「先輩…後は先輩にお願いしても良いですか…」

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※前回までのお話しに比べると、ボリューム多めかと思いますがお付き合い下さい。

エリに完全に恋をした私は、前回の話の日からオナ禁生活に入りました。

私にとって”人生の師”といえる人のアドバイスがあったからです。

※今回の話には直接関わらないので関係性は割愛します。

そのアドバイスは私が小学6年生の頃、その人がお酒交じりで”お前も4月から中学生になるなら”と、私に言ってきた、

「好きだと思える女が出来たら、その子でオナニーをするのは辞めた方が良い。オナニーするとその対象はただの”ヤリたい女”になっちゃうからな。その子でオナニーしないでおけば、イザというところで”下心”を抑えられて性欲に走った行動をしにくくなるからな。”好きな女”と”ヤリたい女”は分けておいた方が良いよ。」

というものでした。

“それまでエリで散々オナニーしておいて今更…”という気持ちもありましたが、エリでオナニーすることで、エリが他でオナニーのオカズにしている女と同程度の女になってしまう気がして、何となくエリはオカズにしたくなくなっていました。

オナニー自体を辞めるつもりはありませんでしたが、当時の私のオナニーはエロ本やAVには頼らず、”エロい妄想”や”エロかった思い出”をオカズにしていていたので、前回登場した

「……先輩のえっち……」

「先輩ってやっぱりえっちだったんですね。」

「…先輩………大好き…」

という

「三種の神器」

に勝るオカズなどそうそうあるワケもなく、オナニーに関しては”したくても出来ない”という方がしっくりきます。

エリを意識しだした6月が終わり、7月になると”夏休みは何をするか?”という話題がチラホラ出てくるものです。

ある日の部活の時間でもその話題が中心でした。

”部活のメンバーでどこかに行こう”みたいな話をしていたような気がします。

私は会話には参加せず、新刊の漫画の単行本を読んでおり自分の世界に入り込んでいましたが、

「マコト、アンタも来る?」

と急に声をかけられ現実世界に引き戻されました。

私に話しかけてきたのは、同じ部の同級生のリナ(彼氏あり)です。

この部には私との同級生がリナと他2人(男子・今回は登場しません)しかおらず、特にリナは中学校の同級生でもあるので気軽に話せる数少ない女子です。

※唐突ですが、私の名前は”マコト”です。

※本来はリナとはお互いに苗字の呼び捨てで呼び合っていますが、名前で統一します。

「ん?何が?」

「だ~か~ら~、”今からカラオケ行くけどアンタも来るか?”って聞いてんの!な~にが”ん?何が?”よ。ちゃんと聞いてなよ。」

「お前が来ないなら行く。」

「アタシは行くに決まってるでしょ!自分は行かないカラオケに誘うとか意味分からんし!どう考えても私は行くでしょ。バカじゃないの!?」

「私には妻も子もいるので、そのようなお誘いは遠慮させて頂きます。」

「アンタは”妻と子”どころか”彼女”もいないじゃん!それに”カ・ラ・オ・ケ”って言ってるでしょ!」

「”からおけ”ってナニ?」

「歌を歌えるお店だよ!久しぶりにめっちゃ歌いたいし。」

「歌なら今ココで歌えばいいじゃん。」

「いきなりこんな所で歌い出したらおかしなヤツでしょ!?だから歌を歌えるお店で歌うの!○○町に△△って店があるから。」

「でもあの店ってDAMしか置いてないだろう?俺はJOYSOUNDが良いんだけど…」

「何そのこだわり?ていうかアンタ絶対カラオケ知ってるでしょ?何ならアタシより詳しいじゃん!ていうか前にアタシと一緒に行ったことあるでしょ?」

「お、おい。そんなことを皆の前で言うなよ。俺達の関係がバレるだろうが。」

「二人きりで行ってないでしょ!それに何も関係ないでしょ!っていうか行くの?行かないの?話が全然進まないじゃん!」

「俺は”行かない”なんて一言も言ってないぞ?」

「”行く”とも一言も言ってないでしょ!」

そんなやりとりを周りの部員達はゲラゲラ笑いながら見ています。

リナはいつも私の小ボケに対して良いリズムとワードセンスでツッコミをしてくれるので、場を和ます為にしばしばリナとはこんな会話をしますが、一番見て欲しい”お客様”がいなければこの漫才を続けてもあまり意味がありません。

そうです。

いつもならココでめちゃくちゃに可愛い笑顔で笑っている学校一の美少女・エリがいません。

どうやら用事があるようで、その日は部活には来られないかもしれないとのことでした。

エリがいないのであれば部室にいても仕方がないので、私はカラオケに行くことにし、先程リナが言っていたカラオケ店へ部員達と向かいます。

参加メンバーの中には当然エリはいません。

残念だと思いながらも、今回は純粋にカラオケを楽しむことにしました。

しかし20分程経ったところで、ドアが開き

「遅くなりました~(笑)」

と地球一の美少女・エリが部屋に入ってきました。

どうやらエリは用事が終わった後から合流することになっていたようです。

エリが来たのであれば、私の小ボケも惜しみなく放出します。

私の番になり歌う曲を入力しようとしていると、私の前に歌ったリナがマイクを渡してきたので、私は自分のバッグに手を掛けます。

「マコト、早く決めなよ。」

「そういえば急用を思い出した。」

「どしたの?」

「さっき読んでた漫画がまだ途中だった。」

「いや、いきなり読み出すなよ!」

「読書中なので静かにして頂けませんか?」

「ここはカ・ラ・オ・ケ!大きな声で歌を歌う場所ですよ!それに漫画なんて後でも読めるでしょ!」

「”漫画なんか”だと!?お前はこの”るろうに剣心”の凄さが分からんのか?」

「知らんし!読んだことないわ!」

「お前は宗次郎の心の底にある深い悲しみが分からんのか?女には男の悲しみを理解する包容力が必要だぞ?」

「”ソウジロウ”とか知らないから!早く曲決めなよ!」

「分かった分かった。俺は毎週ジャンプ読んでて内容を把握出来てるから良いが、初めて読む人にそんな邪魔したら、”二重の極み”をブチ込まれるぞ?」※二重の極み…漫画”るろうに剣心”に登場する必殺技

「その”フタエノキワミ”ってのも知らないから!ていうか、そもそも内容知ってるなら今読まなくていいじゃん!ハイ!」※マイクを差し出してきます

「しかしなぁ。これって”間接マイク”だろ?間接とはいえ、彼氏に悪いと思わんのか?」

「”間接マイク”なんて単語初めて聞いたわ!ど~でも良いから早く決めなよ!」

「”ど~でも良い”だと?まったく、近頃の若者の貞操観念は…」

「アンタ普段どんなマイクの使い方してんのよ?」

「よし!じゃあ気を取り直して歌うとするか!リナ君、番号を入れたまえ。」

「無視すんな!もぅアンタ帰って良いよ!!」

なんてやり取りで皆が笑ってくれた後、私はリナが曲の番号を入れてくれた、久保田利伸の”LA・LA・LALOVESONG”を歌いました。

私が歌い終わると、次は宇宙一の美少女・エリにマイクを渡します。

エリは川本真琴の”1/2”を歌い、私は歌姫の歌声に私はしばし酔いしれていました。

それぞれが何曲か歌い終わり、帰る時間になったので解散します。

私はリナと帰りの方向が同じなのでリナと帰ろうとしましたが、

「先輩、私も方向同じだから一緒に良いですか?」

とエリが聞いてきました。

考えてみればリナは中学校、エリは小学校まで同じなので、同じ学区内なら帰る方向も大体同じです。

「分かった。じゃあリナとはここで解散だな。お疲れさん。」

「まだ10mも移動してないでしょ!」

「しかしリナの場合、あっちの道の方が近道じゃないかね?」

「完全に逆方向じゃん!」

「リナ君、地球は丸いのだ。そのまま進めば、夏休みが終わるまでには帰ってこれるだろう。」

「皆が卒業した後でも帰ってこれないよ!」

「リナ君、あきらめたらそこで試合終了ですよ?」

「名言を台無しにするな!もぉ~マコトったらそんなにエリちゃんと二人きりで帰りたいの?だったら”お邪魔虫”は退散しますけど?」

「……やれやれ、そんなにお願いするなら仕方がない。君に”俺とエリちゃんの護衛”という栄誉ある役職を与えよう。」

「頼んでないし、アンタがアタシとエリちゃんの護衛をすんの!」

みたいなやり取りでエリを一笑いさせたところで家路につきます。

途中でリナだけ違う帰り道になったので、リナとは解散です。

「ちゃんとエリちゃんを家まで送りなよ?」

「任せろ。一番の”危険人物”から離れられるから、エリちゃんの護衛もずいぶん楽になる。」

「アンタの方が危険人物だろうが。」

というやり取りの後、リナと解散しエリと二人きりになります。

虫の鳴き声だけが聞こえる帰り道。

リナに対しては何とも思ってないので、男友達と同じレベルで適当に会話出来るのですがエリには意識してしまい、良い話題も思い付かず無言が続きます。

しかしながら無言でも、エリと二人きりでいられるこの時間がとても愛おしいです。

この無言の時間を終わらせたのはエリでした。

「先輩ってリナさんと仲良いですね。いつも話が面白いし。」

「あ~アイツってなんか”ツッコミのセンス”っていうのかな?返しが良いからフザけたくなるんだよね。」

「まるで付き合ってるみたいですよ?」

「アイツ彼氏いるよ。」

「知ってますよ。見たことはないですけど。」

「アイツの彼氏ってバスケ部で遅くまで練習してるから、普段は一緒に帰らないんだよ。だから知らない人も多いと思うけど。」

「彼氏さんって先輩とリナさんのやり取りで怒ったりしないんですか?」

「どうかな~?考えたことないけど。」

「私だったら自分の好きな人が、他の女の子と楽しそうに話してたらチョット怒れますけど…」

「まぁ彼氏とも中学からの友達だしね。あんまり気にしてないと思うけど。」

「いつか”二重の極み”を打たれちゃいますよ?(笑)」

「ブハッ!!エリちゃんセンスいいじゃん(笑)リナとのやり取り覚えてたの?」

「はい。でも”るろうに剣心”は知ってましたよ。弟が単行本を買ってくるから、いつもコッソリ読んでます。」

「あ~そういうことか~。」

「だからさっきの先輩とリナさんの話が面白くって。でも先輩が歌ってるから笑っちゃったら失礼だと思って我慢してましたけど、大変だったんですよ(笑)」

「そりゃ悪いことしたな~(笑)」

「先輩の後に私が歌ったじゃないですか。私あの時って歌う曲が決まってなかったんですけど、先輩とリナさんの話があったから川本真琴の”1/2”にしたんです。」

※川本真琴の”1/2”という曲は”るろうに剣心”のアニメ主題歌です。

「なるほど~。エリちゃんは好きなキャラとかいるの?」

「私は蒼紫様かなぁ。」

「あぁ。かっこいいいもんね。」

「先輩は?やっぱり恵さんですか?」

「何で”やっぱり”なんだよ。」

「先輩はえっちだから綺麗な女性がいいのかなと。」

「まだそれ言います?」

「ごめんなさい(笑)でも先輩がえっちなことは、私だけの秘密にしますから(笑)。」

「もう勘弁して下さい。」

「もう言いませんよぉ。で、誰が好きなんですか?」

「”かっこいい”と思うのは斉藤一だけど、”好き”なのは弥彦かな。」

「えぇ!?ちょっと意外です。何でですか?」

「主要なキャラの中では一番弱いから。」

「何ですかそれ(笑)」

「”一番弱い”ってのに意味があるのよ。あんな怪物だらけの世界で、強敵相手に試行錯誤して勝つなんて凄いと思うよ。だから一番応援したくなるのは弥彦。」

「あぁ何か分かるかも…」

何て会話をしていたらエリの家に着きました。

一戸建ての家で、庭で金属バットを振り回しているヤバそうな人がいましたが、後で聞いたらエリのおじいさんだそうです。

エリが家に入るのを見届けると、私も家に帰りました。

その日は自分とエリとの共通点があったことがとにかく嬉しくて、しばらくベッドの上でゴロゴロして満足感の中で就寝しました。

翌日、いつものように部室へ行くと、少し早く着き過ぎたのかリナしかいませんでした。

私は特に話すこともなかったので、前日に読みかけだった漫画を読み始めましたが、リナが話しかけてきました。

「ねぇ。」

「ん~?」

「エリちゃんに告白出来た?」

「…何だそりゃ?」

「言ったまんま。」

「オジサンをあんまりからかっちゃいかんよ。」

「真面目に聞いてんだけど。」

「ん~。」

「何ならアタシがエリちゃんに気持ちを聞いてあげてもいいけど(笑)?」

「…お前、マジで怒るぞ。」

「…ごめん。」

「まぁ許してやるよ。」

「うん。ごめん…。」

「…気付いてた?」

「そこまで確信はなかったけど”もしかしたら…”くらいには思ってた。」

「さっきのはカマかけたってことね。」

「…ごめん。」

「ん~。別に謝ることでもないだろ。」

「でも意外だった。アンタって”美人”が好きじゃん?エリちゃんって”可愛らしい”って感じだし。前は”松雪泰子がタイプ”とか言ってなかった?」

「その辺りついては黙秘で…」

「そっか。きっかけは?」

「ノーコメント。」

「まぁそこはいいか。告白はしないの?」

「………実際のところどうして良いのか分からん。」

「何が?」

「気持ちは確かにあるんだけど…こう…何と言うか…いけそうなタイミングがないと言うか、良い言葉が思い付かないというか。」

「アンタって変なところで頭カタイね。アタシに対してはいつでもフザけまくるクセに。今すぐにでもエリちゃんの所に行って、普通に”エリちゃんが好きだ”って告白すれば良いじゃん。」

「ソレが出来れば苦労はせんわい。」

「アタシの彼氏はすぐ告白してくれたよ。」

「アイツは背も高いし、美形だしな。元々の出来が違うしね。そりゃ行きやすいだろうよ。」

「そんなのって関係ないんじゃないの?大事なのは”気持ち”でしょ?」

「関係大アリ。男にとっては大事なことよ。」

「何それ?」

「つまりアイツは男として”強者”で、俺は”弱者”。で、お前さんは告白された時点で”強者”なの。”弱者”の気持ちは”強者”には分からんよ。」

「そういうもん?」

「そういうもん。」

「アンタはソレでいいの?」

「何と言うか…今の感じが良いんだよ。何か”生きがい”のようなものを感じるというか…俺がエリちゃんに好意を伝えてダメだったりすると、今の関係性がなくなるというか…」

「”フラれるのが怖い”ってこと?」

「平たく言うと。」

「…昨日エリちゃんって少し遅れてカラオケ来たじゃん?」

「そうだな。」

「アレって後輩男子(前の話に登場)君に告白されてたみたいなんだよね。」

「そうかい。」

「結果は知りたくないの?」

「知ってるの?」

「知らない。」

「そうですか。」

「後輩男子はアンタが言う”強者”なの?」

「少なくとも”弱者”には見えないな。実際アイツを”かっこいい”と言ってる女子も見たことあるし。」

「焦らないの?」

「焦るよ。でも”本当かどうか分からない”って自分に言い聞かせて落ち着こうと思ってる。」

「エリちゃんに聞かないの?」

「臆病者ですから。」

「そんなことしてたら、いつか絶対誰かに取られるじゃん。絶対後悔するヤツじゃん。」

「臆病者ですから。」

「何でもいいから何かすればいいじゃん。」

「ごめん。そろそろ勘弁してくれない?」

「マコト、”アクション”の前に”リアクション”は絶対に起きないよ。」

「お~何か”名言”っぽいのがきたな~。」

「行動しなよ。」

「検討します。」

そんな会話だったと思います。

程なくしてエリや他の部員も部室にチラホラ集まり、私とリナはいつものような掛け合いを始めるのでした。

私とリナとの掛け合いでケラケラ笑うエリを見てとても幸せでしたが、何か込み上げるものがありました。

その日から私は部活には顔を出さなくなりました。

エリを諦めたからではありません。

告白出来ないまでも、何かとっかかりみたいなものが欲しかったからです。

そのために私はどうしても確認しなきゃいけないことがあったので、部活に行っている暇がなくなりました。

私が”確認しなきゃいけないこと”のために時間を割いている間に、仮にエリが誰かにとられてしまっても、それは”臆病者で行動出来なかった私が招いた自業自得の悲劇”だと腹を決めました。

私が部室に顔を出さなくなってから10日程経った頃、私は部室にいるエリを前の話に登場した空き教室に連れ出しました。

「どうしたんですか?」

「いや、この前のクイズの答えが分かったかもしれない。」

「え!?」

「合っているかどうかは分からないけど、少なくとも何があったかは思い出した。」

「何ですか?」

「俺とエリちゃんって同じチームでドッジボールしなかった?」

「はい!そうです!」

「(!!)で、試合に勝ったよね?」

「はい!」

「その時俺は小学5年生で、エリちゃんは4年生だったよね?」

「はい!どうして分かったんですか?」

「この前話した”借りてきた卒業アルバム”にあったあの写真に写ってた”俺とエリちゃん以外の人”を探し回って、その人が1学年上の知り合いの友達だったから、会う機会を作ってもらって、写真に心当たりがないかを聞いてみたんだ。」

「そしたらその人が俺を覚えてたみたいで、”お前最後まで内野にいたヤツじゃん”って言われたんだよ。それで思い出した。」

それは私が小学5年生になりたての頃、他学年との交流のための行事で1年~3年は知りませんが、4年~6年は男女と学年混合で何チームか作ってドッジボールで戦わせる。

そして私とエリが偶々同じチームに編成されたということです。

私に教えてくれた人は、私とエリと同じチームの当時6年生の人でした。

「…これで”正解”で良い?」

「ほとんど正解です。」

「ほとんど!?まだあるの?」

「私達のチームが勝った後、先輩と私でハイタッチしましたよ。」

「そうだっけ?」

「あの時って早い内に私と先輩だけが内野に残っちゃって、相手の人達がすごく速いボールを投げてくるから、すごく怖くて…」

「うんうん。」

「でも私に来たボールを、先輩が前に出て全部取ってくれて…。最後は逆転して勝ったんですよ。」

「う~ん。そうかぁ。ソコは覚えてないなぁ。今言われて思い出したけど、その時はとにかく相手の猛攻を凌ぎ切ったことの”達成感”みたいなヤツはあったわ。」

「……あと、私って当時は”転校生”だったんです。」

「そうなの?」

「3年生までは他の県に住んでたんですけど、お父さんが死んじゃって…だから私お父さんがいないんです。」

「…うん。」

「それでお母さんのパートのお給料じゃ生活出来ないからって、4年生になった時に私の母方のおじいちゃんが住んでる今の家に引っ越してきたんです。」

「(あの庭先で金属バットを振り回してた人かな?)うんうん。」

「あの時はお父さんが死んじゃったばかりだったし、転校したばっかりで友達もいなかったし、とにかく寂しかったんです。」

「うんうん。」

「でもあの時、私は怖くて何も出来ずに逃げ回ってただけなのに、先輩は盾になって私を一生懸命守ってくれて、勝った後には”俺達すごくない!?俺達あの状態から勝ったぜ!”って言ってくれて、ハイタッチして喜んでくれて、私めちゃくちゃ嬉しかったです。」

「そうかぁ。」

「それで私、先輩のことが好きになったんです。」

「……ん?」

「今も好きです。」

「ハイ!?」

「小学校の頃からずっと好きで、中学生の時も好きでした。それで高校も先輩を追いかけてきました。」

「あの…後輩男子と付き合ってるんじゃないの?」

「え!?あの…告白はされました。でも断りました。先輩が好きだから…。」

「じゃあもしかして、この前の”大好き”って…。」

「大真面目でした。あの時は先輩が正解してくれたら告白するつもりでいたんです。でも勇気が出なくて不正解にしちゃいました(笑)そしたら先輩があんなお願いするから…私のことを思い出してくれるために一生懸命になってくれてすっごく嬉しかったから、思い切って言っちゃいました。先輩は”嘘”だと思ってたみたいですけど(笑)。」

「……ごめん。」

「…エ?」

「めちゃくちゃ嬉しんだけど、エリちゃんはそんな気持ちで俺を見てくれてたのに、俺は正直エリちゃんをエロい目で見てた。最初にエリちゃんが今回のクイズを出してきた時も、エリちゃんのスカートの中が見たくて頑張ってた感じだったし…。でもあの時”大好き”って言ってくれて…それからは何か本気になっちゃって、エロだけの目で見るのは辞めたんだ。信じて欲しい。」

「アレはしょうがないですよ(笑)そういう条件みたいになってましたし。それよりも先輩、今”本気”って言ってました?」

「うん。信じて欲しいんだけど。」

「何が?」

「…ん?」

「何が”本気”ですか?」

「あの…俺……エリちゃんが好きなんだよ。」

「…先輩、もう一回言って下さい。」

「…エリちゃんが好きです。」

「…えへへ(笑)…先輩、”ぎゅ”ってしてくれませんか?」

「え?」

「この前は私がしたじゃないですか。今度は先輩がして下さい。」

私がエリに近付き両手を広げると、エリは私の胸にしがみつくように抱き着いてきました。

あまり力を入れ過ぎないように、でもエリの感触を確かめたいから、ちょうど良い力加減を探りながら、右手はエリの背中、左手はエリの腰辺りにそえました。

「(女の子の身体ってこんなに柔らかいんだ…)」

この時の感動は今でも忘れられません。

「先輩…すっごく嬉しいです。」

「…俺も…グス…グス…」

「先輩?どうしたんですか?」

「ごめん。なんか嬉し過ぎて感情がおかしくなってるんだと思う。前に”この先の人生で彼女が出来る自信がない”って言ってたじゃん。あの時から今はこうなってるから…。」

「あの時私は”そんなことないです!私がいます!”ってすっごく言いたかったんですよ。」

「グス…ゴメン…グス…」

「先輩泣かないで下さい…私も泣いちゃいそうです…グスン…グスン…。」

お互い涙が落ち着くまで待っています。

窓の外からサッカー部でしょうか?

掛け声のようなものが聞こえます。

「先輩…頭撫でて欲しいです。」

私は右手をエリの頭に乗せサラサラな黒髪の上を滑らせると、右手はほとんど摩擦抵抗を感じず流れていきます。

「…先輩………大好き…」

エリからはこの前と同じすごくいい香りがしてきます。

このいい香りがスイッチとなり、私の下腹部に血液が集中してきます。

私は”今はマズイ”と思い鎮めようと試みますが、左手はエリの腰の柔らかさ、右手はエリのサラサラな黒髪、鼻先にはエリのいい香り、背中にはエリの両手、胸にはエリの胸、そして耳からは

「…先輩………大好き…」

という

「三種の神器」

の一つが流れ込んできて、童貞の私にはこの波状攻撃を防ぎきる術があろうはずもなく、スイッチが入ってから5秒も待たず、完全に勃ってしまいました。

「先輩……あの…」

「うん。言いたいことは分かってる。ゴメン。何か台無しな感じだね。」

「大丈夫ですよ…先輩はえっちだもん…」

「もう弁解の余地もありません。」

「…見たいですか?」

「え?」

「私の…その…」

「スカートの…?」

「…はい。」

「見られるのは恥ずかしいんじゃないの?」

「恥ずかしいですけど……今は…そんなに…嫌じゃないかも…」

絡まり合った体を解いた私達は、エリは心の準備をするために、私は今にも暴れ出しそうな”モノ”を抑えるために、お互い背中を合わせて深呼吸します。

すると私の後ろから

「シュルシュル」

という衣擦れのような音が聞こえます。

振り返った私の目に飛び込んできたのは、エリのスカートの裾から黒いブルマが下へ降りていく光景でした。

ブルマはエリの両足に沿って降りていき、やがてその二つの口がエリの両足を通過していき、つま先から抜けていきました。

「エリちゃん!?」

「…何も言わないで下さい…。」

色白の顔を真っ赤に紅潮させ、エリは黙って俯きます。

これ以上何かを言うのは野暮なものだと思い、黙ってエリに近付きます。

「先輩…後は先輩にお願いしても良いですか…?」

「え?」

「…恥ずかし過ぎて動けません…。」

「…分かった。でも嫌になったら言ってくれな?絶対に止めるから。」

「…分かりました…。」

黙って俯き立っているエリの前に跪いた私に一気に緊張が走ります。

ブルマを履いているエリでもこの前はあんなに興奮したのに、それ以上のもの見てしまったら私は興奮し過ぎでショック死するのではないのかと、その瞬間は本気で思いました。

そして私は両手の親指・人差し指・中指でエリのスカートの裾を摘み、ゆっくりと上にあげていきます。

スカートに隠れていたエリの細くて白い美脚が少しずつ見えていく様は、さながら幕が上がり舞台公演が始まる雰囲気のようなものを感じさせます。

エリの“ソレ”は真っ白でした。

フロント部分には小さなレースの刺繍が左右対称に施してあり、上部中央にはそれらの刺繍を繋ぐように小さなリボンが付いていました。

「(これが…エリちゃんの…)」

私は目を見開いて注視していました。

細くて白い美脚の付け根にはあるお尻が、ブルマの締め付けが減った分だけ前回よりもほんの少しだけ大きくなったように存在感を出しています。

「(すごい…この奥にエリちゃんの…)」

こんなことを考えながら、体感的には数十分も経ったであろう時に、私の視界が小刻みに震えているのを感じました。

興奮し過ぎて視界がおかしくなったのかと思い気を張ろうとしましたが、小刻みに震えているのはエリの身体だとすぐに気付きました。

私が顔を見上げると、エリは両手で顔を覆っていました。

手で顔を覆っているので表情は分かりませんが、手で覆い切れていない耳の紅潮具合でエリの心情は十分読み取れました。

「エリちゃん…やっぱり恥ずかしい?」

「……。」

「エリちゃんの足…すごく、細くてきれい…。」

「……。」

「肌も…白くてきれい…」

「先輩…あんまり言わないで下さい…。」

「ごめん。もう十分。ありがとう。」

「先輩のも…見たいです。」

「……うん。」

私はズボンを脱ぎ、下はトランクスだけになると今度はエリが私の前に跪きます。

そして紅潮させたままの顔を、私の息子へと近付けジッと見つめます。

エリの口元と私の息子を交互に見て、”さすがにソコまでは…”と思いながらもよからぬことを想像すると、全身の血液が息子へ集中していくように感じます。

「前にも見せてもらいましたけど、今日は前より何かスゴイです。」

「そうかな?」

「先輩…少し震えてますか?」

「興奮し過ぎて、ちょっとココが痛いかも…」

「トランクスの中がキツそうです。」

「…見たいですか?」

「え?」

私はエリの返事を聞く前にトランクスを脱ぐと、限界ギリギリまで伸ばしたゴム紐のように、私の”モノ”が勢いよく飛び出してきました。

後先考えずに脱いでしまったので、悲鳴でも上げられるかと思ったのですが、エリは黙って私の”モノ”を見つめています。

「私…初めて見ました。」

「それは…その…コレ?」

「はい…小さい時にお父さんとか弟のは見たことありますけど、こういう感じのは…。」

「”こういう感じ”っていうのは…?」

「その…大きくなってるっていうか…。」

「そうか…。」

「先輩も…その……するんですか?」

「え?」

「……あの…どう言えば良いのか分からないけど、”自”分を”慰”めるって漢字で書く…」

「あ、あぁ…エリちゃん興味あるの?」

「クラスの男子が話してるのを聞いたことあるし、女の子も男の人がしてるのを見たことあるって…男の人には弟にも恥ずかしくて聞けないんですけど…。」

「俺には恥ずかしくないの?」

「もうこういう状況ですし…。」

「…俺も男だからするよ。ちょっとヒかれるかもしれないけど、正直に言うとエリちゃんを”おかず”にしたこともある。」

「…”オカズ”って?」

「その…”興奮を高める材料”っていうのかな。エロい本とかビデオとか見ながらするんだけど、人によってはそういうのじゃなくて、”エロかった思い出”とか”理想のエロい想像”とかを思い浮かべながらするんだけど…。」

「それが…私?」

「そう、エリちゃんのこと考えながら…。コレを触るんだよ…。」

「そう…なんですか…。」

「……エリちゃん。お願いがあるんだけど…。」

「…はい…。」

「その……コレを触って欲しいんだけど…。」

「え!?」

「その…”好きな人”に触って欲しいというか…嫌なら本当に断ってくれて良いんだけど…。」

「驚きましたけど、言うと思ってました(笑)。先輩はえっちだから(笑)。」

「もう何とでも言って下さい。」

「あの…どうすれば良いですか?」

「え?してくれるの?」

「良いですけど、どうすれば良いのか分かりません。」

「じゃあ…まずは…」

私に促されたエリは、自身の足に負けず劣らず華奢で綺麗な右手人差し指で、”私の先端”にチョンと触れると、”私の先端”とエリを繋ぐように一筋の糸を引きながら、エリの指の腹を透明で粘り気のある一滴の液体が汚しました。

「あぐっ!」

と、変な声をあげてしまった私を気遣うエリに、半分しか顔を出していない私の”モノ”に覆われた包皮を、エリの左手の親指と人差し指、右手の親指と汚れた人差し指で優しく摘み、小さく引っ張りながらスルスルと下へ下げさせていくと、その姿があらわになりました。

「じゃあコレを握って…」

「…こうですか?」

「ア!…もうちょっと下の方を…そう、その辺り…そのまま扱いて。」

「…”シゴク”?」

「あ、ごめん。ソレを握ったまま上下に動かして…。」

「…こうですか?」

「ハァ…ハァ…もう少し強く握れる?そう、その強さのままもう少しだけ細かく上下に…。」

「…こうですか?」

「…エリちゃん…スカート捲って、もう一度俺に見せてくれる?」

「え!?」

「ハァ…お願い…します…ハァ…。」

「…こうで良いですか?」

「(!!)ハァ…ハァ…エリちゃんの…すごくきれいだ…すごい…」

「…先輩…恥ずかしいです…あんまり言わないで……」

「そのまま……アッ!ダメだ!エリちゃん俺から離れて!!」

私はエリを汚さないように出来るだけ後ろに下がったのですが、

「童貞×オナ禁約3週間×好きな女の子の手×視界には顔が紅潮した好きな女の子×その少し下には好きな女の子のスカートの中」

という公式から導き出される飛距離は、私が下がって稼いだ距離など簡単に上回り、

”どびゅうぅぅ”

と飛び出した白濁した液体は、エリの太ももを汚しながら床に飛び散っていきました。

あまりの気持ち良さに膝がガクガク震え、意識が消し飛びそうでしたが、何とか気を保つと、私の視界には床に飛び散った”液体”を見て、跪いたままオロオロしているエリの姿が写っていました。

「ごめん!!!!とにかくコレを拭かないと!ちょっと近くのトイレからトイレットペーパー持ってくるよ!」

「待って下さい!先輩”そのまま”で行くんですか?私が取ってきます!先輩はズボン履いて待ってて下さい!」

「……ごめん。」

そう言うとエリは空き教室から出て近くの女子トイレへ向かいます。

その時にエリの色白で綺麗な太ももから垂れ下がっていく”汚れた液体”を見て、私は

「エリちゃんを汚してしまった…」

という罪悪感と、言いようがない征服感のようなものを同時に感じていました。

エリが女子トイレから持ってきてくれたトイレットペーパーで床を拭く私に

「私も拭きます。」

と言うので、

「自分で汚したんだから、俺だけで拭くよ。」

と言うと、

「半分は私のせいだもん…」

と言って聞かないので二人で床を拭きます。

「エリちゃん…ごめんね。」

「何がですか?」

「さっきエリちゃんに”エロだけの目で見ない”って言ってたのに、この有り様で…。気持ち悪いよね?最低なヤツだと思うよ。俺、純粋にエリちゃんが好きなつもりでいたんだけど…。」

「あの…全然怒ってないです…。というよりは嬉しいです。」

「そうなの?」

「男の人が”そういうこと”をしちゃうのは仕方ないというか…分かってはいるつもりです。それにさっき先輩は”私のことを考えながらしたことがある”って言ってましたよね?それってその時は私のことだけを考えてくれてたってことですよね?他の人だったら確かに気持ち悪いと思いますけど、先輩だったら嬉しいです。」

「……ありがとう。」

「だから…その…しても良いですよ…。」

「え?」

「他の人だったら嫌ですけど先輩なら…私を”オカズ?”にしても…さっき言ったみたいに嬉しいし。」

「…うん。」

「でも、”他の女の人”のことは考えちゃダメですよ。」

「そのようにします。」

「先輩…もう一度”ぎゅ”ってしてくれませんか?」

「うん。」

先程のようにもう一度エリを抱き寄せました。

「何か…色々ありがとう。」

「私も…ありがとうございます。恥ずかしかったですけど(笑)」

「それについては全面的に謝罪致します。」

「良いんです。私も”最初からこうなるように仕向けた”というか、そんな感じなんで…。」

「…どういうこと?」

「先輩と私って学年が違うじゃないですか?同じ部にはなれましたけど学年の差があるのってすごく”壁を感じる”っていうか、”接点がないな”って思ってて、だから最初に先輩にスカートの中を見られたかもって思った時に、”先輩はえっちな人だ”って直感的に思って…”そういう風にすれば、もしかしたら先輩が私を見てくれるかもしれない”って思ったんです。」

「そこからか…。」

「初めてこの教室に先輩を連れ出した時は、”今から先輩にスカートの中見せるんだ…”って思ったらすっごく恥ずかしくて逃げ出したかったんですけど、”アクション”の前にリアクションは絶対に起きないんだ”って思って、思い切ってやったんです。」

「…俺は上手い具合に転がされたワケね。」

「次にここに来た時にあのクイズの答えを言わなかったのは、”答えを言わなかったら先輩はまた私のことを考えてくれるかも”って思ったからでなんです。」

「…あれはそういうことだったのか。」

「でも少ししたら先輩が部活来なくなっちゃったから、”この前は家まで送ってくれたのに…”とか”変なことしちゃったからヒかれちゃったかな…?”とか考えて、すごく不安になりました。」

「アレは”あのアルバムの写真の謎を突き止めるまでは、エリちゃんには会えない”と思ってのことでして…。」

「今聞けば”なぁんだそうだったのかぁ”って思えますけど、ずっと不安で…だからさっき先輩が声をかけてくれたのがすっごく嬉しくて…それで話を聞いてたらあの時の話で…先輩が私の為にもっと頑張ってくれてたのが分かって…嬉し過ぎて勢いで告白しちゃいました(笑)」

「これで全部繋がったワケか。」

「そうですね~(笑)」

「……もしかしたらなんだけど、今回の件にリナって関わってる?」

「……はい。先輩のことリナさんに相談してました。」

「…やっぱりか。」

「リナさんは”アイツはバカだから結構分かりやすくアプローチした方が良いよ!”とか”スケベだから誘惑すれば簡単にオチるよ!”とか先輩のことバカにしててちょっと嫌でしたけど、私の気持ちを親身になって聞いてくれたから、相談して良かったと思いますし、リナさんのことは尊敬してます。何で分かったんですか?」

「う~ん。まぁその話は置いといて、そろそろ部室に戻ろうか?リナに確認したいこともあるし、場合によっては正座させて説教しないといかんかもしれんし。」

「えぇ!?何でですか!?」

「まぁまぁ…戻ろうか。あの…一応の確認なんだけど、エリちゃんは俺の”彼女”ってことで良いのかな?」

「はい!先輩は私の”彼氏”ってことで良いですか?」

「うん。こんな俺で良ければよろしくお願いします。」

「こちらこそよろしくお願いします。」

その後部室に戻り、

「あれ~?今日はもう帰ったかと思ったよ。どうしたの~?」

というリナの脳天に軽くチョップをし

「いた~い!何すんの!?」

というリナを連れ出し、先程のことを(エロい場面は省いて)説明すると、

「何!?や~っと告白したの!?遅過ぎ!二人の話を聞いた時は”ドコの恋愛ドラマだよ!!”って思ったし、”お互い好きなんだから早く付き合っちゃえよ!!”ってずっと思ってたよ!」

と捲し立てられ、事情を全て聞きました。

リナは私と気軽にやり取りしているのでエリに探りを入れられたけど、自分が彼氏持ちだと告げると、今度は相談されたらしいです。

エリが小学生の時の話もその時に聞いたそうです。

そして私の気持ちを確認してからは、いわゆる”神様目線”でことの成行きを楽しんでいたそうです。

「全てはアタシのお陰だね(笑)これからは”リナ様”って呼んでもいいよ?あと、お礼はマックでいいよ。彼氏の分もね。」

などとリナは調子に乗っていたので、脳天にもう一度チョップしておきました。

色々ありましたが、私に”人生初の彼女”が出来ました。

そして、そんな私に”人生で初めて彼女がいる夏休み”が間もなく訪れようとしているのでした。

最後までこのような駄文にお付き合い頂きありがとうございました。

前回までのお話しで評価を頂けた方々、誠にありがとうございます。

また時間がある時に続きを書いていこうと思います。

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