2歳下の妹にも、苗字は違うけど偶然にも同じせっちゃんという女の子の友だちがいた。(紛らわしいので妹の友だちは「せつこ」と呼び捨てで書くことにする)
ぼくの幼馴染のせっちゃんは野外で遊ぶことが好きな日焼けして活動的な女の子だった。スカートのまま平気で頭までが隠れるほどの原っぱ内の未開なエリアをぼくといっしょに探検するような子だった。
一方、せつこのほうは対照的に色白で、大人しくてうちのなかで遊ぶことが多い子だったらしい。いつも妹のほうからせつこの家に遊びに行ってしまうので、ぼくとせつこが直接会う機会はまれだった。
ある日1歳上の近所のひろしくんといつものように駆け回って遊んでいて、途中でトイレに行きたくなったので急いで自宅の縁側からトイレに向かった。玄関を通れば妹以外の女の子の靴があるのに気付けたかもしれないがショートカットしたので気づけなかった。
本当にめずらしくその日はせつこのほうがうちの妹のところに遊びに来ていて、僕がトイレの個室のドアを開けたときに出会ってしまった。
急いでいたから注意が足りなかったけど誰もいないと思って開けたのに人がいたのでびっくりした。しかも妹かと思ったら知らない女の子だった。
でも、その女の子のほうが突然戸を開けられてもっと驚きは大きかったんだと思う。
目が合ったとき、たぶんその女の子は緊張で身体が固まっていた。途中で器用に反応できなかったのか、その女の子は声を上げることもできず息を飲んでいた。
ぼくは「わっ」と思わず小さく声を上げてあわてて戸を閉めた。それがせつことの初対面になってしまった。
一瞬のできごとだったのに、せつこのそのときの表情も目に入ったすべての部分も、途切れず続いていたそのときの音やそのときのほんのりとした香りすら、いまだに記憶に残っているのは、それだけ自分にとっても衝撃的な体験だったということなのだろう。
せっちゃんがしている姿だったら原っぱで探検しているときに時々見た。ただし正面から見たことはなかった。妹についてもその部分だけならいつもおふろで見ているけどおしっこが出ているところまでは見たことがなかった。
せつこが初めてだった。
こんなことをいうのも変だが、色白ですべすべな肌を背景にキラキラ光が反射していてなんか美しかった。
居間をのぞいたら妹が遊んでいて、振り向きもせずせつこが戻ったと勘違いして
「せっちゃん、あのね・・・なんだ、おにいちゃんか」
と言った。
それでさっきの女の子がせつこだと知った。
用が足せなていなかったしその場から立ち去りたかったし、ぼくはまた縁側に戻って急いで靴を履いて、人気のないところで立って用を済ませて近所のひろしくんのところに戻って遊びを続けた。
特にその後妹からもなにも言われなかったので、せっちゃんはそれが妹の兄であることもわかって、敢えて見られたことも話さなかったようだ。