欲求不満が今回のテーマです。
熟女の方の95%が欲求不満を感じているそうです。解消方法は様々、マッサージ、スイーツを食べる、オナニーといろいろあるそうですが。
部屋でくつろいで居ると、久美さんが帰って来た。しかし、帰って来て早々ため息をついている。
「どうしたんですか?久美さん」
「うん、まあ・・・」
と生返事が返ってくるだけだった。
食事をしていても久美さんは元気がなかった。そしてまたため息をついた。
俺はこの雰囲気に耐えられずに
「久美さん、なんかあるのなら話して下さい」
「そうだよね、フーーッ」
とまたため息。
「もう怒りますよ、この空気なんとかしてくださいよ」
「わかった、話するけど勇輝くんに関係ある話なの」
「俺にですか?」
「勇輝くんはうちのオーナー知ってるよね」
「はい、豪快そうな女の人ですよね」
「そのオーナーが最近おかしいのよ」
「なんか病気にでも?」
「病気といえば病気かもしれないね」
「ひどいんですか?入院とか手術とか?」
「入院とかじゃなくて、最近、イライラがひどいし、ミスは多いし、感情がコントロール出来てない感じで」
「精神的な病気なんですね、カウンセリングとかですね」
「そのカウンセリングを私がしちゃったから」
「優しいじゃないですか、悩みを聞いてあげるなんて」
「ああ聞かなきゃよかったなあ」
「聞かなきゃよかった?」
「オーナーの悩みは欲求不満だったの、旦那さんにも相手にされてなくてね」
「それがなんで俺に関係あるんですか?」
「オーナーと二人きりの時に、勇輝くんとのノロケ話してたら、オーナーに火が着いちゃったの」
俺はノロケ話が気になったが
「それで」
「本気で勇輝くんを、1日貸してほしいと言ってきたのよ」
「えっ無理ですよ」
「だよねえ、私も嫌だけど、欲求不満の度合いが深刻だったから、その場では断れなくて、聞いてみますと言って、話を終わらせたのよ」
「でも久美さん以外の人とするなんて、俺は無理ですよ、人見知りだし」
「あっセックスは禁止、それは私も嫌だもん」
オーナーの旦那さん、浮気相手が居るようで、もう何年も交わりがないこと。
浮気に対するイライラと、性欲に対する欲求不満が入り交じって、仕事にも支障が出てきてること。
自分で慰めたあとの、虚無感でまた落ち込む負の連鎖が続いていること。
話を聞けば気の毒に思えてくるし、助けてあげたい気持ちも、わからないではない。
「オーナーには世話になってるし、無下にも出来ないし、ああどうしよう?」
「俺はどうしたらいいのかな?」
「勇輝くんには変な話ししてごめんなさい、でも豪快に笑うオーナーを、最近見れないのは悲しいんだよね」
そうなんだ、ガハハハッって笑うのが、オーナーの印象で、大島美幸さんに似た笑顔は、久美さんとは違うけど、癒し系の笑顔だったと思う。
「俺なんかで元気になれるのかな?」
「私がノロケ話して、勇輝くんの熟女好きのこと、自慢しちゃったから、オーナーの目つきが変わっちゃったんだよね」
「でも1回きりで、セックスは無しなんだね」
「オーナー助けてくれるの?」
「乗り気じゃないけど、話を聞くと断れないでしょ」
「ありがとう、勇輝くんは熟女の星だわ」
「俺は何をすればいいんだろう?」
「でも絶対しちゃダメだからね、言い出した私が言える立場じゃないけど」
その後は久美さんがセッティングしてくれて、約束の日が来てしまった。
緊張から何回も歯磨きして、シャワーで身体を清めてから家を出た。
久美さんから、オーナーこと恵子さんが、この日が決まってから、異常に元気になっているそうで、もういいんじゃないかと言っていた。
とりあえず約束の時間よりは、5分遅れて行くことだけは決めていた。俺のイヤイヤ感を演出したかったからだ。
公園の駐車場に着くと、数台の車が停まっていて、一番隅に言われていた車種を見つけて、車を進めた。
車の中には、見覚えのある恵子さん見えた。軽く会釈して車を横に停めた。
恵子さんは車から降りて、俺の車に乗り込んできた。
「ごめんね、勇輝くん、変なお願いしちゃって」
「こんにちは、とりあえず出ますね」
俺は車を公園の駐車場から出て走り出した。
「私服のオーナーさん、初めて見ました」
「オーナーさんはやめてよ、恵子でいいわよ、普段着だけど、どう似合ってる」
恵子さんはコートは脱いで後ろの座席に置いて、淡いピンクのセーターと茶系のスカートだった。
お弁当屋さんでたまに会う時は、お店の白衣なので新鮮に見えた。
「似合ってますよ、可愛らしい色合いで」
「うれしい、その言葉で溶けてくわね」
「ところで行くホテルってどこにします、俺は全然知らなくて」
「私も知らないのよ、ちょっと調べてみるね」
そう言ってスマホで検索を始めた。
「何で検索してるんですか?」
「ラブホテル調教部屋」
「調教部屋?俺はそんな趣味無いですよ」
「せっかくだからちょっと行ってみたいのよ、一度だけの思い出だから」
恵子さんの口から、一度だけと言われてちょっとホッとした。
「あっあった!ここにしよう、ナビするわね」
場所は海沿いのホテル街にあるので、俺は海に向かう道へと車を進めた。
30分ほどでホテル街に到着。言われたホテルの看板を探しながら、ゆっくりと走っていると
「あそこだ、勇輝くんあそこ」
嬉しそうに声を上げる恵子さんに、ちょっと笑ってしまった。
車でお目当ての部屋の駐車場に停めるタイプのホテルなので、その部屋に先客が居れば、他の部屋にしなければいけない。
「6番、6番、あっ空いてる、よかったあ」
手を叩いて喜ぶ恵子さん。今からエッチなことをする雰囲気ではなかったが、恵子さんの天然キャラに、気持ちがちょっと和らいでいた。
駐車場に停めて、奥の階段から部屋に入って行く。調教部屋だけあって暗い照明に、ジムで鍛えるような形の、椅子のような物が見えた。
部屋に入ると恵子さんは、部屋の中を物珍しそうに、歩き回っている。
俺は部屋のソファに座り、パンフレットを読んでいた。怪しい椅子はX字チェアというらしい。手足を拘束して座らせるとのこと。
人形のXの器具は立たせて使うらしい。安っぽいムチなんかもあったが、叩くのも叩かれるのもイヤだなと思った。
その時、浴室からジャーと音がして
「勇輝くん、お風呂真っ赤なんだよ、今お湯を入れたから」
恵子さんが浴室から出て来た。
「ちょっとお話しますか?」
ソファの横に恵子さんが座ってきた。
「俺なんかで役に立つかはわからないですけど、恵子さんのストレスが少しでも和らいでくれれば、いいかなと思っています」
「私ね、仕事が生きがいだったの、仕事も軌道に乗ってきて、周りを見たら、夫は違う女に、息子は家を出て行ってしまって、誰も居なかったの」
「・・・」
「そうしたらなんか虚しくて、何もやる気がなくなってしまって、久美さんから勇輝くんとの話を聞いたら、もう堪らない気持ちになって、変なお願いをしてしまってたの、本当にごめんなさい」
「それは大丈夫です、今日は全て忘れて楽しみましょう」
「ありがとう」
と言って涙ぐんでいる。抑え込んでいた感情が溢れてしまったのかもしれない。
お風呂にお湯が溜まったので、二人で入ることになった。この時点になって俺の緊張が半端なくなってきた。
俺は深呼吸して立ち上がった。