2人の秘密の遊び。
ベランダからの窓掃除担当は1週間続き、オレは七海の下半身を拝ませてもらっていた。
最終日、掃除を終えて教室に戻る前の事。
「由宇、今日でしばらぐベランダ掃除とはお別れだなぁ。楽しがったなぁ(笑)」
「そう言うてくれるんか?ありがたい話やで(笑)」
笑ってはいたけど、七海との秘密が続けられなくなって残念だった。
「まだ機会あれば、あだしの雪見だいふく見せでけっから。楽しみに待ってりゃいいべ♪」
「七海、顔赤くなっとうけんね。ばりかわいかよ」
「照れっがらそったな事言うなっちゃ(笑)何か……”2人だけの秘密”って感じがワクワクしたがら、こんまま終わりたぐねーべ。由宇はどう思う?」
「オレも、七海と同じ事考えとったけん。えらいしよったいね」
「由宇も同じ気持ぢなんが嬉しいべ♪まだ2人で何がすっべし」
「そうやねぇ。楽しみにしとるけんね」
七海も同じだったのは嬉しかった。
遊び方はともかくとして、秘密の関係っぽくなれたのが……大人の階段を踏み出すきっかけになるのかもしれなかった。
五章〜温もり〜
七海との秘密の遊びが終わり、週明けになった。
オレは慣れない部活で身体は疲れてるはずだが、朝は早起きするようになった。
それはきっと、七海に会いたいからだと思う。
朝早く登校すると、必ず七海が自分の席に居る。
挨拶を交わして2人で喋る時間が、どんなに疲れていても楽しくて仕方なかった。
そんなある日、七海から提案を受けた。
「由宇、このベランダの向こう側に階段あんの知ってた?」
「いや、知らんかったわ」
「確か今日の部活、バスケとバレーって時間一緒だべ?終わったら忍び込んでみねーが?」
「それ、ええやん。おもろそーやなぁ」
「休みの間に考えてたらったよ。”由宇とどうやって遊ぶべな〜”って(笑)」
「秘密の遊びらしくてええなぁ(笑)」
各階ベランダから直結する非常階段がある場所へ行き、2人で会おうという話だった。
多分だけど、お互い下心とか無かったはず。
オレはそういう知識無かったし、七海もそういう考えは無かったはず。
部活が終わり、自転車置き場に向かった時に……友達が居る前でわざと演技した。
「あれ?チャリのカギないやん……教室に忘れたかもしらん」
「マジかよ、最悪じゃん」
「すまんけど、先帰っててええよ。教室戻って探してくるけん」
「おう、気ィ付けろな」
帰る方向が一緒だった友達が居るから、撒く為にウソをついた。
『すまんなぁ……ウソついてもうて……』
心の中で謝ったら、七海と待ち合わせしている教室へ向かった。
予定ではその階段からこっそり帰る事になっていたから、中用の靴は履かないで教室へ行く。
人気が無い学校の中というのは、意外と怖さはあったが……七海と会うワクワクに比べれば何て事は無い。
ガラガラと静かに開けると、ジャージ姿の七海が居た。
「由宇、上手く来れたみたいで良がったっちゃ」
「チャリのカギ忘れたかもって、ウソ吐いて来たっちゃん(笑)」
「早速行ぐべ(笑)」
荷物を持ってから靴を履き、外から見えないように姿勢を低くして階段の方へ向かう。
「あだしが先に行くから、由宇は後ろから来てけろ」
姿勢を低くしてるから、自然とお尻はグイッと突き出されている。
はちきれんばかりにテンションがかかったジャージには、クッキリとパンティラインが浮かびあがる。
「由宇、ちゃんと来てらが?」
「七海の雪見だいふく見ながら進んでるけんね(笑)」
「あだしが前来て正解だったっちゃ(笑)」
そのままお尻をガン見しながら進み、校舎の端の階段に辿り着いた。
「ふぅ〜、何かドキドキしたっちゃ。悪い事してらみてーだなぁ(笑)」
荷物を後ろに置いたら階段に座る。
狭い階段に座るから、必然的に密着してドキドキする中で、早速だが気になって仕方ない質問をぶつける。
「七海、オレにお尻見せよってよかとか?イヤやなか?」
「イヤでねーよ。由宇は褒めてけだがらねぇ」
「イヤやないなら良かったばい」
「由宇こそ、あだしのお尻見でおもしぇーの?(笑)」
「あいらしか〜お尻やけんね。だから目ェ離せないったい」
「あだしのお母さんが太ってら人だったらしいし(笑)だがらあだしもこんなんになったみでぇよ」
肉付きの良さは遺伝らしい。
「丸っこくてかわいかよ。オレはそう思うけんね」
「ほんどに?(笑)そったな事言われだの初めてだがら……ドキドキすっべ」
俯く七海だけど、横顔は笑っていた。
「由宇、あだしのお尻……もっと見せてけっか?」
「ん?どけん事?」
「見せてあげるか?って事だ(笑)」
「そげん事してよかとね?」
「あだしらの秘密の遊びだっちゃ♪由宇が見でーなら、なんぼでも見せでけるよ?」
夜の学校の非常階段で、うっすら入ってくる照明の灯りに照らされた七海の顔は、満面の笑みだった。
「ホンマにええんなら、いくらでも見るばい。後悔すんなや?(笑)」
「なんぼ見られだって減るもんじゃねーがら、まるっきり構わねーよ(笑)」
七海は立ち上がって階段を2段程登り、右足を2段上げた。
階段を段飛ばしで登る最中、みたいな体勢。
「あん時もこったな感じだったなぁ(笑)ほれ、ちゃ〜んと見でな♪」
ただ立ち上がるだけで良かったろうに、七海はかなりサービスしてくれた。
クッキリ浮かぶパンティラインに、身体にフィットしているジャージ、そこに包まれる柔らかさが伝わるボリューミーなお尻と太もも。
「よかお尻やんなぁ♪かわええわぁ」
エロい気持ちはなくて、何というか……ゆるキャラを愛でるような気持ちだった。
「お尻褒められるのって変な感じするっちゃ(笑)」
「丸いし柔らかそーやもん。雪見だいふくやけんねぇ」
そのままジッと見続けていると、心が熱くなってきて……股間も何だかムズムズしてきた。
こんな感覚は初めてだったが、場所が場所だけに七海には言えなかった。
「ちょっと足疲れだわ(笑)姿勢変えっけど構わねが?」
「よかよ。七海のしたいようにすりゃええよ」
下げていた方の足を戻して、その場に立つ。
「んだば、これならどうだべなぁ」
両手を膝についたら、軽くお尻を突き出す。
「まんまる〜なお尻やん♪これは雪見だいふくというより、あんまんやなぁ(笑)」
触ったらぷにぷに柔らかそうな肉付きに、そんな感想を述べた。
「なしてあんまん?(笑)」
「肉まんは何かとんがりあるやん(笑)まんまる〜いから、あんまんやけんね」
「由宇の例えは食いもんばっかだっちゃ(笑)」
「丸いとか柔らかいとかなると、それしか思いつかんったいね」
「柔らけえかどうかは、分がんねんでねーか?(笑)触って確かめでみっか?」
まさかの提案が飛んできた。
「触ってええの?」
「触られだって減るもんじゃなし(笑)ほんどに柔らけえかどうが、確かめでみた方がいいんでねーがなって」
減るもんじゃないの基準が分からないが、目の前にあるお尻の誘惑に乗る事にした。
「じゃあ、触るけんね。イヤやったらすぐ言うてな」
女子のお尻というよりは、ぬいぐるみを触るような感覚だった。
掌をお尻にピタッと当ててから軽く揉むと、むにゅっとした感触がした。
「おぉっ、ばり気持ちええやんか〜♪」
「ほんどにぃ?ちゃんど柔らけえが?」
むにゅむにゅ揉んで確かめて「柔らかいと硬いの間って感じやなぁ(笑)」と素直に言った。
「中身がたっぷり詰まっとる感じするわぁ♪」
ヨギボーを揉んでるような触り心地に、気分がかなり上がる。
「んっ……何か変な感じするべ(笑)」
少し腰をくねらせる七海。
手に収まりきらないボリューミーなお尻は、肉がたっぷり詰まっていて心地よい。
「こんなん初めてやわ♪ずっと触っていたいっちゃん」
「褒められでんならいいわ♪好きなだげ触ればいいっちゃ」
七海が拒否しないから、オレはずっとむにゅむにゅ揉んでいた。
側から見たら、オレ達の行為は異常だろう。
中1の男女が、下校時間がとうに過ぎた夜に、非常階段でお尻を触ったり触らせたりしてるのだから。
七海はどうか分からないが、オレはただ純粋にお尻の柔らかさを愛でていた。
しばらく揉み続けていたら、七海が「ごめん、疲れだっちゃ(笑)」と言ってきたので一旦止めた。
「いや〜、ばり気持ちよかったけん♪」
「いい笑顔してらっちゃ(笑)あだしも気持ちよがったわ〜」
お互い微笑む。
「七海、疲れたなら座りんしゃい」
「由宇、もうちっと触っでいたぐね?」
「また触らしてくれるん?」
「地面に座るどお尻がいでぇもん(笑)由宇の膝に座らせでよ。そうすりゃまた触れるべ♪」
七海の考えがいよいよ分からなくなってきた。
「七海、オレの膝でええん?」
「あだしら、秘密の遊びする仲だっちゃ♪由宇だから言ってんだべ」
「そやったなぁ。じゃあ、座り〜」
オレは階段終わりでベランダの通路のスタート地点に座った。
「ここにきんしゃい」
「重いがもしれねーげども、だいじょぶが?」
「七海は柔らか〜女子やけんね。気にせえへんでドンと来たらええよ」
七海はそのまま膝に乗っかり、股間をお尻が押し潰しに来た。
身体をピッタリ密着させてくるから、むっちりした肉付きの温もりを感じる。
「七海、柔らこうてぬくかねぇ♪」
「太ってらがらねぇ(笑)でも、由宇はそうは思わねーんだべ?」
「分かってきたやん(笑)七海はまんまるい、あいらしか〜女子やけんね」
むっちりした身体の柔らかさと、ふんわり漂う女の子の匂いに癒される。
下心とかよりも、赤ちゃんを抱いているような愛おしさを味わった。
「七海、ほっぺも柔らか〜♪」
密着してくるから、顔は頬が触れ合う。
「由宇、ちとさみぐなってきたっちゃ。あったまらせでけろ♪」
七海の腕がオレの腋をくぐり抜け、ギューッと抱きしめてくれる。
「七海はばりぬくいねぇ」
「由宇、お尻触ってねーべ(笑)何の為に座ったんだが分がんねっちゃ」
「せやったなぁ(笑)じゃあ、また触らせてもらいまっせ♪」
七海の温もりと匂いに包まれながら、またお尻を揉ませてもらった。
「気持ちいいっちゃん♪」
「あだしも♪何だがクセになりそうだべ」
触りやすいように位置を調整してくれてるから、膝に座ったままでも存分にお尻を揉める。
むにゅっむにゅっ、むぎゅうっと肉付き最高なむっちりお尻を堪能していると……雨が降り始めた。
「七海、雨降ってきたっちゃけん」
「止むまでこうしてりゃいいべ(笑)今出てっだら濡れるだけだっちゃ。それよか、気持ち良ぐ遊んでだ方が得だぁ」
七海がむっちりボディーをグイグイ押し付けてくるから、温もりと同時に胸も当たってくる。
「由宇、あだし………すんげぇドキドキしてらよ……分がる?」
「分かるで、オレも………何かドキドキしてきたっちゃん」
さっきまではお互い、ただ単に遊びで密着してたり触ったりしてただけなのに……七海の一言で空気が変わった。
お尻を揉む手にも力が入り「はぁ…はぁ…はぁ」と息が漏れる。
「由宇……すんげぇはぁはぁしてらなぁ……」
「七海も……息が荒くなってきよるね……」
男と女と意識してしまったせいか……お互いの本能が芽生え出したようだ。
「んっ、んっ、んっ、由宇の手ェ気持ちいいっちゃ……お尻が喜んでらよ」
「そりゃありがたいわ。七海のお尻………ずっとこうしていたいけん……離したくなかよ………」
ズシッと乗っかってくるお尻を受け止める股間が、もうごまかしきれない位に熱くなってきている。
「由宇……何かかっでぇの当たってらよ……チンポおがったんでねーが?」
七海がオレの顔を見て言ってくる。
その表情は……純真無垢な美少女というより、色気溢れる女だった。
「おがったってのは、おっきくなったって意味だっちゃ。由宇、興奮してらの?」
「七海、オレおかしいけん……七海のお尻触ってたら……ムズムズしてきたんよ……言えんかったけど」
「おがしくねっちゃ。男がそんな気持ちになっだらそうなんのは当たり前だべね(笑)」
七海には申し訳ないが、お尻を揉む手は止まらない。
「七海、すまんなぁ……お尻触りたくてしょうがなかよ……チンポおかしいけど……離したくないけん……」
お尻に潰されてどんどん硬くなっていくチンポは、もう止められない。
「いいっちゃ、そのまま好きなだげ触ってけろ……あだしも………由宇のチンポで……何か気持ち良ぐなっできた……」
多分だけど、チンポの先が七海のマ○コを刺激していたのかもしれない。
「由宇、あだし……動いでいい?動けば……擦れるみでぇだ……」
「よかよ………七海………」
七海が腰を前後に動かして、オレも負けじとお尻を揉んで……お互いの敏感な部分がジャージ越しに擦れ合う。
「はぁ……はぁ………はぁ………」
「んっ、んっ、んっ……」
外の雨がうるさいが、オレはお互いの吐息しか気にならない。
「七海………気持ちええよ………」
「由宇、あだしも………んっ、んっ……」
お互いがきっと、いやらしい顔をしてるんだと思う。
ひたすらにお尻をむにゅむにゅ、むぎゅむぎゅ味わっていると……チンポから何かが急速に湧き上がって止められない。
「あっ…………」
「んっ………由宇………何か出てらよ……」
七海が下りたら、オレのジャージは山のように膨れ上がっていて……頂上はじわりて染みができてきた。
「何なん………コレ………」
「コレ、精子ってやつでねーが?保健体育で習っだべ(笑)」
保健体育なんて真面目に聞いてなかったから、マジでオシッコ漏らしたかと思った。
「………くさっ!(笑)じっちゃんが酒のつまみにしてらイカみでぇな匂いしてらよ〜(笑)」
七海はいつの間に階段に移動して、嗅いでいたようだ。
「七海……すまんなぁ………ジャージ汚れたっちゃろ」
「ん?自分じゃ分がんねっちゃ(笑)由宇が見てけろ」
七海は前屈してお尻を向けてくる。
確かに一部にオレの精子らしい染みが付着していた。
「ごめんなぁ……七海にも付いとうけん……」
「まぁ〜、仕方ねっちゃ(笑)気持ち良がったがら気にしねーでけろ♪丁度雨だから、濡れれば誤魔化せんべ」
人生初の精通は、むっちり美少女のお尻という……よくよく考えたら幸せな体験をしてしまった。
初めての射精にドッと疲れて、へたってしまった。
「何か疲れた………せっかく気持ち良かったのに……台無しになった気分やけん」
「なして?気持ち良がったんなら台無しじゃねーべ。あだしはめちゃくちゃ興奮したっちゃ♡」
七海の笑顔が眩しかった。
しばらく休んで、まだ雨は強いが精子の染みを誤魔化す為に濡れる事にした。
「んだば由宇、気ィ付けて帰るっちゃ♪まだこうして遊ぶべ♡」
「またしてくれるん?」
「こったに気持ち良い事やめたぐねーべ(笑)今度はジャージ濡らさないようにしねばなんねーなぁ」
「ありがとね。オレも七海ともっと遊びたいけんね。気ィつけて帰り〜」
「じゃ、まだ明日な〜♪」
七海とは逆方向らしく、自転車置き場で別れた。
土砂降りの雨は容赦なくオレを濡らし、ジャージどころかパンツまでびしょ濡れになった。
母ちゃんに、遅くなった理由をどう誤魔化すか考えて家に帰ったが……雨で濡れたオレへの対処に必死で何も聞かれなかった。
ジャージとパンツの染みも、遅くなった理由もなくせたから良かった。
次の日、水たまりが残る道路をチャリで走り抜け……教室に行ったら七海が居た。
「由宇、おはよ。昨日は大丈夫だったが?」
「おはよーさん。オレは大丈夫やったけん、七海はどやった?」
「見での通りピンピンしてらよ(笑)ジャージも大丈夫だったがら良がったわ」
「そりゃあ良かったわ、オレもジャージ濡れまくったけん、誤魔化しきいたっちゃん」
「由宇、またあぁやっで遊びでぇな♪」
「そやねぇ。これからの楽しみやけん、オレは幸せばい」
不安しかなかった新天地での生活は、隣の席になったかわいらしい美少女、むっちりボディーがたまらなくて、なまりが激しい女子との秘密の遊びにより……幸せなスタートをきったのだった。