中学校入学の日、俺の人生は頂点に達した。隣の席がめっちゃ清楚で色白の可愛い子だったからだ。早坂さんと呼ぼう(仮名)。
デリカシーのないクソガキだった俺は、本能の赴くまま、早坂さんにアプローチをかけ続けた。
だけど優等生で読書好きな早坂さんと、教室を走り回ってるような男子に、共通する話題が多いはずもない。
いつも俺からどうでもいい雑談をふっかけるか、ネタが尽きたら下ネタに走るしかなかった。迷惑そうな顔をされても、構ってもらえるのが嬉しかった。
ある日、俺が冗談で「ねぇパンツ見せてよ」と言うと、普段は物静かな早坂さんが手を止めてこちらを見つめ、「ええ…」っと心底困惑したような呆れたような声を発した。
それが俺のからかい性癖を刺激した。その日から挨拶代わりのように、顔を合わせるたびにパンツの話題を持ち出した。
早坂さんは最初は嫌がってたが、俺がライトにしつこくない言い方に努めていたこともあって、次第に聞き流すようになってくれた。
その後は席替えで話す機会が減ってたんだが、2年性でも同じクラスになり、出席番号が近かったのでまた隣の席になった。早坂さんは長い髪をポニーテールにまとめるようになってたけど、それ以外は変わらなかった。
俺も相変わらず下ネタマシーンだったが、早坂さんにそれを言うのは気がひける気持ちも持ち始めていた。それが恋心ゆえだと自覚してからも、どう接すれば良いか分からず、恥ずかしさを隠して「パンツいつ見せてくれんの〜?」とか「見ないと卒業できないよ〜」とか軽口を叩き続けて、早坂さんの注意を引こうとしていた。完全に脈なしだったけどね。
そんな俺が予習の問題で悩んでいると、早坂さんはすぐに教えてくれた。教えてもらってる間は俺は「ふうん」とか「へえ」と相槌を打つしか能がなかったが、不思議な優越感と幸福感に包まれていた。
なんかの時に早坂さんから「(俺)くんはジェントルマンじゃないことも言うけど、性格はとっても素直だよね」と言われたのが、嬉しかった。
しかしそんな時間も束の間、席が替わり、3年生ではクラスも別に離れてしまった。雑談する機会も勉強を教えてもらうことも無くなり、ばったりあった時に「パンツ見たいな〜」と痛々しいセリフを馬鹿の一つ覚えみたいに繰り返すしかなかった。
あっという間に受験も終わり、授業もなく卒業式の練習をするような時期になった。早坂さんは進学校に受かっていて、俺と違う進路になると決まっていた。
昼休みぶらぶら多目的棟に行き、美術の提出作品に手を加えたりしていた。ある時ふと放課後にも行ってみると、美術教室前の廊下で早坂さんが外を眺めていた。
嬉しさをこらえつつ、軽いノリで話しかけた。早坂さんも暇だったのか、いつにもまして話に乗ってくれた。1年2年の時のこと、高校のこと、話すこともいつにも増してたくさんあった。
でも話してたら俺が勝手に寂しくなってきて、その気持ちを振り払おうと、
「早坂は結局パンツ見せてくんないよなぁ…俺の人生の楽しみが消えたわ」
と茶化すと、
「大げさ。見せるわけないじゃん」
と正論で一蹴された。
いつもの俺なら食い気味に何か返すんだが、不意にこうした絡みも最後かと思うとシュンとしてしまって、気まずい沈黙が流れた。
俺が口を開こうとした時、
「まさか本当に見せてもらえると思ってたの?」
と早坂さんが心配そうに聞いてきた。
「うん。まぁね」
俺は力無くうなづいた。
「なんか私が悪いことしたみたい(苦笑)落ち込まんといてよ〜」
と言いつつ、おもむろに
「分かったから。色だけ教えてあげる」
と言われた俺は耳を疑った。
「色だけじゃ足りないって。実際に見なきゃ〜」
と冗談で要求を吊り上げると、
「なんでそこまでこだわるの?」
と真剣な顔で聞かれた俺は、
「女子のパンツがいかに男子の憧れの的か」「1年の時からどれだけ待ち続けたか」
を気持ち悪いくらい滔々と語り尽くした。
そしたらなんと
「もう分かったから。そのうちちょっとだけ見ていいから」
って。
俺の心に火がついた。
「そうやって3年過ぎたしさ…今見たい!」
と無茶を押した。
「は?いや、さすがに、ちょっと、それはまずいよ…」
と珍しく早坂さんは恥ずかしそうに口ごもった。
「今誰もいないから、今しかないじゃん。たのむ。一生に一度のお願いだから、頼む」
と懇願したら、根負けしたのか渋々うなづいてくれた。
「でも誰か来るかもしれないから、建物の入口が見えるとこでね」
と言って早坂さんは窓際まで歩いて行った。
いよいよ準備万端かと思ったが、やっぱりいざとなったら恥ずかしくて動けないらしく、10分があっという間に経過した。
「本当に見るつもりなの?」
「もちろん」
「冷静に聞いたら、かなり無理のあるお願いだと思うよ」
「そりゃそうだけど、早坂なら慈悲をかけてくれるかと思ってさ。嬉しくて嬉しくて」
それからも少し揉めたけど、とうとう観念したのか、早坂さんはセーラー服のスカートに手をやった。
「でもやっぱりさ…」
「人が来る前にやっちゃおうよ。2人きりでいたのを見られたらもっとまずいよ」
「はぁ〜分かったよ。ちょっと見せればそれで良いんでしょ?」
でも言葉と裏腹に、スカートを持つ手は上がったり下がったりを繰り返した。
そして待つこと5分以上、とうとう見えるかと思った途端、早坂さんは裾を下ろした。
「今見えたでしょ?」
確かに数ミリ見えたのかもしれなかった。でも陽が傾いた薄暗い教室ではほとんど分からなかった。
大役を終えたように安堵する早坂さんを呼び止める。
「3年も待ち続けたから、もっとちゃんと見せて、お願い…」
早坂さんを困らせたくなかったけど、ここまで来ると俺も必死だった。
俺は美術教室の蛍光灯をつけ、早坂さんにもう一度頼んだ。
「今度は俺にめくらせて。1回ちゃんと見たらそれで満足するから」
そして窓際の早坂さんを追い込むように立ち、スカートに手をかけた。
でも早坂さんも反射的にスカートを押さえてしまって、なかなかうまくいかない。
俺は早坂さんの抵抗感を減らすためにしゃがみ、下から覗くようにみることにした。
一方の早坂さんは入口が気になるらしく、カーテンから外の様子を気にしていた。
俺は早坂さんの注意が外に向くのを利用して、両手でぐいぐいスカートを引っ張り上げた。
早坂さんも思い出したようにぐっと手の力を入れて押さえるけど、俺はそれ以上の力を入れてまためくった。
そして、ついに…
待ちに待った早坂さんの生パンが見えた。
内股に縮こまった、細いけどむっちりした太ももの奥に、白・水色・紺の3色の縞パンツが恥ずかしそうに顔を覗かせていた。
その時の俺は半ばスカートに潜り込んでいたが、柔らかそうな木綿からは彼女の体温がムンムンと伝わってくるようだった。
「ねぇ。ねぇ、もういいんじゃない?」
早坂さんのうわずった声を無視して、尻サイドに回り込む。
「ねぇ…ねぇってば!」
とうとう恥ずかしさが限界に達したのか、早坂さんは身を捩ったり、スカートの裾を下ろそうとしてきた。
でも俺はお構いなく、貸切パンツ鑑賞会を楽しんだ。
「すげぇ…早坂はこんなの履いてんだ…」
早坂さんが抵抗するたびにできる、パンツのいやらしいシワが、かえってそそる。
彼女はずっと外を気にしているのか、か細い声で訂正してきた。
「いつもはこんなに派手じゃない…よ…まさか今日…こんなことになると…思ってなかったから…」
俺はそんな派手な下着だと思わなかったが、早坂さんにとっては派手で見られたくなかったらしい。
もっと早坂さんを追い込む。
「じゃ、普段はどんなのを?」
相変わらず早坂さんはパンツを隠そうとしながら答えた。
「普段は…普通の…その…白の…」
その時は既にスカートは90°以上持ち上がり、完全にパンツ丸出しの状態になっていた。
パンツを見始めてから5分も経たないくらいか、急に早坂さんが「誰か来た!」と焦ったように小声で叫ぶと、急にその場の空気が吹っ飛んだ。
幸いにも近づいてきた人はそのまま離れた倉庫の方へ歩いて行ったが、いつもの態度に戻ってしまった早坂さんは、スカートを整えるとそのまま身を翻して出て行った。
「あの、早坂さん!」つい「さん」付けで呼んでしまった。
廊下で振り返った彼女の顔を見つめ、「あの、本当にありがとう。嬉しかった」と絞り出すように伝えると、彼女は紅潮した顔を伏せ、くるっとまた向きを変えて小走りで去って行った。
俺は興奮冷めやらないまま、電気を消し、戸を閉め、鍵を職員室に返しに行った。
職員室で美術教員から「こんな遅くまでよく頑張ったな」と声をかけられたが、俺は別の意味で物凄い達成感の余韻に浸り続けていた。そのまま抑えきれずに学校のトイレに駆け込んで抜いた。そして家に帰ってからも、翌朝も抜いた。
卒業式では早坂さんと話す機会に恵まれなかった。たとえ機会があっても、何を話せば良いか分からなかったかもしれない。
今では俺も恋愛経験をそれなりに積んだし、あの時もっと踏み込めたかもという思考実験にふけることもある。
消化不良な体験だったかもしれないが、それでもあの緊張感と背徳感の中で見た早坂さんのパンツ以上に込み上げてくるオナネタは、これまでも、そしてこれからも出てこないと思う。