【純愛】転んだ事がキッカケで結婚した

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事の始まりは高校2年生の時

いつもの通学路を歩いていたら、交差点の、横断歩道と歩道の繋ぎ目みたいな所が、雪が積もってて結構傾斜になってたんだ。

そこをいつもの調子でぴょんと飛んだら、着地に失敗して派手に転んだ。

ドサっと転んで

「ぅぐぇ」

とかブサイクな声が出た。

腰を強打して痛がってたら

「大丈夫?」

と頭上から声。

そっちを見ると、爽やかな兄さんがちょっと心配そうな顔でこっちを見てた。

「だ、大丈夫です」

「そう?漫画みたいな転び方だったけどww」

「どぅふふ、大丈夫です」

兄さんは手を差し伸べてくれて、少し迷ったけどそこは素直に手を借りる事にした。

転んだ所を見られた恥ずかしさでその場を足早に立ち去って学校へ行った。

その日、学校に着いた頃には転んだ事などすっかり忘れて。友達とワイワイ過ごしてた。

で、翌日。

いつものように登校していると、昨日と同じ道でまた兄さんに遭遇した。

そこで昨日の事を思い出して、少し顔を伏せた。

でも声を掛けられた。

「おはよう」

「あ、お、おはようございます」

「腰大丈夫?」

「あ、はい」

微妙にコミュ障持ちだったからドモりまくり。

昨日お事を思い出して恥ずかしかったので、また足早に立ち去ろうとしたら

「気をつけなねー」

とすれ違い際に気遣ってくれた。

それまで通学中には見かけなかった人だから、二日連続で遭遇するなんてもしかしてストーカー?なんて少し考えた。

妄想狂だから余計に。

その日は確か金曜日。

で次の日が土曜日。

お昼頃に部活が終わって、帰りに友達とレンタルビデオ屋さんに寄り道。

店内を適当にぶらぶらしてDVD物色したり立ち読みしたり、新刊出てないかなぁと思って新刊コーナーへ。

物色してると他の客もそのコーナーへ来た。

高◯生にもなって漫画なんてって少し人目を気にしていたので、それとなくその場を離れようとして、何となくその客の顔を見ると兄さんだった。

格好が昨日一昨日と違っていたのですぐには気付かなかったけど、顔を見てハッとした。

これ完全にストーカーだ、と。

兄さんもその時に私だと気付いたみたいで

「こんにちはー」

なんて軽く挨拶を交わした。

兄さんは目ざとく私の手にある本を見つけて

「それ面白いよね」

なんて言ってきた。

手を貸してもらったとは言え、見知らぬ人に話掛けられて良い気分はしなかった。

■当時
私:J◯2、174/53、バレー部。
兄さん:24歳、176、細め〜普通、会社員

「そうですよねー」

とか適当に返事してさっさと友達のとこに行った。

帰宅後、兄さんがストーカーだと判明?したので、突然家に来たらどうしようとか、部活帰りに襲われたらどうしようとか妄想が膨らんだ。

当時は本当に妄想ばっかりしてた。

今もそうだけど。

翌日の月曜。

通学路でまた兄さんに遭遇。

正直、本当に恐怖を感じたのを覚えてる。

だから兄さんを視認した時点で、少し遠回りになるけど脇道に逃げ込んだ。

次の日からは道を変えてみた。

すると兄さんとは遭遇しなくなった。

そこで気付いた。

(私の通学路と、兄さんの通勤路がたまたま被っているだけでは?)

(いやいや、奴はストーカーだ)

とか、妄想のネタは尽きなかった。

金曜日、通学路を戻してみた。

するとやっぱり兄さんに遭遇した。

悔しいけど、ストーカー路線は廃止の危機に追いやられた。

すれ違い様、やはり少し意識してチラチラと兄さんを見てた。

かなり近づいた所で

「おはよー」

「あ、おはようございます」

また挨拶された。

やっぱりストーカーか?

どうなんだ?どうなんだ?

もう頭は朝からフル回転。

土日は平和に過ごし、また月曜。

通学路でやっぱり兄さん登場。

ちょっとガッカリしたような、安心したような複雑な気分。

近づいた所で兄さんが転けた。

本当に、すってんころりって効果音が聞こえてきそうな転び方。

ざまぁwwwwwwwwwwwwww

とか思いながらも、同じ恥ずかしさを味あわせてやろうと思った途端、

「大丈夫ですか?」

と自然に声が出た。

自分でも驚いたけど、それ以上に兄さんは驚いてた。

「やっぱり結構痛いねw」

なんてはにかんでる。

続けて

「雪道は歩くの難しいね、皆凄いわ」

と。

内地の人間かな?と思った。

「内地の人ですか?」

「内地?」

「本州」

「あ、うん、ついこの前転勤してきたんだ」

ほぅ。

こいつぁどうやらよそ者である。

ほのかな優越感を感じつつ、

「気をつけて下さいねw」

とどめの一言。

これはもう完全に私の勝利。

圧倒的な力の差を見せつけた気になっていた。

立ち上がり首を回す兄さんを放置して学校へ向かった。

それからは、平日は結構な割合で兄さんと遭遇して挨拶を交わすようになった。

もう兄さんがストーカーだなんて思う事はなかった。

で、日曜日の部活帰り。

またゲオに寄ると兄さんがいた。

適当に挨拶を交わすと、兄さんは嬉しそうな顔をしながら

「やっぱり北海道と言ったらこれだよねw」

と言って北の国からのDVDを見せてきた。

内地の人間ってそうらしい。

「私見た事ないですけど」

「そうなの?北海道の人は皆見てると思ってた」

ちょっとガッカリしたような兄さんの顔はなんというか、S心をくすぐるような感じだった。

私はSじゃないけど。

「地元の人だよね?」

「そうですよ」

「美味しい飯屋知らない?こっち来たばっかりだから分かんないんだよね」

と、図々しくもご飯屋さんの情報を聞き出そうとしてきた。

高◯生だし、そんなに外食をする方でもなかったので、そんな情報は持っていなかった。

しょうがないので、雑誌の載った事があるらしいお店を教えた。

兄さんは、ありがとう!と言って、北の国からを借りて店を出ていった。

で、次に通学路で会った時、

「あのお店行ってきたよ」

「どうでした?」

「申し訳ないけど、正直大して美味しくなかった」

噂では、雑誌の載るほどのお店じゃないと聞いていたので

(あぁ…本当にそうなんだ)

と思った。

さすがに少し申し訳なくて、友達が美味しいと言っていたラーメン屋さんを教えてあげた。

「今度行ってみる」

と嬉しそうに兄さんは歩いていった。

数日後、また通学路で

「あのお店、前のとこよりは良かったけど…」

と歯切れの悪い感じ。

内地の人間ってのはよっぽど舌が肥えてる模様。

ちょっと地元をバカにされてる気がしてムカついた。

気が付くと、学校で友達や先生に美味しいご飯屋さんを聞きまくってた。

兄さんと会ってはお店を教えて評価してもらう。

そんな変なやりとりが数回あった。

基本的には朝の数秒しか会わないんだけど、気付けば兄さんの事をよく考えていた。

もとい、兄さん関係の妄想をよくしていた。

内容は覚えてないけど色々。

ジャンルは多岐に渡る。

朝の会話の中から分かった事は、年齢や出身地はもちろん、こっちには知ってる人がいないという事や、土日は1人でスノーボードに行ったり、映画を見に行ったりその辺を散歩してみたりDVDを見たりしてるって事だった。

それらを聞いて、

「社会人って結構余裕なんじゃね?」

と思った。

ある朝、兄さんが少し嬉しそうに

「今度の土曜日、知り合った人とボードに行くんだww」

と言ってきた。

丁度私もその土曜日に友達とボードに行く予定だったのでその話で少し盛り上がった。

この頃には、朝少しだけ立ち話をするようになってた。

1分くらいだけど。

「スキー場で会うかもね」

なんて言ってみたり。

当日、スキー場ではやっぱり遭遇しなかった。

そもそもウェア来て帽子かぶってゴーグルして分かる方がおかしいわけで。

次に会った時

「会わなかったねw」

「分かんないですよね」

「機会あったら一緒に行こうねw」

当時、私にはこれが社交辞令だと分からなかった。

「あ、じゃあ、携帯教えます」

兄さんはちょっと驚いてた。

ぶっちゃけると、この時すでに兄さんが気になってた。

というか、好きになりかけみたいな感じ。

それから間もなく冬休み目前。

「なんか嬉しそうだね」

「明日から冬休みです」

「いいなぁ、俺も冬休み欲しいw」

嬉しいと同時に、兄さんに会って気付いたけど、明日からは兄さんに会わなくなるんだなぁって、何となく寂しい気分になってみたり。

妄想の中では兄さんとあんな事したりこんな事したり、そんな妄想が占めるようになっていった。

それまではそんな事はなかったんだけど、兄さん妄想でオナニーもするようになった。

年末、兄さんは実家には帰らないらしかった。

初詣行くのかと聞くと、会社の人みんなで行くらしい。

地味に誘ってみようかと思ってたので残念だった。

で、年明けて間もなく一緒にボードに行く事になった。

私があの社交辞令を真に受けて、

「いつ誘ってくれんのー」

としびれを切らしたのが始まり。

それはもうテンション上がった。

内地人の兄さんに格の違いを見せつけてやる。

そんな妄想を何度も繰り返した。

当日、家まで車で迎えに来てくれて一緒にスキー場へ。

ちなみに、この時に母に目撃された。

帰ってから、

「彼氏?いつから?いくつ?」

とか、ニヤニヤしながらしつこく聞かれた。

いざ始めてみると、兄さんの方が圧倒的に上手だった。

私の妄想活劇は脆くも崩れ去った。

当時、私はドリフトターンができるくらい。

たまに逆エッジで吹っ飛ぶ。

兄さんはカービングターンでスイスイ。

ぴょんぴょんくるくる。

その日はボード教室と化した。

さすが社会人っていうのは教え方が上手い。

少し上達した気がした。

で、帰りは近くのパスタ屋さんで早めの夕飯を食べた。

「さすがにこういうお店は1人じゃ入りにくくて」

と兄さんは言っていた。

私はそもそもこんなお店がある事自体知らなかった、地元なのに。

そこでもまた少し悔しい。

2人でボードに行った事で、私の中ではもう兄さんは脳内彼氏状態だった。

大人の男と一緒に遊ぶ私カコイイみたいな。

学校で恋愛話になった時も

友:彼氏できたの?

私:ま、まぁね

友:えー!誰!?

私:学校じゃないよ、働いてるの

みたいな。

あー思い出しただけで死にたい。

とんでもない。

メールでも勝手に積極的になってった。

ある週、珍しく続けて兄さんと遭遇しない事があった。

気になってメールしてみた。

私:出張ですか?

兄:風邪でダウンしちゃった

私:食べたくなくてもなんか食べたらいいですよ

兄:ベッドから出られなくて何も食べてないよ

私:お粥でも作りに行ってあげましょうか?

勝手に彼女気どりメール、死にたい。

で、結局その日は行かなかった。

部活終わってからだと時間も遅いし、親御さんも心配するし、何より変な噂立っちゃうし、とか次から次へと理由を並べて断られた。

「土曜日は?」

と聞くと、

「土曜日には治ってる!と思う」

って。

「土曜日治ってなかったら行きます」

「わかった」

で、土曜日、兄さんの風邪は治ってなかった。

土曜日、朝イチで兄さんにメール。

「治りましたか?」

「悪くなったかも」

「インフルエンザじゃないですか?」

「わかんない、病院行けない」

病院行けないくらい具合が悪いらしかった。

部活をサボって兄さんの所へ行く事にした。

兄さんに教えてもらった外見の家を探し玄関を見ると、表札がかかっていたのですぐに分かった。

新聞も郵便も貯まりっぱなし、3日分くらいだけど。

呼び鈴を押すと、死にそうな顔をした兄さんがいた。

頬はこけて血色悪くて視線も虚ろ。

肩をかしてベッドに連れていき寝かせた。

買ってきたポカリを飲むように促した。

兄さんは弱々しくポカリをなめるような感じで飲んでた。

ついでにリンゴも擦ってみたけど全く食べようとしない。

スプーンを口元へ持っていくとどうにか食べてくれた。

これは正直テンション上がった。

むほおおおおおおおおおって感じ、超にやけてたと思う。

でも兄さんは相変わらず死にそう。

さすがにこれはまずいと思ってこっそりタクシーを呼んだ。

タクシーに兄さんを詰め込み、病院へ。

看護婦さんに、

「彼女さん?」

と聞かれて

「ハイ!」

と答えた。

背が高いので実際の歳より上に見られるせいか、内心はもうニヤニヤ。

で、やっぱりインフルエンザだった。

点滴をされて薬を貰ってタクシーで帰宅。

兄さん宅へ戻るともう夕方で、兄さんは虚ろながら

「ごめん、ごめん」

と繰り返してた。

兄さんを寝かしつけ、枕元にポカリ。

そうめんを茹でて冷蔵庫に入れて帰る事にした。

翌日、兄さんからメールで昨日の御礼を言われた。

薬飲んだらだいぶ良くなったらしい。

こんな事があったせいで私の妄想はどんどんエスカレート。

結婚式で馴れ初めを紹介される時どうしようとか悩んだ。

転んだ所で話しかけられてって事はナンパ?

そんなバカな、ナンパなんてかっこ悪い。

趣味だ!ボードで、趣味を通じて知り合い、が無難だ。

とかそれはもう気持ち悪い事をずっと考えてた。

今恥ずかしくて死にそう。

兄さんはその週には出勤を再開していて、朝も遭遇するようになった。

ちょっと痩せたように見えたけど元気そうだった。

兄さんと会うだけで、私は朝から絶好調。

で、週末。

またボードの話になった。

最初と一緒で、私は私の友達と、兄さんはボードで知り合った人とそれぞれ行く予定が入ってた。

当日、友達とワイワイしながらも、私は周囲をきょろきょろと見渡しては兄さんを探した。

何回か滑っても見つけられず諦めかけた時、先の方に兄さんっぽいウェアの人を見つけた。

どうやら兄さんで間違いないよう。

話しかけようと思って近寄ろうとすると、止まっている兄さんの所へ誰かが止まった。

髪が出てるし、ウェアから見ても女だった。

しかも兄さんも楽しそうに話してる。

心臓がぎゅうううううと潰れそうな感じがした。

私は行き場を失い直滑降で下まで降りた。

友達が遅れて降りてきた時

「どうしたの急にwwww」

と笑われたけど、私の顔を見て真顔になってた。

どうも私は泣いているようで自分でも何が何だか分からなかった。

「なんで泣いてるの?」

「ん…こ、怖かったからかな」

「そりゃ直滑降だもん、怖いわww」

どうにか誤魔化せたのかどうなのか。

その日はもう全然楽しくなかったし早く帰りたかった。

朝、兄さんと会った時も全然嬉しくなかった。

挨拶だけしてさっさと立ち去った。

頭の中では色んな事が入り混じってカオス状態。

彼女いたのかとか、看病もしなかったくせに彼女かとか、何だか勝手に弄ばれたような気分になってみたり。

卒業式の合唱の練習とか完全に上の空で、部活もなぁなぁ。

早く春休みにならないかなぁなんてぼんやり思った。

卒業式で先輩が泣きながら抱きあってたりしてるの見ても、全然一緒に感動する気にはなれず、バレー部集団の片隅でボーっとしてた。

春休みは毎日部活だったけど全然やる気が起きなかった。

同級生達は3年生になるからと張り切ってた。

兄さんからはちょくちょくメールが来ていたけど、2回に1回くらいしか返事をせず、その内容も適当極まりないもの。

兄さんとは連絡取りたくないし、兄さんの事を考えるのも嫌だった。

4月になって、ピチピチした新入生がやってきた。

バレー部にもそれなりの人数が入ってきて、入部理由が、中学校でやっていたからというものもあれば、中には、先輩(私)に憧れて、なんて言ってくれる子もいた。

それを聞いて、さすがに今のままじゃダメだと思って、部活を頑張るようになった。

友達にも、

「最近どうしたww」

とか

「彼氏と別れたか」

とか色々言われた。

「まぁねwww」

と適当に返事をしていたら、私は彼氏に振られて部活に精を出し始めたという噂が流れた。

4月からは、通学路も変えたので兄さんと遭遇する事もほとんどなかった。

兄さんとは連絡もどんどん取らなくなった。

部活は結局公式戦の2回戦で負けた。

元から強いところじゃなかったし、ここ数年は初戦敗退がほとんどだったのでまぁ頑張った方だった。

部活も引退し、進学するつもりがなかった私は就職活動を始める事にした。

インターンシップみたいな事やOBOG訪問、職場見学とか、行けるやつはできるだけ行った。

で、夏っぽくなってきた頃、同級生の男子に告られて付き合う事になる。

付き合いそのものは順調で、デートをしたり、帰り道に公園でだべったり、自転車の2人乗りをして帰ったりした。

彼氏の事は好きだったし一緒にいても楽しかった。

夏休み、お祭りに行く事になった。

私は、彼氏のリクエストで浴衣を着て行った。

私を見た彼氏はとても喜んでくれて私も嬉しかった。

一通り出店を見て回ってから、少し早いけど花火大会の場所へ行く事にした。

彼氏曰く、穴場を知っているとの事だった。

本会場とは少し離れた所にあった。

まだ1時間以上あった事もあり人は少ない。

それでもちらほら人はいる、みんな男女の対。

私たちも適当なところに腰掛けて、買っておいたたこ焼きを食べつつ雑談をした。

たこ焼きもかき氷も食べ終わった頃、話題も尽きてきて、花火が始まるまでもう少しの所で、彼氏に突然顔を掴まれてキスされた。

突然だったから凄くびっくりした。

驚いて戸惑っていると、そのまま押し倒されて、覆いかぶさってきた。

そこでまたキスをされた。

私は気が動転してしまって、彼氏を突き飛ばして

「ごめん、別れよう」

と半ば叫んでその場から逃げた。

好きだったんだけど、異性としての好きではなかったのか、キスされた事でなんだかとても嫌悪感があった。

別れるまで言うつもりはなかったのだけど、口をついて出てしまった。

彼は追いかけては来ず、いい加減走りつかれた私はトボトボと歩きながら泣いていた。

はだけた浴衣を直しもしないで帰るわけでもなくぶらぶらと歩いていたら、無意識のうちに兄さんの家の方へ向かっていた。

忘れたつもりがやっぱりダメだったみたい。

気付いた時に立ち止まって考えた。

このまま引き返して大人しく家に帰るべきか、せっかく来たんだから兄さんの家の前を通ろうか、多分20分くらい悩んでた。

迷った挙句、兄さんの家の前を通る事にした。

そっちへ行くと、バーベキューをやっている匂いが強くなっていった。

兄さんの家の方から笑い声が聞こえてきた。

どうやらバーベキューをやってるのは兄さんの家らしい。

という事は、彼女や友達を呼んでいるって事で、それを見るのはとても嫌だった。

兄さんがこっちに来て、最初に知り合ったのはおそらく私で、それを後から知り合った人に取られたような気がして、何て表現したら分からない気持ち。

見たくなかったのだけど、スキー場で見たのが本当に兄さんの彼女か確かめたくもあった。

といっても顔なんて見ても分からないけど。

兄さんの家の庭をこそーっと覗いてみると、全部で3人いた。

兄さんと男性と女性。

私はその女性を観察した。

兄さんと楽しそうに話しては笑い声をあげてた。

また胸がぎゅううっと苦しくなった。

良く見ると、女性は一丁前にも指輪なんかしてた。

何か悔しくて悲しくてまた泣きそうになってたら兄さんに見つかった。

「私ちゃん?どうしたの急に、久しぶりだねww」

人の気も知らずに呑気なもんだ。

まぁ私が勝手に浮き沈みしてるだけなんだけどさ。

とりあえず、こっち座りなよと呼ばれたのでそっちへ。

女性をチラチラ睨みつつそっちへ向かった。

「私ちゃんです、こっち来て最初の友達ですww」

とか呑気な紹介し始めた。

ちゃんと「最初の」って言ってくれたのが嬉しかった。

そして兄さんの彼女と男性も紹介してくれた。

で、気づいてる人もいると思うけど、女性は兄さんの彼女じゃなかった。

男性と女性が夫婦だった。

兄さんは、飲み屋さんで男性と知り合って、それで男性の奥さんと3人でボードに行ったり、その日みたくバーベキューをやったりしていたらしい。

私の勝手な勘違いで勝手に一喜一憂して、勝手にメールも無視して距離取って、何とも無駄な事をしてた。

それを聞いてホッとした。

そしたらまた泣けてしまって、さっきまでお祭りに行っていた事や彼氏と別れてきた事を話した。

3人は、うんうんと聞いてくれて、さすがみんな大人だなぁと思った。

兄さんは、

「大変だったなぁ」

なんて言いながら私の頭をぽんぽんとしてくる。

好きな人にこんな事されたら誰だって勘違いすると思う。

私は泣いた勢い?もあってかその場で兄さんに告白した

「私と付き合って下さい。キスして下さい」

なんて泣きながら言った。

本当は言葉までは書きたくなかったけど、旦那が書け書けうるさいので書いたけど後でシメる。

で、兄さんの返事はというと

「ごめん」

えんだああああああああああああああいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

最初聞き間違いかと思った。

でも場の雰囲気が聞き間違いではない事を証明してた。

私はどうしていいか分からなくて、そのままフラフラと庭を出た。

状況が整理できていなくて、何が起きたのか全く理解できなくて、そもそも私は告白したのかとか、頭の中はパンク寸前。

頭がクラクラしてきたあたりで兄さんの声がした。

「○○ちゃん、ちょっと話そう」

近くの公園のベンチに腰掛けた。

兄さんが隣にいるけど、私はそれどころじゃなくて頭の中が本当に一杯。

何で一杯かわからないくらい一杯。

兄さんが何か喋っているけど全く耳に入ってこない。

ふと、家庭用?の小さい打ち上げ花火が上がった。

「あ、綺麗」

気づいたらそう言ってた。

兄さんは、

「そうだね」

って言った。

それでなんだか頭がすっきりした気がする。

それから兄さんの言い訳?を聞かされた。

断った理由を色々と喋ってたけど、要は高◯生だからフラれたのだ。

まだ警察のお世話にはなりたくないとか、そんなのは全然話が違うけど、兄さんは全く折れず、私はフラれた。

「付き合わなくていいからキスだけ」

と言っても

「付き合ってないのにキスはしない」

と。

何かもうヤケクソ。

話が終わって、ひとまず兄さん宅へ戻る事に。

私は気まずいのと、なんかむかつくので嫌だったけどどうしてもと。

戻ると、夫婦がニヤニヤしながら待っていた。

夫婦がこっそりと、兄さんも私を好いている事を教えてくれた。

嬉しかったけどフラれたのが腑に落ちなかった。

ついでに、私の事でちょくちょく相談をされていたらしい。

24歳にもなる大人が、17歳そこそこの女子◯生に惑わされていると思うとなんか笑えた。

その日は、残りの肉をほとんど私が食べて、ジュースも飲んで終わった。

その日から、また兄さんとメールするようになった。

話の中で、卒業したらOKみたいな事を濁しながら言っていたような。

だから私は卒業前になんとしても兄さんと付き合うと目標を決めた。

それはもうなんていうか、女の意地というかプライドというか。

だから夏休みというのを利用して泊まりに行ったりしてた。

いや、多分、というかどう考えても私はどうかしてる。

ここまでしてフラれでもしたらきっと再起不能になると思う。

最初のうちは、彼氏と別れたばかりという事もあって控え目にしていたのだけど、段々我慢している兄さんを見るのが楽しくなってきた。

泊りにいっては誘惑。

胸を押し当てたり、首筋に吸いついてみたり、泣き脅ししてみたり。

実際、兄さんのが固くなっている事は触って確認していた。

クリスマスの夜も一緒にいたのに何もしてこなかった。

もうこの時は素で泣いた。

キスすらまだしてもらってない。

寝てる間に私がする事は何度もあったけど。

私の就職も決まって、あとは卒業を待つばかりだったのだけど、私はしょっちゅう泊まりに行くので、親はさすがに勘付いていた。

友達の所とは言ってあったけどモロバレだった模様。

年明け、家族でゴロゴロしていたら

「私」

「なに?」

「就職する前に彼氏を連れておいで」

「え、いやいや、え?彼氏いないけど?」

「○○町の人のところによく泊まりに行ってるじゃないか」

父の知人が目撃してリークしたようです

正月まで書いたけど、ちょっと戻って学校祭の時期。

彼氏とは別れたけど兄さんと仲直り?してご機嫌だった。

最後の学校祭という事もあって皆やる気満々。

でも私は兄さんを落とすのに夢中。

学校祭とかどーでもいいわ、みたいな感じ。

うちの高校は、パレードみたいな事をするんだけど、その山車づくりやら衣装作り、出店準備、ダンスの練習、合唱練習などなど、沢山やる事があった。

私は出店の係だったんだけど、面倒くさかったので大体放送室に隠れてた。

放送室はあまり先生も来ないし、本も沢山あるし、防音がしっかりしてて静かで快適。

本は主に漫画だったけど本当に沢山あった。

ワンピースの連載開始時のジャンプとか、エロ本もあったしレディコミも、ジャンルは多岐に及んだ。

放課後の準備中は、放送委員が適当に音楽をかけたりしてて話し相手もいたし暇つぶしにはちょうどいい。

確かここで初めてエロ本を読んだと思う。

で、気づいた事があった。

ラブラブな感じの話は大体、女の子は小柄〜普通な感じ。

一方、背の高い女の子が出てくる話はほとんどが、女王様orキチ・アヘ顔。

がっかりした。

私みたく背の高いのはラブラブな感じになっちゃダメなのかこのやろうってくらいはっきりジャンルが分かれてるのね。

放送室で着々とエロ知識を蓄えてった。

足こき脇こき髪こき、どれも笑える。

ジュース飲みながら本をパラパラ捲ってた。

で、学校祭まであと1週間くらいの時、出店係から衣裳係に異動になった。

理由は、衣装が間に合わないからとの事。

男子の衣装は手抜きそのものだったけど、そういうのって女子のはやたら凝ってたから人手不足になった。

裁縫くらいは出来るけど、衣装作りなんて無理。

ノルマどころか、1着も出来ない気がした。

とりあえず、いつものようにメールの中で兄さんに愚痴ってみた。

そしたら

「妻(兄さんの友人夫婦)は服飾系の専門学校出てたはず」

と教えてくれたので、さっそくその晩会わせてもらった。

(夫婦の旦那をA、妻をBとして)Bに事情を話すと

「じゃ早速作ってみよう!」

Bの持ってた服をアレンジして、パレードのテーマだったハロウィンっぽい衣装に作り変えた。

その服はもう着ないから別にいいんだ、との事。

で、やっぱり手際が凄く、日付が変わる頃には完成した。

Bの身長と私の身長は全然違うから、私が着るとサイズ合わないけど、衣装自体は本当によく出来てた。

次の日、学校へ持って行ってみると皆大騒ぎ。

「かわいい!!」

「おしゃれ!」

と大好評だった。

ノルマが増えた。

慌ててBに連絡してみると、

「久しぶりに服いじったらもっとやりたくなったからどんどんやるよー」

と言ってくれて3日間くらい毎晩通って、一緒に衣装作りやった。

Bは凄くいい人だった。

Aも嫌な顔せず付き合ってくれていい人。

で、学校祭当日。

皆衣装をきてパレード。

街中のルートを回って、広場みたいなとこでちょっとダンス。

なんとなく観衆を見渡すと、兄さん発見。

嬉しい半面、ミニスカみたいな衣装だったので恥ずかしかった。

しかも笑顔で手振ってくるし。

学校祭の最後は、キャンプファイヤーみたいなの。

私はそれには参加せず、兄さんとメールしてた。

そしたら、2年生の男子が一人近寄ってきた。

私は兄さんの布団でキスを思い出してた。

オールだったから間もなく眠りに落ちて、目が覚めた時はもう夕方。

ご飯作ろうか、お風呂に入ろうか迷ってて、とりあえず冷蔵庫を開けたら中身はほとんどなかった。

買い物行っても良かったけど、出てる間に兄さんが帰ってきたら困ると思ってお風呂にした。

お風呂を出て髪を乾かしてたら兄さん帰宅。

買い物行こうか、なんて話してて、あまりに普通だったからちょっと拍子抜け。

もう一回キスしたいけど、なかなか言い出せない。

キスして欲しくて兄さんの前に立ったら、今度はちょっと長めの、舌はないけど、唇吸う感じ。

凄く気持ちよかった気がする。

なんかすんごいニヤニヤしながら手をつないで買い物行った。

「晩御飯何にしようねー」

なんて言いながら、幸せ。

適当に買い物を済ませて、2人で料理をしている時に気付いた。

まだ付き合うってはっきりしてない。

でもキスしたって事は、前に兄さんが付き合ってないのにキスしないって言ってたし、付き合ってるって事でいいんだろうか。

でもちゃんと言って欲しい、私が言うのか?

またそんな事で頭が一杯。

頭の容量が少ないからすぐ一杯になる。

キッチンに立っていたら、後ろから急に抱きしめられて

「順番間違ってごめん、俺の彼女になってくれない?」

って耳元で言われてゾクゾクした。

嬉しいし抱きしめられて恥ずかしいしで、頷くしかできなかった。

顔赤いんだろうなぁ、恥ずかしいなぁって思ってたからちょっとうつむき加減のままで料理してたら、

「急にしおらしくなって私らしくないじゃんwww」

ってさ、誰のせいなんでしょうね。

で、夜。

初夜ってやつだろうこれは…って感じでもう鼻息荒く、兄さんがシャワーから出てきたところでキス。

そのままベッドに倒れ込んでキスしまくり。

私が馬乗りになって舌とか入れてみたり。

やり方がよくわからなくて、とりあえずペロペロしてみたり兄さんの舌を舐めてみたり。

なんか音がエロくて興奮する。

だんだん頭もボーっとしてくるし。

ちょっとぐたぁっとなってると、兄さんがぎゅっとしてくれて胸がきゅううううっとなってみたり。

ぼんやりした頭ながら、状況を先に進めたくて

「とりあえず服脱ぐの?」

って聞いてみた。

「今日はここまで」

ワロタ。

兄さん論:卒業式が終わっても3月31日までは高◯生。

それはそうかもしれないけど、ここまで来てそれってどうなのよ。

っていうか、私の身体の火照りはどうなるわけよ。

ここからはちょっと言えないくらい恥ずかしいから割愛するけど、結局本当にお預け食らった。

結局、本当に4月になるまでキスだけ。

で、時は進み4月某日。

兄さん宅で無事、事を終えました。

もっと進んで、私が成人式を迎えた年。

兄さんの転勤がほぼ確定。

内命は出てないけど、4月転勤と上司から知らされたそう。

兄さん宅でそれを聞き

「転勤族になっちゃうけど、それでも良かったら結婚して下さい」

って言われて結婚しました。

年明け早々、挨拶に行ったり来たりで忙しかった。

夏に式も挙げて幸せに暮らしてますよ。

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