店に行くのは久しぶりだった。頃合いを見て仕事を終え、タクシーで六本木へ向かう。
週末なのに雨のせいで人が少ないかと思ったが、六本木交差点に近づいてくると色とりどりの傘が花を咲かせていた。コンビニ前で車を止めてもらい、そこから歩く。
同伴とおぼしきカップルとすれ違う。
男の持つ大きな傘に美しい顔立ちの女が寄り添っていた。どこかの、クラブの女の子だろう。年齢を推測ってみる。
「だけど、今の時期ってどうなのー」女の言葉の切れ端が耳に入ってきた。
沖縄、もしくは南の海のことなど話していたのだろう。
振り返るとタイトなワンピースの尻が歩調に合わせて揺れている。いい尻だ。
下着ラインも浮かんでない。Tバックのエロいのをケツに食い込ませてるんだろう。
すまし顔で尻振って歩いているが、どうせ、エロい匂いさせてるんだろ。つい目で追ってしまった。
この街に来るといい尻をした女の比率がグンと高くなる。
男を惑わす尻の女たちが吸い寄せられてくるのだろう。
銀座や新宿などと何が違うのか、明確には言えない。だが、六本木特有の街が醸すエロティックさは独特に思える。
銀座は格式高くお澄ましている。その実は、イチバン欲深いのになかなか本性を見せない。
新宿は開けっぴろげに欲望を曝け出し過ぎている。秘する心、侘び寂びのかけらもない。
この街は、あくまで上品にその内を隠しながら、一枚ベールをめくれば、淫らな欲を唸るように剥き出しにしてくる。そんな感じがする。
だから、夜の帷のおりる頃、ただ歩くだけで胸が小躍りしてくる。
都内で一番セクシーな街。セクシーさではNYにも決して引けをとらない。
店内は適度に客が占めていた。まだ時間は早い。見知った黒服がうやうやしく寄って来て、困惑気味に指名を聞かれた。いつもなら何も聞かれずマリが座る。マリの不在の来店をどうしたものか、と思っているのだろう。
それに半年くらいあけた来店でもある。マリから気が散るから気軽に店に来ないよう言われている。
黒服にミズキ、と言いかけてミナをと伝える。ミと発音して続けたから問題はない。源氏名を憶えていて良かった。
足繁くこの店に通っていた頃、マリとのアフターにミズキやエリも加わることがあった。
店内ではお互い源氏名で呼び合うが、外では本名で呼び合う。そのやり取りは実に見事で、そのことを楽しんでいる風にみえた。
彼女たちは立派な女優だと感心した。
本名で呼び合う仲というのもごく限られた、この3人だけのことらしい。
結果、オレもそれに倣い本名で呼ぶのに慣れた。
3人の関係が特別なことが、窺い知れる。
ほどなくウイスキーのボトルセットが運ばれて来た。国産のお気に入りのボトル。
黒服に伴われミズキが近づいて来た。
いつもよりウェーブの強い髪、幾何学模様のワンピースが似合っている。
怪訝な目、でも手を小さく振って笑っている。ここは女優の舞台だ。
挨拶をして隣りに座る。フツーより距離を置いている。
水割りを拵えながら、なにどうしたの?と聞いて来た。
「マリ、今日いないよ…知ってるとおもうけど……」
「ああ……おまえに話しがあって来た」
「ん?」
ミズキの目が一瞬見開く。
「なぁに?……あたしに話しって、わざわざ店まで来て……」
このワンピースの下の胸、手にちょうど収まる。
ミズキのカタチのいい尻も何度も嗅いで味わった。この前はペニバンで掘られもした。
全てが艶かしい。
「改めて店でこうして見ると、おまえいい女だよな……」
「ナニそれ!……あたしを口説きに来たの?…」
あはは、とミズキは笑いながらマドラーをかき混ぜている。
「いや、感心して褒めてる」
「ありがとうございます……」
「あのさ、……おまえ女の子好きだよな?」それがこれからの本題になる。
「……」
ミズキは拵えた水割りをオレの前に差し出す。質問には応えず。
「あたしも、飲んでいい?」接客言葉ではない。女優を諦めたようだ。
「頼めよ……」
黒服を呼び、モエシャンロゼ1本とミズキは伝えた。高い酒は入れない。
「どうせシラフで、聞けない話しでしょ……シュワシュワ飲んで聞くわ…」
ズバリ的は射られた。
最近、マリはめっきり店に出勤する数が減った。
かつてはいい売上を上げていたが、ヨガスタジオのオープンが現実味を帯びて来たようで、それに向けて忙しくしている。オレもいくばくか投資した。いやマリにくれてやった。
シャンパンの栓を黒服が何かの儀式のように開けて去った。
グラスを交わして一杯めをミズキがサイダーのように飲み干した。
「あーおいしー、やっぱこれ好き」もはや女優の面影は完全にない。
「で、どうしたの?」手酌で注ぎたしながら言う。
オレは、アランからの依頼にオレの欲をプラスした目論みを話した。
アランはフランス人のセクションは違うが、同僚である。
マリを伴いアランのパートナーのクレアとスワップをしたこともある。
そのアランが2カ月ほど本国に帰国することになった。家業の貿易の仕事に大きなトラブルが生じてそれの対応を父親から泣きつかれ頼まれたらしい。
会社は長期の休暇を受理したとのことだが、財務系なので許されたのであろう。
日比谷の英国パブに呼び出せれ、アランは英語を使わず日本語で切り出した。
「クレアをタノミタイ」
「?!……何を言ってる?アラン」
「ダカラ、ワタシのイナイアイダ、クレアをタノミタイ」
スワップした時のクレア、はじめて抱くフランス女だった。
あの時、オレのが硬い硬いと喜んでいたクレア。アランの巨大なイチモツが浮かんだ。
フランス人のアラン、いい奴だが、やはり異国の男。
マリ欲しさのスワップも仕掛けてきたが、今度は不在の最中の恋人の面倒までみろという。
「クレアはオマエをライクシテル。イツモイウ、HeisHARD、ダカラオネガイスル」
理解しにくい話しだったが、フランス人は性生活に大きく重きをおいている。
フランス人が世界で一番エピキュリアンだといわれてもいる。
自分の不在の間、クレアが見知らぬ男と結ばぬよう、健全にその性欲も満足させたい。
一度交わっただけだが、クレアの性欲は、旺盛なのがわかる。
その一度の交わりがある。それにおまえなら信頼できる、とオレに白羽の矢を立てたらしいが、性欲の強いフランス人ならではのリクエストだ。
あの時も感じた、セックスの開放感、スポーツの試合をしているような潔さ。
日本特有の湿り気など微塵もない。
文化の違い、恋人へのスタンスの違いは明晰だった。
「オマエナラ、イイ、オレモクレアモ」
切実なアランのクレアへの愛を感じた。その切実さに絆された。
クレアを抱いてやればいいだけ。コンドームは忘れるな、アランに念を押され、クレアの連絡先を教えられた、クレアにもオマエの連絡先伝えていいか、と聞かれ承諾した。
で、ここからオレが脚色した。クレアは魅力的だが、そこに女を加えてみたかった。
マリではない。すぐミズキが浮かんだ。
マリとミズキの絡みが脳裏に織りなした。
ミズキは女の子が大好きだ。
ミズキにクレアを与えたら曼荼羅模様はきっと複雑になるだろう。
そんなエロチック・プランニングをミズキに話した。
マリとのスワップのことから全て順を追って伝えていく。
興味深いのか、ミズキのグラスは空のままになってる。
ひと通り話しを聞いていたミズキは、
「で、その、クレアって子……可愛いの?」と触手を伸ばした。
「もちろん、日本語はほとんど話せないけど」
「えっフランス語なの?」
「いや英語でやり取りできる」
「ふーむ……OK…その、フランスの子とエッチね」
ミズキらしい、即決してくれる。
近くにまだ客もいないから、気負うことなく話せた。
ミズキが断ることはないだろう、女好きに女をあてがう。断る理由などない。たかを括っていたが、思惑通りになった。
話題はミズキのセクシャリティに触れた。せっかくのミズキとふたりきりの機会。
「ミズキはどっちが好きなの?」
「完ビの子から(なんちゃって)だと言われるけど……ホントどっちも好き。可愛い女の子見てもムラムラするし、男のもしゃぶりたくなる」
絶対周りに聞かれたくない。
「人間、全部を愛して、好きなんだな……」
「うん…そうかもね~、街で可愛い女の子見ると、あっあの子かわいい……お尻見たい、キスしたいって思うし、そそる男見てもおんなじこと思っちゃう……」
やはりミズキのセクシャリティは壮大だ。オレもまだまだだ。もう聞くことはない。
セットの時刻が迫ったことを黒服が伝えに来た。チェックをしてくれ、と言いミズキに残りのシャンパンを注いでやる。
「さすが、変態に見えないド変態……いいこと思いつくよね~」
このフレーズは前にも言われた。ミズキの中で定着している。
「オレは変態に見えないか?」
「うーむ……ドノーマルに見える。つまんないAV見ても興奮しちゃう男…」
「そういうのはヒトそれぞれだろう……」
「……あたしは、そういうのつまんない、もっと深くエグいのがいい……」
話しが弾んでいると見られたのか、黒服が割りいるタイミングを見ている。
手を向けて呼ぶ。カードと控えを受け取って立ち上げる。
「どうもご馳走様でした……」ミズキがケレン味たっぷりと言い後ろについてくる。
エントランスで、またいらしてくださいね~と女優に戻っていた。
エリがいなくて幸いした。いたら、到底この時間では切り上げられない。
長いしてミズキの動向を見ながら、エリも無碍にできない。マリもいないのになぜ来てるんだ、と思われるのも面倒だ。
クレアは夜ならいつでもスケジュールは空いている、ダーティな夜を楽しみにしてるとメッセージを送って来た。女の子を連れて行っていいか?と聞いた。
マリ?No、バイだと伝える。okeyあなたいるなら楽しめる。それで終わった。
あとはミズキ次第ということになる。平日がいいだろう。
ふたりに確認して日付けと時間を決めた。
マリには、その全てを話した。
「クレアとふたりっきりで会うよりは、ミズキがいた方がいい……あたしも行きたい……」
「来ればいい…」
「…………やっぱやめとく…見たいんでしょ?女の子どうしのやつ」
「ああ」
「ホント……エッチなんだから……」
マリが明らかに欲情してキスして来た。
マリは自分がその場にいないことで、想像を膨らませ、敢えてひとり喜ぶことを知っている。
倒錯してるくらいの寛容さ、奔放な性。
その聖母のような許容、それが相手と自分を幸福にすると、本人も知らずにいる。
このマリの賢く見える立ち回りは、周りの人間になかなか理解されがたく、ズレた子と思われがちだ。
だがふたりの女の子、ミズキとエリは、マリのその天性のポジティブさを好いている。
若い刹那の生きることを存分に楽しんでいる魅力的な女たち……。
「ね、お願いあるの、その時ね、ムービー撮って来て…‥見たい…あたしも」
抱いてくれ、という目をしている。オレなど及びもつかないスケベだ。
逆の立場ならどうだろう……アランたちとのスワップ、マリがアランの大きさに辟易していた顔、オレは、マリの尻が嗅がれているのを見て興奮していた。
嫉妬と包容のせめぎ合い。きっと、嫉妬が勝ってしまう。
もしマリが、男ふたりの交わりの場にひとりで参加するとなったら、オレは迷わず付いていくだろう。
女の底知れぬ性欲を満たせてあげられるかな、と思いながらオレはマリの髪をといていた。
クレアが和のしつらえが喜ぶだろうと、日本橋のコンドミニアムを予約した。
アランたちと共にした場所である。
都心部のホテルからすれば、格段に広く、それに照らし合わせるとリーズナブルである。
夕食は以前に行った寿司屋を予約した。若い店主が気の利いたものを食わせてくれた。
この界隈には旨い寿司を食わせる店が多い。
クレアがわかる待ち合わせ場所を指定するのに苦労した。
日本橋のこの前会った所と言っても、全く要領を得ない。
寿司は食えるか、聞くとそのために日本に来たと言っている、こちらは問題ない。
結局、半蔵門のクレアのオフィスまで迎えにいくことになった。
彼女が東京の地理を理解するには、まだまだ時間がかかるだろう。
クレアの指定場所へタクシーが着くと、黒のコートに黒のトップス、赤いベレー帽のスタイルのクレアが立っている。フランス人を見紛うことないスタイル。よく似合っている。
そのままクレアを拾って日本橋へ戻る。
ミズキに連絡すると、ちょうど向かっているという。
なんかキンチョーするわ、とメッセージして来た。
ミズキとも合流し寿司屋に向かって歩いた。
昼の仕事帰りのミズキは髪を束ねて、OL然として黒のバーキンだけを際立たせている。
この前のマリとの3Pが夢でも見ていたようだ。
それに六本木の店の姿ともまた違う昼の顔。女の子の七変化は恐ろしくも楽しい。
ミズキは、クレアを一目見て、うわー可愛い、と目を輝かせていた。
少しなら会話できるというミズキ、オレはFuck…you…ass以外のミズキの英語を聞いたことはないが、ふたりはすぐ意気投合してくれた。
まずは第一関門をクリアした。この分なら通訳係も必要ない。
寿司屋の前まで来ると、クレアがその佇まいに歓声を上げた。
ミズキもいい店だ~入る前から美味そうと、涎を拭う仕草をみせる。
それをクレアに英語で伝えてる。少しブロークンだが、クレアにも伝わりふたりで笑っていた。ミズキは何処かの外人からベッドの上で英会話を学んだのだろうか、ふと思った。
殻付きのウニをクレアは懐かしがり好んでいた。
日本人しか食べないと思っていたが、フランスでも海側では食すらしい。
店主に嫌いなモノあるかと聞かれ、英訳してクレアに伝えた、全くないとこたえ、ミズキはオバケです、とこたえた。それをクレアに伝え笑っている。
3人で日本酒を飲みながら夕食を終え、コンドミニアムへタクシーで向かった。クレアはこれこそ日本の寿司だ、と称賛し、ミズキもそうそうと相槌を打っていた。
和風の広い部屋でゆったりしている。アランから連れて来られ、アットホームで気に入っている。
飲み物がないことに気づき、出かけて来ると伝える。それぞれの要望を聞いて買いに出る。
出際にミズキが追いかけてきて小声で聞いてきた。
「ねぇ、ねぇフランスの子って、お尻ありなの?」
オレは腰が砕けそうになったが、ミズキは真剣な面持ちをしていた。
「大丈夫、フランスは本場だよ」と教えてやる。
なにか娼婦を斡旋するポン引きとオヤジの会話みたいだった。
声をひそめる意味あるのか、と思ったが、ミズキの心がそうさせたのだろう。笑いが込み上げる。
部屋に戻るとリビングにふたりの姿はなく、和室の布団の上にふたりはいた。まだ着衣のまま抱き合っている。雪見障子が都心にいることを忘れさせる。
さすが、ミズキ、セックス・リーダーだ、と見ていたら、ふたりと目が合う。
マリのお願いを思い出し撮影してもいいか尋ねた。
クレアは全く問題ないとジェスチャーしながら承諾し、ミズキはマリが見たいんでしょ、と図星を当てられた。これで全てのお膳立てが整った。
ミラーレスの一眼で女たちを追うことにする。小さな三脚もある。さっきはポン引きで、これからポルノ監督だ。
あとはミズキにお任せするとしよう。
オレは買ってきたバドを飲みながら、女たちを眺めていた。
ミズキが、クレアの服を脱がしている。クレアは含羞んで時折オレを見ていたが、だんだんミズキの愛撫に集中していった。クレアの美しさ、ミズキの艶っぽさ、かなり上質なポルノが撮れるだろう。
ふたりの尻が露わになった。まだ裸ではない。
クレアは黒、服も全部黒だった。ミズキは赤のGストリングスの上下。
Gストのショーツは、性器を覆う布地などほとんどない。
尻の谷間に引けば切れそうな細い紐が挟まっているだけである。
洋服にラインをひびかせない、にしても、下着としての本来の機能などは放棄している。
クレアの桃のような尻、ミズキの張りのある尻、そこに食い込んでいる紐に目が行く。
マリとの行為、オレはいつもTバックの紐を確認する。
ちょうど肛門に張り付いていたであろう部分、脱がすにしても、そこのシミや匂いをチェックしてしまう。最初はマリに、変態!と言われていたが、臆せず見て嗅いでの毎度のことに何も言わなくなり、自分で脱いでほら、嗅いで、と渡されるようになった。
自分の肛門の匂いで、興奮する男、それを見てマリが興奮した。
マリの健康状態、体調がその細い布部分に出ていることもある。
その細い尻紐を勃起したものに巻き付けられたこともある。
やだぁ、この前のトリチャーシューみたい、美味しそう、と紐が巻き付けられたモノをマリに咥えられた。
オレにとって、この尻紐は、相手とのまさに赤い糸のようなものだ。
ミズキはクレアを気に入ったようで、念入りに舌を這わせている。
異国の可愛い女を味わい尽くそうと、自分の股間をさすりながら舌を使っている。
やはりミズキを呼んで良かった。
クレアはその愛撫を甘受している。アランが渡仏してひと月になる頃、性欲も溜まっているだろう。オレに見られていることも少なからず興奮材料になればいい。
クレアが気持ちよくなってくれれば、今日の目的は達成する。
あの時、アランに責められているマリを、クレアはカワイイ、カワイイと連呼してキスしていた。
今回もこの目論みをアッサリ受け入れてくれた。クレアもまたミズキ同様男と女の垣根などなない所で快楽を得ようとしている。
ミズキは、女の子のお尻が好きだとオレは何度も聞いた。男ならそこにペニスを入れて味わえる。しかし女はそこに指や、せいぜい道具を入れることしかできない。
ミズキはこの前、マリと抱き合い、マリの尻に入れた指を嗅いで、「トリコになる匂い」と言っていた。マリを慈しむ思いが発したのだろうが、このミズキのセクシュナリティにはいつも驚かされる。マリと違う種類の寛容さ、そして複雑さ。
ふたりの唇がお互いを求めている。クレアも気が乗ってきた。
ミズキも負けじとそれに向かう。
女同士の鬱々たる絡み合い。爬虫類、そう2匹の蛇がトグロを巻きながらヌルヌルと互いの肌を密着させてるようだ。
ミズキの手がようやくクレアの尻に伸びて谷間に入る。
その指先は、ここから見えぬが、クレアが声を上げているから、どこに到達したかわかる。
クレアは尻好きなフランス男アランから、そこを存分に可愛がられているのだろう。
ミズキの指は、あくまでもやさしく動いている。オレへの扱いとは違う。
ふたりの乳首と乳首が触れ合う距離、クレアの手もミズキの尻に伸びた。
ミズキのスレンダーな肢体がビクンと一度動いた。
カメラのファインダーを覗く。
実像より明るくふたりが見える。真っ白な肌と、それよりも色を含んだ肌、どちらもしなやかさは引けを取らない。
キャスティングは大成功、脚本などいらぬフリーセッション。
淫らな即興劇はクレアの方が先にへたり込んだ。
そのクレアに尻を向けてミズキは跨り、腰を下ろした。
クレアの鼻先にミズキの股間、ミズキはクレアのクリトリスを舐めている。
クレアもミズキの同じエリアに舌を伸ばしている。
カメラを持って間近に寄る。
クレアはこちらを見ながら舌を動かし続けている。
ミズキのプッシーの襞とクリトリスが濡れそぼっている。薄茶色の肛門も見える。ズームUPして反対の側に回る。
クレアのプッシーを舐めているミズキ、オレの気配に顔を上げる。
セクシーな顔して中指を立てその指先をクレアの肛門に押し込んだ。
ズブズブ指を飲み込むクレアの肛門。OH!とクレアも洩らす。あくまでやさしく指を動かしてミズキが言う。
「マリ、見てる?ほら、いいでしょう、こうしてもらいたいでしょ……」
アドリブは、いずれ必ず目にするであろうカメラの向こうのマリへ向けられていた。
そのミズキが、あっと声を上げる。何事かとクレアに回ると、ミズキの肛門に指先をめり込ませている。同じ動きをしてお互い高めようとしている。
白と黄色の人種を超えたメス犬の姿態。ファインダーを覗くのがもどかしいテントを膨らませたカメラマン。
彼女らは仕事を終えてそのままここへ来た。入浴はしていない。ありのままの匂いを内包しているはずだ。この女たちのケツの匂い嗅ぎたい。カメラを椅子の上にセットして、クレアの元に寄る。ミズキの中に入れてる指を取り上げ嗅ぐ。
ツーンと甘美な刺激が漂う。Wow!lewd!スケベと言われた。そのクレアの唇を奪う。
やっとオスが来たと言わんばかりに舌を絡めてくる。
ナニが起きたか、知っているだろうミズキにも向かう。
ミズキは黙ってクレアの肛門から抜いた指先をオレに差し出した。ほら、大好物、と鼻に押し付けてくる。
それはヨーグルトのような香りがプラスされた刺激だった。ミズキもそれをクンクンしている。
「やっぱり、お尻の匂いもビミョーに違うんだね、国が違うと……でもエロいわ~」と口に入れ舐めている。異人種間の肛門臭のテイスティング。なかなか貴重な経験。
Oh…Nooo、!!!everybody…smells…my…ass.(みんなでアタシのお尻嗅いで)とクレアが言う。
くんくんと鼻を鳴らしてる気配を察知したのだろう。アランからいつもされてるだろうに。
ミズキはプッシー担当で、指に唾を付けて擦ってる。オレはクレアのココア色の肛門担当だ。ミズキより太い指、真っ直ぐに挿れる。指の違いを感じてit’okeyとクレアが満足してるようだ。
クレアの白肌に肛門の周りだけのココア色が卑猥だ。ミズキとキスをする。久しぶりの唇。思い切り吸い尽く。
どちらからともなく体系が崩れ、ふたりは横になる。クレアの股間にミズキが顔を張り付けている。
オレはミズキの背後に回ってその尻に顔を埋めた。
この前の六本木の店以来、ずっとムラムラさせていた思い、それに今日のOL仕様のミズキ……それをぶつけた。ミズキの肛門に鼻を擦り付けてたしかめる。いい女なのに、こんなケツの穴匂いさせやがって……その匂いを舐め尽くす勢いで舌を動かした。
そのミズキもモードが高くなり、クレアにぶつけてる。
ふたりの言葉にならない嗚咽が重なってる。
オレはミズキの尻にぶち込むことしか頭になかった。薄茶色の肛門に。
苦しそうに腫れ上がってる勃起、もどかしくミズキの肛門にあてがい押し進める。
もう何度も入れてるはずなのに、いつまでも厭きることはない。
ニュルッと腫れ上がった亀頭を食べてくれたミズキ、あんって言ってくれた。
ワセリン持ってきてるけど、不用な肛門。なかは湿ってヌルヌルしてる。
仕事終わりの腸液が染み渡った状態。
だからスベリもいい。
朝シャワー浴びても時間とともに腸液は浸潤していく。
肛門内に適度に潤いを与えてる。それが尻の匂いのモト。
「ミズキ……おまえのケツ、いい匂いしてるぞ」
勃起を突き動かしながらミズキを褒める。
「……そう……夕方のお尻だもん仕方ないよ……あん……硬い~…」
………そりゃ硬いさ、おまえがエロいから。
おまえも夕方のケツ臭いって知ってんだ。ズンズン突く。
「この前、店行った時から、ずっとこうしたかったんだ……」
もう撮影のことは飛んでる。
ミズキがカレンより、自分の尻に意識を寄せてしまったのだろう。
カレンへの愛撫がひと段落してしまい、オレの方へにじり寄る。
「Oh…my…gosh!nice…assfucking………」(あら、あら、お尻ズッポリ)
大袈裟に羨望してる。
「イヤァ、ソーグッド」
カレンを楽しませてやらねばならぬが、どうにもミズキにムラムラして仕方なかった。カレン頑張りますから待っててください。
そのミズキは枕を抱え、尻を上げてる。
カレンが唇を寄せてきた。たっぷりと応じながら、カレンの尻に手を伸ばし肛門を探ってやる。すぐに窄まりを指が捉えた。
「butt…in…later.………」(後でしてね、そこ)
魅惑の目で囁く。してやる、してやる。
オレがイチバン楽しませてもらってる。
「Lickme」唇を離して乳首を指した。カレンはyeahokeyと舌を伸ばしてくれる。
敏感になってるオレの乳首、フランス女の新鮮なバキューム。
あん、思わず女のような声を出してしまう。乳首はヨワイ。
ミズキの尻にズンズン押し込む。
右の人差し指はカレンの尻たぶを割り肛門に埋め込んだままだ。
「あああ、……久しぶり……これ……お尻…いっちゃう、いつちゃう……いくぅ」
ミズキが気持ちよくなり肛門が縮まった。
オレもイクわ、ガマンできない。高速再生のよう腰揺らす。
イってる最中のミズキが身悶えた。
「ダメ…ダメ…………それ…それ…………ああん」
その言葉に勃起がビュウビュウ鼓動してミズキの腸壁に噴出した。
「あ~ん、きてる……」
ミズキの身体に力が抜けた。
オレも放心した。ミズキの脇に身体を伸ばす。Good!カレンの声聞こえた。
ごめんなさい、カレン、イっちゃいました。復活しますからちょっと休憩。
カレンが萎えかかってるオレのを舐めてきた。ミズキの尻の匂い染みついてるヤツ。
「smell…so…good……」(いい匂いしてるよ)
やっぱり、フランス女はすごい。そう思っていたら、脚を持ち上げられ、オレのケツにもクレアは舌を伸ばしてきた。今出したばかりなのに。
「Give…me…a…break.‥‥…please………Claire‥‥…please」(休ませてクレア)
クレアはオレのケツの中まで舌を入れてきてモゾモゾ動かしてる。チンコを復活させるには、どこをどうしたらいいか、知っているようだ。
さっさとイってしまったオレを怒ってるのかも。
ミズキが自分の尻をティッシュで拭いている。オレの精子が出てきたのだろう。膝立ちで尻を拭きながらオレを見てる。
「久しぶりのアナル、良かった……、クレア、きびしいね……そのまま連続させられて…」
ミズキが笑ってる。
クレアは日本語を理解しない。黙々とオレの股間にしがみ付いてる。
「あたしも、クレアを応援したげる………Me…too…join………」
ミズキがオレの乳首を舐め回す。さすが、オレが好きなことを知っている。
「あ、ふたりして……それは……」
オレは膝を曲げた脚を上げ、クレアの指を肛門に入り易く受け容れる。
乳首の舐め方、女によってやり方も違う。ミズキは思わせぶりな舐め方。
もっと舐めてもらいたいところで止めて、別の場所に向かってくる、歯痒さ。
クレアの口で咥えられていたオレのモノが、モソモソ様子を伺ってきた。大きくなっていいのかな、そんな囁きがする。間髪入れない2発目、さっきコンビニでイチバン値の張る栄養ドリンク剤飲んで良かった。気休めだと思っていたが、勃起にも硬さが出てきた。
「Claire!more………my…ass」(クレア、ケツもっと)オレは懇願した。
クレアが指を速めてくれた。その口の中で勃起が完成してる。
「あーら、……いいの?オシリほじられて……気持ちいいトコ…全部責められて」
ミズキが唇を寄せてきた。プッと乳首に唾を吐かれる。それを指で軟膏でも伸ばすように乳首に擦り付けられる。
「ああ……」声が漏れる。
「いいね、女の子みたいな声だして……」ミズキが本領発揮している。
クレアの口の中で亀頭が舌や喉に触れてるがわかるようになった。復活してる。
「Mmm……Haaa」(ムッハァ)そのひと仕事をやり遂げた、とクレアが顔を上げる。勃起が仕上がっている。
「Welcome…home」(おかえりなさい)勃起の復活へ挨拶する。
クレアはオレのを掴んでそのまま尻を下ろしてきた。ゆっくり腰を沈めてくる。どっちに入れるんだ……位置的に肛門だ。お尻に欲しいんだ。すんなり勃起を飲み込んだ。
「Wow……this…this…cock……yeah……fuck…in…ass」(このチンポいいの、ケツでするよ)
クレアは自分で腰を動かしてる。
「Make…it…harder…in…my…ass」(あたしのお尻の中でもっと硬くしてね)
クレアから念をおされる。
「Understood?」(いい、わかったの?)
と真顔でキスをしてくる。
クレアは自分のいい場所を探しながら尻を揺すってる。
可愛いヒトだ。恋人アランがいないから、異国の地で持て余した性欲、それを発散させるためにここに来ている。
「Are…you…good?」ミズキが聞く。
「……Yeah…He…hard.…fuck…fuck…my…ass…」クレアが腰を揺する。
一度ミズキの尻で抜いたから、モチの良さそうな勃起。
ミズキが自分の持っていたショッピングバッグからピンクの巾着袋を出してる。その中から
真っ黒な勃起、この前のペニバンである。
「ジャーン!持ってきたよ……」
「Wow……Strap-on……yeah」(あら、ペニバン)
「さすがミズキだ、クレアに挿れてあげて」
「え、…どうすればいい?どっちに?」
「そうだな、Claire、…just…a…minute.」(クレア、ちょっと待って)
布団をオレは壁に寄せた。そのまま壁を背もたれにしてクレアの背を抱く。クレアも尻を落としてオレのを肛門に飲み込んだ。これでクレアのプッシーにミズキが責めることができる。
ミズキはすぐにペニバンを装着して臨戦する。手慣れたものだが、あの日以降も使ったのかな。
クレアも前後2つの穴の同時刺激には耐えられないようだ。オレは背後から肩、首を舐め回してやる。ミズキはクレアの乳首を指で挟みながら、黒い勃起をやさしく押し込んでいる。
しばらくオレとミズキは、クレアにやさしくふたつの勃起を抜き差しした。
「Oh………come…come…fuck…in…ass…oh…pussy……yeah」(ああ尻もマンコもいい)
クレアの元に神様が来てくれたようだ。動きがとまる。
よしステップアップしてあげよ。
クレアの肛門に勃起を押し込んだまま、脚を持って四つん這いにする。途中一度抜けたがすぐ押し込む。クレアは歳を重ねても太らないのではと思わせる。骨格が華奢だ。しかし外国の女はわからない。美しかった女優が、見る影なくブクブクになったりする。
クレアはいま、全身輝くように最高の美しさを有している。クレアの尻の多いウブ毛が輝いてる。可愛いお尻で、日本の男の勃起を咥えている。
ミズキも膝立ちして、オレの乳首を舐め回してくれる。今日はペニバンを入れてこない。クレアを第一に考えてくれてる。一見、粗野に見せて繊細な女、ミズキ。左乳首にべっとりミズキの唾液、それを手の甲に擦りつけ嗅いでみる。ミズキの唾液の匂い、ツンとそそられ、勃起を硬くした。
オレはクレアの肛門を揺する。クレアの尻はやさしく勃起をくるんでくる腸壁、その均衡を崩すように掻き回した。すぐにクレアは声を上げて伏せた。
「No………come…come…come……come……Oh…yeah…」
クレアがさらに気持ち良くなってくれたようだ。勃起を抜く。
ミズキがあたしにもして、と尻を拡げてる。目の前で肛門で気をやった女を見て、ミズキもたまらなくなったのだろう。
ミズキの尻、薄茶色の日本の女の肛門に勃起をあてがい、押し込む。
「あっ、きた……」
何度もオレの勃起を飲み入れてるミズキの肛門。馴染んでいても新鮮さは失せない。厭きることなど決してないこの行為。
ミズキが上になる。クレアを真似て自分のいいように動きたいのだろう。日本の女の子の肛門は柔軟性が少ない。その分締め付けはキツい。
フランスの女の子の肛門は、伸びやかで柔らかい。そのためペニスをふんわり包み込む。
以前イギリスの女の子も同様だった。どちらも甲乙はつけ難い。クレアとミズキの尻の違い、そう思った。
ミズキは懸命に腰を上下させてる。その肛門にオレのをしっかり咥えて。
「ね……イこ、いっしょに……」
切羽詰まったような顔した、ミズキが珍しいことを言ってきた。
こんなしおらしいことを言う女ではない。
キスはせず、ミズキの口に鼻を入れる。もっとミズキの唾液を嗅ぎたい。いっぱい舐めてくれ、ミズキはわかったとばかりに鼻をねぶってくれる。こういう時、ミズキは勘良く相手の望みをかなえる。そうこの匂い、ミズキの匂い……。
ミズキ自身の鼻腔にも、ツンとした唾液の匂いは当然届いている。
自分の唾くささ、それでこの男は硬さと速度を増した。ミズキの肛門がそれを敏感に捕える。
「あ、イイ、……もうイク、イク、ね!……イクよ~」
ミズキがすがるような顔をした。それをみてオレも込み上げる。
「ああ、……オレもイク、ミズキのケツ……」
ミズキへの性欲を吐き出すことができた。
シュンと漏らしたような射精だった。射出の勢いはない。連続2回目はこんなものだろう。
女たちは連れ立ってシャワーへと向かっていった。
カレンもミズキを気に入ったようだ。
カメラは時間限度まで撮影してくれて止まっていた。うまく写っているといいが、少し再生してみる。キレイな画像が生々しい。
身支度を終えた女たちと部屋を出た。
結局数時間だけの利用をした部屋、コスパが悪過ぎた。
ルームキーを返す際、初老にかかる男から、3人の顔をしげしげと不躾に見られた。
オレたちの取り合わせが奇異に映ったのか、艶のあるミズキ、可愛いフランス女、とオレ。
チェックインして数時間で出て行く男女たち。
もうここを使うことはない。
タクシーを拾い日本橋交差点の近くで降りる。
クレアが一杯飲みたいと言い出したので付き合うことにする。
昼間は暑いくらいだったが、夜は心地よい。
テラス席のある店に3人座る。
クレアがチョイスした赤ワインを飲む。悪くない味だ。
夕食の寿司は、そのあとのセックスでとっくにカロリー消費されてる。
生ハムや前菜をオーダーしてつまんでいた。
「You…people…are…not…Japanese.」(あなたたちは日本人ぽくない)
クレアがまるで私たちと同じフランス人のようだ。と言う。
なぜか問うと、ふたりともセックスに貪欲だという。
ミズキがわからぬ単語のようで、その内容を伝える。
「へえー、わたしたちがフランス人ね~、それだけエロいってことでしょ……」
「まあ、そうだな……そんなこと言ってる」
カレンがミズキの連絡先をきいてる。これから、ふたりで会ってくれればいい。
カレンが喜んでくれて良かった。
さっきの部屋のテレビで来週には梅雨が明けるといっていた。
またはじまろうとしている、あの暑い夏が。