マリが迷彩のコンバットパンツを欲しいという。
レディースの店を何軒回っても、コレと言うモノがない。
聞くとモロ米軍放出の本格的なヤツを望んでる。
サバゲー女子のアーミースタイルは可愛い。女の子が戦闘のための服を着けているギャップ。
マリは、オーバーサイズでウエストを絞りゆったり履きたいとのこと。
こんなのね、と画像検索してみつけたモノをオレに見せてきた。
ウエストサイズをきいておく。放出品ならマリに小さいサイズはないが、大き過ぎぬよう見定めなければいけない。
福生に行くのは面倒だ。次の土曜日に上野をのぞいてみよう。マリも来たがっていたが、ヨガのレッスン日、ひとりで行く。
上野なんて何年振りだろう。
海外の街、中東のどこかにしか思えぬ一角もあったが、ほとんど変わらぬ街並み。
目当ての店へ行く。そこも変わらぬようだ。むかしよくここでアウターを買ったりした店。とにかくハードな米軍放出品が格安で手に入る。
マリが満足いくだろう品をすぐみつけた。デジタル迷彩柄の白ぽいモノと緑の濃いモノ、サイズも小さいの選んだ。その2本とミリタリーベルトも購入する。
次はオレのための昼食、上野にいくと決めた時から決めてた。
そのため朝を抜いた。コリアンタウンの焼肉屋である。
大久保などより、ずっと前からそこはある。安くて本格的な韓国料理を食わせる。
店に入ると、幸い席に余裕がある。
座敷の空いた席に座ったが、すぐ隣りの女の様子がおかしい。
オレが来た時から次々に運ばれて来る料理。女は、箸も付けず、ひとりうつろな顔をしている。美しい顔立ちだ。オレのビールが来た。女が唐突に声を掛けてきた。
「……あの、突然すいません。連れが帰ってしまって、あたしひとりで食べきれないんで、良かったらご一緒しませんか?まだ、まだ何も頼まれてないようなので……」
「……そうなんですか、それは困ったもんですね」
たしかにテーブルに手付かずの料理が並んでいる。
「お会計は、ぜんぶあたしがしますんで……お願いします」
切実そうな女の頼み。断る理由もない。困った顔の美女ならなおさらだ。
オレはビールとグラスだけ持って、座敷のテーブルを超えて女の席に対座した。
「これも縁でしょう、ご一緒します。会計はボクも支払いますから」
女が心から感謝してる。
東京は、気まぐれに妙なことをひき起こす。ヒトの多さがナニかの軸を蹴飛ばしてしまう。
夜の女だろう、声が酒焼けしてる。25~6くらいの年ごろだろう。
「実は……一緒に来たオトコが、アタシがオトコと知ったら何も言わずに出て行ったんです」
ビールを持って乾杯しようとした手が止まった。思わず、女の顔を見た。オトコ?
「アメ横歩いてたら、そのヒトに声をかけられて、ここに来たんです、料理頼んで待っている時、この……アタシの声のこと言われて、自分のこと話したんです」
それを聞いたオトコは、みるみる顔色を変えて店を出て行ったという。
すぐオーダーした料理が届き、キャンセルをする間もない、肩を落としていた、次の料理が運ばれてきた頃、オレが店に入って来たという。
どうするか躊躇ったが、願いを聞いてくれそうにオレが見えたという。
なんとも哀れな話しだ。そんなことなら喜んでメシに付き合おう。
「……アタシ、リサっていいます……」
乾杯して、オレは遠慮なく食べる。
このために朝を抜いてきた。逃げていったオトコのシタゴコロが特上カルビに見てとれる。
「頼もうとしていたモノばかりです、オーダーするテマが省かれました」
「やさしいんですね……よかった」
ようやくリサも箸を手にした。言葉は悪いが、オカマが正体バラシたら、男が逃げた。それだけのことだが、オレはリサに同情していた。変えられぬ性を甘んじて受け入れているオトコ、いや女。
どうも話しがシンプルにいかない。ややこしい。しかし目の前のリサは、美しく魅力的な女だった。
「ここ、よく来るんですか?」
「むかしは来てだけど、最後いつ来たかおぼえてない」
「どうして、きようは?」
カンタンに話してきかせる。マリのコンバットパンツが入った袋を見せる。
「やっぱり、スゴイやさしいんですね、彼女サン幸せ……」
うーん、オレはやさしいのだろうか……自分がしたいことをしているだけ。それは、自分以外の周りの人達の為になることも、したければする、それだけのこと。
「リサちゃんは、ナニしてるの?」
「夜、してます、新宿で……あたし、この辺の生まれなんです、湯島のほうです」
「……そう、江戸っ子だ」
「用あって昨日は実家に泊まって、久しぶりなんでお散歩してたら、そのヒトに声かけられて……」
「リサちゃん、キレーだもんな、チャンスあれば、オレも声かける」
「ヤダ、ホントですか?……なんかうれしい」
店に入った時、一瞥したリサの物憂げな表情、それが消えてる。良かった。こんなことで彼女が気分を治してくれて。どんなにか、情けなく悔しかっただろうに……。
細い華奢な指先、エメラルドグリーンのネイル、悪くない、品がある。
Tシャツに凝った柄のブルゾンを合わせている。お洒落な女の子が、ちょっと散歩に出た、そんなスタイル。下は黒のホットパンツがチラと見えた。
そのブルゾンをリサは脱いで折丸めテーブルの下に置いた。
フランスのブランドのロゴ入りTシャツ1枚になった。
小さなショルダーからシュシュを出して栗毛色のストレートの髪を後ろで束ねている。
ようやく食事をはじめようとしていた。
「やっと、食欲出てきました……おなかすいたア」
ビールをおかわりした。馬刺しのユッケが食べたい、追加する。テーブルの上が埋まっていたが、リサも旺盛に食べる。見ていて気持ちいい。
「お仕事はナニをされてるんですか?」
正確に説明するのはムツカシイ。金融とだけこたえる。
「アタシ、いつもならオトコのヒトのことわかるんです。オトコ同士……って言わないでくださいね、はは、……店のお客サンの仕事もタイテイあてちゃいます」
「でも今は、サッパリわからなかった……お仕事のイメージないんです」
「……そうか、はじめて会うヒトにはよく言われる。フツーのサラリーマンなんだけどね」
ひとつの冷麺を頼み、リサとシェアしてシメた頃にはビールが5本寄せられている。
「よく食べた……もう晩めしはいらない」「アタシもおんなじ……」
支払いを済ませようとしたが、リサがどうしても譲らない。
好きなモノをかなり頼んだのに。さっさとリサが会計をすませてしまう。
「少し歩きませんか、付き合ってください不忍の池あたり」
店を出るとリサが誘う。ご馳走した分付き合えというのか、まあ腹ごなしになる。
駅に渡り、抜けて上野公園側に歩いた。数歩先を歩いていたリサ、黒のホットパンツの尻が揺れている。スレンダーな小さな尻、後ろ姿は完全なる女、いい女だ。正面から見てもそれは変わらない。
オレは戸籍上のオトコをだいぶ前に抱いたことがある。
当時付き合っていた横浜の西口のキャバ嬢、別れた妻と婚約を交わしている最中に、オレはその女とも付き合っていた。
婚約してる女の待つ家に帰ることなく、その女の所に入り浸っていた。
その店で飲んだあと、女の友達と3人で連れて行かれた店、ニューハーフのショーパブだった。凝ったつくり、階段状にひな壇の客席、舞台がどこからでも見渡せる。
「ピノキオ」という名前だった。鼻がぐんぐん伸びる様子、オトコのモノが勃起していくのにかけている、と解釈していた。
大奥を思わせる演出、舞っている女たちの中には、目を見張るような女もいた。
ショーが終わると、好みの女を席に呼べるという。早いモノ勝ち、それを聞いて、ショーの途中できめた女を指名した。指名は受けられるという。
ドレスに着替えた女が席についた。どう見ても女、当時好きだった女優に似ている。
ホントにオトコか、尋ねると、女は席を外して自分のバックを持って戻り、免許証を見せてくれた。スッピンの女の顔、名前だけ男の名が記されていた。オレたちはその免許証を見て声を上げていた。女は納得した?とハスキーな声で言ったのを覚えている。
オレは、その女にすっかり気を取られた。連れの女たちに構うことなくオレは口説いていた。
連れの見映えするオンナたちを差し置いて、口説いてくる男、優越感をくすぐられたのかも知れない。
「湯河原の旅館の名を言われ、そこで会いましょう」と約束を交わした。
付き合っていたキャバ嬢の尻はオレが開発して、性的なことは服従させていた。
他の女とした事を隠さずに話して聞かせ、焦らして燃えさせたことも何度もあった。
だから何も気にせず口説いていた。まだ、若かった。相手の行動と心を合わせてみることができないでいた。
約束の日、湯河原へ向かい、女と昼メシを食べた。風情ある日本旅館。
しっかりした懐石料理、女が喜んでいた。
食事を終えて、女が襖を開けると隣室に布団が敷かれている。女は着ていたものを脱ぎ全裸になった。美しい女の身体、股間にだけ男のモノが着いていた。
抵抗なくオレは女のモノを咥えた気がする。女のモノはすぐに立派なオトコのモノになった。
女もオレを裸にして、オレのモノを愛してきた。
オレのモノと女のモノを合わせて2本一緒に扱かれた。その倒錯がたまらなく興奮を呼んだ。お互いの身体を確かめて、最後は女の肛門に入れた。女よりイイ女の肛門、筋力の違いだろう。めくるめく快楽を存分に味わった。
そのたった一度の逢瀬。
数年前、横浜、野毛で飲む機会があり、そのスナックでニューハーフの話題になり、ひと昔前の女のいた店の名、女の様子を告げた。
似ていた女優の名をあげると、ああ、と膝を打たれた。ウチにもたまに来るよ、とその店のママが言った。
「あの子は、この辺の夜の有名人……今はね、女の子の店のママしてる……キレーだもの」
昔、抱いたオンナの美しさを意外に褒められて、ボンヤリくすぐったい。店の名を教えてくれたが覚える気はなかった。
一度きりの逢瀬にしたのも、明確な理由がある。お互いに未来がない。逢瀬を重ねてもいつか早期に破綻する。自分と同じ性別の女、快楽を共有しても、どうしても隔たりがあった。
不忍の池を望む店の前でリサが足を止めた。池の周りを少し回ってきた。都心にいることを忘れる。青々と蓮の葉が水面に浮かんでいた。
「ね、口直しのデザートしません?」
侘びた名前の店、建物も寂れていた。オレも口の中をサッパリさせたい。
小上がりのテーブルが入れ違いにうまく空いた。大きな窓に鬱蒼とした枝振りが見える。
厚い座布団がもてなしてくれる。
「アタシここ大好きなんです、それもここの席、ジャストタイミングであいてくれた」
リサは、満面の笑みを浮かべていた。店員がテーブルを拭いてくれる。
オレはクリームあんみつを選び、リサも同じにした。それアタシの好物です、と可愛い顔を見せる。
「実家に寄ったとき、ここ来て、この景色見てあんみつ食べると、イヤなことゼーンブ忘れるんです」
リサは窓外を眺めている。
自分と、周りの社会との隔たり、肉体と心の違和、変えたくても生ある限り変えられぬモノ、それを知ってもなお、懸命に必死に女になろうとする切実な思い。彼女たちをオレはどうしても憐れんでしまう。
「イヤなことは、忘れるためにあるから、それでいいよ……」
「……」リサがオレを見た。
「オレは単純だから、イヤなことはすぐ忘れるし、イヤな気配には近づかない」
「そんなことできるのは……余裕があるんです、何にでもぜんぶ」
「余裕じゃない、バカなだけだよ、ダメっとなったら、その日に会社やめて、後から後悔する時もあった、でも目の前のことに最善を尽くすと後悔なんていつのまにか消えてくれるよ」
「………それ、できるの、うらやましい」
「リサちゃんみたいな女の子たちは、いろいろタイヘンだろ、この国ではまだ……」
「……あの、……アタシ、女に見えます?」
「…ああ、もちろん……とびっきりのいい女だ。今こうして差し向かいに座っているだけでうれしい」
「…ありがとう……」
クリームあんみつ、これも何年振りだろう。久しぶりに上野へ来てから、長い間、口にしないモノ、見てなかったモノに再会させられていた。
店を出ると、手繋いでいいですか、とリサが言う。オレは右手を差し出す。
「やっぱり、あったかい、やさしくて……」
公園の出口に近づいた。
「アタシ……生理前なんです……」
「ん?……」
「ホントに生理はきませんよ、でも生理こい、生理くればいいのに、ってずっと思ってたら、月のウチ、身体重くて、お腹痛くなる日が何日か続くようになって……」
へぇ、そんなことあるのか、人間の肉体の神秘。
強く思えばそんな風になるのか。
なんの効果もないプラセボ、偽薬を飲んで病が治る時があるという。
リサの強い思いが、疑似生理を呼んだとしても不思議はない。
「生理の前は、……その……」
「ムラムラしちゃうんだ……?」
「………ええ……それで、さっきあのオトコのヒトから声かけられて、つい……」
「リサちゃんは完全に女の子になってるんだ」
「…‥…でも、付いてます…」
そのままオレたちは湯島へ向かった。いつのまにか、リサは腕を組んでいる。
久しぶりのことが多かった今日、とっておきの久しぶりがまたヒトツ増えそうだ。
ラブホの看板が見えた。ホテルの門の前でリサが歩みをとめた。
「アタシのウチに来ます?、そこのマンション……」
リサは、ひときわ高い高層マンションを差した。
「いや、それは遠慮するよ」
「なんでぇ、父も母も葬儀で、2~3日出かけて誰もいませんから、アタシのとこ来てほしい、ね、来て……」
子供にせがまれるように腕を揺らされた。ラブホの門は通り過ぎた。
新しいタワーマンション、エレベーターの最上階のボタンをリサは押した。
子供の頃まで、この同じ土地の一軒家に住んでいたという。
中学に上がる前、好きだった家が取り壊されるのを見た。数年アパートに住まわされ、完成したばかりのこの部屋に移り住んだという。
接収されてこの最上階の部屋をビルダーから与えられたのだろう。
見晴らしのいいリビング、窓に立つ。皇居お堀が見える。遠くのビル群六本木ヒルズ。
青空が広がってかなり遠くまで見渡せる。
「あのね、その古い家壊されてるの見てた時、アタシも新しくなろ、って思ったんです」
「学校で、女の子からラブレターもらっても、なにも嬉しくなくて、いつも目がいくのは男の子ばかり……ずっと悩んでました。自分がおかしいって気づいてから……で生まれてからずっと住んでた家が壊れてるとこ見て、アタシの中でもなにか壊れました。こだわっててもダメなんだ、正直になろって……」
リサは、その話をかつての家があったこの場所でしたかったのだろう。
テーブルの上で日本茶を淹れてくれてる。
「やるせない話しだね……」
「……だんだん、アタシとおんなじヒトがいるってことわかって、少し気持ちラクになりました。自分だけじゃない、ってスゴク大切。でも誰にも言うことはできなかったけど……」
リサの淹れてくれたお茶、キチンとした所作だった。親の躾だとしたら、彼女を女の子として扱い認めていることになる。
「ご両親は?理解してくれてるの?」
「………今日ここに来たのは、葬儀に行くつもりだったんです。……子供の頃、アタシを可愛いがってくれたおじさん、父の弟なんですけど、病気で亡くなったんです」
「アタシは喪服レンタルしてここに来たんです、母も準備してくれてて……でも……父が、どうしても連れて行きたくないって……大喧嘩しました。でも父の気持ちもわかりすぎて……」
リサが涙ぐんでいた。
自分らしく生きようとすれば、するほど、軋轢を生むジレンマ。
オレは彼女が愛しくてたまらなくなった。リサの隣に座って、肩を抱いてやる。
「……忘れさせてください……」リサがオレを見てそう呟いた。
リサが立ち上がり、服を脱いだ。ソファーの傍らに脱ぎ捨てる。薄いピンクのレース。股間を見てしまうが違和感はない。
オレも服を脱ぐ、マリのコンバットパンツの入った紙袋に睨まれた気がしたが、それを脱いだ服で隠した。
唇を寄せる。女の子の可愛い唇。身体が触れると、甘い香りが漂った。
リサから口をつけてきた。柔らかな舌が探ってくる。リサの背中に手をまわす。なめらかに手がすべる。キメの細かい肌。下着の上から尻を撫でる。
見えてなかった下着の後ろ、尻たぶに指が触れた。Tバックを履いてる。尻の割れ目を指でなぞり、より深く、より下に向かう。谷間の奥に狙いを定め、レースの紐をずらして、リサの肛門を捉えた。
キスしていたリサが口を離して、あっと頭を上げた。それにかまわず肛門の襞を撫で回す。
「ダメぇ……そこ……」
リサがオレを見て眉をへの字にしてる。
リサの股間の硬いモノがオレの太ももにあたるのを感じた。そこに手を伸ばす。良かった、オレのモノよりひと回りサイズは小さそうな勃起。オレより大きなモノだったら、とついさっき思ったところだ。
またリサが口を合わせてきた。リサの下着のヘソの下、ウエストの隙間に左手をすべらす。
すぐ、熱い勃起の亀頭を捕まえた。左手で自分の勃起を掴んだような感覚。
しかしオレのショーツには別の手がすべり込んでいた。リサの華奢な指がオレの勃起をやさしく揉んでいる。お互いの勃起を揉みながら、お互いの下着を邪魔に思っていた。
リサはオレのショーツ邪魔じゃないのか、そのことをリサに聞いてみよう。リサの肛門の中に軽く指先をいれてみた。そのタイミングでオレは離れぬようにリサの口を強く吸い込んだ。舌をリサの舌にネットリ絡ませてやった。
「ハァ…ハメハァフ……」リサが口を塞がれたまま、何か伝えた。
充分わかった。オレのショーツも邪魔なこと。口を離してあげた。
リサは、ハァハァと息を上げている。ルージュの周りの輪郭が少し崩れている。よだれも垂れていた。
「………もう…….意地悪……こっち来て」
リサに手を繋がれて別の部屋に伴われた。
眼下に可愛い尻が揺れて見えた。歩いて歩を重ねれば、自然にTバックの紐も谷間に食い込む。
それがたまらなく可愛い。
リサの部屋、どう見ても、女の子の部屋、ピンクのベッドカバー、リサの下着より濃いピンク。
「まだ……男の子……付いてますから」リサが全裸になった。
そこだけ見なければ、完璧な美し過ぎる女の子、だが股間には隆々とした勃起。
その姿がとてつもない倒錯を煽る。
耽美至上主義、美しければ、もう男も女も関係ない。
オレはリサの前にひざまづいて、その勃起を咥えた。
すぐに玉袋、睾丸のないことに気づいた。あるべきところにない。
女たちがオレにそうしたように、リサの股間にかしづいていた。
勃起の匂いを嗅ぐ、自分のと変わらぬオスの匂い、しかし、気のせいか甘さが加えられている。発情したオスだけの匂いではなく、甘酸っぱい香り、女の匂い。
そっと亀頭を口に含む。
どうされれば、心地よいのか、オレが一番知っている。
オレが女からされて、いい事、それをリサにした。リサは、オレの舌を勃起で味わってくれてる。リサの肛門に指を伸ばす。足の幅をほんの僅か開いてくれた。勃起をしゃぶりながら、指先が肛門の皺に触れた。またやさしく中に押し込む。
「アッ……きたァ……」
オレはリサの肛門に人差し指を入れたまま、左手をリサの膝裏にしっかりあてがう。右腕はリサの腰にあてて立ち上がり、リサを持ち上げた。
ベッドまでの数歩の短い距離、リサの華奢な身体、勝算はあった。
尻の穴に指を入れられたまま、リサはベッドの上に運ばれた。途中、あ、あ、とリサは正確に2回、声を上げた。
一瞬の不安な表情、すぐにベッドの上に下ろされ、それは消えた。
リサの尻の下に潰されているオレの右手、それをリサに思い出させるため、肛門の指をクイクイと動かしてやった。
あっおしり……リサが思い出してくれた。肛門に指が入りっぱなしだったこと。
右手をリサの正面に動かす。中には指を埋めたまま、リサの右足の下をくぐる。指先がリサの腸壁をいやでもグルリと掻いてしまう。
ああっ、手をついて腰を浮かすリサ。そのせいで勃起がオレに近づいた。そのまま咥えてやる。
ダメ……リサがベッドに倒れた。肛門の指の動きを速めてやる。勃起を舐める速度はゆっくりと、この前後の時間差、オレがやられたら、好きなこと。
リサがオトコなら、そこもいいはず、前立腺のポイント、指先をそこに押し付けていたら、すぐにリサが反応した。
「アッアッ……そこ……イクイク……イッちゃうゥー」
そっとリサから指を抜いて、指先を嗅いだ。男も女も変わらぬ匂い、オレを興奮させるリサの恥ずかしい匂いがツンとした。
いやらしい匂いにオレは、その匂いの元を確認したくてたまらない。リサの両脚を抱えて尻が真上にくるまで上げた。
リサの勃起の先端はリサの顔の方向を指している。カワイイ女の子の持ち物ではない。
すぐ真下に、リサのオマンコ、オレの好きな場所が見えた。
放射状の淡いシワ、そこから円の中心まで、褐色のグラデーションが彩色されている。
神は、そこが性器になることを知っていて、リサに色を施し、形を与えたのであろう。
その美しさにオレは、しばらく見惚れていた。
「ヤダぁ、ずっと見てる……恥ずかしい……」
脚を抱えられたまま、動きを止められ、リサは羞恥を訴えてきた。
「リサのここ……スゴク、キレーだよ、つい見てた」
「アタシの…….おしり?」「ああ……ここ…」
おもむろに舌を伸ばす。ゆっくり口を寄せていく。どこをどうされるのか、リサはそれを予感してる。オレの舌が肛門に届く前から、リサの美しい顔が顰められていた。
舌の到着後は、さらに眉間のシワが深くなり、ングゥングゥと嗚咽が洩れる。
オレは神の芸術作品のひとつを、畏れ多くも、口にして汚す禁断のよろこびを感じた。
それほどに、丁寧に、やさしく、慈しみを込めてリサの肛門を味わっていた。
「ヤダ……ナニそれ……アアンッ……舌がっ…スゴイ……ああ……」
口を離すとリサの肛門は、オレの唾液の溜まりができていた。
放射円がスッカリ濡れて、中心に唾液が多い。オレの身体がリサの腰から背中をしっかり支えてブロックしている。
オレはリサの尻たぶを開いたり閉じたりして、その肛門の開閉を強いた。
案の定、最中心は唾液の溜まりをクチュッと飲み込んでしまった。
その中心に真っ直ぐに真上から狙いを定め、人差し指を押し込んでやる。
「あ、あああ~」もうリサも驚きはない。安らぎの声を上げる。
オレの唾液のせいで、指は楽々動ける。さっきより湿って熱も帯びてきた。
穏やかに腸壁を弄っていく。
リサの内部粘膜で唯一の生殖器官、リサはここでしか受精できない身体だ。大切に指を動かしてあげた。
左手でピクピクしていたリサの男の子を扱いてあげる。
それも肛門に負けず劣らず熱を帯びていた。上に上がるのを拒否して、少しでも腹につこうとしている。睾丸の消えた跡は全くわからない。生まれた時からリサのそこには玉袋などなかったようだ。
「イ、イ……フグッ……ね、もう、また……あ、ホラ…」
女が気をヤルのとおんなじ顔、ケツマンコは鋭敏になってる。
「……もう……いっぱいイッちゃったよー…今度アタシしたい~」
リサもオレの色んなとこを味わいたいのだろう。オレは指を抜いてベッドに仰向けになった。
はい、これ、枕を頭の下に敷いてくれた。
リサも男のツボを心得ていた。オンナなのに女とはひとあじ違う舌遣いで、オレのポイントを捉えてきた。
「もう……いれてください……アタシに……」
リサが懇願してきてオレは応えた。
「リサのオマンコに入れるよ、スケベなオマンコに……」
お尻ともケツマンコとも言わず、オマンコと言って突いた。
リサは涎を垂らして歓びをあらわしていた。具合のいい尻にオレは耐えて、リサが気をヤルのをみて果てた。そのあとのシャワーもリサが念入りにオレの身体を洗ってくれた。
帰り際、コレアタシの店の名刺です、とケータイの番号を記して渡される。
「……彼女サンと一緒に遊びに来てください、待ってるから……」とキスされた。
エレベーターを降りて湯島の駅に見当をつけて歩いた。
西陽が眩しい。
リサは、オンナとしてマリと昵懇になれるだろうか、マリを連れてリサの店に行っても、ギクシャクとしていれば、お互い楽しむことはできない。不毛の時など過ごしたくない。
夜、帰宅したマリは、コンバットパンツを早速履いて、おお、理想100%だ、と喜んでいた。
オレは今日のことを包み隠さずマリに話した。ナニしてもいいけど、ウソつかないで欲しい。
隠すなら墓まで隠してね、と言われていた。
お昼、焼肉食べれたの?と聞かれ、今日の顛末を全部を話した。
「ふーん……そんなことあったんだ…すごいドラマチックだね……でも聞いててなんだか切ないし……」
さすが、マリだ。話して良かった。オマエ、そのコの店に一緒遊びに行く?と聞くと
「うん、行ってみたい、……きっとそのコと仲良くなれる……あたし」
マリとミズキのような関係になるのでは……と思った。
「ね、……エヘヘ……で、どんな風にエッチしたの?ね?おしえて……」
マリがオレを押し倒してきた。
他のオンナとのことがわかると、怒ることなく、いつもこうなる。
マリの寛大過ぎる特殊性癖……。こういう時は、しっかり相手をさせられる。
そのうちリサの店に行ってみてもいいかな。オレはそう思った。